今日は以下の手術を行いました。
・眼瞼下垂症手術 2件
・白内障手術 12件
・眼内レンズ交換 2件(他院様術後、度数エラー)
・網膜硝子体手術 2件(茎離断1件・増殖1件)
(外傷性?成熟白内障落下、増殖糖尿病網膜症)
みなさん問題なく終わりました。
眼内レンズ交換の方は、県外からの患者様です。前回手術後から少し時間が経っていましたが、最も安全な術式での入れ替えができて良かったです。
増殖網膜症は、稀に見る重症例でした。
手術は問題なく終わり、失明は避けられたと思いますが。良好な回復は難しそう。まだ40代の患者様なのに反対目も重症・・・。頑張るしかありません。
加齢黄斑変性症? 検査:眼底検査と眼底カメラ
加齢黄斑変性症は、目の奥の方の病気なので、診断には通常、瞳を開く目薬を付けて、散瞳をさせ、目の奥を覗き込む検査を行います。
眼科医は診察の所見をカルテにイラストとして記載するのですが、スケッチのみでは記録として正確さに欠けるので、多くの場合では写真を撮影して記録を残します。最近の写真は、高画質でとてもキレイに病変の撮影ができるので、病気の悪化や軽快などの細かい変化がよく分かります。
また、近年は、人間ドックの眼底カメラの検査結果で「黄斑変性症の疑い」として、眼科受診を勧められるケースも増えています。自覚症状のない、初期の段階で病気が発見され、早期治療によって助けられる症例が多いのが特徴です
実際の眼底のサンプルです。(ブログでは画質を落として掲載していますが、本当はもっともっとキレイな写真が撮れます。)
一番上が正常な黄斑です。黄斑のオレンジ色が均一でキレイです。
2番目は、オレンジ色の色素が薄くなって(萎縮して)います。
3番目や4番目は、黄斑付近に黄色っぽい老廃物が貯留したり、萎縮したりしている症例です。老廃物の貯留は、滲出型の加齢黄斑変性症の前駆病変として、注意が必要です。
5番目は、黄斑が強く萎縮してしまった症例です。
6番,7番,8番目は、赤い出血と共に水分が貯留して、網膜が厚く膨らんでいる状態で、滲出型黄斑変性症と呼ばれる症例です。滲出型黄斑変性症は、進行が早く、失明に至ることもあり、治療が必要になります。
(1?5番目は、非滲出型または萎縮型と呼ばれる病形で、治療は必要とせず、経過観察を行います。)
多くの場合、写真では、出血している症例=悪性・滲出性と判別されますが、赤い血液が出ずに、水分の貯留のみ起こるようなものは、写真のみでは判別ができません。
黄斑変性症の確定診断には、他に、造影検査と、OCT検査というものがあるのですが、次回以降、記載してきたいと思います。