オートランドテクノ

先週末は少しヒマができたので、久しぶりに石岡市紹介ブログのネタを探しに行ってきました!

オートランドテクノさん
レットブルのボックスカートでお世話になった、眼科の大先輩から「石岡にカート場あるから、タイム計ってきて!」とメールを頂き、「石岡にそんなものがあるの??」と、引っ越してから4年以上たっても、まだまだ知らない場所が沢山ある石岡市です。
石岡小美玉スマートIC(インターチェンジ)から、車で5分弱。クリニックからは15分程度行く気がなければまず見つからない位の、ちょっと奥まった場所です。
認定眼鏡士の永瀬さんと、事務の生井沢君を誘って、3人で初挑戦してきました[:車:]

最初に10分程度、ルールや注意事項の説明を受けてから、
こんなコースを走るようです。


これに3人で順番に乗って、スタートです。ピットも雰囲気あります。
エンジンが座席のすぐ右側についていて、エンジンの音と振動ががズンズン体に響きます。

店員さんが、コース上でカメラの撮影もしてくれました。
1番手は僕
次に生井沢君
3番手は永瀬さん

加速は良好で、最高では60km/h程度のスピードが出るようですが、小さくて車高の低いカートでは、体感スピードはもっと速く感じます。路面の凸凹や、タイヤのすべる感じ。「あっ、もうちょっとでスピンする!」なんていうのも分かったり。
この楽しさや興奮を、わかりやすい文章にする能力が、残念ながら僕にはないのですが、とにかく最高です[:びっくり:]

生井沢君に迫る永瀬さん

僕も少しづつ年を取り、仕事柄、最近は「手を怪我したら大変」という意識が強くなっているので、「無茶をしないようにしよう」と心に決めていたのですが、
僕だけ無理して数回スピン・・・。
面白過ぎてちょっと心のブレーキも、車のブレーキも緩んでしまいました。

3人の中では最速で「よっしゃ!」という気持ちの一方、眼科の大先輩からベストラップが34秒だったと聞いていたのですが、残念ながら僕のベストラップは35秒台[:悲しい:]
そして、事務の生井沢君、もともと慎重な性格ですが、運転では豹変するのかも??なんて思っていたら、予想以上に慎重で、なんと最初の1周は2分超え??若いんだから、もっとチャレンジしましょう。また行こうね!!

会員でない初めての人の料金は、10周で2500円と、ちょっと大人の遊びです。

今回の遊びは本当に面白かったです。
いつか山王台カップとか、茨城眼科医カップとかの、レースができたらいいな[:星:]

疲れたので、ゆったり温泉に?

H26年4月の手術実績:茨城県 山王台病院 眼科

この春から半年ほどの間に、山王台病院に常勤の先生が一気に3名も増えることになりました。
・神経内科・乳腺外科・心臓血管外科
など、各分野のエキスパートの先生たちです。先週末に歓迎会があったのですが、みなさん話しやすい先生で患者さんにも優しそうな印象でした。相談しやすい風通しのいい病院で、各科の連携がうまくいくといいなと思います。
「この地域の患者さんたちは、この地域で治したい。」という山王台の理念のもと各科のエキスパートの先生が増えるのは、とてもうれしいです。

さて、H26年4月の治療実績を集計しました。
H26年4月の手術実績
手術合計 178件
内訳

・白内障手術 114件

・網膜硝子体手術 19件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・緑内障手術 8件
・結膜の手術 15件(翼状片など)
・眼瞼(まぶた)の手術 9件(霰粒腫・眼瞼下垂など)
・その他の手術 13件(瞳孔・角膜・涙器、眼窩、硝子体置換など)

レーザー手術合計 21眼
内訳
・網膜光凝固 6眼(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 13眼(後発白内障に対するレーザー)
・緑内障レーザー 2眼(SLTレーザー・虹彩光凝固:LI)
*手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。

抗VEGF薬 硝子体注射 62件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・アイリーア・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 24件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。マキュエイド・ケナコルト)

白内障などの緊急性のない手術の待ち時間は、6ヶ月強待ち、11月中旬からの予約となります。

小林さん、結婚おめでとう[:祝:]

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

結膜弛緩症手術?

