糖尿病登録医制度

昨日、準緊急で両眼の手術をした患者様も、今朝は「よく見える!」とのことで一安心です。ご家族も、場合によっては・・・。と、少し諦めていたようですが、思ったより、いい結果で大満足です。後日結果報告をします。

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 11件
・外斜視手術 1件
・緑内障手術 2件
・網膜硝子体手術 2件(糖尿病黄斑浮腫)
問題なく終わりました。
結構、手術が多かったのですが、終わってみると5時半定時。
準備からなにから、スタッフが優秀で、本当に助かります[:拍手:]

時間が取れたので、夜は地域の別の病院で行われた、茨城県の糖尿病登録医制度の講習会に行ってきました。
糖尿病の治療で、一般のかかりつけの先生や、糖尿病専門医の役割、治療法などについて、茨城県の医師のレベルを統一化(底上げ;マニュアル化?)しようとする目的があるようです。本来は内科の先生が多くとられる資格のようですが、糖尿病網膜症は眼科の中でもかなり重大な病気であり、僕は糖尿病網膜症の手術目的で紹介して頂くことが非常に多いので、内科の事も出来るだけ知っておきたいと、参加してみました。

勉強になったことです。

?昨年から「DPP-4 阻害薬」という、新しい糖尿病のお薬が発売され、話題になっており、それなりには把握しておりましたが、薬についての特性や副作用について、キチンと理解することができました。DPP-4 阻害薬にも、いくつか種類があるのですが、腎臓や肝臓の機能によって使い分けなくてはいけないようです。

?ビグアナイド系糖尿病薬(メトホルミン塩酸塩)を内服している患者様にヨードを使用した造影検査は、リスクがある!!
放射能で話題になった、ヨードですが、実は医学ではCT検査などでよくつかわれます。眼科でも糖尿病の患者様などで、蛍光眼底造影検査といって、毎週行う検査なのですが、恥ずかしながら、そのような知識はありませんでした。
糖尿病の方が血糖を下げるために、内服するビグアナイド系糖尿病薬には、稀ですが、乳酸アシドーシスという重大な合併症(副作用)が起こることがあります。造影剤に使うヨードとの関係で、腎臓に負担がかかると、乳酸アシドーシスが起こりやすくなるために、検査の前48時間程度は内服を中止したり、検査後も48時間程度は薬を飲まない方がよい。というのが、欧米ではすでにガイドライン化しているようです。
これまで、幸いにも僕の患者様で、乳酸アシドーシスは起こらなかったのですが、リスクは出来るだけ避けなければなりません。今後は絶対に注意しなくては。
それなりに、眼科だけでなく、新しい医学も勉強しているつもりでしたが、とても恥ずかしいです[:冷や汗:]
ビックリして、終了後に、知り合いの眼科医2名に電話をしてみたのですが、二人とも知らなかったと。眼科医の人はどれくらい知っているのだろう。もし知らなかった人が沢山いたら、このブログを読んでくれたら幸いです。
眼科のみなさん知ってました??

?血糖コンロトールは、意外と厳しい!
血糖コントロールがうまくいっているかの指標にHbA1cという値があります。
通常は5%とか、血糖がまずまずの人はは6%、7とか8%になってくると悪い人。といった具合です。(妊婦や高齢者など、各々の患者様によって、目標とする血糖値は異なります。)
ただ、僕が網膜症の手術をする人たちの多くは、8%とか9%なんていうのが、しょっちゅうで、なかには12%とか、ビックリするような人もいいっぱいいます。
網膜症で外来に来る人は、みなさん血糖が高いので、、8%とか9%とか位だと、いつの間にか慣れてしまって、「まぁ、少し高めですね。内科の先生とよく相談しましょう」とか、7%では「頑張ってますね!」なんて言ってしまうことがあります。
今日の講習会で再確認したのですが、どんなに高齢者でも、状態が悪くても、8%はコントロール不良!!絶対ダメな値だということです。学生自体に覚えたことですが、10年も経つと忘れてしまいます。「血糖が高い。もっと頑張れ!」なかなか言いにくいのですが、最終的には、そう言ったほうが患者様のためなのでしょうか?難しい問題です。
それと、妊婦さんの糖尿病の値は正常値、5%にしないといけないそうです。1型といって、若く発症する糖尿ではとっても難しい目標です。先日8%なんて人がいましたが、目が悪くならないといいのだけど。

