霞ヶ浦

今日は子供の同級生のお父さんにお世話になって、霞ヶ浦に釣りに行ってみました!

霞ヶ浦(かすみがうら)
霞ヶ浦は220km²と、琵琶湖についで日本で第2位の大きさを誇る湖です。
流水域がとても広く、県内の多くの市町村に面しているのですが、西浦と呼ばれる湖の北西端が石岡に面しており、クリニックから近い場所では車で10分程度でいけちゃいます。調べてみると最も深いところが7mってありましたけど、本当かな?広い割に、かない浅いのですね[:見る:]

利水以外にも、周囲ではレンコンが沢山とれたり、魚や貝類の漁業、観光船やヨット、ジェットボート、帆曳船(ほびきぶね)など、観光やレジャーにも使用されているようですが、趣味で魚釣りに来る人も沢山いるようです。

僕は、魚釣りというと、小学生や中学生の時に、父親と数回やったことがあるくらいで、ほとんど経験がありません。(観光地での釣り堀はちょっとありますが・・・。)
今回、子供の同級生のお父さんの趣味が「魚釣り」ということを聞きつけて、あつかましくもお願いしてみると、OKを頂けたのでお世話になってみました!

魚は朝早い方が釣れるとのことで、今日は朝の診察は後回しにして、6時半に出発です!つり竿の針に、糸ミミズを取りつけて、湖に40?50cmに入れると、わずか10分程度で!!
「とったどー!!」
子供も数分で、「釣れた[:魚:]!」


残念ながら、美味しく食べられる魚はいなくて、ナマズやブルーギルと呼ばれる外来種の魚が大量に釣れました。僕と我が子だけでも2時間で8匹くらい。
昔は「ワカサギ」や「タナゴ」という魚が多かったようですが、残念ながら繁殖力の強い外来種、ブラックバスやブルーギルなどの違法な放流が行われ、漁業として有用な魚が激減してしまっているようです。生態系の維持って難しいようですね[:撃沈:]

本日のお魚パパが言うには、「ブルーギル」は、餌さえあれば簡単に釣れてしまう魚のようです。技術を駆使して、ブラックバスやその他の魚を釣るのが本来の楽しみのようですが、初心者の僕は、何の魚でも釣れればいいので、とても楽しい一日でした!
お世辞にもキレイと言えない霞ヶ浦ですが、どうにか浄化がうまくいって、海水浴場のような目的で観光客を呼べるような状態になったら素敵でしょうね。

夕方は、お世話になったパパたちと、4家族のお子さんたちで今年初のバーベキューをしました。例によって、僕は酔っ払っただけですが、明日からまた頑張る元気を回復しました!

後部硝子体剥離? 症状・診断

今日はお休みでしたが、急患がちらほらあり。コンタクトレンズに関連した角膜潰瘍で重症の方がいて、緊急入院になりました。

後部硝子体剥離?
前回、加齢による変化として、目の中の硝子体(ゼリー)が収縮し、網膜(フィルム)と分離・剥離していくことや、目の中で、硝子体と網膜の癒着の強い場所として、?視神経乳頭、?黄斑、?周辺部網膜があることを記載しました。
このうち、飛蚊症の原因として重要なのが?視神経乳頭部の剥離です。

矢印の部分が視神経乳頭になりますが、光を感じ取った網膜が束になって、脳への橋渡しとなる入口です。この部位の網膜と硝子体が剥離することを、眼球の奥の方(後方)の硝子体が剥がれる。という意味で、後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり)と呼びます。
加齢による硝子体の収縮は避けられない現象で、後部硝子体剥離ある程度の年齢になれば必ず起こります40代?70才くらいまで程に起こることが多いのですが、個人差が大きく、強度近視の方ではかなり早くに起こることもあります。

症状:飛蚊症
後部硝子体剥離が起こると、視神経乳頭で強く癒着をしていた部分の硝子体に、濁り(混濁)が出現します。

光の進路である目の中に混濁があると、網膜に影がうつります。混濁の濃さや、程度、網膜からの距離によって、灰色?黒っぽい濁りが見えたり、光の加減によっては紫などに見える人もいるようです。
濁りの形は、典型的には視神経乳頭の形に似て、丸いリング状の濁りが出現することが多いのですが、濁りの程度や、位置、向きなどによって、もやのように見えたり、糸や線状に見えることもあります。

