結膜弛緩症手術? 手術動画

今日は僕の手術は4件のみ。その分、宮井副院長は硝子体手術含む13件と忙しそうでしたが、僕は楽をさせてもらったので今晩は頑張ってブログを更新してみます。

最近、患者さんからよりも眼科の先生からの問い合わせが多いのですが、結膜弛緩症の手術というのがあります。結膜弛緩症の病態については以前のブログを参照ください。
半年前に手術方法がいくつかあるといったブログを記載したのですが、実は当院では、この2年間は薬剤による接着法しか行っておりません。かれこれ50例以上の症例がありますが、手術時や術後の痛みが少ないと好評で、再発も全く認めていません。今日はこの手術を動画で紹介したいと思います。

結膜弛緩症手術 手術動画(←再生クリック)
結膜弛緩症の多くの手術は、結膜の余った皺・ヒダを伸ばして、または切除して、縫いつけるといった手技が行われます。(簡易的なものでは皺を電気で焼いて収縮させるといった方法も)
それでも経過がよい症例もいますが、縫うために使用した糸が術後の痛みや異物感の原因となったり、結膜と下地の強膜を固定させるのが、糸で縫った点であるために、接着が弱く年単位では再発が多いことが問題となっていました。
当院で始めた治療は翼状片手術などから応用したものですが、たわんだ結膜を下地となる強膜に接着剤(薬品)を使用して、面状にべったりと張り付けることができます。点と点の接着よりも面と面の接着の方が強固ですよね!

手術前の結膜弛緩症です。下まぶたに、しわ・ヒダが乗っかり、黒目に覆いかぶさっています。

手術翌日の写真です。多少の出血やゴロゴロは仕方ありません。

1ヶ月後にはかなりキレイになります。

治療の完全性が高く、何より再発する傾向が全くありません。結膜弛緩症の嫌なところの一つに、結膜下出血といって白目が度々赤くなってしまうことがありますが、手術中に強膜の血管を電気凝固することで、手術後には出血をすることもほぼなくなってしまいます。(特に女性は「白目が赤くなることが嫌」という方が多く、術後に赤くならなくなるのは喜ばれます。)

手術時間は片眼で約5分程度で、多くの場合は両眼同日に行います。
片眼の料金が、3割負担で7500円、1割負担で2500円程度です。
手技の中では電気凝固で痛みがあり、簡単な局所麻酔を併用します。麻酔によって見え方も麻酔され、術後は2?3時間の眼帯が必要になります。
手術後は糸を使用する手術と異なり、痛みが軽微ですが、少しの間はゴロゴロします。術後の赤みは2週から1ヶ月程度ではほぼ消失します。

*当院では軽傷の結膜弛緩症は手術適応とは考えていません。きちんとした点眼薬を使用しても症状が辛い方のみお引き受けしています。
*技術的には簡単な手術で、多くの医院で施行可能です。県外など遠方から手術のみの目的で来院される必要性は小さいです。
*眼科の先生方からの手術手技や使用品に関する質問はネットではなく、直接ご連絡頂くか、見学にいらして頂くようお願いします。

結膜弛緩症手術?

火曜の午後は他院様での手術のお手伝いなのですが、今日はお休みを頂いたので、自院で少し急ぐべき手術をやってしまいました。
?眼瞼腫瘍手術
?ICCE+IOL強膜内固定(水晶体亜脱臼+緑内障後の紹介)
?増殖硝子体手術(糖尿病)
みなさん無事に終わりました。
?の手術は、面白い内容で、今後ブログにしてみようと。
?は、とても上手に手術できましたが大変でした・・・。

