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11月の手術実績
寒くなってきましたね。空気も乾燥して、風邪を引いてしまった人が外来にも目立つようになりました。ウガイ・手洗いをマメに行いましょう。
眼科では暖房器具の使用や、湿度が低くなる季節で、ドライアイが悪化する事があります。冷たい風にあたると涙が出る。なんていう人も増えてきます。
暖房器具の使用は仕方ありませんが、ドライアイの人は、エアコンやファンヒーターの直風を顔に当てない工夫や、加湿器をつける。少し目薬を多くつける。なんていう対策を考えましょう。

今日の午後は手術のみですが、
・白内障手術 11件
・翼状片手術 1件
・網膜硝子体手術(茎離断) 3件
 (糖尿病網膜症2件、動脈瘤破裂による硝子体出血1件)
みなさん、手術はバッチリですグッド


緑内障の続きは、明日からにして・・・、
11月分の手術数を集計しましたので、掲載します。
(今日の夜間救急がなければですが・・・。)

手術合計 107件

内訳

・白内障手術 70件

・網膜硝子体手術 16件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・涙器の手術 2件(NSチューブ)
・眼瞼(まぶた)の手術 7件(眼瞼下垂・さかさまつげ・霰粒腫)
・結膜の手術 4件(翼状片・結膜弛緩症)
・緑内障手術 3件
・その他の手術 5件(斜視、角膜、瞳孔形成、網膜復位・強膜内陥術など)

レーザー手術合計 14眼
内訳
・網膜光凝固 7件(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 7件(後発白内障に対するレーザー)

*手術数は、分院である小美玉市医療センターとの合計数です。手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。 白内障の手術時に、逆さまつ毛や眼瞼下垂の手術を追加で行っておりますが、それらはカウントしておりません。また、病気が古くてNSチューブが挿入できなかった症例などもカウントしていません。

抗VEGF薬 硝子体注射 24件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 18件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

一応、月ごとに集計しているのですが、最近の手術件数は、だいたい100件位で安定しているようです。手術の順番待ちは2月下旬までいっぱいなので、もう少し効率をよくしたりして、1日の手術件数を増やせればとも思いますが、なかなか時間的にも難しいですよね。将来的には、あと半日くらい手術日を増やすのもいいかもしれませんね。(外来が減ってしまうのも困るのですが。)

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)
| 治療実績 | 21:39 | comments(0) | - |
緑内障 動的視野検査:ゴールドマン
今日のお昼は手術でした。無事に終わっています。
・白内障手術 4件
・翼状片手術 1件
・眼瞼下垂症手術 2件

眼瞼下垂は炭酸ガスレーザーといって、レーザー光線で止血をしながら、組織が切れる。というメスを使用して行ってみました。確かに出血しなくて、手術が終わった瞬間からキレイ見る
手術はなんでもキレイに越したことはありません。医学の進歩ってすごいときめき
明日の午後は、眼瞼の手術ばかり10件もさせて頂く予定なのですが、レーザーメスの威力を実感してみたいと。術式や経過などは後日報告いたします!


緑内障
動的視野検査:ゴールドマン視野計


先日までは、静的視野検査、光がある一点で急に光かって、それが見えたらボタンを押す。という検査の説明をしました。
今日の話題の動的視野検査、ゴールドマン視野計は、光の指標を動かして行って、光が見える範囲に来たら、ボタンを押して頂く。(病状によっては、見える場所から始めて、見えない場所になったら。というのもありますが)
という検査です。指標が動くので動的視野検査。


この大きなドーム状の器械、ゴールドマン視野計を使います。患者様は、椅子に座って、矢印の部位に顔をのせ、半球の中をのぞきます。


本来は、その後に、部屋を暗くして、青矢印の先にじっと見つめる指標(固視点)が光るので、そこを見続けます。検査員が光った指標を、視野の外側の方から、ゆっくりと内側に移動させますが、光が見えるようになった時に、ボタンを押していきます。
最初は大きく、強く光る指標から測定し、徐々に小さく、弱く光る指標へと変えて測定ます。

これは、正常な人のゴールドマン視野の結果です。

赤矢印の部分が物を視野の中心部になります。左目の検査結果ですが、通常の人はこのように、鼻側よりも耳側のほうが視野が広くなっています。
緑の矢印の部分は、以前に何回か説明した、マリオット盲点になり、脊椎動物はみんな見えない場所です。。
一番外側の青い輪は、最も強く、大きな光の指標で測定した「見える範囲・視野」になります。赤、青、赤と、円が内側に向かうほど、弱く小さい光の指標で測定した結果となっています。
(赤や、青などで結果に色をつけるなどは、病院や派閥によって手法が異なります。結果の見やすさや、しきたりなどの問題です。)


実際の緑内障の患者様のサンプルです。
スキャナを準備するのが面倒で、結果を写真で取って載せています。見にくかったらすみません。(晩酌をしながらだったり、一部手抜きをしながら書いています。長く続けるために負担を減らして行こうかと。誤字脱字もご了承ください。)


これは、上方の視野が大きく欠けている患者様です。右下のほうも欠けていたり、中心から少し下の部分に円形に視野が欠けている場所(暗点:あんてん)もあります。


これは、右下の視野が欠けている患者様です。緑内障の視野欠損では、このように、視野の欠損の状態が上下で差があることが特徴的です。


これは、視野が欠けている。というより、中心部と、少し右下に見える部分がある。というレベルです。見える場所がパラパラと離れているので島状視野(とうじょうしや)なんて呼ばれたりします。


最後に、緑内障の末期で、中心部の視野だけが残された患者様です。これでも、中心部は見えるので、矯正視力は0.9もあるんです。お会いした時から、反対目も進行期なので日常生活はかなり不自由ですが。
(みんなが、最後に中心部が残るわけではなく、周辺の視野がぽつんと残ったり、いろいろなパターンがあります。)
| 緑内障 | 20:41 | comments(2) | - |
トナカイ形成術
今日は新しい術式を行ってみました!

トナカイ形成術

まず、
丸太を拾ってきて、白く消毒します。


次に、ノコギリを使って、丸太を切っていきます。



当院の手術は通常は僕が行っていますが、今日は日曜日なので、研修医の先生にも頑張ってもらいました。ケガしなくて良かったです。


くっつけやすいように、少し削って、


ボンドと、ネジを使用してくっつけます。


眼科ですが、今日は「お鼻」の部分に釘を打って、クリスマスツリーから拝借した、飾りを1つくっつけてみます。


ご近所の木の枝を、2本だけ拝借(すみません)。



完成です。
予定していた、松ぼっくりの眼内レンズでは大きすぎて・・・。
今日は最適な目が見つからず、あとで再手術に。ドングリがいいかな?

助手の奥さんは、ビオラのお花でリースを作ったようですリース

今年は電力不足などもあり、ピカピカのイルミネーションは自粛。
エコな感じで頑張ってみますツリー
(研修医の先生は、すぐに飽きてしまい、結局ほとんどパパ作成)
| 季節・行事 | 22:04 | comments(0) | - |
緑内障 静的視野検査:ハンフリー その2
今日は、昨日と同じ、緑内障の静的視野検査の結果についてです。
静的視野を測定する器械は、数社から発売されており、機種によって結果の表示が異なるのですが、当院で使用しているハンフリーという機種で説明します。
(ハンフリーは世界で最も有名、高価な機種です。)

緑内障
静的視野検査:ハンフリー その2



昨日も出したサンプルです。


視野欠損
まず、右上の緑の○の部分が、視野の欠けている状態で、一般の方でもイメージしやすいかと思います。これは右眼の検査結果ですが、上方、とくに鼻側の上方の視野が欠けている事が分かります。
黒い部分が大きくなってくるようであれば、徐々に視野が狭く、悪化しているという判断になります。当院に通院の患者様は視野検査の結果を受け取っていると思いますが、できるだけ捨てずに保管するようにして下さい。1回前の検査結果と比べるだけだと、変化がないと思うような場合でも、1年前、2年前、3年前と、きちんと並べて比べてみると、実は徐々に悪化していることが分かる場合なども多々あります。
特に、大きな病院などで、担当の先生が毎年のようにコロコロ変わる場合は要注意です。1人の先生が担当した1年の間では、ほんの少しの悪化しかないと判断し、次に担当する先生も、この1年ではあまり変化なし。なんていうことを繰り返していってしまう事があります。
10年、20年と付き合っていく緑内障では、1年の悪化がごく少量でも長い目でみたら、かなり悪化していた。なんていう事もあるのです。
例えば、1年間に5%の視野が欠けていくのを見逃すと、単純計算では、5% x20年=100%、20年では失明してしまうのです。(もちろん実際には、そう単純な計算ではありませんが。)
視野検査をできるだけ保管して、5年前などと比べることは、とても重要です。10年、20年という病気では、その間に引っ越しや転院をするときもあるかもしれません。そんな時にも、昔の視野検査はとっても役立つのです。


MD値
次に、青の○の部位には、MD(mean defect)と呼ばれる値が書かれています。
このMD値は、視野検査の重症度、病気の進行具合を評価します。
視野が欠け、病気が重度になるほど、MD値がマイナスに大きくなっていきます。
例えば、MD値が0dB(デジベル)では正常、上のサンプルは-10dB程度で中期になります。