硝子体が目の中いっぱい、パンパンに入って、癒着をしている時には、目の中で硝子体があまり動かないため、少しくらい混濁があっても気が付きにくいのですが、硝子体が加齢によって収縮して小さくなると、目の中の隙間ができるために、目の動きにつられて内部の硝子体がよく動くようになります。硝子体が動けば、混濁も動いて、網膜の影も動いて、濁りがゆらゆらと飛んでいるように自覚されます。人間は動くものには敏感に反応するように出来ているため、突然、後部硝子体剥離が起こると、ビックリして眼科を受診するかたが沢山おられます。
あたかも「虫が飛んでいるように見える。」ということから、「飛蚊症(ひぶんしょう)」と呼ばれます。
視神経乳頭は、自覚的な見え方としては、視界の中心から外側に15度の場所に相当します。後部硝子体剥離が起こってしばらくの間は、硝子体の混濁もそれほど移動しないために、後部硝子体剥離の飛蚊症は、視界の外側(右目なら視野の右の方、左目なら視野の左の方)に自覚されます。

診断:眼底検査
上記のように、後部硝子体剥離の症状は特徴があるので、僕たちは、濁りの場所や見え方を問診で聞くだけで、その飛蚊症の原因が後部硝子体剥離らしいのか、悪い病気が疑われるのか、大まかには判別可能ですが、正式には点眼薬を用いて瞳孔を開いて(散瞳)、眼底検査を行う事で、濁りの原因を診断します。

後部硝子体剥離? 硝子体の収縮

午後から以下の手術を行いました。
・白内障手術 12件
・網膜硝子体手術(茎離断4件)
(内訳:黄斑円孔1件、黄斑前膜1件、糖尿病網膜症1件、網膜剥離1件)
今日は結構早く進み、17時ちょっとには無事に終えることができました。

外来をやっていると、1日に1人くらいは、飛蚊症(ひぶんしょう)といって、「何が黒いものが飛んで見える」という訴えの人がいらっしゃいます。目の中の硝子体(しょうしたい)というものが濁ってしまう事で起こる症状ですが、濁りが発生する原因は、多くの場合では病気によるものではなく、加齢によるものです。今日は飛蚊症の原因で最も頻度が多いものについて書いてみます。

後部硝子体剥離?(こうぶしょうしたいはくり)
硝子体の収縮
眼球は、光を屈折するレンズ(水晶体)と、光を感じ取るフィルム(網膜)からなり、よくカメラに例えられます。

このレンズと、網膜の間の、眼球内の最も広いスペース(緑矢印)を硝子体腔(しょうしたいくう)と呼び、中には、透明なゼリー状物質である、硝子体(しょうしたい)が入っています。
硝子体には、子供の時には眼球の形成・発達に役立ったり、ぶつけたときにクッションの役割をしたり、紫外線を吸収するなどの役割があります。

この硝子体ですが、30代の頃までは殆どの人が、上のイメージ図のように目の中いっぱい、ぎゅうぎゅうに沢山入っていますが、加齢によって硝子体は縮こまる性質があり、80代とかになると、全員が下の図の様に、眼球の前の方に向かって小さくなってしまいます。

多くの場所では網膜(フィルム)と、硝子体(ゼリー)は、軽く接着しているだけで、キレイに分離・剥離していくのですが、場所によって、フィルムとゼリーの癒着が強い場所があることが分かっています。

?赤:視神経乳頭 (⇒マリオット盲点)
?青黄斑
?黄:赤道部・周辺部の網膜

加齢によって硝子体(ぜりー)が縮こまる時に、全ての網膜と硝子体が、キレイに分離されていけば問題は起こらないのですが、上記???のような、癒着が強い場所が分離する場合には、それぞれ特徴的な現象が起こります。

とくに、?赤矢印視神経乳頭の箇所で、網膜と硝子体の分離(後部硝子体剥離)が起こると、硝子体に濁りが出現し、飛蚊症の原因として最も頻度の多いものとなります。

?や?の部分では、網膜と硝子体の癒着は、その他の部位に比べて、やや強めではありますが、通常は問題なくキレイに分離が進んでいきます。生まれつきなど、何らかの原因で網膜と硝子体の癒着が強く、硝子体が収縮するときに、網膜を引っ張ってビリっと破けてしまうようなことがあると、
?青矢印⇒黄斑円孔
?黄矢印裂孔原生網膜剥離
などの病気が起こってしまう事があります。