茨城県は眼科医が少ないせいで、とにかく重症例の方が沢山います。

さて、今週の金曜日にちょっとした勉強会での講演を依頼されているのですが、結膜弛緩症という病気について、スライド(説明資料)を作成中です。ついでといっては何ですが、講演会の内容から、結膜弛緩症の手術のいくつかについて、最近得意のYOU TUBE動画も交えて掲載してみます。
結膜弛緩症手術?
結膜弛緩症の手術としては、教科書的には主に以下の3つがあります。
(名前は僕が勝手につけてみました。医師によって呼び方は異なります。)
1.結膜熱凝固法
2.結膜円蓋部縫着法
3.余剰結膜切除法

そして、もう一つ、当院オリジナルの手術
4.結膜薬剤接着法
というものがあります。
それぞれの手術に利点と欠点があり、患者様ごとの症状や希望によって適切な手術方法を選んでいます。

ここで、各手術方法の説明の前に病態についての説明をしてみます。

これは正常な結膜のイラストですが、オレンジ色の線が結膜です。白目の上を覆う眼球側の結膜を球結膜、折れ返ってアッカンべーした、まぶたの裏側の結膜を瞼結膜などと呼びます。若い時の結膜は皺が少なく、球結膜と瞼結膜に挟まれる結膜嚢と呼ばれるスペースには、右のイラストのように涙がたっぷりと貯留しています。この結膜嚢には目薬をためる役割などもあります。

次に、結膜弛緩症のイラストですが、

まぶたの皮膚や靭帯の緩みによって、結膜は全体的に上方にズレてしまい、皺がよったり、結膜嚢のスペースが減少します(結膜嚢の短縮)。結膜嚢が短縮すると、まぶたに蓄えられる涙液量が減少し、涙目の原因になります。


上が正常、下が結膜弛緩症の患者様の写真です。
左側では、黒目にかぶさるような結膜の皺がよくわかります
右側では、結膜嚢の皺が分かるかと思います。

手術では、
・結膜の皺を、伸ばすor切除して、皺を消失させること
・結膜嚢のスペースをしっかりと確保すること
が望まれますが、各手術術式に関しては、次回また記載してみます。


最近、手術室の手洗い場にあるマイク(ディズニーのキャラクター)が、勝手にいろいろな格好に変身しています。スタッフのいたずらと思うのですが、実行犯はだれだろう?
手術直前にちょっと緊張感が和らぐのでありがたいのですが。

結膜弛緩症

昨日、暇だとか言ってしまったせいでしょうか・・・。今日は普通に結構混みました。お待たせしてしまった患者様は申し訳ありません。
午後は小美玉で手術です。
白内障手術 5件
やはり、成熟白内障といって、今回は光さえほとんど分からない。という患者様もいらっしゃり、なかなか大変な手術でした。(10分くらい)

今日は、昨日手術をした結膜弛緩症の手術について書いてみます。
結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)
病気の詳細は、6月22日のブログをご参照ください。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4996
僕を含めて、最近の眼科医は、「見える・見えない・失明」などにばかり、ついつい目がいってしまうのですが、患者様にとっては、痛いとか、うるさい、涙がでる。などの症状もツライことです。
結膜弛緩症は、ある程度高齢になった場合に、非常によく起こる病気で、患者様によっては、とても辛いとおっしゃる事があります。

84歳女性の患者様の、昨日の手術前の写真です。

赤い矢印で囲んだ部分が、結膜がゆるんでシワになっている部分です。
この患者様は、涙目、うるさい。というのがツライようです。


赤矢印が結膜のシワを引き延ばして、白目(強膜)に縫いつけた部分です。
黒矢印は、縫っている最中です。(手術では、患者様の頭の上側に座ります。写真は通常の状態とは上下が反対になっています。)

今度は、黒が縫ってある部分、赤が縫っているところです。
こんな感じで5箇所ほど、シワを伸ばして縫いつけます。

ゆるみが大きい部分は、ハサミで切って、切除してしまいます。

切りとった端と端を縫い合わせて、縫い合わせて終了です。
血液がサラサラの薬を飲んでいて、少し赤く出血していますが、数日でキレイになります。
(出来るだけ出血しないように、血管を避けて切ったり、縫ったりする必要があります。瞳孔を開かないで手術をする先生もいらっしゃいますが、当院では出来るだけ見た目を良くするために、瞳孔を開く薬を使用して出血を少なくするように心がけています。)

