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緑内障30 istent (アイステント) 最新の白内障併用緑内障手術
4月から保険診療で認可された新しい緑内障手術、iStent(アイステント)ですが、
当院では開始後3ヶ月で13例を執刀しました。(出張の非常勤手術は除く)
まだ術後短期の成績ですが、今のところ13例全例が手術前と比べて眼圧が下がっていて、約半数は緑内障点眼薬を全く中止した状態でしばらく様子をみられる状態になっています。
初回の患者様ではistentの挿入手技に5分程かかっていましたが、10例くらい経験すると2分もあれば挿入可能になります。非常に低侵襲で将来性のある有望な手術です。
今日はアメリカの会社から取材があり、英語が苦手な僕はドキドキしていましたが日本語の対応で大丈夫でした。
今日はistentの一般的な説明を記載してみます。

緑内障30 istent (アイステント)
最新の白内障併用緑内障手術


istentを簡単にまとめると、
軽症の緑内障の人が、白内障手術を受ける時に、同時にistentを隅角に挿入すると、術後に眼圧が少し下がることが多く、点眼薬が減ったり不要になるケースがある。数分の治療で費用も保険診療に含まれる。
という手術です。
*緑内障の末期の患者さんが、失明するかしないかという時に検討をする手術ではありません。(そういうケースは多くはトラベクレクトミーという術式が選択されます。)

専門的ですが、手術を受けられる人の適応を記載します。
〜甦中期の開放隅角緑内障患者で白内障を合併している人
 (現時点では白内障手術を受ける時の同時手術しか、保険が通りません。緑内障が進行期・末期の人は適応外です。)
20歳以上の成人 (小児は受けられません)
0柄阿北椶涼罎亮蟒僂鮗けた人は適応外。
こ放隅角のみ適応。
 (隅角に癒着など、特殊な病態があると受けられません。)
イ修梁勝角膜や水晶体の状態により受けられない人がいます。


こちらは眼科医側の問題ですが、資格申請に最低以下が必要です。
A. 白内障手術の経験が100件以上(僕は約20000件)
B. 緑内障手術(レーザー治療除く)の経験が10 件以上(僕は約1000件)

具体的な手術手技は次回記載します。
| 緑内障 | 15:37 | comments(0) | - |
緑内障29 緑内障のセカンドオピニオンと手術適応
今晩は宮井副院長に勉強会の講師の予定があり(これも緑内障)、手術数を制限したため、僕は夕方から暇でゆっくりとした夜です。

外来が慢性的に混んでいて、予約の患者様でも待ち時間が長くなり申し訳なく思っていますが、傾向としては第5週の数日は殆どの場合で空いているようです。
そして、僕が担当の土曜日の外来は殆どの場合で待ち時間が長くなってしまいます。土曜日は初診の方、普段仕事の若い方、そして遠方からのセカンドオピニオンの方が多くいらっしゃるためです。
以前にも記載したことがありますが、基本的には僕は遠方の患者さんの手術を引き受けるのをためらいます(術後管理まで含めて責任を持ちたいので)。
が、せっかく何時間もかけていらして頂いた方に、何のメリットもなくお帰り頂くことになるもの心苦しく感じています。
今日はせっかくいらっしゃる患者さんが無駄足にならないよう、緑内障のセカンドオピニオンに関して記載してみます。

緑内障29
緑内障のセカンドピニオンと手術適応


‐匆霈が必要です。
まず、緑内障のセカンドオピニオンについてですが、ある程度の説明をするにも、絶対に紹介状(診療情報)が必要です。
緑内障の治療方針は、「眼圧がいくつであるか?」よりも、「今の治療法と眼圧で悪化傾向があるか?」「悪化するスピードはどの程度なのか?」によって、より強い治療に進むべきかを検討するからです。
数年分の視野や眼底写真、OCTの結果をみて、はじめて正確な経過が把握できるのです。
患者様によりますが「以前よりも見えなくなっているから手術をしてほしい」「主治医から視野が悪くなっていると言われているから手術をしてほしい」と訴える方が数多くいらっしゃいます。
僕は緑内障手術(特にトラベクレクトミー)はリスクも高く、できる限り受けないほうがよく、「他の方法では失明が防げない時に仕方なく受けるもの」と考えています。
「悪くなっている」と仰る患者さんの話を疑うわけではありませんが、明確に悪化傾向があると判断できる根拠なしには、リスクのある手術を検討することはできないのです。