黄斑(おうはん)

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 8件
・網膜硝子体手術(茎離断)1件(黄斑円孔)
無事に終わりました。

黄斑円孔は物を見る中心部の網膜(黄斑)に穴が開いてしまう病気です。数えてみると、開院後2年間では28件の手術があったようで、月に1件ちょっとのはず。ところが、本日も初診の患者様に黄斑円孔が・・・。黄斑円孔も早目の手術が望ましいので、さっそく明後日手術の予定に。
網膜剥離とか、急性緑内障とか、黄斑円孔とか。手術を急がなくちゃいけない病気って、なんだか妙に続く印象があるのですが、気のせいかな??
せっかくなので、黄斑円孔のことを書いて行こうかなと。
でも、その前に、まずは黄斑について。

黄斑(おうはん)

図のように、目の中に黒目(角膜)側から光が入ってきて、水晶体(青矢印)などで光が屈折して、眼球の奥、眼底・網膜(赤矢印)で焦点があうと物がよく見えます。水晶体がレンズ、網膜がフィルムにそれぞれ該当し、よく眼球はカメラに例えられます。(最近はデジカメが主流で今後変わっていきそうですが・・・。)
このフィルムに該当する、「網膜の中央部」、物をみる真ん中の部分を黄斑(おうはん)と呼びます。

眼底写真では、黄斑は青矢印の部分で、正常な人では少し黄色というかオレンジが濃くうつります。黄色は、キサントフィルと呼ばれる紫外線を吸収し、細胞を守る成分から来ています。
黄斑の病気はOCTで観察するとも多いのですが、

正常な黄斑は他の網膜よりも少し薄い構造で、なだらかなカーブを描いて、少し凹んだ形をとります。(陥凹:かんおう)

黄斑は、光を感じ取る細胞である視細胞が極端に多い組織で、細かいものを識別したり、色を把握することなどに長けています。
黄斑部から離れるほど、視細胞は少なくなっていくので、視力として細かいものを判別する能力が落ちていきます。
例えば、「あかさたな」と、書いてあるのは通常に読めると思います。

では、このを見て、目をそらさない状態のままで下の文章を読むことはできますか?

直接文字を見れば、もちろん読めますが、上の星印を見たままでは難しいですよね?何か書いてあるのは分かっても、識別して読み進めることは困難です。
なので、もしも黄斑部に病気が起こって、中心部の見え方が奪われた場合には、見たい部分が見えなくなり、視力の数値が極端に悪くなり、文字を読んだり、細かいものを識別することができなくなってしまうのです

他に黄斑は、物を見るということのみに長けている一方、血管や血流が乏しかったり、組織を支えるための骨組となる細胞の数が少ないことから、構造として脆い組織であり、「病気が起こりやすい」といった特徴もあります。紫外線が集中しやすいのも病気の一因となります。

黄斑に起こる病気としては、黄斑の文字を使用したものでは、
?黄斑前膜
?黄斑円孔
?加齢黄斑変性症
?黄斑浮腫(糖尿病、静脈閉塞症、動脈瘤、ぶどう膜炎などで黄斑がむくむ)
?黄斑ジストロフィー

などがあります。

また、網膜剥離が黄斑に広がった場合など、黄斑部以外に発症した病気が、黄斑に及んだ場合にも著しく視力が低下します。

ようよう 石岡市 特別養護老人ホーム

今日は山王台グループ初の特別養護老人ホーム「ようよう」の竣工披露パーティーがありました。

僕は眼科のこと以外、あまり詳しくないので、間違っていたら申し訳ないのですが、特別養護老人ホームは主に65歳以上の高齢者で、身体的・精神的な障害があり、介護を要する人が入所できる施設のようです。


とてもよく晴れて気持ちのいい日です。


老人ホーム??というより、ホテルのようです。

寺本先生の陶器のモニュメントも素敵です。


全室個室。すばらしい。
部屋ごとに色合いなど異なりましたが、写真を撮り忘れてしまいました。

共用スペースやキッチンなど、大きく6つのユニットに分かれて、
テーマカラーなどが、それぞれのユニット毎に異なります。

うーん。ここに住んで、ここから仕事に通いたい。


メインキッチンかっこいい!