実は講習会は来週もあって、次も参加しないと資格は取れないのですが、来週のテキストには、糖尿病網膜症に関して、眼科の事が書いてありました。
ちょっと予習してしまったのですが、眼科の分野の記載は非常に微妙です・・・[:撃沈:]
10年前の医学生の教科書?といったレベルで、残念ながら手術の適応などは現在の眼科医学とはかけ離れています。テキストからすると、まさに今日手術をした人は適応にならないようで・・・。
内科の先生をメインの対象として作られたからでしょうが、糖尿病を専攻する医師向けなのでしょうから、もう少し頑張ってみてもよかったのでは??なんて、ちょっと偉そうですが。

血糖コントロールは内科的な仕事、合併症の網膜症は眼科の仕事。でも、
眼科医だって、ある程度は内科の知識が必要です。
内科医だって、ある程度は眼科の知識があった方がと思います。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

緑内障手術?

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 4件
・眼瞼内反症手術 2件
キレイに終わっています。

先週末に緊急で緑内障手術をした患者様は、翌日より眼圧が15?20程度で落ち着いており、今のところ、経過良好です。
ただし、まだまだ安心はできません。
実は、緑内障手術の成否は手術のみで決まるのではなく、術後の処置に大きな役割があります。手術半分、術後の処置が半分です。

緑内障手術?(りょくないしょうしゅじゅつ)

緑内障の手術は、目の中に溢れた水(房水:ぼうすい)を、目に穴を開けて水を外に流す手術です。水が外に逃げる分、目の中の水が少なくなり、目の中の圧力が下がります。
穴をあける、あけ方は、術者の好みや症例によって異なりますが、だいたいは3?4mm程度の四角や三角のキズを作ります。

ここで、ちょっと別の話ですが、
もしも、間違えて手の平に釘を刺してしまうとします。貫通した釘を抜いて、多少出血したり、キズが膿んだりはしても、結局はキズは閉じて治ってしまいますよね?女性が耳にピアスを開けても、きちんと管理しないと穴がふさがってしまうと思います。

緑内障の傷口も、同じようなもので、キズを作ってほっておくと、キズが閉じてしまい、手術をした意味がなくなってしまうのです。
では、キズを大きく作って、水をじゃじゃ漏れにしたらどうでしょう??実は、それも駄目なんです。水が少なすぎてしまうと、目はしぼんでしまって、眼球の形状(球)が保てなくなってしまいます。(医学的な表現ではありません。専門的にはそれ以前に、様々な問題が起こります。)

ボールがしぼまない程度に、ゆっくりと、少しだけ水が流れて、かつ、目の中に水が多くなりすぎないように。といった、なかなか難しい感じなんです。

具体的に、良いキズを作って、良い眼圧にするには、
?傷口に癒着防止剤を使います。近年は緑内障手術を行うときに、使わない先生はいない。とったほどあたり前の事です。抗がん剤の一種で、一定の濃度に薄めたものを、手術の時に3分程度塗りこみます。
?術後に眼圧が高い場合⇒傷口を押して、開く(マッサージ)をしたり、わざと多めに傷口を縫っておくのですが、眼圧に応じて、縫った糸をレーザー光線で溶かして切ってしまう。なんてことをします。
?術後に眼圧が低い場合⇒傷口を安静に保つために眼帯をしたり、あまりに水の漏れが多い場合には、傷口を縫いなおしたりします。