火曜の午後は他院様での手術のお手伝いなのですが、今日はお休みを頂いたので、自院で少し急ぐべき手術をやってしまいました。
?眼瞼腫瘍手術
?ICCE+IOL強膜内固定(水晶体亜脱臼+緑内障後の紹介)
?増殖硝子体手術(糖尿病)
みなさん無事に終わりました。
?の手術は、面白い内容で、今後ブログにしてみようと。
?は、とても上手に手術できましたが大変でした・・・。

茨城県は眼科医が少ないせいで、とにかく重症例の方が沢山います。

さて、今週の金曜日にちょっとした勉強会での講演を依頼されているのですが、結膜弛緩症という病気について、スライド(説明資料)を作成中です。ついでといっては何ですが、講演会の内容から、結膜弛緩症の手術のいくつかについて、最近得意のYOU TUBE動画も交えて掲載してみます。
結膜弛緩症手術?
結膜弛緩症の手術としては、教科書的には主に以下の3つがあります。
(名前は僕が勝手につけてみました。医師によって呼び方は異なります。)
1.結膜熱凝固法
2.結膜円蓋部縫着法
3.余剰結膜切除法

そして、もう一つ、当院オリジナルの手術
4.結膜薬剤接着法
というものがあります。
それぞれの手術に利点と欠点があり、患者様ごとの症状や希望によって適切な手術方法を選んでいます。

ここで、各手術方法の説明の前に病態についての説明をしてみます。

これは正常な結膜のイラストですが、オレンジ色の線が結膜です。白目の上を覆う眼球側の結膜を球結膜、折れ返ってアッカンべーした、まぶたの裏側の結膜を瞼結膜などと呼びます。若い時の結膜は皺が少なく、球結膜と瞼結膜に挟まれる結膜嚢と呼ばれるスペースには、右のイラストのように涙がたっぷりと貯留しています。この結膜嚢には目薬をためる役割などもあります。

次に、結膜弛緩症のイラストですが、

まぶたの皮膚や靭帯の緩みによって、結膜は全体的に上方にズレてしまい、皺がよったり、結膜嚢のスペースが減少します(結膜嚢の短縮)。結膜嚢が短縮すると、まぶたに蓄えられる涙液量が減少し、涙目の原因になります。


上が正常、下が結膜弛緩症の患者様の写真です。
左側では、黒目にかぶさるような結膜の皺がよくわかります
右側では、結膜嚢の皺が分かるかと思います。

手術では、
・結膜の皺を、伸ばすor切除して、皺を消失させること
・結膜嚢のスペースをしっかりと確保すること
が望まれますが、各手術術式に関しては、次回また記載してみます。


最近、手術室の手洗い場にあるマイク(ディズニーのキャラクター)が、勝手にいろいろな格好に変身しています。スタッフのいたずらと思うのですが、実行犯はだれだろう?
手術直前にちょっと緊張感が和らぐのでありがたいのですが。

白内障手術:小瞳孔の例? 瞳孔拡張リング

今日の午後は、他の医院様で手術のお手伝いをして、夕方からは時間が空いてしまい、平日でしたが久しぶりに子供とノンビリお風呂に入れました[:子供:]
明日はものすごく手術が多いので、一部を今日のうちにやってしまいたい。なんて思いますが、皆さんの予定があるのでそうもいかないのですよね。

患者様よりも眼科の先生からの質問が多い事柄から、ブログを書いてみます。
小瞳孔の白内障手術:瞳孔拡張リング
白内障手術では、瞳孔(茶目・虹彩)を開いて手術を行う必要があります。
手術前には、散瞳薬と呼ばれる目薬(ミドリンP)を数回点眼してから手術にのぞむのですが、目薬を付けても瞳孔が開きにくい患者様が一部いらっしゃいます。
(小瞳孔に関しては、以前のブログをご参照ください→小瞳孔?IFISの手術例

以前のブログでも書きましたが、瞳孔を無理に開くと、術後の瞳孔機能が落ちてしまうことがあるので、当院では基本的には4mm程度の瞳孔があれば、できるだけそのままで手術をするようにしています。
ただ、どうしても安全にできない場合や、他の手術を同時に行う場合などでは、瞳孔を無理にでも広げることがあります。

2週前くらいに手術をした70代の糖尿病の患者様です。

糖尿病があると、ぶどう膜炎という病気を起こして、瞳孔が小さいなったまま癒着をしてしまうことがあります。
手術前に瞳孔を広げる目薬を付けても瞳孔は3mm弱しかありません。