学会や、各医師によって、分類が多少は異なりますが、一般的に多く用いられている分類を紹介すると、
MD値が、
0〜6 dB ⇒ 早期視野欠損(初期)
6〜12 dB ⇒ 中等度視野欠損(中期)
12 dB以上 ⇒ 重度視野欠損(進行期
)と分類されます。
多くの場合、初期〜中期では自覚症状は全くありません。中期〜進行期になって初めて、視野が欠けていることを自覚することができるようになるようです。

特に以下の数値に入ると失明するかしないかなどの検討に入ります。
15〜 危険領域
20〜 日常生活が不自由
25〜 機能的・社会的失明

(片足をなくしても十二分に生活できる人もいれば、全く歩けなくなってしまう人もいます。緑内障も、重症と分類されても、それなりの生活ができる人、軽症でも不安で歩けなくなってしまう人もいます。上記の分類は、それくらいの人が多いという意味です。)

上記の視野欠損のイメージ図を比べる以外にも、MD値の絶対値が徐々に大きくなる場合は、悪化していると言う事になります。例えば、1年間にMD値が3づつ悪くなるなら、8年間では24dB。初期の人が失明に至る悪化のスピードです。
(1年でMD値がどれくらい落ちていくのかを、MD slopeと呼び、手術をするかどうかなどの判断に使ったりします。)


キャッチトライアル・固視不良などの誤差
実は、緑内障の静的視野検査は、誤差がとても大きな検査です。
光が見えたらボタンを押す。光ってもボタンが押せなかった部分の視野が欠けていると判断していくのですが、
もしも、完全に失明して、盲目の人が検査を受けたとするときに、光が見える見えないに関わらず、ボタンを押しまくっていたら、全ての光が見えたことになり、結果は正常だとの判定になってしまいます。
こういった事、不正がないかを監視するために、ハンフリー視野計では、様々な罠を仕掛けています。
例えば、光は、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ。と、ある程度リズムよく光っていくのですが、器械が意地悪をして、ピッ。と音を出すのに、わざと光らない場合を作ったりするのです。
・ゲーム感覚で、いい点数をとるぞ!!なんて気分で検査に臨むと、とにかくボタンを押しまくってしまい、本来は病気で見えない場所があるのに、全て見えたことになって、正常でした。なんて結果になることも。
・逆に、高齢の方や、睡眠不足、気分がめいっている場合などでは、ボタンを押すのが遅れてしまって、本来見えるべき光でも、ボタンを押せずに、過度に重症の結果が出てきてしまったりします。

このような偽陽性・偽陰性と思われる検査の結果を、器械がじっと観察して、何%の誤差がある。なんていう事が表示されています。
他にも、目がきょろきょろと、動いてしまった回数(固視不良)なども表示されます。

誤差は少なければ少ないほど、正確な検査となりますが、緑内障と診断される当初は、検査が上手に行かない場合も多々あり、本来、病気でない人が病気と判断されたり、その逆の場合も出てしまう事がありえます。

ボタンの押しすぎ、押さなすぎ。というのが、上のサンプル、赤○の部分に、キャッチトライアルとして、3%などと表記されるのですが、これがもし20%とか、30%とか、あまりに大きい場合には、もはや検査を行った意味がありません。体重を計るのに、米俵を持って体重計に乗るようなもので、時間とお金の無駄です。

静的視野検査では、出来る限りリラックスして臨み、はっきりと光が見えたときのみ、ボタンを押すようにしましょう。(迷った時はボタンを押さない。)
それでも、得手不得手があったり、高齢者などで検査が難しく、誤差が大きい時には、後日記載しますが、動的視野検査などの別の検査をお勧めすることになります。

このように視野検査は誤差のある検査です。初診時から重症例。などを除けば、一度の検査のみで緑内障と確定して、すぐに治療。なんていうのは医師の横暴で、きちんと誤差がない検査結果が得られて、きちんとした治療の目標、ビジョンをもって臨むことが眼科医には望まれます。

ここで、患者様にお願いです
当院では、誤差が大きかった場合や、目や体が動いてしまう場合などは、出来る限り、光がでるスピードを遅くしたり、検査をやり直すなどして、せっかくの検査が無駄にならないよう、できるだけ正確な検査ができるように、国家資格をもったORTのみが検査を行い、30分に1名以下と、通常の医院に比べると、かなりゆっくりと時間をとって検査を頑張ってくれています。(多くの症例がキャッチトライアルは5%未満。たまには10%程度くらいの人がいます。20%を超えるのは年に数回というレベルで、本当に検査が苦手な人のみ。というか、20%を超える場合は検査結果としてあまり参考にしていません。)
ですので、1日にできる視野検査の件数が少なく、予約枠の確保には少し苦慮しています。検査は完全予約制ですが、もしも検査日や時間の都合が悪くなった場合には、無断でキャンセルをすることなく、なるべく早めにお電話を頂けますと幸いです。
| 緑内障 | 22:19 | comments(1) | - |
緑内障─\電視野検査:ハンフリー その1
なかなか忙しくて、毎日更新するのは難しいです・・・。すみません。
Q&Aやコメントでも緑内障の質問を頂いたのですが、緑内障は難しいですよね。
できるかぎり分かりやすく書きたいとは思っているのですが。頑張ります。

今日は視野検査のお話です。
緑内障
静的視野検査:ハンフリー その1

実際に、緑内障で視野がどれくらい欠けているのかを評価するための検査です。
緑内障の診断や、定期検査で悪化がないかなどに使用します。

視野検査には大きく2種類あり、静的視野検査と動的視野検査に分かれます。
視野を測定するための光の指標が、動かずにピカッと光るだけのものと、光の指標を見える場所から見えない場所に動かしながら測定するものになります。
暗い部屋で行います。静的視野検査では、じっと検査機器の正面を見ていて、周囲の視野に光がピカッと点灯した時に、光が見えた時はボタンを押します。


これが視野検査の器械です。赤矢印に顔を入れて覗き込みます。
視野検査の器械にも様々あるのですが、当院では一般的に世界で最も優秀とされている、Zeiss社のハンフリー視野計の最新機種を使用しています。


正面から拡大すると、青矢印に顎を載せて、緑矢印先に光る場所があるので、そこをじっと見ています。その状態で、例えば、黄色の点が光ったりするのですが、光がはっきり見えた場合のみボタンを押します。もしも、視野が欠けている場所が光っても、その場合は本人には光が見えないので、ボタンを押しません。これを場所をかえて何度も何度も繰り返して、視野が欠けている場所を探していくのです。


緑内障Г任UPした、緑内障中期の患者様の右目の眼底写真です。

視神経乳頭から左下に向かって、神経の薄い場所(NFLD)があります。
眼球内の下の方が神経が薄くなると、上から入ってくる光を感じにくくなります。


同じ患者様の視野検査の結果がこちらになります。

右上の一番大きな円形図が視野検査の大まかな結果です。視野の中心部から左上の方に黒い影があるのが分かるでしょうか?ここが緑内障で視野が欠けている部分です。眼底写真で下方の神経が薄く、視野検査では、その薄い神経の部位に対応する形で、上方の視野が欠けていることが分かります。

目の中の網膜・神経は、上の方と下の方で異なる支配になっており、初期〜中期の緑内障の方が視野検査を行うと、多くの場合には、この症例のように、視野の結果も上下で差ができます。(逆にいえば、上下の境が全くなく、黒い部分がつながっている場合には、緑内障以外の原因で視野が欠けている可能性が高いということです。)


これは、正常な患者様の左目の視野検査です。
青矢印の部分に一つだけ影がありますが、これはマリオット盲点と呼ばれる部位にあたり、生まれつきもともと見えない場所であり、正常な所見です。


これは右目、初期の緑内障です。
マリオット盲点以外に、上方に向かって、薄い影が広がっています。


これも初期の緑内障(左眼)です。青矢印以外に、下方に視野欠損を認めます。
このようなレベルでは、まったく自覚症状はありません。


これは、進行期の緑内障(左眼)です。
これを見ると、ほとんど真っ暗?なんて思いますが、中心部はきちんと視野が残っており、視力検査ではきちんと1.0見えます。このくらいになると、自覚症状で分かる人が多いですが、一部、全く症状もない人もいます。
(静的視野検査では、多くの場合で、生活に重要な、30度くらいの中心部に近い視野を測定します。実際にはもっと広い範囲で視野が存在します。)



これは、初期〜中期の右眼の緑内障の患者様ですが、左側が1年前、右側が今年になります。僅かですが、進行しているのが分かるでしょうか?この1年間、一つの目薬をつけて、眼圧が15〜16くらいで落ち着いていましたが、悪化してしまったようです。今回、点眼薬を2種類に増加し、目標眼圧を10〜12程度と、さらに下げるように治療を強化している最中です。


緑内障は自覚症状で気が付きにくいために、病気に納得ができず、治療に積極的になれない人が多いことで有名です。
当院では、基本的に全ての患者様に、視野検査の結果をコピーしてお渡しするようにしています。
少しでも、病気の理解に役立てて頂ければと考えています。