このようなことを行いながら、だいたい1週間?2週間くらいすると、傷口の大きさなどが一定化して、眼圧も落ち着いて行きます。

ケガをした場合に、早く治る人、なかなかキズが治らない人、いろいろいますよね??
緑内障の傷口も、癒着が強く、すぐにキズが閉じて眼圧が上がってしまう人や、なかなか癒着が起こらず、眼圧が下がり過ぎてしまう人等がいます。
もちろん、僕たちもプロですので、手術の時にも、緑内障の種類や、目の状態、年齢、血管が多いかどうかなど、様々なことを考えてます。例えば、癒着防止剤を3分でなく、長くしたり短くしたり調節をしたり、キズを多めに縫ったり、少なめに縫ったり。
ただし、そういった手術のみの技術ではなく、術後に毎日行う処置で、出来るだけ、目標にした眼圧に近づけていくことが、緑内障の手術ではとっても重要です。術後の管理も腕の見せ所なのです[:グッド:]

先週末に手術をした患者様です。

矢印で囲んだ部分に水が溜まって、プックリしています。最終的には眼圧を10程度に落ち着かせたいので、本来なら今日はレーザー光線で傷口の糸を切って、水の出口(傷口)をもう少し開くところです。
ただし、この患者様は目の奥に水晶体が落下しており、それ取り除く手術を明日行うので、今日は様子を見ることとなりました。

実は反対目も全然見えないのですが、

こんな感じ。黒目の中央、白内障でかなり真っ白に濁っています。
瞳孔を広げる薬を使っているのに、ほとんど開かず、またレンズの支えが弱いようで、目の中でレンズ(白内障)がグラグラ動いています。
明日、両眼の手術を行うのですが、結構大変そうです。
頑張るぞ[:グー:]

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

緑内障手術?

昨日に引き続き、またまた水晶体脱臼後の急性緑内障です。
(昨日の方は、レンズがないので、ピントが合わず、視力はまだ不良ですが、その他の経過はとても良好です。後日新しいレンズを挿入すれば良く見えるようになりそうです。)

今回は、もともと片目が見えない、80代男性の患者様で、数日前から良かった方の目が見えなくなったと、当院には初めていらっしゃいました。
両眼ともに、光触弁(こうかくべん)と呼ばれる視力で、メガネをかけても光が分かるか分からないかという状態です。

本来、水晶体は図のように、目の中では黒目に近い方(前の方に)位置します。図では白い楕円が水晶体です。ケガでぶつけた場合や、もともとレンズを支える組織が弱いと、このレンズが図の青い楕円のように目の奥方に落ちてしまう事があります。レンズが落ちてしまうと、光を曲げる(屈折)する力がなくなり、ピントが全く合わないために、ほとんど見えなくなります。
ただし、レンズが落ちただけであれば、数日とか、そう急がなくても、レンズが眼の奥の方の組織を傷つける前に取り出して、新しいレンズを入れることで、そう難しくなく、かなり回復します。

今回は、昨日の患者様と同様で、レンズがずれたことにより、目の中を循環する水(房水:ぼうすい)の流れに変動が生じ、または、各種の炎症や癒着により、水の排出口が狭くなってしまいました。目の中で出口を失った水が溢れかえり、目の中は大量の水で圧力(眼圧)が高まっています。
正常の眼圧は10?20くらいなのですが、今日の患者様は眼圧60以上と、かなり高くなっており、このままでは早々に失明してしまいます。

朝に初診でいらして、眼圧を下げる作用をもつ目薬や、点滴を行いましたが、夕方の手術直前でも、眼圧は70です。とても週明けまでもつとは思えませんので、先ほど、とりあえずは、眼圧を下げる手術(緑内障手術)を行いました。

緑内障手術(りょくないしょうしゅじゅつ)
緑内障の手術とは、簡単にいうと、「目に穴を開けて、中の水を外に逃がしてあげる手術」です。
本来の水の流れ道が上手く働かず、水が溢れてしまう分を、別に水の抜け道を作って、目の外に逃がしてあげます。

本日の手術です。

まず、白目(強膜)の上を覆っている結膜という粘膜の一部を、ハサミできって、剥がします。

すると、白目(強膜)が露出します。この白目の組織をメスなどで切って、水の通り道を作ります。(赤矢印)