ハサミで、茶目・虹彩をチョキチョキ切ると、瞳孔が4mmくらいに広がります。ただの白内障手術のみなら、当院ならこれで十分なのですが、この患者様はこの後で、糖尿病網膜症に対して、目の奥の方の硝子体手術が行う必要があります。
瞳孔が小さいと目の奥・眼底の観察が難しくなってしまうので、安全に観察するためにはもう少し大きい瞳孔の方が助かります。

そこで、


目の中に、青い四角いリングを入れて、6.5mm位まで瞳孔を広げてしまいます。
(専門的ですが、リトラクターよりも眼内で使用するリングの方が、硝子体のコンタクトレンズとの相性がよいと思っています。)


広げると、白内障手術も簡単。


カサブタ(増殖膜)だらけの糖尿病網膜症の手術です。瞳孔が小さいままだと、かなり難しいと思います。(この患者様、こんなに重症ですが眼科での定期検診も受けていたと・・・。)


糖尿病の手術後に、リングを抜いて終わりです。
日帰り手術ですが、経過も良好で、本日の診察で反対目の手術を来週行うことになりました。

眼科の手術って、いろいろあって面白い!

緑内障27 手術動画 エクスプレスシャント トラベクレクトミー

当院は、白内障手術(特に乱視矯正)や、網膜硝子体手術を一番のメインとしてやってきたのですが、最近、難症例の緑内障の患者様の手術の紹介が急激なペースで増えてきています。
遠方の患者様からの問い合わせもかなり多くなってきており(特にエクスプレスに関して)、白内障に続いて緑内障手術の動画もYOU TUBEにアップしてみることにします。

緑内障手術動画 (白内障同時手術)
エクスプレスシャント トラベクレクトミー

手術動画?(視聴クリック)
手術動画?(視聴クリック)

?は先週、ご開業医の先生より紹介頂いた患者様です。
点眼薬を4成分、内服薬最大量、点滴まで行っても眼圧が40mmHgを超える極度の重症例の手術です。白内障もあり同時に手術をしました。
(専門的にはおそらく、secondary glaucomaの症例)
ビデオの途中の9分?11分頃に、何もせずに動かない時間は、マイトマイシンという癒着防止薬をしみこませている状態です。
通常、緑内障手術のみであれば15分程度、白内障も一緒だと20分程度の手術ですが、再手術例などで以前の傷口が癒着している場合などは時間が延びることがあります。
?は今週の手術で、やはり点眼薬を4種類使っても眼圧が30を超える症例で紹介して頂きました。サンピロという点眼薬を使っていた患者様は、手術中に瞳孔が開かずに(小瞳孔)、白内障手術が難しくなる傾向があります。

当院のトラべクレクトミーの術後成績は非常に良好で、術後に緑内障の点眼薬の再開が必要になる患者様は殆どおらず、手術の効果だけで、正常範囲内の眼圧を保てている患者様ばかりです。
当院の成績が良好な理由として、手術手技のレベル以外に個人的には以下の2つを考えています。
?ニードリング
癒着が進む症例では、躊躇なくニードリングを行っています。薬剤に頼らず物理的に癒着を剥離し、再度、房水の流れ道を作成します。(術後早期の処置は保険請求・コストなどはとっていません。)
?適切なレーザー切糸
眼圧の推移や傷の癒着をみながら、可能な限り最適な時期に、傷を縫った糸を切る処置(レーザースーチャライシス)を行います。この時期が遅すぎると眼圧が高くなり、早すぎると術後に極端な低眼圧になってしまいます。

最近、遠方の患者様より、電話などで手術に関する質問を受けることが多くなっていますが、緑内障手術に関する当院の基本的な考えを記載します。
・術後の管理を安心してお任せできる先生からの紹介がない場合、遠方の患者様の手術はお断りしています。
緑内障の手術は、白内障と異なり、手術のみで完結するわけではありません。入念な長期間の術後管理によって、濾過胞を育てていく手術です。術後もきちんと対応させて頂けることが手術を引き受ける大前提です。
・できる限り入院での手術をお勧めします。
眼圧の推移を朝晩評価できたり、レーザー切糸や眼球マッサージなどの術後処置を最適な時間に行うことができるからです。

ビデオ?の症例です。
眼圧が非常に高く、角膜(黒目)が白濁しています。
手術前の白目(結膜・強膜)の状態です。
手術翌日、眼圧8
術後3日、眼圧16→レーザー切糸
術後10日、眼圧6と安定。もう大丈夫。
レーザー切糸を行った、術後3日目は日曜日です。
日帰り手術では、夜間や日曜の処置はなかなか困難です。