テラスも。晴れた日は最高ですね。


お風呂も素敵でしたが、僕のカメラでは暗い写真になってしまいました・・・。本当はもっと明るくて、とても広いです。


勝手に屋上に。赤が山王台病院。青が「あいあい」。眼科内科クリニックは2階建てで見えない・・・。緑は筑波山です!

これから草花に囲まれるであろう庭や、杉林。自然の雰囲気に癒されます。

高額な有料老人ホームとかではあるのかもしれませんが、通常の特別養護老人ホームで、こんな施設は見たことがありませんでした。僕がおじいちゃんになるころにも、同じような施設があるといいな。
新しい施設ができると、一緒に働くスタッフも増えます。施設が立派でも介護の仕事で一番大事なのはやっぱり人です。みんなで楽しく働くことができたらいいなと思います。

地域の医療福祉の重要な役割を担っていくであろう、「ようよう」の竣工式でしたが、僕はというと、

音楽を聴きながら、昼間からお酒を飲んで上機嫌でした。
(朝も夕方も入院患者様の診察・処置はしましたよ!念のため。)

遠方の患者様の手術

今日の午後はお休みの予定でしたが、最近あまりに重症の方が多く、臨時で手術となりました。
・白内障手術 5件
・緑内障手術(隅角癒着解離)1件
・網膜硝子体手術 4件(茎離断2件・増殖2件)
(増殖糖尿病網膜症2件、糖尿病硝子体出血1件、黄斑変性硝子体出血1件)
みなさん無事に終わり、成功と思います。
ただし、重症な方ばかりで、基本的には視力は回復はしません。

こんなカサブタだらけの人ばっかり・・・。専門的ですが、右の写真は双手法といって、カサブタがひどい場合のみに行う両手手術です。この方は50分もかかりました。

この目も大変で、網膜の後ろ側に血腫やカサブタがいっぱいあり、網膜に穴を開けて(青矢印)、カサブタなどを取り出しているところです。

良く見えるようにならないと、喜んではもらえないので、医師としてやりがいが微妙なのですが、手術しなければ失明です。失明を防ぐためには、だれかが手術を引き受けないと[:しょんぼり:]

さて、あまり医学的ではありませんが、今日の手術から一つ。
遠方の患者様の手術
開院後2年経ちましたが、重症例の手術を中心に、かなり遠方からも紹介を頂くことが増えました。コンステレーションもフル稼働です。

今日手術をした糖尿病の1名は、茨城県内の医院様からの紹介ですが、片道2時間くらいかかります。
お仕事がお忙しいようで時間がなく、なかなか手術に踏み切れなかったとのことですが、今回、手術のみ当院で、日帰りで受けて頂くことになりました。
午前中に初めてお会いして、午後に手術を行い、術後は明日もとの眼科様に戻るため、基本的にはもうお会いすることはありません。(合併症がなければ。)
手術には少なからずリスクがあるので、本来は術後も拝見したいところですが、今回、そのような手術をお引き受けしたのは、紹介頂いた先生がもともと知り合いであり、僕が医療技術を含めて、心から信頼している先生だからです。

ブログを読んで下さる方が増えて、東京都などの患者様の手術もちょこちょこあります。最近は東北地方や、関西からも手術の相談で受診していただいたり、お電話を頂くことが増えました。
とてもありがたく嬉しい事ですが、申し訳ありませんが、基本的には、きちんと落ち着くまでの間、術後の通院ができない患者様の手術はお断りしています。(信頼できる医療機関様からの紹介で、術後の管理をお約束頂いている場合は別です)

やはり、手術は完全に安全ではありません。術後もしっかりとした管理が必要です。セカンドオピニオンとして、意見のみ聞きたい。というのは、喜んでお引き受けしますが、東北や関西の方が手術を受けにくる。というのは現実的ではないと考えています。責任がもてませんので。

電話 心配な人リスト

今日は先週が連休でお休みだったせいで、午前の小美玉市医療センターでの外来が70名近くなってしまい、待ち時間が長くなってしまいました。予約制でないので、朝一番で来院される方が多く、2時間以上待っている人が沢山に・・・。本当にすみませんでした。
クリニックは予約制なので、来院時間や日程を割り振れる分、待ち時間が少なくてよいみたいです。小美玉も少しづつ変えていこうかな。と思います。