黒目(角膜)に近い部分で、白目の一部を完全に切除し、眼球に穴を開けます。

ただ穴をあけただけでは、水がどんどん漏れてしまうので、水の出ていく量をコントロールしやすくするために、せっかく作った穴ですが、髪の毛よりずっと細い糸で、数か所縫って行きます。目の中の水がゆっくり、じわっと、縫い目の隙間から出てくるようにします。

最後は、一度剥がした結膜を、元の位置に縫いつけます。
手術終了時の写真です。

目の内側から、白目の穴を通過して、外に出た水(房水)は、白目(強膜)と結膜の間に溜まります。写真でみると、青矢印で囲んだ部分が、プックリと膨らんでいるのが分かりますか?ここに水が溜まっています。この水はゆっくりと血流にのって吸収されていきます。結膜の外にまで漏れだすわけではないので、涙のようにポロポロと目から出ていくわけではありません。(穴の作り方や、糸の縫い方などには、様々なやり方があって、術者の好みや、個々の患者様の症例によっても変わります。当院では、上記のような手術が多いのですが、例えば、写真の緑矢印の部分には、接着剤(糊)のようなものを使うなど、いろいろ工夫をしています。)

今日、ちょうど視野検査で外来にきた別の患者様、I様の写真です。

緑矢印で囲んだ部分がプックリと膨れています。青矢印の部分に白目の四角いキズがうっすらと透けて見えます。1年以上前に手術した方ですが、現在も眼圧は7mmHg程度と良好です。

こんな感じで、手術は問題なく20分程度(助手なし)で終わりましたが、この患者様はまだまだ見えるようにはなりません・・・[:冷や汗:]
今日は、とにかく状態が悪く、ひとまず眼圧を下げる手術だけを緊急で行ったのですが、目の中には、いまだに落下した水晶体が残っていますし、新しいレンズも縫いつけなくてはいけません。
(眼圧が高いと、黒目・角膜が濁ってしまい、目の中をのぞくことが困難です。目の奥の方まで手術をするのは危険なので、今日全てを行うのはリスクが高すぎます。)
とりあえず、超緊急の状態は脱したのですが、週が明けてから、今回のキズに負担がかからないように、目の奥にあるレンズを取り出して、新しいレンズをいれる。
どこから、キズを作って、どうレンズを取り出すか。なかなか難しそうです。週末に作戦会議を開かなくては[:汗:]

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
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緊急手術

今日は、夕方に近くの開業医様の紹介で、緊急の患者様がこられました。
水晶体亜脱臼といって、目の中にあるレンズ(濁った場合を白内障と呼びます。)が、ぶつけたりすることが原因で、グラグラして、本来あるべき場所からずれてしまっています。
本来は、目の中には房水と呼ばれる透明な水が、規則的に流れているのですが、水晶体の場所がずれると、その房水の流れ方に変動が起こってしまいます。水の流れの変動によって、目の中には水が溢れかえるように増えてしまい、眼圧が上がる急性緑内障発作と呼ばれる状態になってしまっていました。放っておけば、どんどん悪化し、最終的には失明してしまいます。

先ほど手術を行い、水晶体を取り除くことで、水の流れをもとに正常化するようにしました。通常の白内障手術と違って、少し大変な手術なので、一般的には入院して頂く事が多いのですが、ベットがない(満床)ので、一度お帰り頂き、明日また診察となりました。
満床って困ります。
出来るだけ、白内障などは日帰りで行っているのですが、なかなか重症のかたも多くて。

ベットをもっと作れば?と思うのですが、僕も詳しくないのですが、
地域の中で全ての病院の合計のベット数というのが決まっているらしく、勝手に作ると怒られちゃうようです。
でも、現場では必要なのに。と思うと、法律や規則って、なかなか厄介です。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
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OCT(optical coherence tomography)

予想通り、お盆があけて混みました[:冷や汗:]
午前だけで60人以上。新規の患者様が多く、眼科医1人だと、2時間くらい待つ患者様も出てしまい、すみません。頑張ってはいるのですが。
待ち時間の分、診療では少しでもご満足いただけるように励みたいと思います。