ビデオ?の症例です。
術後数時間の写真です。
この方は、もう片方の目が失明しており、長時間の眼帯は可哀想です。
術後4時間程度ですぐに眼帯を外すことができました。
これも入院だからできることです。
術後経過も良好で、現在術後3日で眼圧8mmHgで週明けに退院予定です。

学校医

今日から、日曜日まで東京の国際フォーラムで、
日本眼科学会総会と、WOC(世界眼科学会)総会の合同学会があります。
学会参加のため、完全な休診にはなりませんが、
平日は、午前中が宮井副院長が休診、午後は栗原が休診となる予定です。
(緊急手術などなければ。)
予約外の来院は、お電話にご確認頂いてからの受診をお願い致します。

さて、先ほど、教育委員会より学校医の委嘱状が届きました。
学校医
学校保健安全法というものに、「学校には、学校医を置くものとする。」というのが存在します。
市町村(地域)によるのですが、眼科の学校医が必要とされる場合があります。
他の先生からの引継ぎで、この4月より石岡市内の以下の学校で学校医を担当させて頂くことになりました。
・府中中学校
・城南中学校
・石岡小学校
・三村小学校


学校医の仕事は、学生の目病の早期発見に努めることで、4月?6月に、直接学校に伺って検診を行う予定です。もしも異常が見つかった場合には、お手紙で保護者様にご連絡を差し上げますので、きちんと来院するようにお願い致します。

数時間の診察で500名を超えたりするのですが、できる限り見落としがないようにしっかりと診療したいと思います。
毎週、火曜日の午後は、他院様での手術のお手伝いをさせて頂いておりますが、そちらの時間で伺いますので、当院の外来診療スケジュールには影響はでない予定です。
おやすみなさい。

H26年3月の手術実績:茨城県 山王台病院 眼科

H26年3月の治療実績を集計しました。
宮井副院長と、スタッフの頑張りのおかげで、当院で治療をしてあげられる患者さんは順調に増えています。
(スタッフの皆は、いつもお昼休みもなくてごめんなさい。ありがとう。)
ただ、当初の予定と反して、治療数が増える一方で、新規の患者さんの手術申し込みも多くなり、まだまだ半年待ちの状態です。
後日記載したいと思いますが、4月から診療報酬改定があり、多くの病院では白内障手術を両眼一緒にすることができなくなります。わざわざ入院を2回に分けたり、白内障のためだけに2週間近く入院したり・・・。基本的に入院の白内障手術は患者さんの自己負担(支払額)が上昇します。
当院は今まで通り、2泊3日で両眼の白内障手術が施行可能ですので、これまでと同じ金額で治療が可能です。(今回の改定では日帰り手術は変更はありません。送り迎えが可能なら日帰り手術の方が安価です。)
不況なご時世、医療費を気にする方も少なくないと思いますので、当院はまだまだ順番待ちが長くなりそうな気もして・・・。ちょっと不安です。

H26年3月の手術実績
手術合計 203件
内訳

・白内障手術 137件

・網膜硝子体手術 19件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・緑内障手術 12件
・結膜の手術 5件(翼状片など)
・眼瞼(まぶた)の手術 15件(霰粒腫・眼瞼下垂など)
・その他の手術 15件(瞳孔・角膜・涙器など)

レーザー手術合計 29眼
内訳
・網膜光凝固 9眼(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 18眼(後発白内障に対するレーザー)
・緑内障レーザー 2眼(SLTレーザー・虹彩光凝固:LI)
*手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。

抗VEGF薬 硝子体注射 57件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・アイリーア・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 23件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。マキュエイド・ケナコルト)

白内障などの緊急性のない手術の待ち時間は、6ヶ月待ち、10月からの予約となります。
明日も剥離だー。頑張ろう!

