今日は小美玉市医療センターで手術です。
・白内障手術 6件
・翼状片手術 2件
・眼瞼下垂症手術 1件(加齢によってまぶたが下がったもの)
無事に終わりました。
ちょっとサボっていた、ドライアイの事です。
ドライアイ(乾性角結膜炎)
ドライアイは、目の表面の涙が少ない、つまり乾燥していることによって引き起こされる病態ですが、以前に記載した通り、様々な症状や問題が起こるため、治療をする必要があります。
治療法は目薬がもっともポピュラーですが、それ以外も含めて記載します。
?生活や環境に配慮して、乾きにくくしよう
晴れて湿度が低くて、風が強い日には洗濯物が良く乾きます。
目も同様で、冬の乾いた風や、エアコンの乾いた風が当たれば乾きやすくなります。(お風呂に入っている時間や、梅雨の時期にはドライアイの症状が軽くなります。)
ドライアイの人は、運転中に車のエアコンの風に顔にかからないようにしたり、職場でエアコンの直風が顔にあたらない机にしてもらったりなどの配慮をすると良いでしょう。また、メガネをかけると直風を防ぐ効果もあります。
集中して、本を読むときや、パソコンの画面を見ているときは、まばたきが少なくなり、乾きやすくなります。近年は、Visual Display Terminal、VDT作業と言って、パソコンなどのモニターを必要とする職種が増えています。パソコンなどに集中して仕事をする場合、少し意識的にまばたきを増やしたり、適度な休憩をとるように心がけましょう。
また、パソコンのモニターやテレビ画面などもそうですが、アゴを引いて上目線で見る場合より、顎をあげて下目線で見る方が、目を開く面積が少なくなり、涙の蒸発が少なくなるため、乾きにくくなります。
モニターやテレビ画面を少しだけ低い位置にしたり、姿勢を正して、少し下目線で見るなどと気をつけるもの良いことです。
?湿度を上げよう
お風呂場や、梅雨など湿度が高い場合には洗濯物はなかなか乾きません。
オフィスでエアコンの風がコントロールできない場合には、足元や机の上に個人用の小さな加湿器を置くのもよいでしょう。
症状が強い人は、ゴーグルや花粉予防の保護メガネなどをかけて、目の周りの湿度を上げる方法もあります。
特に、ゴーグルの内部に湿った綿を設置して、積極的に湿度を上げる方法などもあります。(モイスチャーエイド;眼鏡店やインターネットで購入可能です。)
?目薬をつけよう
涙が少ない人は、目薬で補いましょう。足りない涙を補充するといった、とても分かりやすい治療法です。
人工の涙液にも、さまざまな種類があります。ほとんど水に近い成分の物や、ヒアルロン酸と言って、お肌につける化粧水のような潤い成分が入ったもの、ビタミンの成分が入ったもの、軟膏という油分の多い製剤などもあります。潤いが多いと乾く感じは改善しますが、少しべたつくような感じになります。どの目薬がよいかは個人差が大きく、付け心地なども目薬を選ぶのに大事な要因です。医師とよく相談するようにしましょう。
また、半年前に新発売された点眼薬で、結膜や角膜からの粘液の分泌を促進し、角膜(黒目)の表面のムチン層を改善することで、涙液の蒸発を和らげるといった作用のものもあります。(ジクアス点眼液)
まぶたや結膜の炎症、油層の問題などで、ステロイド剤という点眼薬を使用する場合もあります。この場合、ステロイド緑内障といって副作用が起こる場合があります。副作用がやすいタイプの人と、そうでない人がいるのですが、眼科で時々チェックをする必要があります。
重度ドライアイの場合など、稀ですが、血清点眼と言って、ご自身の血液を頂き、遠心分離して目薬を作り出すといったことをする場合などもあります。
当院では、多くの場合は、初診時にはまず一ヶ月分の点眼薬を処方しています。
2回目の診察で、付け心地は良いか?角膜の傷は治っているか?副作用などはないか?などを相談・診察し、結果が良好であればご希望に応じて、同じ点眼薬を、保険診療内で認められた範囲の本数(だいたい10本;ジクアスは4本まで)で処方し、次回の予約はなしとしています。(変化があるときに再診)
2回目の診察で、付け心地や病気の改善度に問題があるようであれば別の薬や治療法を相談しています。
?涙をせき止めよう
上記のような治療でも改善が乏しい場合には、涙点プラグといった治療を行います。涙は目の表面を潤した後に、目がしらの涙点(るいてん)という出口から鼻の奥の方に流れていきます。
涙点プラグはこの出口に詰め物をして、涙をせき止めてしまう治療法です。
出口がなくなった涙は、蒸発する分でしか目の表面からなくならないため、高い治療効果が期待できます。
・良い点:治療の効果が高い、もしも嫌だったら取り外すことができる。
・悪い点:詰めのものが取れたり、溶けてなくなった場合には追加治療が必要。両眼で数千円の費用がかかる。涙はホコリやアレルギー物質を流す作用があるが、これがなくなるため、花粉症などが悪化する事がある。ホコリを流すために、1日数回、洗い流すために人工涙液が必要。
その他にも、特殊な重症例では、まぶたの手術を行う場合や、治療用コンタクトレンズなどの治療法等がありますが、必要時は医師が説明します。
涙液の量を増やすというのが理想的な治療法です。ただし、現在の医学ではそのような治療法は確立されていません。同様の効果がある飲み薬なども報告されていますが、全身的に汗が出る・暗く見える・消化器症状などの副作用が大きく、ドライアイのみの治療としては現実的ではありません。(抗コリン剤;サラジェンなど)
それぞれの患者様にあった最適な治療をするには、診察や涙の検査以外に、患者様からの情報が必要です。
どんな症状があるか、何をしている時に症状が強いか、1日のうちで差があるか(朝がひどい・夜がひどいなど)、点眼薬の反応はどうか。医師にいろいろな情報を下さい。
ほとんどのドライアイの症状は、きちんとした検査、治療を行う事で症状をとることができます。ツライのを我慢する必要はありませんので、医師によく相談してみてください。
白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
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