午後は以下の手術を行いました。
・眼瞼内反症手術(逆さまつ毛) 1件
・翼状片手術 1件(結膜弛緩症同時)
・白内障手術 7件
・網膜硝子体手術(黄斑円孔) 1件 
難しい症例はなく、4時過ぎには終わってしまい、午後はのんびり出来ました[:船:]

今日は眼科で使う検査の器械の話です。
OCT(optical coherence tomography)
日本語で言うと光干渉断層計。
眼底カメラの画像はこれまでも掲載ししてきましたが、カメラの写真は平面(2次元)であり、例えば網膜に水が溜まっているか?膨らんでいるか、へこんでいるか?などの3次元での評価は、なかなか困難です。

OCTは、近赤外線を利用して、眼底、網膜の性状を詳しく、3次元、立体的に測定することができる器械です。
網膜疾患、特に黄斑部と呼ばれる、物を見る中心部の網膜の診断が、今までとは比較にならないほど正確に下せるようになりました。

診察で患者様に説明するときに使っている図ですが、このように目の奥の方の網膜(光を感じ取るフィルム)の断面図を撮影することができます。右側のキレイな画像がOCT検査の結果です。


正常な方の測定結果です。網膜の中でも黄斑部(中心部)は、物を見ることだけに特化しており、その他の構造が少なく、少し凹んだ形になっています。


これは、最近テレビCMや新聞広告で有名になった、加齢黄斑変性症という病気の患者様の結果です。眼底カメラでは写真のやや右寄りに赤い出血があるのが分かります。ただし、この出血がどの程度、膨らんでいるかなどは分かりません。OCTで撮影すると、網膜がデコボコしたり、水が溜まって膨らんでいる(黒く抜ける)所見などがよくわかります。

当院のような網膜硝子体手術(網膜剥離・糖尿病網膜症・黄斑円孔・黄斑前膜などに対する手術)を行う病院には、絶対になくてはならない検査器械です。
また、緑内障の患者様で、神経(網膜)の厚みなどを測定することにも役立ちます。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
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結膜弛緩症

昨日、暇だとか言ってしまったせいでしょうか・・・。今日は普通に結構混みました。お待たせしてしまった患者様は申し訳ありません。
午後は小美玉で手術です。
白内障手術 5件
やはり、成熟白内障といって、今回は光さえほとんど分からない。という患者様もいらっしゃり、なかなか大変な手術でした。(10分くらい)

今日は、昨日手術をした結膜弛緩症の手術について書いてみます。
結膜弛緩症(けつまくしかんしょう)
病気の詳細は、6月22日のブログをご参照ください。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4996
僕を含めて、最近の眼科医は、「見える・見えない・失明」などにばかり、ついつい目がいってしまうのですが、患者様にとっては、痛いとか、うるさい、涙がでる。などの症状もツライことです。
結膜弛緩症は、ある程度高齢になった場合に、非常によく起こる病気で、患者様によっては、とても辛いとおっしゃる事があります。

84歳女性の患者様の、昨日の手術前の写真です。

赤い矢印で囲んだ部分が、結膜がゆるんでシワになっている部分です。
この患者様は、涙目、うるさい。というのがツライようです。


赤矢印が結膜のシワを引き延ばして、白目(強膜)に縫いつけた部分です。
黒矢印は、縫っている最中です。(手術では、患者様の頭の上側に座ります。写真は通常の状態とは上下が反対になっています。)

今度は、黒が縫ってある部分、赤が縫っているところです。
こんな感じで5箇所ほど、シワを伸ばして縫いつけます。

ゆるみが大きい部分は、ハサミで切って、切除してしまいます。

切りとった端と端を縫い合わせて、縫い合わせて終了です。
血液がサラサラの薬を飲んでいて、少し赤く出血していますが、数日でキレイになります。
(出来るだけ出血しないように、血管を避けて切ったり、縫ったりする必要があります。瞳孔を開かないで手術をする先生もいらっしゃいますが、当院では出来るだけ見た目を良くするために、瞳孔を開く薬を使用して出血を少なくするように心がけています。)