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

結膜の悪性腫瘍

今週は千葉県の開業医様が手術見学に来てくれました。
恥ずかしながら財布を忘れてしまい、夕食をご馳走になったのですが、
僕の知らない色々な話が聞けて良かったです。
主に白内障手術や、眼内レンズ交換の手術をみて頂いたのですが、
当院にいらっしゃる先生方は翼状片手術に興味を持って頂くことが多いようです。(→翼状片手術の詳細ブログ

翼状片の話題から、少し話しをすすめてブログを書いてみます。
結膜の悪性腫瘍
結膜(白目の粘膜)に何かができて受診される場合、そのほとんどが良性です。
当院では、瞼裂斑などの見た目の問題での手術は引き受けていないので、手術を行う大多数が翼状片になります。
←翼状片のサンプル

ただし、同じようなできものがあっても、自己判断で翼状片と決めつけてはいけません。

昨年当院で手術をした、高齢の女性の患者様です。
以前から翼状片で通院歴があったようですが、残念ながら翼状片ではありませんでした。扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)という悪性腫瘍でした。
命に係わる可能性があり、抗癌剤の希釈点眼薬で小さくさせた後に手術で切除をしています。現在も定期的に抗癌剤の点眼薬を使用していますが、幸い再発もなく安定しています。
術後経過


これは悪性リンパ腫といって、白血病の一種です。一部を切除し、顕微鏡で観察をして確定診断になります。治療は血液内科に紹介となりましたが、抗癌剤や、場合によっては放射線による治療が必要になります。早期発見で助かりましたが、やはり発見が遅れれば命に係わる病気です。

目にちょっとできものができても、あまり気にしない人もいるかもしれませんが、眼科でもたまには悪性(癌)が見つかることもあるのです。あまり自己診断をせずに、できものができた時は一度は専門家の診断を受けてくださいね。

眼科医って、あまり命にはかかわらないはずですが、なぜだか当院は悪性腫瘍の患者様がしばしば来院されます。今年に入ってだけで、脳腫瘍が3名も見つかったり・・・。

緑内障26 病状説明と治療継続

今週末は娘の誕生日で、オンコールを宮井副院長にお願いして、
ゆっくりと過ごさせて頂きました。

緑内障26 病状説明と治療継続
当院では、視野検査の結果や、病状説明書などを適宜渡すようにしています。
というのも、緑内障って、日本の失明の原因の第一位なのですが、その大きな原因として、治療の脱落者が非常に多いことがあるからです。
つまり、「出された薬を付けてくれない人」「途中で通院をやめてしまう人」がとっても多いのですよね。
多くの報告があり、良いもの悪いものがありますが、治療開始1年で20%から、ひどいものでは約半数50%の患者さんが脱落した。なんていう発表も耳にします。
・痛くもない。
・痒くもない。
・重症になるまで、本人は視野がかけているのがわからない。
・薬を付けても特に治るというものでもない。
・病院で「変わりない」といわれるけど、何のこと?
という病気なので、途中で治療が嫌になってしまう方がでるのも、理解できなくはありません。

そんな中で、最近ちょっと調べてみたら、当院は診断後の2年程度の期間で見ると、なんと98%の患者さんが通院を続けてくれているということが判明しました。とっても優秀な患者さんだらけのクリニックなのです!(開院後4年弱なので、まだまだ歴史は浅いですが・・・。)
暗点を自覚してもらったり、説明文を作ったり、重症で受診がしばらく途切れている人には電話で通院を促したり。しっかり管理のできる落ち着いている人はできるだけ、通院間隔を延ばして通院を楽にしたり。
こちらで工夫をしていることも多々ありますが、実際に頑張ってくれているのは患者さん自身です。本当にありがたいことです。

ただ、開院直後や、それ以前の病院勤務からお付きあい頂いている患者さんは、そろそろ僕の顔にも飽き飽きしているかな?通院が途切れてしまうのではないかな?と、たまに不安に思っています。
皆さんに渡している視野の結果ですが、単に眼圧の数字だけ書いてあるだけでは味気ないでしょうか?

最近、我が家では消しゴム判子というのが流行っていて、妻や子供たちが、せっせと消しゴムを削って、印鑑を作っているようです。

ちょっと覗いてみたら、結構上手な出来栄えです。
もしかして、眼科の作れる?と聞いてみると、

「栗メガネ判子」 なかなか良いのでは?


視野検査の結果の、矢印のところに押してみました。

「落ち着いています判子」 これを押す人だらけになったら最高です。
白黒の印刷物に色が入るだけで、少し華やかな印象にもなりますよね?
(ちなみに、お相撲さんの絵を入れてほしいとは頼んでいないのですが・・・。)

それにしても、通院継続率が本当に良好です。
これについては、10月の日本臨床眼科学会で発表してみることにしてみます。
宮井副院長には、当院の得意とする黄斑浮腫について発表してもらうことになりました。
1人体制の時は、忙しすぎて学会発表の機会がとりにくかったのですが、2人になって診療以外の分野でも頑張っていけそうです!