次回は、この視野検査の読み方や、注意点について書いてみます。
| 緑内障 | 23:28 | comments(0) | - |
緑内障А〇訖牲弌OCTで評価
今日のお昼は白内障手術8件。無事に終わりました。
最近、多焦点レンズを選ばれる患者様が少しづつ増えているようです。

緑内障
OCT
(optical coherence tomography:光干渉断層計)

OCTについては、以前のブログを
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=128936

緑内障で押しつぶされた視神経を評価する方法は、まず診察による眼底検査、そして先日記載した眼底カメラによる記録が重要です。
しかし、数年前からは、より正確に、視神経の状態を測定、結果を保存できる方法として、眼底三次元画像解析検査という検査を行うことが増えてきました。
眼底写真が2次元(平面)での評価だとすると、眼底三次元画像解析検査はその名の通り3次元、3D、立体的に評価する方法です。検査に使用する光線の種類や方法などで、8年くらい前からGDxなどの器械が、3年くらい前からはOCTが使えるようになりました。眼底写真がレントゲンだとすると、GDxやOCTなどはCTやMRIに相当する検査です。最近3Dの映画やテレビが流行っていますが、いつの間にか、眼科の世界も3Dが当たり前に。


視神経をOCTで撮影すると、

図の右側のような断面が撮影出来ます。水色の矢印で囲んだ部分が網膜の厚み、視神経線維層を表しています。
このような断面図を数え切れないほど撮影して、コンピューターが3D画像に再合成します。すると、こんなにキレイに視神経の形を測定・再現できます。



実際に正常な人の測定結果と、緑内障の患者様の結果を比べてみると、

上が正常、下が緑内障です。
・左の眼底カメラでは、上の正常な視神経乳頭は、ドーナツのリングがしっかりとしていて、下の緑内障ではリングが薄くなっています。特に、視神経乳頭から左下に向かって、神経が薄く押しつぶされた部位、NFLD(神経線維層欠損)を認めます(赤矢印)。
・中央は視神経乳頭をOCTで3D表示したものです。NFLD、神経が薄くなっている所見がはっきりと分かります(赤矢印)。
・右側は断面図ですが、正常の方の網膜・神経の厚み(ピンク矢印で挟んだ部位)に比べて、緑内障の方(赤矢印)で薄いことが分かります。



これは、初期の緑内障の患者様で、視神経から下方に伸びる神経が薄くなっています。同年齢の正常人と比べて、OCTでは薄くなった神経(NFLD)が赤く表示されていますが、左の写真で同じ部位の網膜の色が若干色が暗いのが分かりますか?


これは上にも下にも薄い部分、NFLDが出来ている患者様です。


これは末期の患者様で、赤いところ(薄いところ)だらけです。


OCTで緑内障の検査をするメリットは

ゝ甸囘な評価が出来る。
神経が押しつぶされて見えなくなっていく病気ですが、今までは、診察以外に視野検査という検査で、診断や、進行・悪化を決定していました。今でも視野検査が最も重要な事に変わりはありませんが、後日書く予定ですが、視野検査はボタンの押し間違いや、目が動く、検査中のまばたきなど、誤差が多い検査としても有名です。OCTは本人のやる気や、検査の上手・下手に関係なく測定が可能です。

簡単・正確
強い白内障や、瞳孔が極端に小さくない場合を除き、散瞳(瞳を開く)せずに、数秒で検査が可能です。測定時のまぶしさもありません。また、測定値は、誤差も少なく、医師(人間)の目による診断能力を大幅に上回る正確さです。強度近視の方などでは緑内障の診断が難しいのですが、これまで医師の目による診断で、なんとなく緑内障の治療を続けられていた患者様が、OCTの出現によって、実は緑内障ではなかった。なんて患者様が世界中で数え切れないほど出現しました。

A甦発見が可能に
緑内障で、神経が押しつぶされて行く場合に、実は20%以上の細胞が障害されて、初めて、視野検査で見えない場所として現れてきます。OCTでは、例えば、10%くらい障害された場合などの、まだ視野が欠ける前の状態でも、緑内障のごく初期、または予備軍として発見することができます。
(僕は、視野が全く欠けていない症例では、眼圧が重度に高い場合や、家族に緑内障で失明した人がいる場合などを除き、治療はせずに様子をみるようにしていますが、緑内障の予備軍として、1年後に必ず診察を。と促す時にはとても役立ちます。)


当院では最新機種のOCTを緑内障の診断に活用しています。
また、緑内障で治療中の患者様でも、初期〜中期の患者様で1年に1回、中期から進行期の患者様では1年に2回ほど測定し、病気が進行していないかどうかの判定に役立てています。

それにしても、OCTが一般に緑内障に利用されるようになって、まだ3年くらい。
今ではなくてはならないものですが、医学の進歩は速いですね。
| 緑内障 | 23:30 | comments(5) | - |
クリスマスツリー
スタッフがクスリマスツリーを飾ってくれましたツリー
今年はサンタさん付きですブーツ


今日は緊急手術などもなく、ゆったりとした午後でした。
普段はなかなか時間がなく、机の上に、眼科の雑誌や教科書が溜まってしまったのですが、今日はそれらを、いっぱい読んでみました見る
昨年から耳にはしていたのですが、海外では白内障手術の重要な部分を、器械がほぼ自動で出来るようになってきていたり・・・。しかも、精度が非常に高いレベルです。インターネットで調べて手術動画を見てみたのですが、すごい
。そのうち、僕みたいな「手術で生きていこう。」なんて医師は不要になる時代が来たりして??

世界中で、様々な分野で研究をされている先生がたくさんいます。ちょっとサボると、すぐに置いて行かれそうしょんぼり
眼科の全ての範囲の最先端医療を目指すというのは不可能だとは思いますが、出来る限り、よい医療ができるように頑張らないと。
| クリニックのこと | 20:03 | comments(0) | - |
緑内障Α〇訖牲估頭陥凹:眼底写真
クリニックでもクリスマスの飾りつけが始まりましたツリー


今日は緑内障の患者さんに起こる、目の中の変化についてです。
緑内障Α〇訖牲估頭陥凹 


目の中に光が入ってくると、目の奥の網膜と言うフィルムが光を感知します。網膜は一つの束になって脳へと続いて行きますが、この脳へと続く束を「視神経:ししんけい」、網膜が束になった視神経の最初の部分を「視神経乳頭」と呼びます。(イメージ図の赤矢印)


これは、上は正常な人、下は緑内障の人のイメージです。
眼圧(赤)で視神経乳頭が圧迫されると、網膜が薄くなっていきます。図ではオレンジで網膜の厚みを表現してみました。
これの二つの状態を、実際の写真で見てみると、

左が正常、右が緑内障です。
視神経乳頭は正面からみると、ドーナツのような輪として見えますが、輪の外側のオレンジの部分が網膜にあたります。視神経乳頭の網膜の厚みが多きいほうが、ドーナツのリング(食べるところ)が大きくなり、緑内障で網膜が薄い人は、ドーナツの食べるところが薄くなります。
オレンジのリングに比べて、中央の白い部分は凹んだ形をしているのですが、この凹みの事を視神経乳頭陥凹(ししんけいにゅうとうかんおう)と呼びます。
緑内障では、網膜を表すオレンジの部分が少なくなり、凹んでいる(陥凹)白い部分が増えます。人間ドックなどでは、この凹みが大きい人たちを緑内障の疑いとして、「視神経乳頭陥凹拡大」という表現で伝えます。
(最近は、一般の人に分かりにくいとの評判から、緑内障性視神経乳頭と記載する検診が増えてきています。)



これは、緑内障中期の人です。正常に比べると、ドーナツのリングの下の方が薄くなっています。矢印で囲んだのですが、視神経乳頭から左下に、少し網膜の色が暗く映る場所があるのが分かりますか?ここは押しつぶされて、薄くなってしまった網膜で、専門的にはNFLD(視神経線維層欠損)と呼ばれる所見です。


これは、視野の8割方が欠けてしまった、進行期の患者様です。オレンジのリングがごくわずかしか残っていません。


これは、明るさが分かる場所が少しは残っている。という、社会的失明に当たる末期の患者様です。オレンジのリングは見当たらず、視神経乳頭が真っ白になっています。両目とも進行期で、数ヶ月前に当院に転院となり、緑内障手術を行い、どうにか失明を防いでいます。



当院では、緑内障の患者様は1年に1〜2回、眼底写真を撮影し、保存するようにしています。
写真を撮らない場合には、医師のスケッチなどで評価をするのですが、どんなに頑張ってスケッチしても、正確さや精密さでは写真には全くかないません。


これは、比較的初期の患者様で1年前に撮影した写真です。矢印で囲んだ部分はNFLDで網膜の薄い部分です。緑の矢印の先には、視神経乳頭出血と言って緑内障が進行するときによくみられる出血があります。

これは、同じ患者様で今回1年ぶりに撮影した写真です。よーく見ると、NFLDがごくごくわずかですが、幅が広がっています。視野検査でもごくわずかですが進行があり、今回より点眼薬を強化しています。
このような微細な変化を見逃していくと、きちんと通院・治療していたのに、数年後には末期になっていた。なんていうことが起こりえます。
きちんと正確に視神経の状態を把握、保存し、以前の写真と比べるという目的で、眼底写真の撮影は、緑内障の患者様には必須の検査です。
| 緑内障 | 23:13 | comments(2) | - |
緑内障ァ‐評:視野が欠ける
今日の午後は手術日です。
・白内障手術 14件
・網膜硝子体手術(茎離断) 3件
 (黄斑前膜1件、増殖糖尿病網膜症2件)
無事に終わりましたグッド