眼圧が10以下の患者さん
比較的多いセカンドオピニオンに、「緑内障できちんと通院して、点眼薬もさぼっていないのに、どんどん見えなくなっている。」という可哀想なケースもあります。
現状で眼圧が30とか40と高い状態が続き、視野も悪化傾向であれば、もちろん手術を検討すべきですが、もし眼圧が安定して10以下でいるのに悪化傾向であれば、残念ながらそれは現在の医学の限界であり、セカンドオピニオンで病院や主治医を変えても意味がありません。
緑内障の治療で絶対的な効果が証明されているのは、唯一「眼圧をさげること」ですが、実は眼圧が低くても進行を止められない症例もあるのです。眼圧を下げることで進行を遅らせることはできますが、イコール全く進行しない。という意味ではないのです。
悪化傾向であっても眼圧が10以下でコントロールされているのであれば、主治医の先生は決して無力ではなく、できる限りの治療を頑張っていると思ってあげてください。

手術適応と考える眼圧
緑内障の手術方法は数種類ありますが、最も重要なトラベクレクトミーに関していうと、僕は15未満で変動が少ない人の手術はまず行いません
(日内変動が大きい人や、毎回測定のたびに眼圧が上下する場合ば別)
先日のセカンドオピニオンで、「キサラタンのみ使用していつも眼圧が11だけど、手術を勧められた。受けていいか?受けるなら山王台で。」というのがあり、当院での手術はお断りしました。
緑内障手術を受けるからには、手術前よりも眼圧が下がらなければ成功とは言えません。かといって、眼圧が5未満では低眼圧という状態で様々な合併症を生じますので、術前眼圧が11の人が手術を受ける場合、術後の眼圧が安定して6〜10になる場合のみ成功といえます。眼圧を一桁にする目標を立てることはいいことですが、これを100%の患者さんに達成できるかというと、今の医学では絶対に不可能です。理想と現実は異なります。
術前眼圧が40であれば、6〜正常上限の20が通常の目標ですが、最悪30だとしても一応はやってよかったと言えます(もとよりは下がって進行が遅れるので)。つまり眼圧が高い人ほど手術の成功率も高く、適応は広くなります。
世の中には眼圧が10でも手術を勧める先生がいるようですが、僕はその手術を高確率で成功させる自信はありません。
そして、トラベクレクトミーは一度受けてしまうと、後戻りはできません。濾過胞への房水の抜け道(レクトミーホール)を作ってしまうと、抜け道・レクトミーホールからの流出がメインとなってしまい、もともと備わっている隅角からの房水の排出路は機能しなくなってしまうのです。将来的に濾過胞がダメになってしまった時には、本来の隅角からの流出も期待できないため、トラベクレクトミーを受ける前よりも眼圧が高くなってしまうリスクがあるのです。
もし眼圧が10で手術を勧められた場合は、その先生は「術後の眼圧の目標をいくつと設定しているのか?」「術後の眼圧がどの程度の期間に渡って安定する見込みがあるのか?(特に若い人の手術は長期を検討)」「成功率を何パーセントと考えているのか?」を相談して、ご自身が納得いけば手術を受けてもいいでしょう。
ただし、僕が思うにそれはものすごく難しいことで、そして眼圧が15以下で手術を勧めるということは多くの眼科医にとって一般的ではありません。

