昨日、準緊急で両眼の手術をした患者様も、今朝は「よく見える!」とのことで一安心です。ご家族も、場合によっては・・・。と、少し諦めていたようですが、思ったより、いい結果で大満足です。後日結果報告をします。
今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 11件
・外斜視手術 1件
・緑内障手術 2件
・網膜硝子体手術 2件(糖尿病黄斑浮腫)
問題なく終わりました。
結構、手術が多かったのですが、終わってみると5時半定時。
準備からなにから、スタッフが優秀で、本当に助かります[:拍手:]
時間が取れたので、夜は地域の別の病院で行われた、茨城県の糖尿病登録医制度の講習会に行ってきました。
糖尿病の治療で、一般のかかりつけの先生や、糖尿病専門医の役割、治療法などについて、茨城県の医師のレベルを統一化(底上げ;マニュアル化?)しようとする目的があるようです。本来は内科の先生が多くとられる資格のようですが、糖尿病網膜症は眼科の中でもかなり重大な病気であり、僕は糖尿病網膜症の手術目的で紹介して頂くことが非常に多いので、内科の事も出来るだけ知っておきたいと、参加してみました。
勉強になったことです。
?昨年から「DPP-4 阻害薬」という、新しい糖尿病のお薬が発売され、話題になっており、それなりには把握しておりましたが、薬についての特性や副作用について、キチンと理解することができました。DPP-4 阻害薬にも、いくつか種類があるのですが、腎臓や肝臓の機能によって使い分けなくてはいけないようです。
?ビグアナイド系糖尿病薬(メトホルミン塩酸塩)を内服している患者様にヨードを使用した造影検査は、リスクがある!!
放射能で話題になった、ヨードですが、実は医学ではCT検査などでよくつかわれます。眼科でも糖尿病の患者様などで、蛍光眼底造影検査といって、毎週行う検査なのですが、恥ずかしながら、そのような知識はありませんでした。
糖尿病の方が血糖を下げるために、内服するビグアナイド系糖尿病薬には、稀ですが、乳酸アシドーシスという重大な合併症(副作用)が起こることがあります。造影剤に使うヨードとの関係で、腎臓に負担がかかると、乳酸アシドーシスが起こりやすくなるために、検査の前48時間程度は内服を中止したり、検査後も48時間程度は薬を飲まない方がよい。というのが、欧米ではすでにガイドライン化しているようです。
これまで、幸いにも僕の患者様で、乳酸アシドーシスは起こらなかったのですが、リスクは出来るだけ避けなければなりません。今後は絶対に注意しなくては。
それなりに、眼科だけでなく、新しい医学も勉強しているつもりでしたが、とても恥ずかしいです[:冷や汗:]
ビックリして、終了後に、知り合いの眼科医2名に電話をしてみたのですが、二人とも知らなかったと。眼科医の人はどれくらい知っているのだろう。もし知らなかった人が沢山いたら、このブログを読んでくれたら幸いです。
眼科のみなさん知ってました??
?血糖コンロトールは、意外と厳しい!
血糖コントロールがうまくいっているかの指標にHbA1cという値があります。
通常は5%とか、血糖がまずまずの人はは6%、7とか8%になってくると悪い人。といった具合です。(妊婦や高齢者など、各々の患者様によって、目標とする血糖値は異なります。)
ただ、僕が網膜症の手術をする人たちの多くは、8%とか9%なんていうのが、しょっちゅうで、なかには12%とか、ビックリするような人もいいっぱいいます。
網膜症で外来に来る人は、みなさん血糖が高いので、、8%とか9%とか位だと、いつの間にか慣れてしまって、「まぁ、少し高めですね。内科の先生とよく相談しましょう」とか、7%では「頑張ってますね!」なんて言ってしまうことがあります。
今日の講習会で再確認したのですが、どんなに高齢者でも、状態が悪くても、8%はコントロール不良!!絶対ダメな値だということです。学生自体に覚えたことですが、10年も経つと忘れてしまいます。「血糖が高い。もっと頑張れ!」なかなか言いにくいのですが、最終的には、そう言ったほうが患者様のためなのでしょうか?難しい問題です。
それと、妊婦さんの糖尿病の値は正常値、5%にしないといけないそうです。1型といって、若く発症する糖尿ではとっても難しい目標です。先日8%なんて人がいましたが、目が悪くならないといいのだけど。
実は講習会は来週もあって、次も参加しないと資格は取れないのですが、来週のテキストには、糖尿病網膜症に関して、眼科の事が書いてありました。
ちょっと予習してしまったのですが、眼科の分野の記載は非常に微妙です・・・[:撃沈:]
10年前の医学生の教科書?といったレベルで、残念ながら手術の適応などは現在の眼科医学とはかけ離れています。テキストからすると、まさに今日手術をした人は適応にならないようで・・・。
内科の先生をメインの対象として作られたからでしょうが、糖尿病を専攻する医師向けなのでしょうから、もう少し頑張ってみてもよかったのでは??なんて、ちょっと偉そうですが。
血糖コントロールは内科的な仕事、合併症の網膜症は眼科の仕事。でも、
眼科医だって、ある程度は内科の知識が必要です。
内科医だって、ある程度は眼科の知識があった方がと思います。
白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)