さて、今日も緑内障のお話です。
緑内障ァ
症状:視野が欠ける

緑内障は、眼圧に関連して視神経が障害され、視野が狭くなる・欠ける病気です。
「目がいい」というと、視力が1.5だとか、
「目が悪い」というと、視力が0.1だとか、
多くの方が、目の良い悪いの指標として、視力検査の数値を想像します。
ある人の、物の見え方を表現するのに、視力というは重要な指標ですが、同じように視野というのもとても重要な指標です。
視野とは、ものの見えている範囲のことを言います。

緑内障では眼圧によって、視神経・網膜が押しつぶされて薄くなっていきますが、薄くなった部分の視野は見えなくなっていきます。
視神経や網膜は場所によって厚みや丈夫さが異なりますが、物を見る中心部の神経は、他の部位に比べて丈夫であることが多く、緑内障で神経が押しつぶされる場合に、多くの場合は視力検査に重要な中心部の神経は最終段階まで生き残り、他の周辺部の視野から障害されていきます
周辺部の視野が欠けていき、治療を受けずに、病気がどんどん進んでいくと、最終的には物を見る中心部も侵され、失明。となっていきます。


これは一つの例ですが、上の段が視野検査の結果、下の段が日常生活での見え方のイメージ図になります。黒い部分が視野が欠けていることを表しています。
一番左側は初期の緑内障、中央が中期、右側が末期の緑内障になります。

実は近年の緑内障の治療は、以前よりも格段に進歩しており、きちんとした治療を受けることができれば、多くの場合で失明を防ぐことができます。
なのに、緑内障が失明の原因の1位なのはなぜでしょう??
それには、次のような自覚症状がない。という事が大きな要因です。

ー覚症状を感じて病院に行く時にはすでに末期。
よほど詳しく調べないと、ほとんどの人は、上の図で左側や中央、つまり初期や中期では自覚症状がありません。なので、「見えにくいなぁ。」と思って、初めて病院に行く時には、末期の末期なんてこともよくあります。

⊆覚症状がないので、治療・通院を中断してしまう人が多い。
毎年毎年、数千人が失明する重大な病気ですが、最近は人間ドックのおかげで、初期の段階で病気が見つかり、早期治療を始められるが増えてきました。初期から治療をすることで普通は失明を防げるのですが、基本的に治るといった病気ではなく、毎日目薬をつける事に納得がいかなくなったり、通院の時間や、金銭面などで、治療が面倒になってしまう人がたくさんいるようです。
見えない。という自覚症状が出る時には末期なのですが、初期には自覚症状がないため、通院が嫌になってしまうのですよね・・・。

自覚症状が出にくい理由には、まず両目を使う事で、左右の目に見えにくい場所があっても、カバーしあうということがあります。
そして、それとは別に、filling-inという脳ミソの働きも重要です。

分かりやすくするために、上の見え方のイメージ図では、見えない部分を黒く塗ってありましたね?しかし、実はゆっくりと進行する緑内障では、見えない部分が黒く見えるわけではないようです。
例えば、緑内障で、一部分が虫食い状に見えない場所がある患者さんがいるとします。
その人が白い壁を見ている場合には、その見えない場所は白色で埋められます。
その人が青い空を見ている場合には、その見えない場所は青色で埋められます。
多くの緑内障では、見えない場所があったら、そこは黒になるのではなく、その周りの色が入り込んで、あたかも色があるように見えるのです。(filling-in現象)

人間の脳ミソは生きていくにあたって、出来るだけ都合がよい状態になるように、様々な情報を調節していきます。(若い時ほどその傾向が強いようです。)
片足を急に失った人は、最初は体のバランスを取ることが困難ですが、だんだんと重心の位置がズレて、義足などで歩けるようになります。
斜視といって、目線がズレテしまう病気がいきなりでると、物が2重に見えてしまいますが、若い時からあったり、病気が長引いたりすると、2重に見えるよりも楽だからと、脳ミソは片方の目からの映像を消してしまう方法をとります。
片目づつだと、右目と左目の見え方が違っても、脳に入る時点で映像を作り変え、合成・融像するために、両目でみると全く気にならなくなります。

緑内障の重症型で急激に見えなくなったばあには、症状に気が付きやすいのですが、多くの緑内障は数年とか、数十年とかをかけて、非常にゆっくりと進む病気なので、脳ミソはそれに適応するように、見えない部分(視野)を、自分にとって都合がいいように作り変えて、生活しやすい映像を作り出すようになってしまうのです。

上で紹介したイメージ図ですが、慢性の緑内障では、多くの場合に下のような見え方に、脳ミソが映像を作り変えてしまうのです。

左や中央のイメージ図では、普通の人には自覚症状がでません。
右側になると、色を埋めるといっても、どの部位の色を持ってきて、欠けた部分を埋めたらいいのか?脳ミソも判断できなくなります。こういう状態になって初めて、「見えにくい」と感じるのです。


病気ではない、皆さんにも、見えない部分(視野が欠けている部分)があるのですが、分かりますか??
マリオット盲点と言いますが、詳しくは以前のブログで。http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4932
2011.10.27 Thursday

信じられない方へ。
左目をつぶって、右目のみで、下の☆を見てみましょう。
顔をパソコンのモニターに10cmくらいまで近づけます。
その後、☆を見続けながら、ゆっくりと顔をモニターから離していきましょう。
☆の右の方にある◎が見えなくなる位置があるのが分かりますか??

☆       ◎


ビックリしました??
ここで、お願いです。
40歳を過ぎたら、数年に一度でいいので眼科で検診をしましょう。
⊃祐屮疋奪などで、せっかく初期で見つかって、早期治療を始めることができた方は、とにかく通院・治療を続けましょう。


緑内障は自覚症状が出る時には末期です。もとに戻らない病気です。
「運転免許が通らなかった。」「歩きにくくなった。」など、見えなくなってから、病院にいっても、絶対にもとには戻りません。見えているうちから、治療を行って、将来不自由が起こらないようにする病気です。



うーん。ちょっと視野の事を書くだけでも、長い文章になってしまいますね・・・。文才がないのは自覚していますが、ご了承ください。
| 緑内障 | 20:54 | comments(0) | - |
移動
今日の午後は、ちょっと大変でした。

初めに、当クリニックで準緊急手術の緑内障手術。
次に、小美玉市医療センターで、予定手術。
その後、県南の眼科様から網膜剥離の紹介があって、クリニックに戻って手術。網膜剥離っておおいなぁ。
夜は、知り合いの先生が勤務する病院で大変な手術があったようで、急きょ呼んで頂きお手伝いに。

移動と、着替えが大変でした。
緊急手術は、まとめてクリニックで出来たら、少し楽なのですが、ベットの満床との戦いもあって難しいのですよね・・・。

今日はブログはお休みで。
| その他 | 22:31 | comments(0) | - |
緑内障ぁ(類
今日は以下の手術を行いました。
・眼瞼下垂+眼瞼内反症手術 1例
・白内障手術 5件
・緑内障手術(トラベクレクトミー) 1件
無事に終わっています。
眼瞼下垂+眼瞼内反症は若い患者様なのですが、他院で既に2回の手術歴があり、癒着が多いと大変だなぁと心配していましたが、まずまずキレイに出来ました。


今日も緑内障の話題で。
緑内障ぁ(類

緑内障とは、眼圧に関連して視神経が障害され、視野が狭くなる病気。と11月12日に記載しました。自分の持っている眼圧に、自分の視神経・網膜が耐えられない場合に進行していく病気です。
ただ、一口に「緑内障」といっても様々な種類があるのです。細かく分けたら数十種類も。例えば、日本で一番多いとされている緑内障は「正常眼圧緑内障」という緑内障です。

まず、大きな分類として、以下の3つに分けられます。
仝業性(げんぱつせい)
続発性(ぞくはつせい)
先天性(せんてんせい


仝業性緑内障
他に緑内障を発症するような病気のない、純粋な緑内障になります。最も多い病形で、医師に「緑内障ですよ。」と言われた場合は、ほとんどがこちらになります。

続発性緑内障
他の病気がもとにあって、それが影響して緑内障を発症するものです。目に炎症が出てしまうぶどう膜炎という病気や、外傷性の緑内障、ステロイドの薬を飲んでいる人がなるステロイド緑内障、糖尿病などが原因となる血管新生緑内障、甲状腺の病気や、白内障など水晶体に関連するもの、手術が原因となって発症する緑内障などもあります。続発性緑内障は上記の様々な原因が影響して、原発性に近い形をとる緑内障ですが、治療をするうえで、緑内障の治療以外に、もとの原因となる病気の治療を行うことも必要になります。

先天性緑内障
近年は正式には発達緑内障と呼ばれます。生まれつき、眼球構造の発達不良であったり、異常があるために起こる緑内障で、小児期〜若年期に発症します。目の異常のみでなく、染色体異常やホルモン異常など、全身的に重大な疾患と合併することがあります。