待ち時間以外にも、予約制のいいところがいくつかあります。
翌日の受診予定の患者様のカルテを予習して、必要があれば説明資料を作っておいたり。そして、何より役立っているのは、受診しなかった人が分かることです。
電話・心配な人リスト
僕は、子供で心配な症例とか、日帰り手術のあととか、気になることがあると、あまり遠慮なく患者様に直接電話をしてしまうので、たまに患者様たちにビックリされます。

予約制だと、当日来院されなかった方が把握できるので、その中から、
?緑内障や糖尿病などで、キチンと対応しないと、失明のリスクがある人
?手術後早期で、経過観察が必要な人
を毎日ピックアップして、「心配な人リスト」というのを作成しています。
そして、各患者様ごとに、1ヵ月後とか、2ヵ月後とか決めて、期間を過ぎても受診がない場合には、一度だけ電話をするようにしています。

大体、月に1回、まとめて10名弱に電話をすることになりますが、一月にみる患者様は約1000名なので、「心配な人リスト」に載るのは、1%弱の患者様ということでしょうか?

今日は比較的、仕事が早く終わったので、3月や4月に受診をしていただけなかった方に電話をしてみました。
「忘れてた。」「ありがとう。」と言ってくれる方が多いのですが、たまには、あまり反応のない方もいらっしゃいます。

僕の患者さんが失明しちゃうのは、とっても嫌ですし、糖尿病や緑内障では、悪化して回復する見込みがなくなってから、失明を防ぐためだけに手術が必要になることも多く、そういう手術をするのも嫌なので、つい電話をしちゃうのでが、ちょっと自己満足か?と悩んでしまうことも多々あります。
受診しにくかった理由が「金銭的な負担が問題だったらどうしよう。」とか、「医療の押し売り?とか思われたらどうしよう。」という不安もあります。
でも、眼科医としては、きちんとした定期検診や外来治療で、悪化や失明を防げるのに。と思うと、ついつい電話をかけちゃいます・・・。
難しいなぁ・・・。

帯状角膜変性症? 治療:薬剤での混濁除去

今日の午後は以下の手術でした。難しい手術はなかったので、5時頃には無事に終えることができました。
・翼状片手術 1件
・白内障手術 2件
・緑内障手術(トラベクレクトミー)1件
・網膜硝子体手術(茎離断:黄斑前膜・円孔)1件
・角膜形成術 2件(白内障同時:保険請求なし)

ただ、午前の外来ではちょっと頭が痛くなる方も・・・。

無治療の糖尿病網膜症です。眼科は初めて受診とのことですが、目の中がカサブタだらけです。OCTの断面図でも、網膜がヒキツレて大きく剥がれています(青が増殖膜、ピンクが網膜です)。視力はメガネをかけても0.04。ビックリするのは、なんと、こちらは良い方の目です。もう一つの目は、目の中がタンパク質(フレア)で濁っていて、写真が撮れないのですが、OCTでは

やっぱり剥がれまくり・・・。視力は光覚弁(0.01未満)です。
待っていられないので、準緊急で両眼とも今週末に臨時手術です。
糖尿病のかたはきちんと眼科を受診しましょうね。

さて、今日の手術から一つ。
帯状角膜変性症? 治療:薬剤での混濁除去
帯状角膜変性症は角膜(黒目)に、カルシウムなどが沈着し、角膜が濁っていく病気ですが、詳しくは以前のブログを参照下さい。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=139356

初期治療として、もっともキレイにできる治療はエキシマレーザーですが、現在のところ、保険診療で受けることはなかなかできません。今日は保険診療で可能な治療法の一つで、薬品を使用する方法を行いました。

ご近所の眼科様から紹介して頂いた80代の女性です。

右目と左目の写真です。
帯状角膜変性と、白内障の影響で、メガネをかけても視力は右目が0.04、左が0.01しかありません。

手術では仰向けに寝て、目薬の麻酔を十分効かせ、目を開いたままにする器械をつけます。
次に角膜の表面に張っている、角膜上皮と呼ばれる膜状の組織を、鑷子でこすって剥がします。