い泙困麓膽0紊寮萓犬帆蠱未
当院は基本的に全ての患者さんで、「付き添いの方は一緒に診察室に入って下さい」とお願いしています。病気の説明も複数で聞いた方が漏れがありません。点眼薬や食生活の管理がうまくいっているか、送迎が可能かなども確認できますし、緑内障など遺伝傾向がある疾患では簡単に診察をしたりもします。
セカンドオピニオンの場合もご家族一緒に説明しているのですが、「かかりつけの先生には一緒の説明を聞いていますか?」と質問すると、面白いことに多くの場合で「NO」というお返事をもらいます。
マンツーマンのやり取りはどうしても偏りがあったり、理解不良になる原因となります。わざわざ何時間もかけて当院にセカンドオピニオンに来る前に、まずは家族全員でかかりつけの先生に「治療は上手くいっているのか?悪化傾向なら他の方法が考えられるのか?」、相談をしてみては如何でしょうか?
| 緑内障 | 19:50 | comments(0) | - |
緑内障28 iStent (アイステント) 最新の白内障併用緑内障手術(日本初認定)
今日は手術が早く終わり、久しぶりに緑内障の新しい話題を。
眼科専門医という資格はありますが、実は眼科医が「私は緑内障の専門」とか「角膜の」「網膜の専門」とか名乗るのは本当にそういう資格があるわけではなく、その医者が自分で勝手に名乗っているだけで、緑内障手術を1件も行っていない先生が緑内障専門と名乗っても一応は問題ないのです。
僕は基本的になんでもこなす方のオールラウンドタイプですが、自分では網膜硝子体手術を一番の専門として名乗っています。決して緑内障の専門科とは名乗っていないのですが、年々緑内障手術の紹介が増えてしまい、非常勤手術も合わせると年に約200件の緑内障手術をしているようで、茨城県ではいつの間にか1番多くなってしまいました。
緑内障は自覚症状に乏しく、通院が途切れやすいことでも有名ですが、当院の通院継続率の高さを学会発表した経緯から、今年は大手製薬会社さんの緑内障管理のパッケージ管理というパンフレットの作成で特許を取らせて頂いたりもしました。(このパンフレットが全国に浸透して、ベースライン眼圧を測定しない医者が激減することを祈っています)
「あれ?いつの間にか緑内障も専門に?」と自分でも不思議に思っているのですが、本日、新しい緑内障手術の正式な認定証を日本で一番初めに頂く事ができたようなので、報告してみます。
(iStentを国内で使用可能にするために臨床治験などに尽力頂いた評議員の5名の先生方を除いて、正規の講習を受けた中で1番目になります。)

iStent (アイステント)
緑内障という病気は不可逆性で、失った視野・視機能を回復する方法がありません。現在の医学では点眼薬、レーザー、手術などによる治療で眼圧を下げることで進行を抑制することが治療の目標になります。
日本ではまずは点眼薬を使用して眼圧を下げることが最も多く行われていますが、多数の点眼薬を使用しても眼圧の下がりが悪い場合や、病状の進行が止められない場合、副作用で点眼薬が続けられない場合などには手術による治療が行われます。
緑内障手術にもいろいろな方法がありますが、一般的なものは以前のブログを参照ください。
緑内障ブログ(隅角形成、エクスプレス、バルベルトなど)
血管新生緑内障のブログ(通常のトラベクレクトミーはこちらに)

今回新たに国内で承認された手術は、iStent(アイステント)というチタン製のステント(筒)を、房水の主流出路であるシュレム管に突き刺して、房水の排出を増加させ眼圧を下げる手術です。

直径わずか1mmのステントを、下図の赤矢印のように隅角(房水の出口)に突き刺す手術になります。

トラベクレクトミーほどの眼圧下降効果はなく、基本的には緑内障で失明リスクが差し迫った患者さんのための手術ではありません。緑内障で加療中の人が白内障手術を受けるときに併用して、術後に点眼薬を減量できたり、上手くいけば点眼薬が不要となることを目標とする手術です。
手術適応や特徴などは次回のブログで記載します。

眼科医の先生にもブログを見て頂く事が多いようなので、認定までの具体的なスケジュールも書いておきます。
3月25日に国内承認。4月9日の日眼総会後に初回講習会(今後も適宜開催予定;詳しくはグラウコス社に)。その後4月13日、自院にてグラウコス社の担当者とウェットラボ(ハンズオン)。4月14日に初回手術1例。17日に1例。19日に2例。本日26日1例。(全て国内の担当者立ち合い。)
本日アメリカからグラウコス社の専任アドバイザーがきて(今日はMark.Mさん)、実際に手術室で手術手技に問題がないことを確認して頂き、晴れて認定証がもらえました。
| 緑内障 | 22:58 | comments(0) | - |
患者さんの家族の協力
珍しく2日連続でブログ更新!
実は上の娘二人が通う学校に寮ができて、体験入寮という形式で日曜から土曜までまるまる1週間、面会謝絶の状態です・・・。寂しい反面、僕自身は時間が空いて仕事がはかどっています。
小学1年生の子に大丈夫だろうか?と本心では心配していますが、うちの子含め、最近の子供は間違いなく過保護に育っていますし、自立心・自尊心の形成にはいいことなのかな?学校の先生方も大変でしょうが、信じて見守る今週です。