では、次の分類です。
A:閉塞隅角(へいそくぐうかく)
B:開放隅角(かいほうぐうかく)


以前のブログ(2011.11.07 Monday)で、目の中には房水と呼ばれる水が循環していることを書きました。

房水は毛様体(もうようたい)と呼ばれる組織で産生され、青矢印のように目の内部に流れていきます。そして、最終的に、赤矢印のように角膜と、水晶体の前方に位置する虹彩の付け根の部分から出ていきます。この房水の出口の部分を隅角(ぐうかく)と呼びます。
この隅角(房水の出口)が明らかに狭く、水の排出が悪くなっているのが「閉塞隅角緑内障」。一見、隅角(房水の出口)は狭くない、または広いのに排出が悪いものを「開放隅角緑内障」と呼びます。

赤矢印が隅角を指していますが、左側が閉塞隅角、右側が開放隅角になります。

開放隅角は出口が広いのに、房水の排出が悪く、眼圧が上がってしまうことがあるのですが、出口よりも先の房水の排出路の構造に問題があったり、細胞レベルなど、人間の目で認識できるレベルを超えて、流れを妨げる何かがある場合に起こります。
逆に言うと、閉塞隅角緑内障は、少し拡大して診察するだけで、医師(人間)の目で、明らかに出口の構造が狭いということが認識できる病態です。

開放隅角の、目に見えないレベルの異常がある場合には、治療法は、まずは点眼薬による治療を行うのが一般的です(人間の手を使った手技で、どうにか出来る大きさのレベルではない)。
ところが、閉塞隅角の場合には、人間が認識できる大きさのレベルで、出口が狭いので、手術やレーザー光線を使用して、出口を広くすることで、房水の流れを改善することが可能であり、治療の第一選択は外科的な手技になります。(以前は、サンピロという点眼薬で、出口を広げる方法がとられることが多くありましたが、副作用の問題などで、今はあまり行われません。)

*閉塞隅角緑内障で、手術等などで外科的に隅角を広げても、緑内障が残存する場合には、開放隅角緑内障も合併しており、混合緑内障と呼ばれます。この場合は、隅角を広げた後も、開放隅角として点眼薬などの治療が必要になります。


この2つの分類の組み合わせで、多くの緑内障を表現することができます。
例えば、
・原発性開放隅角緑内障
・続発性開放隅角緑内障
・続発性閉塞隅角緑内障 などになります。


正常眼圧緑内障
初めに、緑内障のなかで、もっとも多い病形だと書いたのが、この正常眼圧緑内障です。
実は、正常眼圧緑内障は、厳密には原発性開放隅角緑内障に分類されます。
緑内障は眼圧がいくつだから発症するとかではなく、自分の眼圧に、自分の視神経が押し負けてしまう場合に発生する病気です。みんなに比べて、視神経が弱い人がいたとして、その人の眼圧が10〜20mmHgと、正常値と言われている状態でも、神経が押しつぶされていく場合には緑内障となるのです。

緑内障という病気のことが、まだよく分かっていなかった時代に、「眼圧が高い=緑内障」という観念が先行してしまったようで、緑内障とは眼圧が20以上でなるものだ。と考えている人が多いようです。
本来は、眼圧が10だからとか、20だから、30だから病気だとか病気でない。と言うことではないのですが、現在の日本では一応、眼圧は10〜20mmHgを正常としています。

このような理由で、一応は、「眼圧が20未満で発症した緑内障を正常眼圧緑内障」と、定義されています。
実際には、緑内障とされる患者様の70%以上は、正常眼圧緑内障と圧倒的に多い病態です。緑内障の、ほとんどの患者様の眼圧が正常。というのも変な話なので、そろそろ、眼圧の正常値という呼び方とか、病名とか、大きく変える時代が来てもいいのでは??と思いますが、どうなのでしょう?


なるべく、簡単に、一般の患者様に分かりやすい解説を。と日々考えているのですが、特に今日はちょっと難しいですよね・・・。
分類という言葉自体、ちょっと表現が硬い。なかなか難しいです。
お付き合い頂きありがとうございます。
| 緑内障 | 22:44 | comments(0) | - |
茨城グルメまつり
今日は緊急の患者さんもなく、ゆったりです。

入院の方のみ診察して、車で40分。水戸の偕楽園・千波湖に行ってきました。

30分700円で手漕ぎボートを借り、白鳥にエサを(・e・)
エサをあげたがる割に、実際に近づいてくると、怖がったり。わがままな子供です・・・。

駐車場からして、妙に混んでいるな。と思っていたら、
今日は、
2011 茨城グルメまつり
が開催されていました!
最近流行りの、B級グルメグランプリとか、そういう趣向の物らしいです。(間違っていたらすみません。)
県内からの参加を中心に60店舗近い出店があるようです。

「ネバネバ丼」??、看板が見えますが、茨城ですから、きっと納豆に違いない!

B級グルメグランプリ。テレビでみてすごく興味があったのですが、

お昼がメインだと思いますが、僕が会場についた時には16時。結構遅い時間になってしまったのですが、まだまだすごい人だかり。


この矢印から矢印まで、ずっと並ばないと食べられないようです。
今日あるなんて知らなかったので、お昼にラーメン大盛りを食べてしまい・・・。ここに並ぶか、並ばないか・・・。
迷いましたが、本日は撤退悲しい
来年はリベンジするぞラーメン
| 石岡市・茨城県 | 19:39 | comments(0) | - |
緑内障 病態
昨日の網膜剥離の患者様は経過良好のようで、そうそうに退院出来そうです。アトピーがあったり、穴の数や剥がれた位置など、やや難しい手術で、少し不安だったのですが、良かったです拍手
ご自宅が遠く、通院が大変なので、一応週明けまでいて頂こうかと。


さて、ちょっと中断していた緑内障について。
緑内障 病態

目の中には血液の代わりに、栄養分に富んだ透明な液体(房水)が流れており、房水が入っているからこそ、眼球と言うボール(風船)は、丸く膨らんでいることができます。指で触ってみても、少し弾力・硬さがありますよね?
目の中に房水がたくさん入っていると眼球は硬くなり、少ないとやわらかくなります。この硬さ・弾力のことを眼圧として測定することを先日記載しました。(⇒2011.11.07 Monday11.08 Tuesday

緑内障とは、眼圧に関連して視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。
(難しいことまで書くと、目の奥の血流や視神経の構造など、眼圧以外の原因もいくつか推測され、偉い先生たちが日夜研究中ですが、現在の医学で確実な原因は眼圧のみとされています。)

眼球にとって、房水はなくてはならないものです。栄養分をいきわたらせる役割もありますし、何より房水がなければ、眼球というボールは丸く膨らんではいられません。ケガなどで眼球に穴があき、房水が流れ出てしまったら、目は文字通り小さくつぶれてしまいます。
房水が存在するおかげで、眼球の風船には内側から圧力がかかり(眼圧)、丸く膨らんでいる眼球ですが、光を感じ取る網膜や、網膜の束である視神経が、眼圧によって押しつぶされて、薄くなってしまう事があります。網膜・神経が薄くなった部分は徐々に見えにくくなっていくのですが、この状態を緑内障と呼びます。


房水によって内側から膨らむ力(眼圧)が働くと、


視神経が圧迫されて、光を感じ取る網膜(緑)が薄くなってしまいます。


血圧は収縮期で140未満が正常、140を超えるとが異常、高血圧と呼ばれますが、
実は、厳密な意味では眼圧に正常値はありません。
ただし、ある程度の目安として、一応は眼圧の正常値は10〜20mmHgとされています。

どちらかというと、眼圧は低い方が良いと考えてください。(0とか1とか、極端な低値は別ですが。)
例えば、
・眼圧が100とかあると、地球上の人間のほとんど全員が1日で失明に至ります。
・眼圧が50だと、視神経・網膜が弱い人は数日、丈夫な人は数ヶ月〜1年程度かけて失明します。
・眼圧が30だと、目の弱い人は数ヶ月で失明に至りますが、丈夫な人は一生涯まったく問題が起こらない人もいます。
・眼圧が20だと、多くの人は特に問題が起こりませんが、視神経や網膜が弱い人は、ゆっくりとですが失明していくこともあります。
・眼圧が6でも、非常にまれですが、視神経や網膜が押しつぶされていくこともあります。

つまり、眼圧が数字でいくつだから大丈夫、いくつだから駄目。というのではなくて、自分の持っている眼圧に、その人自身の視神経・網膜が耐えられるかどうかが問題なのです

ある人の視神経が16mmHgまで耐えられる神経であった場合に、その人の眼圧が12mmHgであれば、全く問題が起こりませんが、眼圧が19であれば少しづつ弱っていきます。眼圧が30であれば、より早く弱ってくという具合です。