今朝こられた時の写真です。

手術前にみられたシワがとれて、キレイになっています。

アッカンベーをすると、まだ少し赤みがありますが、2?3日で治ります。

日帰り手術で5分程度の手術です。
1割負担の患者様だと、片目3000円くらい。
慢性的に涙がでる、うるさい、ゴロゴロするなどの患者様で、目薬で軽快しない場合には、手術をしてしまうのも一つの手かと思います。

涙目の原因となる病気は他にもあります。
また、手術をしなくても目薬の調整だけで、症状が取れてしまう場合も多くあります。
当院での手術をご希望の場合でも、今まで使用した目薬や、検査の結果があると、よい診断につながりますので、現在、かかりつけの眼科様がある場合には、出来る限り紹介状を頂くようにしてください。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

結膜弛緩症

今日の外来は、新患(はじめてかかる人)が多くて結構混みあいました。
お待ちいただく時間が長くなりすみません。
午後の手術は以下を行いました。
・白内障手術 10件
・緑内障手術 1件
・網膜硝子体手術 3件

網膜硝子体の内訳は
 糖尿病黄斑浮腫 1件
 糖尿病性黄斑前膜 1件
 硝子体出血 1件
みなさん無事に終わっています。

結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)
結膜弛緩症は、白目(強膜)の上を覆っている、結膜という粘膜が、加齢によって、ゆるんで、しわがよってしまう病気です。
失礼な言い方かもしれませんが、年齢でお肌にしわが出来るようなものです。

症状としては、以下のようなものがありますが、
とにかくうるさい。と感じる事が多いようです。
・まばたきをするたびに、しわがこすれるので、痛みを感じたり、炎症を起こしてメヤニがでます。
・涙の流れが悪くなったり、涙を蓄える空間が狭くなるため、涙目になります。
・涙が黒目の表面に均一に広がらずに、乾いた部分ができて、ドライアイの症状がでることもあります。

残念ながら、簡単に完治する病気ではありません。
年齢によって足腰が痛い場合にシップをはるように、治すというよりは、目薬を使って上手に付き合っていくといった病気です。乾燥した空調を避けるなど、環境を整えることも重要です。
目薬を使って、あまり症状が強くなければ様子をみて頂くことになります。

ただし、症状が強く、目薬を使ってもツライという場合には手術を行います。手術によって、あまった結膜を切除したり、縫い縮めたりします。
手術自体は非常に簡単で、外来で目薬の麻酔でで5?15分程度の手術です。
(粘膜がどれくらい余っているか、どれくらい切除するかで時間が変わります。)

本日、先週の水曜日に手術をした患者様が2名いらしたので、掲載します。

73歳の男性です。黒目の左下、まぶたの上にシワがよっています。

詳しく見るために、涙を黄色に染めています。正常でシワがない場合には、涙はまぶたの上に均一にたまるため、まぶたの上に一本のまっすぐな線が写ります。結膜弛緩症では、シワの部分にも涙がたまり、涙の黄色い線が余分に写るようになります。

特殊な青い光で写真をとると、黄色の線がより見やすくなります。

最後は、本日の写真です。シワがなくなってキレイになってきています。

次は、78歳の女性です。

黒目の下のほう、まぶたとの境界に、白いシワが見えます。

本日の写真です。シワがなくなり、非常にキレイになっています。

実は、目の表面の写真を保存する器械とパソコンとの相性が悪く、ブログに載せる場合には、印刷したものを写真で撮って掲載していたのですが、今月の28日に新しい器械の購入が決定しています。今後はよりキレイな写真を簡単に掲載できるので楽しみです。画質も良く、診察中の患者様への説明もよりやりやすくなる予定です[:グッド:]

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市