今日の午後は近隣の眼科様で手術のお手伝いがありましたが、
他に、4人の眼科の先生方から、患者さんの相談のメールを頂きました。
今はインターネットで患者さんの眼底写真やOCT検査の結果などを簡単に見せてもらえるので、遠くの患者様について沢山の先生と一緒に考えることができるようになりました。本当に便利な時代ですね。
充血の話 ・ 白目の美しさ??
先日、ブログで以下を記載しました。
・白目の充血のすべてが悪ものではないこと。
・市販の充血用の目薬はお勧めできないこと。
でも、実際には多くの方が、白い目が好きなのですよね。
こんなの。
外来をやっていると、週に数人は充血の相談に来られる患者様がいます。
今日は「白い目を取り戻すために気を付けること」を書いてみます。
1.病気の治療
充血が悪いことばかりではないと言っても、ドライアイや、アレルギー性結膜炎などが合併していることも多々あります。メヤニなどがなくても、1回は眼科で検査をして、もし病状に見合った点眼薬などの処方があれば、使用するべきです。
*ドライアイなどの点眼薬は即効性があるものばかりではありません。ゆっくりと体質改善などを促すものもあるので、使用回数を守って数ヶ月単位で気長に付き合いましょう。
2.紫外線を予防・禁煙
紫外線は熱傷やアレルギーなどによって充血を引き起こす原因になります。また、黒目の両眼に瞼裂斑(けんれつはん)と呼ばれる、黄ばんだ?茶色い膨らみ・出来物を作ってしまうリスクの原因ともなります。
矢印が瞼裂斑です。加齢に伴って、ある程度の瞼裂斑は誰もが持っています。
サングラスをかけたり、帽子をかぶったりすることで、充血だけでなく、瞼裂斑のような黄ばみや茶色の膨らみを抑えることができます。
また、喫煙(タバコの煙)も瞼裂斑が生じるリスクの一つとなったり、血管収縮から血流動態に影響することがありえます。見た目を重視する人は禁煙が望ましいでしょう。
3.眼精疲労を減らす
疲れた目は、栄養分を多く必要とするため、充血して血流を増やし回復に努めます(充血は回復にとって有利!)。なので、充血自体が悪いわけではないのですが、充血の見た目が気になる人は、睡眠時間をしっかりとったり、細かい作業やパソコン業務では適宜休憩をとったり、老眼鏡など適切な眼鏡を使用しましょう。
目を疲れさせない生活をおくることで充血を減らすことができます。
4.結膜弛緩症
ある程度以上の年齢では、結膜弛緩症による充血がよくみられます。
加齢やその他の原因によって、結膜の緩みが大きくなると、まばたきをする時の摩擦が大きくなります。結膜の摩擦が大きくなると、コイル状・コークスクリュー状の異常な血管が形成されることが知られています。
結膜弛緩症が充血や、結膜下出血の原因となる場合には、手術にて緩んでしまった結膜を切除したり、結膜の皺を延ばすことで、白い目に戻ることもできます。(保険適応)
ほとんどの充血は上記のようなことを守って、気長に付き合うことで、ゆっくりと薄らいでいくものです。即効性で短期間で治るものではないですが、白い目を強く希望する人なら、多少時間がかかっても頑張っていただけるのかな?と思います。
*いろいろ頑張ってやっても、どうしても充血が気になる人は、一応手術にて充血を消失することもできます。他の病気や、結膜弛緩症もないような場合、手術加療は美容的な問題に対するものであり、基本的には保険適応ではありません。
山王台病院での手術は、失明のリスクのある重症患者様の手術でも数ヶ月?半年待ちとなっている状態ですので、現在は美容目的の手術などはご遠慮頂いております。どうしてもという場合には、私が非常勤で手術を担当している医院のうち3施設で、自由診療にて対応しますので、ご相談ください。