ですので、眼圧の正常値である10〜20mmHgというのは、それくらいの人が多いという目安であって、その中に入っているから大丈夫ということもないですし、その中に入っていないから絶対に病気になるというわけでもありません。
(そうはいっても、眼圧が30も40もあれば緑内障になる確率は高いので、人間ドックで眼圧を測って、20以上の人をピックアップすることは、効率よく病的な人を見つけるのには役立っています。問題なのは、20以下だったから、緑内障にはならないと、安心してはいけないという事です。)
| 緑内障 | 20:42 | comments(0) | - |
裂孔原性網膜剥離ΑーN鼎修2 強膜内陥術
今日の夕方は、少し外来を早めに終わりにさせて頂き、網膜剥離の手術を行いました。
県南の医院様からの紹介で20代の男性、少し前に白内障の手術をして頂いたようです。手術は無事終わり、視力も回復したようなのですが、最近になって網膜剥離が見つかったようで。
もともとアトピーがある方です。実はアトピーの方は、若くから白内障になったり、網膜剥離になりやすいことが知られていて、眼科医の中では、白内障手術⇒網膜剥離。というのは、非常に怖いのですが、とてもよくある話です。アトピーがあると、とにかく目が弱いようで、網膜剥離になったり、なったあとも手術が難しかったり、なかなか大変です。


網膜剥離に関しては、以前にたくさん書いたつもりでしたが、本日の手術の方式はまだでしたので、今日はその話題で。

裂孔原性網膜剥離ΑーN鼎修2
強膜内陥術(きょうまくないかんじゅつ)


以前に記載した(ブログ:2011.10.24 Monday)、硝子体手術と呼ばれる術式は、剥がれた網膜をくっつけるために、眼球の内部に器械を直接挿入し、硝子体(ゼリー)を除去して、空気の力などで網膜を眼球の壁に押し付ける方法でした。(網膜⇒眼球壁)

強膜内陥術は、眼球内に器械を入れたり、網膜に直接触ることなく、網膜と眼球壁をくっつける方法で、剥がれた網膜はそのままに近い状態で、眼球の壁を内側に押し込んで、網膜にくっつけるような方法です。(眼球壁⇒網膜)


こんな感じで、緑の網膜が内側に剥がれているとすると、


上方から、シリコンスポンジという物資を、押し込んで縫いつけ、眼球自体をゆがませて、眼球の壁と網膜をくっつけます。


実際の手術です。

まず、強膜(白目)を覆っている結膜という粘膜を切開し、強膜を露出させます。


強膜に紫のペンで印をつけてあるのが分かりますか(黄緑矢印)??
この印の内側の部分の網膜が、断裂して、網膜剥離の原因になっている穴の部分です。この周囲に、針と糸を通しています。


強膜に通した糸で、眼球を押し込むように、シリコンでできたスポンジをキツク縛り付けます。
白いうどんのような物が、シリコンスポンジです。シリコンというと、女性が胸に入れたりもしますが、体中に安全に留置することができる物質です。


こんな感じで、シリコンのスポンジを数か所縫いつけたり、目を動かす筋肉の下を通したりして、眼球を凹まして穴をふさいだり、網膜をくっつけていきます。


網膜剥離の程度が強い場合には、網膜と眼球壁の間に溜まったお水を除去した方が、早くくっつきます。写真の水色の矢印は、白目に穴を開けて、溜まったお水を抜きだしているところです。(治療のイメージ図では赤矢印の作業です。)


網膜剥離といっても、年齢も程度も原因も様々なので、患者様にあった治療法を選択していかなければなりませんが、この治療法は、一般的には年齢が若く、硝子体(ぜりー)が眼の中にたくさん残っている方に、よく行われます。

硝子体手術に比べて、この手術(強膜内陥術)の良い点は、
・眼球に穴を開けたり、器械を入れたりしないので、バイキンが入って感染症を起こしたり、大出血を起こしたりといった、重大な合併症が起きにくいことです。

悪い点は、
・目を押し混んだり、ぎょろぎょろさせて引っ張ったり、硝子体手術よりは痛みが強いこと。(以前は全身麻酔で行うことの方が多かったようです。)
・直接、眼内をいじって治すわけではないので、重度の網膜剥離などでは、治せない症例が多いこと。⇒治せなかった場合には、硝子体手術を行います。
・眼球の形が変わって、乱視や近視が大きくなること。
などがあります。

注)どの術式がよいかは、その患者様の年齢や、症状、網膜の穴の数や、穴の大きさ、穴の位置、発症後の期間。様々な条件により異なりますので、担当の先生とよく話し合うようにしましょう。
| 網膜剥離 | 23:04 | comments(7) | - |
疲れた・・・。
水曜の午後はまるまる手術です。
今日は、
・翼状片手術 3件
・白内障手術 8件
・網膜硝子体手術 3件
(糖尿病網膜症2件、網膜中心静脈分枝閉塞症による硝子体出血1件)
17時半には終わったので、そう長い手術ではないのですが、


翼状片がこんな感じで。
病気の詳細は以前のブログを(2011.06.08 Wednesday)
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4939

できれば、最低でも瞳孔と呼ばれる中心の黒目に届く前に受けて頂きたいのですが・・・。でも、このかたは時々は眼科にかかっていたようなのですが・・・。
大きな切除が必要ですが、血液をサラサラにする薬を飲んでいるため、どうにも血が止まらずに苦労しました。頑張ったかいもあり、結局はキレイに終わりました。あとで、術後の写真も載せたいなと思います。

緑内障のブログはまた明日に。
外来でも、「読んでますよ!」なんて言って頂ける事が増えてきて、頑張りたいのですが。ちょっとお休みでしょんぼり


それと困っていることが一つ。
ブログの左の欄に「Q&A」というのを作って頂き、数名の患者様たちと、やり取りをさせて頂いたのですが、最近、毎日のように迷惑メールのような書き込みが・・・。削除しても、次の日には別の書き込み。どうしたらよいのやら。はぁ。
| その他 | 19:25 | comments(0) | - |
緑内障◆ヾ祕気梁り方
今日の午後は県内のクリニックで手術をさせて頂きました。
白内障、難しい症例もいましたが無事に終わっています。

緑内障◆ヾ祕気梁り方

昨日、眼圧について記載しました。
・目の中のお水(房水)が多いと、眼球・ボールを内側から膨らまそうとするチカラが大きくなり、眼球が硬くなります⇒眼圧が高い。
・逆に、房水が少ないと、ボールはペコペコで、やわらかい状態に⇒眼圧が低い。

血圧の測定方法は、腕に血圧計を巻いて、空気で腕の血管を圧迫して、拍動する状態から測定します。

では、この眼圧はどうやって測るのかというと、
最近の眼科では、大きく2種類の方法で測定しています。

non contact tonometer(ノンコンタクト トノメーター)
略して「ノンコン」と呼ばれています。日本語では非接触式眼圧計。
空気を眼球に吹き付けて、眼球(角膜・黒目)の変形する様子から眼圧を測定します。

こんな器械に、顔を載せて、目を大きく開けて測定します。

器械が同じ量・風速の空気を目に吹き付けるのですが、
もしも、中にお水がいっぱいで、眼圧が高く、眼球が硬い場合には、眼球(角膜)の形は、あまり変化しません。


逆に、お水が少なくて、目が柔らかい場合には、眼球が大きく変形します(凹みます)。


ノンコンのメリットは、
・空気を吹き付けて測定し、眼球に直接触れないため、感染症などが起こりにくいこと。
・基本的に測定の精度には器械の力量が大きく、だれが検査をするかによって、測定の誤差が出にくいこと。
等があります。

デメリットは、
・空気を吹き付けられる場合に、恐怖感があったりなどで、力が入ったりすると、やや誤差が大きくなります。(最近の器械は、空気の量が非常に少なく、当院の最新型などでは、数年前のものよりも患者様の負担はとても少なくなっていますが。)


applanation tonometer(アプラネーション トノメーター)
略して「アプラ」とか、発案者の名で「ゴールドマン」などと呼ばれています。日本語では圧平式眼圧計。

こちらは、空気ではなく、実際に測定器を眼球(黒目・角膜)に押しつけて測定します。
麻酔の目薬をつけて、下のようなスリットランプと呼ばれる目の表面の観察装置を使います。(スリットランプについては、以前のブログを;2011.10.19 Wednesday)

この青く光る部分を目に押しつけます。

医師の側からは、こんな感じで見えます。

測定原理はノンコンと同じような感じで、器械を押しつけて、目の凹みぐらいから眼圧を推測します。(眼圧が高ければ、あまり凹まない。)

アプラのメリットは、
・きちんと測れれば、誤差が少ない。

デメリットは、
・直接、目に触れるので、感染症の原因になったり、測定時に黒目にキズが付くリスクがあります。
・青い光がまぶしい。
・医師が測定しますが、担当医の力量や、クセなど、測定する人によって誤差が生まれる可能性があります。


どちらの方法にしても、患者さんにとっては、空気が不快だったり、まぶしかったり、あまり気分のいい検査ではないようです。ただ、眼科ではとても重要な検査ですので、ご協力を頂ければと思います。


注)
上記の測定は、目の硬さから、目の内部の圧力を推測する方法です。
実際に眼球に針などを入れて、内部の圧力を測定するわけではないので、あくまで推測値になってしまうのですが、診察のたびに手術のように眼球内に器械を入れるわけにはいきませんので。
これらの方法では、眼内の房水による圧力以外にも、眼球のボール自体の厚さや、硬さ(剛性)も、測定値に影響します。例えば、同じ大きさの、やわらかいゴムボールと、硬いプラスチックのボールに、同じ量のお水の入れても、触った時の硬さは異なりますよね?
例えば、高齢になると、組織が硬くなるため、おなじお水の量であれば、少し眼圧が高くなるようです。他には、レーシックなどの近視矯正手術を行って、角膜が薄くなっていると、同じ眼圧でも、眼球がやわらかくなるため、眼圧の測定値はやや小さい値が表示されます。(最近は、手術をする施設も増えてきましたが、以前は緑内障の人はレーシックはできない。と言われていたのは、こんな理由もあるのです。)


今日もお付き合い頂き、ありがとうございました。
当院も緑内障の患者様がどんどん増えていますが、少しでもお役にたてれば。
| 緑内障 | 23:22 | comments(0) | - |
緑内障 ヾ祕
今日のお昼は白内障手術が6件。無事に終わりました!