実は、僕の外来では患者さんに結構厳しいことも話すのですが、今日はそれについて。

患者さんの家族の協力
僕は毎週必ず、糖尿病網膜症の手術をします。多い週は網膜症の手術だけで10件をこえることも。
網膜症にもいろいろな病態があり、出血で濁って見えない人が手術で視力を取り戻すケースもありますが、多くの眼底疾患の手術は「回復ではなく、失明を防ぐため。悪化を防ぐため」の手術であり、白内障と比べると術後に喜んでもらえることが少ない手術です・・・。
それでも、治療をして将来の失明を防ぐことに僕はやりがいを感じています。
そして、せっかく一度救った目が再度悪化して再手術をしたり、最終的に見えなくなっていくのを見るのは、本当にやるせない気持ちになるのです。

糖尿病で網膜の血管が半分詰まった時には、レーザー治療で網膜を半分殺して、目の機能を半分にすることで、残った半分の血液で網膜を賄える状態にバランスが取ります。手術でレーザーを追加したり、出血を洗い流したり、増殖膜(カサブタ)を除去したり。網膜の手術の成績は日進月歩で、大出血で失明というケースはほとんどない時代となりました。
しかし、レーザー治療も手術治療も決して網膜の血流を正常の状態に戻したわけではないのです。半分の血流で賄えるように一度バランスを取っただけ。
その後にさらに血管が詰まって、血流が30%しかなくなればバランスが崩れ、20%間引くための追加の治療が必要ですし、最終的に全ての血流がなくなったら誰がどうやっても失明してしまうのです。

当院かかりつけの患者さんは、よくご存じだと思いますが、僕はその後の全身コントロールに関して、かなり口うるさい医者です。
せっかく一度助かった目が再度悪くなっていくのが本当に嫌なのです。いつもお願いをしていますが、
・糖尿病網膜症で手術を受けたような人は絶対に禁煙をして頂きます。
外来で煙草臭い人がきたら、ポケットにあった煙草を診察室で捨てることも多々あります。
厳格な血糖コントロールや血圧コントロールにも口を出します。
糖尿病もピンキリで、不摂生の塊のような人の血糖がよかったり(軽い糖尿)、食事も運動も禁煙もしっかりやっているのに血糖が下がらない(悪い糖尿病;家族歴など)。そういう可哀想で重篤な糖尿病の方もいるので一概には言えないのですが、外来でまだまだ努力の余地がある人がいれば、いろいろとキビしいことを話してしまいます。

ここでお願いなのですが、糖尿病の管理というのは一人ではなかなか難しい
のだということを、家族の方にも必ず知っておいてほしいのです。手術前後は基本的に全患者様のご家族をお呼びしていますが、そこで僕がよく言っているとても嫌味なセリフがあります。
「普通の家族が外出後にお饅頭やアイスのお土産を買ってきたら、ほほえましいと思うのですが、あなたが食事の調節を考えずに、ただ患者さんにアイスを買ってきて渡したら、早く死ね。と言っているのと同じですよ。」
自分でもかなりひどいことを話していると思いますし、伝えた直後にご家族の表情が強張っていることに気が付くことも多々あります。
が、憎まれても、これが僕の仕事なのです。

糖尿病網膜症で手術が必要になった方の多くは、あまり自制心が強い方ではありません。(全員がそうだといっているのではなく、ある程度の傾向があるという意味。きちんとしている患者さんも沢山います。)そういう人のそばで、家族が好きなものを好きなだけ食べている時に、「あなただけ我慢して」というのは現実的でありません。
煙草も同じです。禁煙後の再発は周りの人が吸っていたので。というのが一番のリスクになるのです。
眼科でご家族含めて説明した後は、かかりつけの内科様にも、家族全員で一緒に受診して「どうやったら血糖コントロールがよくなりますか?」と聞いてきてもらうようにしています。

目が見えなくなった人を、ご家族自身で介護するというのはものすごく大変なことです。目が見えている間に、食事や運動に気を使ってあげたり、緑内障の人は朝晩目薬をつけてあげたり。そっちの手間の方がよほど楽なはず。
糖尿病、生活習慣病、慢性疾患はご家族の方の協力で予後が大きく異なります。受診時はできる限り一緒に診察室に入るようにして下さい。