今朝こられた時の写真です。

手術前にみられたシワがとれて、キレイになっています。

アッカンベーをすると、まだ少し赤みがありますが、2?3日で治ります。

日帰り手術で5分程度の手術です。
1割負担の患者様だと、片目3000円くらい。
慢性的に涙がでる、うるさい、ゴロゴロするなどの患者様で、目薬で軽快しない場合には、手術をしてしまうのも一つの手かと思います。

涙目の原因となる病気は他にもあります。
また、手術をしなくても目薬の調整だけで、症状が取れてしまう場合も多くあります。
当院での手術をご希望の場合でも、今まで使用した目薬や、検査の結果があると、よい診断につながりますので、現在、かかりつけの眼科様がある場合には、出来る限り紹介状を頂くようにしてください。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

暇です。

今日もお盆なので、かなりすいています。
初診の患者様もお待ちにならずに受診出来ます。
外来を閉じるわけにもいかないので、診察室にいるのですが、
じっとしているのが苦手な性格で、院内をウロウロしてしまいます。
明日も予約が少なめなので、お勧めですよ!
お盆明けは混みそうだなぁ・・・。そっちも怖いなぁ。

お昼の手術は、
・眼瞼下垂症 2件
・結膜弛緩症 1件
・白内障手術 4件
・網膜硝子体手術(糖尿病・硝子体出血) 1件
と、それなりには普通にあるのですが。(みなさん無事に終わりました。)

パセリ

妻が家庭菜園でパセリを作っていたようですが、
今朝、「パセリが大変なことになっている!!」と。

キアゲハという蝶々の青虫のようです。
いつからいるのか不明ですが、10匹以上でパセリを食べつくし、もうエサがなくなる寸前です。
子供に羽化を見せたい!と飼ってみようと思うのですが、ネットで調べると、パセリや山椒の葉など、においのある葉っぱしか食べないようで。
急いでパセリの苗を買いに行ったのですが、近所では今日は見つけることができずに、スーパーで食用の葉を購入しました。
飼育が大変そうですが、羽化を見せてあげられたらいいな[:子供:]


今日は生き物に縁があるようで、ご近所さんにカブトムシを譲っていただきました!
子供たちは、今のところ、こちらのほうが喜んでいます。

霰粒腫(さんりゅうしゅ)?

やっぱりお盆で空いています。午前の外来は35人。
早く終わったので、午後は子供とプールに行ってきました!

と、夕方に急患が。
糖尿病で片目が出血してしまい、まったく見えない状態です。
他院様follow中で、少し出血が引くのを待っていたみたいのですが、もともと反対の目が見えない方なので、このままでは生活ができません。
家に帰っても生活に困るので、緊急入院して頂き、明後日の月曜日に手術をさせて頂くことになりました。
二日間、見えない状態で申し訳ありませんが、頑張って頂きたいと。
(週末にこれを読んだスタッフの方、月曜日は緊急手術です。ご協力お願いします。)

霰粒腫(さんりゅうしゅ)

まぶたに、しこりが出来たり、腫れてしまう病気です。
正常な眼瞼(まぶた)のふちからは、あぶらが分泌されているのですが、あぶらがあるおかげで、まばたきが滑らかになったり、涙が乾きにくくなったりします。
この、あぶら分泌する組織をマイボーム腺と呼ぶのですが、まぶたの、はじからはじまで、一つのまぶたに20個、上下左右で80個程度の腺が存在しています。

当院の事務の生井沢くんのまぶたです。

拡大すると、こんな感じ。矢印で囲んだ丸い部分がマイボーム腺の出口です。

霰粒腫は、このマイボーム腺の出口が何らかの原因で詰まってしまい、慢性的な炎症が起こって、肉芽腫という塊(しこり)ができる病気です。
(つまる以外の原因もありますが、一般の患者様に分かりやすい説明のみで。)
霰粒腫の症状はまぶたの腫れや異物感です。まぶたを手で触るとシコリを触れます。
バイ菌がつくなどして、炎症を伴った場合は急性霰粒腫と呼び、赤く腫れると、麦粒腫(ばくりゅうしゅ:感染症)と似た症状(メヤニや充血、痛み)が出ます。