今日からは、失明の原因第一位、眼科の重大な病期について書いてみます!

緑内障 ヾ祕

手の先、つま先、体のほとんどの部位では、血液が栄養分を運ぶ役割を果たしています。では、眼球の中はどうでしょう?
もしも目の中に赤い血液が流れていたら、光が通らないので、物を見ることができません。


目の中では透明なお水が循環することで、栄養分を隅々いきわたらせる。なんてことを行っています。


少し具体的には、図の茶色の組織(毛様帯)と呼ばれる組織から、

血液の中から必要な、栄養分の高いお水だけをろ過して、水色の矢印のようにお水が出てきます。実際にはお水は目の中全てを埋め尽くすわけではなく(一番広い部分には硝子体がありますので)、図のようなルートで、特に水晶体(レンズ)の周りをまわって栄養分を届け、赤矢印、黒目(左側)の方に回って、瞳孔(虹彩)の付け根のあたりの出口(隅角)からいく。という循環を繰り返しています。

この目の中を流れるお水の事を「房水:ぼうすい」と呼びます。
目の中に、房水が入っているからこそ、眼球(ボール)は、丸く膨らみ、触ったり押したりすると、一定の硬さ・弾力があります。この弾力・硬さが
眼圧(がんあつ)なのです。

目の中に房水が多いと、眼球のボールを内側から膨らませる力が大きくなり、外から触ると、パンパンで、硬く感じます。このような状態を、「眼圧が高い」。

逆に、目の中の房水が少ないと、眼球のボールはペコペコ、やわらかい状態となり、このような状態を「眼圧が低い」と表現します。

今日はここまで。お休みなさい。
| 緑内障 | 23:50 | comments(0) | - |
放置
いろいろと忙しかったりで、芝生は9月の中旬から、ほとんど放置になってしまっています・・・冷や汗
妻がたまに水をやったり、草むしりをしてくれているそうですが。

秋になって気温も下がると、芝も伸びないので刈らなくても大丈夫で、水やりも週に1回とかでいい。と、教科書?図鑑には書いてあるのですが、確かに、放置の割にはまだ緑を保っています。

ほとんど成長せず、芝刈りも不要のようです。

肥料をいっぱいあげたら、もう少し長く楽しめるのかもしれませんが、今、肥料をあげると、芝生には手遅れで、冬に生える雑草が元気になってしまいそうな不安もあり、今年はこのままにしておこうかなと。

引っ越し後、まるまる2年、芝生とお付き合いしてみましたが、
だいたい、4月初めから緑の芽がでてきて、5月のGWくらいにひとまず緑のカーペットになるようです。
8月が一番キレイで、10月までは緑を保ちます。
11月中に徐々に茶色になって。

我が家の芝は、高麗芝(こうらいしば)、日本芝・夏芝とも言われるようですが、半年くらいの間、緑を楽しめるようですね。
頑張っている人は、夏に日本芝、途中で種をまいたりして、冬に西洋芝(冬芝)を生やして、一年を通して緑にkeepするツワモノもいらっしゃるようで。
エバーグリーン(常緑)、カッコいいですが、時間的に難しい。リタイヤしたら考えようゴルフ
| 芝生・趣味 | 17:15 | comments(0) | - |
救急車呼んで!!網膜中心動脈閉塞症
今日も網膜剥離の紹介がありましたが、それよりもっと悪い病気の患者様が・・・。

実は、もともと当院にかかって頂いている、50代女性の患者様です。
初じめてお会いした時は、糖尿病網膜症による出血で、視力が0.03とかだったのが、きちんと治療ができて、最近は0.9まで回復していました。

今回は昨日の夜に、急に真っ暗になったと、今朝来られたのですが、なんと網膜中心動脈閉塞症・・・・。
以前に書いていますが、
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4925
2011.04.23 Saturday
目を養っている中心部の血管がいきなり詰まってしまう病気です。
脳梗塞や、心筋梗塞と一緒で、いかに早く血栓を溶かすか。が重要です。



視力はなんと、0.01まで低下。
写真の青矢印で囲った部分が少し白く見えるでしょうか?
赤い血液が流れないために、白くうつってしまうのです。
緊急入院で、マッサージや点滴、ステロイド剤の注射などを行いましたが、
写真は治療後に今とったやつですが、少し改善してきているようです。

糖尿病の方は、残念ながら、見えなくなるまで、外来に来てくれない人が多いのですが、(もちろん、きちんと来てくれる人もいますよ。)
この方も、外来をサボってしまう事が多く、煙草を吸ったり、血糖が500あったり、食生活も・・・。医師の立場からは、決して優等生とは言えない患者様なのですが、とても明るく気さくな患者様で、来た時には外来の雰囲気を明るくしてくれる、素敵な患者様です。なんとか少しでも良くなってほしいなと。

でも、網膜中心動脈閉塞症は、詰まってから1〜2時間以内の治療が望ましい疾患です。今回も半日弱たっており、元通りに見えるように。とは行かないでしょう。
急に見えなくなったら、救急車です!!!
脳梗塞や心筋梗塞では、みなさん救急車を呼べるのですが、目の事になると危機感が乏しく、どうしても明日でいいや。となってしまうようで・・・。

ブログをみて、覚えていてくれる人が少しでもいて、自分や家族の方が急に見えなくなった時には、すぐに病院へ行って頂ければ幸いです。

今回の患者様は、優等生とは言えませんが、「昨日は先生が休みだと思って。」とのこと。優しい気持ちで、受診が遅れてしまったのは残念。少しでも回復を。と祈ります。
でも、昨日の夜も救急外来の患者様を2名診察しています。やっぱり重大な病期の時は、昼・夜関係なく病院に連絡を。

(いつも目が赤いのだけど、昼間は忙しいから、夜みてほしい。みたいなコンビニ感覚の受診は、お断り致しますが・・・。たまに、そういう問い合わせもあるのですよね・・・。)
| 網膜中心動脈閉塞症 | 21:16 | comments(0) | - |
病気の原因
いつもなかなか一緒にいる時間がないので、日曜祝日の朝の診察は、子供を病院に連れていき、お手伝い??邪魔??をしてもらうのですが、今朝は昨日手術をしたばかりの患者さんが多かったので、お留守番に。長女が「連れてって欲しい」と泣いたりして・・・。カワイイなぁときめき

今日は外来の説明で、よく困ることから。
病気の原因について

外来をしていて、「残念ですけど、緑内障です。」「加齢黄斑変性症です。」「眼底出血です。」
診断をつけたら説明をするのが僕の役目なのですが、少し重い病気の診断をすると、多くの方に「原因は?」とか「何に気をつければいいですか」と質問されます。病気であることに納得が行かない場合や、健康に気を使っている人などで、そういう傾向が強いようです。

すると、僕は一般的に言われている・考えられている原因をお話するのですが、本当はなかなか難しいのですよね・・・。

例えば、「緑内障です。」と伝えると、「目をいっぱい使う仕事をしたから。」「細かいものが好きだったからかな。」とか、みなさん、いろいろな事を言われて、自分で納得しようとするのですが、現在分かっている緑内障の原因は家族性(遺伝傾向)があると言う事だけで、煙草もパソコンも、紫外線も関係がないようです。

「血管が詰まって、眼底出血です。」なんて伝えると、「最近、寝不足だったから。」とか、「煙草すってるからでしょ。」とか、自分でなにか原因を決めて納得しようとする方がたくさんいます。寝不足や煙草は、ある意味あっているのですが、実際にはそう簡単ではないのですよね。

血管が詰まる理由は、加齢や動脈硬化、他に高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病などが大きな原因ですが、さらにその原因には、運動不足、煙草、塩分など食生活などもありますし、遺伝傾向なども関係します。他にも、そういった傾向が全くなくても、生まれつき一部の血管が細かった。なんていうことだってあり得ます。

なので、なにか一つの原因を明確に指摘して、ここを気をつけましょう。なんて偉そうなことは、なかなか言えないのですよね悲しい

どんなに健康に気を使っていて、バランスのとれた食事をとって、運動もして、体系もスリムで。そんな人も、ある程度の年齢になれば脳梗塞を起こすこともありますよね。
「肺がん」というと、煙草だけが悪者にされますが、煙草をすっていなくても肺がんになる人は沢山います。(もちろん、大きな要因の一つですが)
「インフルエンザや風邪」も、ただ、ウィルスを他の人からうつされた。だけではなく、自分の寝不足やストレスなどで免疫力・抵抗力が弱かったり、もしかしたら、おなかを出して寝たとか。いろいろな要因が重なって病気が成り立ちます。

