今日は午前の外来後に急いで移動し、午後は県南の医院様で白内障手術や硝子体手術、10数件を執刀させて頂きました。
その後、久しぶりにTX(つくばエキスプレス)に乗って、夜は都内で50分程度の講演を担当。僕が特に力を入れている糖尿病黄斑浮腫という病気についてまとめてみましたが、そのうち黄斑浮腫のブログもかかなくちゃ。
渋谷で食事をして、帰りはフレッシュひたち(常磐線)で、ブログを更新してみます。少し酔っていますが、誤字脱字があってもご勘弁を。フレッシュひたち、なかなかいいシートで、快適です。
視神経炎の最後です。
視神経炎? 治療その4 その他
視神経炎の治療のメインは、ステロイドパルス療法です。他に抗AQP4抗体陽性視神経炎では血漿交換なども有効であることを記載しました。
ただし、これらの治療だけで、全ての視神経炎が治療可能なわけではなく、また、ステロイドの副作用が強くでて、ステロイドを使い得ない患者様などもいらっしゃいます。このような場合には、ステロイド以外の免疫抑制剤や、インターフェロンという薬を併用するなどして、治療効果を向上させよう。といった治療法も試されています。
以前にも記載しましたが、長期的な経過をみると、もっとも有効と思われているステロイドパルス療法でさえ、大きな改善効果はない。とする研究もありますし、治療への反応が悪い・難治性の視神経炎が存在することは確かです。
難しい病気ですので、「大学病院で治療をしたのに、それでも見えなくなった。」と、セカンドオピニオンとして当院を受診された方もいらっしゃいますし、Q&Aでも質問を受けたこともあります。
同じ視神経炎といっても、実際の症例ごとに治療への反応も異なり、簡単に治ってしまうもの、なかなか難しい経過をとるもの。様々な症例があります。
いい訳ではありませんが、現在の医学で考えられている、全ての治療を行ってもどうにもできない症例もあるのだと思います。
(幸いにも、開院以降の当院で治療をした症例では、もっとも悪い結果の方でも視力0.2?0.3程度で、失明に至った患者様はいらっしゃいませんが、超重症例が少なかったのだと思います。)
医学が進んで、よりよい治療法が開発されることを祈るばかりです。
また、視神経炎は再発しうる疾患です。
一度、視力が落ち着いたからと言って、「もう一生大丈夫。」という事はありません。当院では落ち着いていても、半年?1年に1回程度の定期健診をお勧めしていますが、予約の前でも、視力の低下を自覚したり、眼球を動かした時に痛みがある場合(視神経炎の症状の一つ)などには、早急に受診をしてください。
視神経炎は初期治療も再発時の治療も、治療をするのであれば、できるだけ早くに治療をする事が重要です。炎症・脱髄が起こっても、すぐに消炎をすることができれば、神経細胞の障害には至らずに回復が可能ですが、炎症が起こってから時間がたつほど、神経の変性・萎縮が進行してしまいます。見え方が悪いと思った時には、すぐに診察を受けるようにしましょう。
僕たちは、できるだけ早く治療に進めるように、「この検査は明日」「また別の日にこっちの検査」などということはせず、早急な診断に努めたいと思います。
今日もお読み頂き、ありがとうございました。