上皮が剥がれて、濁りが露出されました。


綿棒に薬剤をしみこませて、15秒程度軽くこすります。
EDTAという薬品や、塩酸という薬品を使用して、濁りを溶かし出していきます。
濁りをしっかり取るためには、頑張って掃除をしたいのですが、長い時間薬を作用させすぎると、薬の副作用で、逆に角膜が濁ってしまうため、どこまで治療をするかのバランスが腕の見せ所です。角膜の端から端までキレイにしよう、なんて思ってはいけません。視力に重要な中心部を重点的に掃除します。
(当院では、症例によって、1%?2%の塩酸を使用しています。)


キレイに溶けましたら、急いで、水をタップリかけて塩酸を洗い流します。

この方は、白内障手術も引き続き行い、そのまま同じ手術を反対目にも行いました。
角膜の上皮(表面の皮)が再生するまでの2日位は痛みが強いのですが、最後にソフトコンタクトレンズをかぶせることで、痛みをかなり和らげる事が出来ます。


手術から3時間半、20時の診察ですが、かなりキレイになっています。(リング状に白く見えるのは、角膜上皮を剥いたキズあとで、2日くらいたつとキレイになります。)コンタクトレンズのおかげで、両眼ともに眼帯しなくても痛みもないようで、すでに「見える!」と喜んでいただきました。

*本来、最もよい視力を期待したいのであれば、帯状変性の治療が終わって、角膜の状態が落ち着いてから、白内障の手術を行うのがよいでしょう。角膜を削ると、角膜の形が変形してしまい、白内障手術で近視や遠視などのコントロールの精度が落ちてしまうからです。
今回は、年齢や認知症の問題、生活が成り立たないほど視力が悪く、治療を急いだこと、治療費の問題などもあり、同時に行っています。
保険診療で白内障と帯状変性の手術を同時に行った場合は、帯状変性の治療費(片眼26500円)が無料になります。

老眼? 完全な治療はなし。何かしらを妥協。

連休の最終日は突風と豪雨、ひょうで散々でした[:強風:]先日せっかく植えたヒメシャラも、思いっきり倒れてしまい・・・。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=142718
つくば市では残念ながら竜巻で亡くなった方までいるようで、テレビの映像も震災を思い起こすようなもので・・・。自然災害って怖いです。

今日は以下の手術を無事に終えました。
・白内障手術 8件
・網膜硝子体手術(茎離断・裂孔原性網膜剥離)1件
連休明けですが、さっそく網膜剥離の紹介です。朝に受診して頂き、お昼休みに手術を終えることができました。

さて、老眼・老視の続きでも。
老眼治療は妥協が必要です
先日、老眼とは調節力の障害で、遠くのものが見える状態から、近くのものを見るために、目の筋肉を使ってピントを近づける(調節する)ことができない・疲れやすい状態であることを説明しました。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=142421
では、治療法は?というと、残念ながら、現在の医学では完璧な老眼の治療法はありません。老眼の治療では、何かしかの妥協が必要になります。
例えば、遠く用と、近く用のメガネを別々に用意して、見るものの距離によって、メガネを変えれば、それが最も安全に、最もよく見える方法です。ただし、メガネのかけかえの手間を妥協する必要があります。
遠近両用メガネは、近くも遠くもピントが合いますが、メガネを上半分と下半分とに分けているため、それぞれの視野が狭く疲れやすかったり、切り替えの部分が歪んだり、使い方になれないと近く用のレンズを通して足元(遠く)を見て、階段を踏み外したりします。遠近両方メガネは、メガネのかけかえから開放される半面、見え方や、使い心地の慣れなどを妥協しているのです。

大ざっぱに治療法を分けると
?メガネやコンタクトで、遠くと、近くを見る状態とを別に考える
 ⇒近く用と遠く用とのレンズを使い分けるわずらわしさを妥協。
?遠近両用メガネ
 ⇒メガネの上の方が遠く用、下が近く用で、それぞれの視野が狭い。
  遠く・近くのレンズの境目が歪んだり、メガネ使用の慣れなどを妥協。
?屈折矯正手術(レーシックやCK)
 ⇒近くを見やすくする代わりに、遠くの視力が落ちることを妥協。
  不正乱視の増加や、グレアやハローといった副作用の妥協。
?多焦点眼内レンズ(白内障手術における)
 ⇒短焦点に比べ、はっきりとは見えない。
  グレアやハロー、将来的に乱視などが変動するリスクなどの妥協
?モノヴィジョン法(左右の目を近く用、遠く用で分ける)
 ⇒それぞれの目が、近くまたは遠くの見えからが悪くなることを妥協。
?アキュフォーカスリング(黒目に小さな穴のリングを埋め込む)
 ⇒視野が狭くなり、暗く、コントラストなどが低下することを妥協