そんな感じで、外来では、「あなたの病気の原因は、これこれ、こういったものたちがリスクとしてはありますが、なにか一つだけが原因というわけではなく、いろいろな要因が重なっていて起こっており、明確な原因は不明です。」なんていう、少し曖昧な表現が多くなってしまうのです。

みなさん、ご自身の病気を納得するために、何か一つの事柄を病気の原因として説明してほしい。とういう希望があるようなのですが、なかなか難しいのです。

文才があまりないので、よく分からないブログになってしまったでしょうか?
最後までお付き合い頂いた方、ありがとうございます。

そうそう、さっき電話があって、明日も網膜剥離の紹介が来るようです。
スタッフの皆さんは、これをみたらビックリかな?すみませんが、ご協力お願いします。
| その他 | 21:48 | comments(0) | - |
眼内レンズ縫着術
今日の午後は手術です。(今日は両眼手術の人が少なめでした。)
・抜糸 1件(数年前の斜視の手術の糸が出てきてしまった)
・白内障手術 3件
・眼内レンズ縫着術 1件
・網膜硝子体手術 3件(糖尿病網膜症2件、網膜中心静脈分枝閉塞症1件)
以上は、みなさん無事に終わりました。

ただし、残念ながら・・・。
95歳の女性で、両眼とも高度の白内障が原因で、ほとんど見えていない患者様なのですが、認知症の問題で、手術の準備・消毒などの段階で中断に・・・。
手術でよく見えるようになりそうなのですが。
はじめから、ご家族の方とは相談してあって、認知で手術ができないかもしれないけど、もしできたら、とってもよろこんでもらえる!、もしかしたらできるかも!と、楽しみにしていたのですが、残念です。
視力の回復で認知症が改善するとの報告も多く、どうにかしてあげたいのですが、95歳だと全身麻酔をかけることも難しいですし。局所麻酔では暴れてしまうと危険ですし。困りました・・・。


さて、今日は白内障手術の特殊例のお話でも。
眼内レンズ縫着術(がんないれんずほうちゃくじゅつ)

以前のブログ(2011.09.05 Monday)で、記載しましたが、白内障の手術はレンズをまるまる交換するわけではなく、レンズ(水晶体)を覆っている袋を残して、中の濁りを取り出し、袋のなかに新しい眼内レンズを置いてくる。という手術が一般的に行われています。
ただし、外傷や生まれつきなどで袋の状態が悪かったり、手術で失敗して袋を破いてしまったり(破嚢)、目に合わないレンズを交換する場合の一部などで、レンズを挿入するための袋が使用できない場合があります。
このような場合には、レンズを固定する支えがないので、人工的に手術で、目の中にレンズを縫いつける。という作業が必要になります。

今日の手術は、
以前に紹介した、水晶体落下で紹介、緊急の硝子体手術で、水晶体をまるまる除去してしまった77歳女性の患者様です。(⇒2011.08.26 Fridayのブログ)
外傷なのか、もともとなのかは詳細不明ですが、当院に来た時にはレンズは袋ごとズレてしまい、目の奥の方まで器械を入れて、まるまる切除をしています。
レンズが入っていないと、極度の遠視となってしまうため、牛乳瓶の底みたいな厚いメガネをかけないと、ピントが合いません。
前の手術から2ヶ月がたち、だいぶキズ口も安定してきたために、今日はレンズを縫いつけることにしました!

以前から、この術式をどうやっているのか?と、知り合いの先生、数名から質問を受けていたので、このブログで書いてみます。(ちょっと専門的にな部分は茶色にしてみます。)


まずは、消毒をして、テノン嚢下注射と呼ばれる、目の後方への注射麻酔を行います。


次に白目を覆っている結膜という組織に少し切り込みを入れます。
切り込みは、黒目の少し左下と、対角線上の右上に2か所作ります。


結膜を切ると、強膜と呼ばれる白い、硬い膜が出てきますが、この部位にも切れ込みを入れます。ここは、あとでレンズを縫う糸の結び目が隠れるようにするためのものです。
(クレセントで、縫着予定の部位の少しだけ上方に、強膜に水平にポケットを作ります。予定手術での縫着の場合には眼球への穿孔前にポケットを作ると、眼圧が保たれていて、やりやすいです。穿孔してからだと、低眼圧でベコベコになってしまうので。前もって準備がきちんとできてさえいれば、前房メインテナーは不要です。メインテナーもたまに使いますが、だいたい少しデスメにシワがよって、術後数日視力が下がってしまいます。)

次に、実際にレンズを入れるキズ口を作ります。

この患者様は、黒目(角膜)の上方、写真では下側にキズ口を作りました。
(4mmで三面切開)


写真で黒目の下のキズ口(黄緑)から、新しいレンズに縛り付けてある針と糸をいれ、初めに作った黒目右上のキズ口の近く(水色)から針を出し、縫いつけます。

同じように、黒目の左下のキズ口にも針を通して縫いつけます。
(正確に対角線上、輪部2mmを目指すのに、カウヒッチ法でやっています。迎えは25Gか27Gを使います。)

すると、こんな感じ。

赤やじるしの先の黄色が眼内レンズなのですが、糸も細くて見えないし、ちょっと分かりにくいですかね。イラストで描いてみますと、

黄色がレンズです。丸いレンズには支えになる部分として、水色の足がついているのですが、この足の部分に糸が縛り付けてあります。この糸の先には針がついていて、黒目の下のキズ口から針を目の中に入れて、白目に作ったポケット(黒線)の近くから、針を目の外に出します。


アクリル製のレンズは、やわらかく、2つに折りたたむ事が出来るので、丸いレンズの部分は直系が6.5mmあるのですが、2つに折りたたむと4mmのキズから目の中に入れることができます。

最終的に、白目から出ていた針と糸を、しっかりと結び付けて(青矢印)、結び目をはじめに作った白目のポケットの中に隠します。(隠さないと、ゴロゴロ痛みの原因になってしまいますので。)

右上の部位でも同じように、白目に糸をしっかりと縫いつけます。


最後に、結膜を覆いかぶせて、熱凝固で、くっつけたらお終いです。
キレイに出来ました。


質問を受けていた、S先生やK先生に。
以前は、MAなどのレンズをインジェクターで挿入後に、ハプティクスを一度出して、糸を縛って・・・。という方法が多かったのですが、確かに2.8とか3mmで、キズが小さいのですが、糸を縛り付けたり、眼内でレンズを回したりが煩雑で、手術時間が30分程度必要でした。
2つ折りの4mmでと思えば、入室前に、糸をIOLに縛り付けるところまでやっておくことで、手術自体の時間、眼球に創がある時間は上記の半分以下で出来るので、感染症などのリスクは大幅に減りますし、操作も簡単で、レンズを回したりで、稀に少量の虹彩出血などがあるかと思いますが、そういった心配もありません。虹彩触ると痛いようですし。
しばらくは、僕はこの術式でいこうかと思っています。

糸はp-c9、レンズはS先生に教えて頂いたのですが、YA-65BBがハプティクスにふくらみがあって、糸がズレたり抜けたりする心配がなくて、いいなと思っています。


レンズへの縛り方は、こんな感じです。p-c9は糸がループ状になっていますが、
,泙塞當未飽豌麈って、しまいます。なるべくキツメに。
⊃靴靴できたループ側をハサミで切ります。
だ擇辰討任た2本の間に、ハプティクスを入れて、縛ります。,妊ツク縛っても、やはり緩む事があるので、縛るときに、レンズ側にできた糸のループの間に縫合するほうの断端を1〜2回通すと安心です。
| 白内障 | 19:00 | comments(6) | - |
10月の手術実績
11月になりました。霜が降るから霜月と、結構シンプルですよね。
今日は小美玉市医療センターで手術。白内障6件です。
かなり早く終わって、夕方に時間が出来たので、髪の毛を切ってもらいに行こうと。
そして、いつも電話をしてから気がつくのですが、火曜日はみんな定休日なんですよね・・・。


10月分の手術数を集計しましたので、掲載します。


手術合計 110件

内訳

・白内障手術 82件

・網膜硝子体手術 12件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・涙器の手術 4件(NSチューブ)
・眼瞼(まぶた)の手術 4件(眼瞼下垂・さかさまつげ・霰粒腫)
・結膜の手術 3件(翼状片・結膜弛緩症)
・緑内障手術 2件
・その他の手術 3件(斜視、角膜、瞳孔形成など)

レーザー手術合計 13眼
内訳
・網膜光凝固 7件(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・SLTレーザー 4件(緑内障に対するレーザー)
・YAGレーザー 2件(後発白内障に対するレーザー)

*手術数は、分院である小美玉市医療センターとの合計数です。手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。 白内障の手術時に、逆さまつ毛や眼瞼下垂の手術を追加で行っておりますが、それらはカウントしておりません。また、病気が古くてNSチューブが挿入できなかった症例などもカウントしていません。

抗VEGF薬 硝子体注射 14件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 9件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)
| 治療実績 | 20:48 | comments(0) | - |
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