「若造がえらそうな事を言いやがって!!」と思う方も大勢いるかと思います。そう思われても、術後も禁煙できずに失明していく人を見るほうが僕は嫌なのです。

眼科医だから「目だけ見てればいい」とは思いません。当院で手術を受けた人が、生命予後も、そしてその後の人生観まで変わってしまうようなお手伝いができればと思って診療を心がけています。
| 糖尿病網膜症 | 23:18 | comments(2) | - |
医院の特徴と患者さんの選択
しばらくブログを更新しないと、様々な方面から元気がないの?と連絡を頂きますが、全くそんなことありませんよ!
・金曜の夜は丸の内で勉強会の講師(終電遅延・・・。)
・土曜は栃木県で手術(硝子体・緑内障など10件)
・日曜は京都で企業のアドバイザリー会議(新幹線日帰り)
・月曜は当院で手術などなど多数
・火曜は午後にひたちの眼科で硝子体7件
・今日は当院で白内障9件、硝子体8件、緑内障濾過手術2件
毎日パワフルに働いています!
(今日一番の難症例は宮井副院長の増殖糖尿病網膜症で、僕より大変そうでしたね。スタッフの皆さんはあとかたずけもあり大変でしたが、この重症度と件数で18時に終われるのは当院の誇らしいところ。いつもありがとう。)

今日は県外からの網膜剥離の紹介もありましたが、入院ベットが満床にて日帰り手術。明日前医様受診の約束でお戻り頂きました。
が、基本的には遠方からの手術は極力お断りしています。

あそこの医院ではOKなのに、ここではダメなの?という物事ってありますよね。
医院と患者さんにも相性があるのだと思います。
医師は基本的には受診された患者さんを診療する義務がありますが、基本的に当院はこんな医院です。ということに関して記載してみたいと思います。

当院の方針

 ̄麒の患者様の手術は、原則紹介状のある方のみ
本日の網膜剥離患者様は県外からですが、よく知った先生からの紹介です。治療後の観察も安心してお任せできます。このブログを見て頂くこともあるのか、わざわざ飛行機でいらして頂く患者さんが毎週必ずいます。ネットを利用するくらいですので、どちらかというとお若い患者さんが多いのですが、みなさんお仕事をされている方が多いようです。手術希望で来る時には「術後の観察も必ず来れます!」と多くの方が言うのですが、実際に手術が終わってしまうと予定通院が守れなかったり、「その週は仕事で。3週後ならこれます。」などと、なかなか受診が安定しないケースを多々経験しました。
手術って、予定通りの結果にならないことや、術後に使う点眼薬が合わないなど、様々なリスクがあるのです。手術をやってしまって、術後の診察ができない。どこかの先生に任せてしまおう。ということは僕たちにはできません。
信頼している知り合いの先生に任せる場合は別ですが、もし他院様で術後観察中にトラブルが起こった場合は、どちらの先生が責任を取るのでしょうか・・・。
苦労して遠方から受診して頂くのはとてもありがたいことですが、やはり手術は術後まで含めて責任をとれる状況でのみ引き受けたいと考えます。
(診療相談など、セカンドオピニオンは遠方からでも全く問題ありません。また遠方からでも紹介状があれば別です。紹介状の内容である程度のお相手の先生の考え方が判断できるものです。)