先日来た女性です。赤い矢印のマイボーム腺が詰まって、少し膨らんでいます。下の黒い矢印の部分にしこりが出来ています。

アッカンベーすると、こんな感じ。

治療法は、ステロイドという炎症を抑える目薬や塗り薬を使います。
感染を起こしている疑いがある場合には抗生物質も加えます。
麦粒腫(まぶたの組織にバイ菌が感染したもの)と同じような薬、治療法になるのですが、しこりがある分、霰粒腫は治るまでに時間がかかることがあるのが特徴です。人によっては数ヶ月以上かかることも。

ステロイドには緑内障という副作用を起こす可能性があるので、
当院では、まず薬を処方し、薬がなくなるまでに治ったしまった場合は終了(来なくていい)としていますが、副作用のチェックとして、2週?1ヶ月程度たっても治らない場合は、一度受診して頂いています。
副作用がなくて、しこりが小さくなっている(薬が効いている)場合には、同じ薬をたくさんだして、治るまで目薬を使っておいてください。としています。(ほとんどの患者様は薬のみで治ってしまいます。)

どんどん悪化する場合、ステロイドの副作用で薬が使えない場合、なかなか治らず、繰り返す場合には、手術を行います。
手術でしこりを摘出してしまうのです。大人の場合には、局所麻酔で10分程度の手術で簡単に治ってしまうため、あまり長引きそうな場合には手術を行ってしまいます。(20?30人に1人くらい。)

この方は、一ヶ月以上、薬を使っても治らないため、この間手術を行いました。
今はとてもキレイに治っています。
(術後も載せたいのですが、経過がよいと、写真を撮るのが面倒で、つい撮り忘れてしまいます。)

ただし、子供の場合には、手術の程度にもよりますが、多くは全身麻酔を必要とするために、なかなか手術に踏み切れず、長々と薬を使って頂くこともあります。

手術ができない場合などで、ケナコルトという強力なステロイド薬をまぶたに注射する治療法なども、たまにですが行う事があります。

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働く (端楽)

毎年この時期になると、「先生はお盆は休みじゃないんですか?」と聞かれます。
これまでの人生で、お盆が休みだったことは一回もなく、そもそも、僕の両親は末っ子同士で、核家族で育ったせいか、お盆という風習があまりよくわかりません。御先祖様の迎え方や、送り方なんかも全く分からず、ちょっと日本人としては・・・。と思うときもあります。
なので、お盆に休み?と聞かれると、なんで???となってしまいます。

でも、なんとなくこの時期に思い出だすことは、
昔、祖父が言っていた、働く(端楽)という言葉です。

働く、人が動くと書きます。
みんな人それぞれ、働く理由があって、毎日頑張っています。
「働く」は「端楽」
はた(端)にいる人に、らく(楽)をさせること。

僕の一番身近な両端(端:はた)は家族です。
楽にさせたい、幸せにしたい。と人が動く。

お金を稼ぐ仕事だけが、働くではありません。
奥さんたちが、家族が楽にできるように家事をするのだって、働く。
ボランティアで、困っている人を楽にさせるもの働く。

家族や友人が楽になるように。
一緒に仕事をしてくれるスタッフが楽になるように。
そして、患者様が楽になるように。

どうせ人が動くなら、
自分のためだけと思わず、端の人のために、その人に楽をさせたい。
と思って動くと、なんだかやる気が出てきます[:晴れ:]

僕は幸い医療従事者になって、広い両端を持つことができました。
一般的な職種よりは、楽にさせてあげたい人がたくさんいます。
石岡を中心に両端をもう少し広げて、広く地域の患者さんが楽になってくれるといいな。

さいきん、眼科のことが少なくてすみません。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
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