眼瞼腫瘍(まぶたのしゅよう) ? 手術その2

昨日は、つくば市で新しく開院した眼科様から網膜剥離の紹介がありました。
当院へは初めての紹介でしたが、早期のご紹介のおかげで、無事、黄斑が剥がれる前に手術ができました。経過もよく月曜日に退院可能と思います。早急な対応をありがとうございました。

今日の外来では、わざわざ横浜から「まぶたのできもの」の切除希望でいらした患者様がいらっしゃいました。簡単にキレイにできそうでしたので、そのまま切除をお引き受けできました。
ただ、ちょっと気になっていたことがあったので、途中になっていた「まぶたのしゅよう」のブログの続きを書いてみたいと思います。

眼瞼腫瘍(まぶたのしゅよう) ? 手術その2
眼瞼腫瘍?眼瞼腫瘍?手術方法にて、
腫瘍には良性腫瘍や、悪性腫瘍(癌)があること、
主に手術で、他には冷凍凝固や炭酸ガスレーザーで治療することがあることを記載しました。

ここで手術治療の基本ですが、
・できものが、良性腫瘍と思われる場合
⇒できるだけ、腫瘍のみを切除し、周囲の皮膚や正常組織を残すようにすることで、傷跡が目立たなくなるようにします。具体的には腫瘍から1mm未満の少しだけ外側にメスを入れます。
(腫瘍が良性であることが確実な場合は、腫瘍成分が多少残っても見た目を優先させる場合もあります。)
・できものが、悪性腫瘍(癌)と思われる場合
⇒悪性の程度にもよりますが、絶対に主要組織を残してはいけませんので、例えば腫瘍からさらに3mm程度外側を大きく切除します。そのために、傷口が多少大きくなっても、見栄えが悪くなっても仕方ありません。

僕たちは「第一に安全」を。そして、「次に見栄え」を考えて手術をします。
できる限りキレイに。という意思はもちろんあります。

涙嚢腫瘍摘出後に皮膚を3角形に切開後、反転させて縫ってみたり。

Trichoepitheliomaという良性腫瘍ですが、皮膚ギリギリで切除後、内眼角(目頭)に切開を入れて縫ったり。(中央写真は抜糸前)

良性のイボの仲間ですが、出血しやすい患者様でしたので、メスは使わず、炭酸ガスレーザーで薄く剥離したり。

老人性疣贅はメスでの切除ではなく、炭酸ガスレーザーで蒸散(焼いて組織を消滅させてしまう)させたり。

とにかく、できるだけキレイにしたいという思いはもっています。
それでも、「手術をすれば、必ず傷ができる」のです。

上の炭酸ガスレーザーの術前後の写真ですが、右の手術後の写真は、傷口が少し掘れているのがわかりますか?これは切除後翌日なので、数か月後にはもっと目立たなくなってはいますが、近づいてよーく観察すれば、わずかな傷は残ってしまうでしょう。

一重が美人か、二重が美人かは、その人の価値観によって異なります。
同じように、「どの程度の手術の傷を見栄えが悪いと感じるか?」
そして「まぶたに、どの程度のできものがあると見栄えが悪いか?」
というのも、人によって異なります。
ですので、できものがあるのが見栄えが悪いから手術をした時に、
もし、手術後の傷跡のほうが、より見栄えが悪い。なんてことになったら、
本末転倒ですよね??

患者さんから、非常によくあるご意見なのですが、
「できものが気になるから、今とっちゃってください。簡単なんでしょ?」
というものがあります。
例えば、少しくらい長く薬を使っても、きれいに治りそうな霰粒腫であれば、今は見栄えが悪くても、それは切らずに治すのがいいのではないでしょうか?と医師としては思うのです。

また、切除方法が異なるので、悪性か?良性か?、どんな腫瘍なのかを少し観察しながら調べたい。ということも多々あるのですが、それを患者さんに伝えると、
「とってくれないなら、別の病院にいくよ。」なんてお叱りを受けることもあったり・・・。医療と、患者さんの満足度って、なかなか難しいものです。

できものは、「なんでも取ればいい。というものではない」のです。
医師が様子をみようという時は、それなりに理由があるのかな?とご理解くださいね。