外来手術は付き添いが必要です
当院では、以前より視力に影響する手術を、外来手術で行う場合には極力付き添いをお願いしています。白内障手術がいくら簡単に終わるといっても「自分で運転してきました。」というのは僕はどうかと思うからです。
「お酒を飲んでも私は運転大丈夫。」「てんかんの薬を飲み忘れたけど、きっと僕なら大丈夫。」と口で言うのは自由ですが、万が一事故の時に相手の被害者の方にそんな言い訳が通用するでしょうか?
例えば、我が子が事故にあった時に、眼帯をしてる人や前日に白内障手術を受けた人が車から降りてきたら、みなさんは相手の人を許せますか?
もともと片眼で運転の資格を更新している人と異なり、手術後の片眼眼帯での運転はリスクが高いのは当たり前ですし、手術翌日の視力検査では両眼1.0が見えてもショボショボして見え方が不安定なことだってあるのです。
当院では手術によってある程度の目途(両眼白内障なら4日目から)と、実際の診察の結果をみて運転再開の日時をお伝えし、その期間の付き添いや、送迎(公共の交通機関含めて)が難しい人は入院をお勧めしています。
先月の実話ですが、県南のショッピングセンターで白内障手術を受けた患者さんが、夜になって目の具合が悪いと救急隊から紹介を受けました。まず手術当日に担当医と連絡が取れなかったことにビックリしましたが、さらに驚いたのは、片目がほぼ失明している目で、反対の目の白内障手術をして、そのままボンヤリした視界で、自分で車を運転して帰ったというのです。そして夜に眼圧が高くなり、当院を紹介されても運転ができないと。。。
「全て日帰りで対応できます!」と広告する医院が増えていますが、飲酒運転で、お酒を提供したお店にも罰則があります。術直後の患者さんが事故を起こしてしまったら、医院の責任は??。僕は怖くて手術できません・・・。
先日、認知症の方の運転免許に関して法令の改正がありました。基本的には認知症と診断を受けると免許の返納をお願いする方向になるようです。認知症薬を処方している医師は、患者さんの免許に関して刑事的責任はないようですが、民事的な責任は問われうる。という厳しいものになります。
手術直後の運転を許可した場合には、眼科医も民事的な責任は追及されうるということなのでしょう。
(手術を断りたくて書いているわけではありません。通院が困難な人、ある種の認知症の人、全身状態が悪くて心配な人は入院がベターだという意味です。)

6杁淌戞重症度の高い方の治療を優先します
医療って、万人に対して完璧な対応ができればそれに越したことはありません。多くの医者が若い時には、そこを目指すのですが、マンパワーもお金も有限ということに気が付き、自分たちにできる範囲で現実的にやれることが目標となっていくのだと思います。
多くの患者さんを治そうとすれば、どうしても待ち時間のコントロールがうまくいかなくなりますし、逆に患者数は少なくても念入りに診察したいという医院もあります。待ち時間というと自動会計システムやインターネット予約などの導入を考える医院もありますが、そこに経費をかけるなら、最高の手術機器や最新の検査機器の導入を夢見る医院もあるのです。
当院は第一に緊急度・重症度の高い治療を優先しています。「今手術が必要!」というケースがあれば、緊急手術で急に外来が中断して待ち時間が長くなったり、外来の担当医が変更になることもあります。
もちろん、それで待ち時間が延びてしまった患者さんには申し訳ないと思います。ただ、当院のかかりつけの患者さん本人が、急に重篤なケガや疾患を発症した時には、どの医院より早く治療ができるように尽力しているつもりです。
それがいいことか、悪いことかは人によって価値観が異なりますが・・・。

久しぶりの記載で長文になってしまいましたが、基本的にはかかりたい医院を選ぶのは患者さん自身ですし、なんでも相性だと思います。
ハキハキと指導する少し怖い先生を好きな患者さんもいるでしょうし、物腰が柔らかいと優柔不断に見えますが、優しいといわれる先生を好む患者さんもいるでしょう。
当院をよいと思っていただける方もいるし、他の医院様を希望される方もいるでしょう。
今日の投稿は当院を受診する際に参考にして頂ければと思います。
| クリニックのこと | 23:29 | comments(0) | - |
H28年の治療実績
あけましておめでとうございます鏡もち
年末に2名の網膜剥離の患者様の紹介があり、元旦も診療となりましたが本日無事に退院となりました。
今年は短いお正月休みですが、あさっての4日からは手術が目いっぱい予定されていますので今日はゆっくり休みます。


H28年の治療実績を集計しました。
昨年もとにかく重症例の患者様の紹介が多かった1年でした。
日本中というか、世界中で抗VEGF薬の注射による治療が伸び続けていますが、当院でもとうとう年間の注射件数が1000件を超えました。
糖尿病網膜症などで注射で抑えるケースもあり、硝子体手術の件数は減るはずですが、どうにも当院に紹介となる症例は網膜剥離など手術以外では失明を防げない患者様が多いようです。眼科では最も大変とされる硝子体手術の件数は386件と大幅に伸びました。
宮井副院長のおかげで、1年程前は手術の待ち時間が大幅に減ったのですが、最近また少しづつ伸びているような・・・。白内障は視力良好の軽症例や、術後通院が難しそうな遠方からの患者様の手術はお断りしているためか、少し件数が減りました。
今年も近隣の重症患者様を中心に、地域医療の中核として頑張ります!