などがあります。
今後、それぞれについて、詳しく掘り下げていきたいと思いますが、
どの治療が最適か?というのは、人それぞれです
「少しくらいの眩しさや、かすみがあっても、老眼鏡は絶対かけたくない。」と、手術的な治療を希望する人もいますし、「メガネのかけかえをしてもいいから、最もハッキリとよくみえるように。」といって遠く用の眼鏡と老眼鏡の両方を作成する人もいます。
年齢や、職業、ライフスタイル、メガネの好き嫌い、性格などによって、最適な治療法は異なります。
メガネなして、遠くから近くまで、全ての距離がハッキリと見える。なんていう完璧な治療法はないので、どこを優先させて、どこを妥協するか?というのが老眼の治療を相談していく上で重要になります。
それぞれの治療については、おいおい書いて行きたいと。

筑波山

今日は子供の日ですね!
連休は混むから遠出はしないと心に決めつつ、ちょっとは出かけたい気分。
家族で筑波山に登ってきました[:日の出:]

筑波山
「西の富士、東の筑波」なんていわれるほど、峰線がキレイな山として知られています。双耳峰(そうじほう)とって、山の頂上が二つあり、筑波山では一つが男体山、もう一つが女体山と呼ばれています。
つくば市のイメージが強いですが、筑波山の東側は石岡市に所属します。

渋滞を心配して、7時15分に出発。石岡の八郷方面から筑波山へ。
ケーブルカーの始発時刻の8時に筑波山神社に着きましたが、すでに市営駐車場はいっぱい・・・
筑波山神社近くの土産店に、1日800円で駐車させて頂きました。
(混んでる日は9時ころには全ての駐車場がいっぱいになるようです。)


筑波山神社でお参りをして、


ケーブルカーに乗って、まずは男体山頂へ。


男体山頂からもとても良い眺めです。
山頂にも土産店や食事店があります。

ここから女体山頂までのぼります。(女体山の方が高い。)
予想はしていましたが、残念ながら、次女が歩き出して数分でギブアップ。
その後3時間くらい、ほとんど抱っこに・・・。
子供の日に、14kgまで、すくすくと成長した我が子の重みを確かめたいところですが、登山ではツライ・・・。


新緑がとってもキレイ。よく晴れて、暑くも寒くもなく、爽快です。


ガマ石。口の中に石を投げて乗っけると、金運UPとのこと。
筑波山はガマの油というキズ薬も有名です。

女体山頂からはほぼ360度のパノラマ水平線が見えます。


この時点で、僕が一番高い場所にいるよう。気持ちいい!


女体山頂から、つつじヶ丘駅まではロープウェーで下りました。
筑波山は観光地として成功しているようですが、ロープウェーなどもアナウンスが面白かったり、接客や気配りがしっかりしていて、好印象です。

つつじヶ丘から、筑波山神社までの登山道を迎場コースと呼ぶようですが、勾配が少ないとのことで、子供も大丈夫かな?と挑戦。

登山というより、静かな森の中を散歩。といった雰囲気で、気持ちが和らぎます。湧き水などもあり、マイナスイオンたっぷりでしょうか?

筑波山神社まで降りてきて、ちょうどお昼。

大人の足では1時間ちょっとの道のりのようですが、子供とゆっくり、4時間くらい山にいたようです。のんびり楽しい時間でした。
実は、登山には全く興味がなかった僕ですが、今回はとても感動的な体験で、ちょっぴり目覚めてしまったかも。別の季節もチャレンジしてみたいです。

筑波山登山の詳しいコースはこちらを参考に。
http://www2.odn.ne.jp/~nesia/m-44map.html
白雲橋コースなどは、とっても混んでいて、全く違った雰囲気のようです。もう数年して、子供が自分で歩けるようになったら。

それにしても、お昼の神社周辺は、駐車場待ちの長い渋滞で、最後尾の方は駐車するだけでも3時間とかかかるのでは?といった具合。石岡方面から筑波山頂へ向えるコースを作ったら、観光になるのかな?