治療実績(H28年1月〜H28年12月)

観血的手術合計 2365件
内訳
・白内障手術 1542件(眼内レンズ交換含む)
・網膜硝子体手術 386件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔     ・黄斑前膜など)
・緑内障手術 117件
・眼瞼(まぶた)の手術 131件(眼瞼下垂・さかさまつげ・霰粒腫など)
・結膜の手術 120件(翼状片・結膜弛緩症など)
・角膜の手術 41件(角膜移植・角膜形成術など)
・涙器の手術 12件
(NSチューブ・涙嚢の手術)
・その他の手術 16件(斜視、レンズ整復、瞳孔形成、眼窩など)


レーザー手術合計 292眼
内訳
・網膜光凝固 117眼(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・緑内障レーザー 19眼(SLTレーザー・虹彩切除LI)
・YAGレーザー 156(後発白内障に対するレーザー)

*手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。 白内障の手術時に、逆さまつ毛や眼瞼下垂の手術を追加で行うことがありますが、それらはカウントしておりません。

抗VEGF薬 硝子体注射 1053件加齢黄斑変性症や黄斑浮腫などに対する注射です。ルセンティス・アイリーア・アバスチン)

ステロイド薬 テノン嚢注射 401件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫、ぶどう膜炎などに対する注射です。トリアムシノロン・マキュエイド)
| 治療実績 | 22:21 | - | - |
白内障術後の眼鏡作成に補助がおります(石岡市)
当院では今週だけで12件の硝子体手術がありました。
5月は非常勤で出張手術をしている、ひたちの眼科様でも硝子体12件、もりや眼科様でも硝子体12件と、難症例の執刀が増えています。
当院で手術に使用しているのは現在最上位の硝子体手術機器であるコンステレーションですが、春からは土浦市の尾澳祺瞥佑任眛各頂きました。僕が伺う医院のほとんどでコンステレーションが導入され最小の27ゲージ(0.4mm)での傷口での手術ができます。一部の超重症例の除き、開業医様でも手術が可能となっています。網膜・黄斑疾患で手術が必要な方で、遠方の患者様はまずはお近くの眼科さんに相談してみてください。(入院が必要など重度の病態では当院に紹介になります。)

さて、近隣では石岡市に限っての話ですが、白内障の手術後に眼鏡が必要な場合の作成費用に補助がおりるようになりました。
老人性白内障補助眼鏡等購入費用助成事業
これまでも古河市など、茨城県内で眼鏡作成に補助がおりる市町村がいくつかあり、羨ましいと感じていました。市議の方に「石岡市はどうでしょう?」なんて相談をさせて頂いたこともあったのですが、この春から認めていただけたようです。尽力頂いたご関係者の方々、誠にありがとうございます。
石岡市のホームページより抜粋させて頂きます。
目的:
65歳以上の高齢者が老人性白内障の治療により水晶体の摘出手術を受けた場合,補助眼鏡等の購入費の一部を助成することにより,経済的負担の軽減や外出の手助けになります。
対象者:
市内在住であり市県民税が非課税の65歳以上の方で,視力矯正のため補助眼鏡等を使用する必要があると医師が認めた方。(ただし,生活保護法等その他の規定により,補助眼鏡等の購入に要する費用の支給を受けることができる方を除く。)
内容:
老人性白内障補助眼鏡等の購入費の半額で,20,000円を上限に助成します。
また,お一人につき一回の助成となります。
申請方法:
申請書に必要事項を記入し,本庁・高齢福祉課(長寿いきいき館)で申請してください。
また,申請時に下記のものが必要になります。
補助眼鏡等を購入した際の領収証(使用者本人の氏名が記入されているもの)
医療機関の証明書
使用者本人若しくは家族などの振込先口座番号などを確認できるもの
認印

とは言っても、地域柄、当院では裸眼での運転免許証の更新を希望される方が多く、乱視矯正を得意とする当院ですので、術後は裸眼で過ごす方がほとんどかと思います。老眼鏡も乱視が少ないと既製品でも見えてしまうので、実際にはデスクワークなど手元を優先にあわせた患者様など、対象の方は多くはないと思いますが、眼鏡作成に関して質問があればお問い合わせください。
| 石岡市・茨城県 | 21:02 | comments(3) | - |
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