今日は小美玉で手術です。
・白内障手術 6件
・眼瞼下垂症手術 2件
・眼瞼内反症手術(さかさまつ毛)1件
無事に終わっています。
結膜炎?(けつまくえん)
今日は、ウィルスによる感染症のケースを。
ウィルス性結膜炎
原因のウィルスの種類によって、若干呼び方が異なるのですが、
アデノウィルス8,19,37型など⇒流行性角結膜炎(はやり目)
アデノウィルス3,4型など⇒咽頭結膜熟(プール熱)
エンテロウィルス⇒急性出血性結膜炎
のどにウィルスがついて繁殖する場合を、風邪(カゼ)といいます。
白目の上の粘膜(結膜)にウィルスがついて、繁殖した場合がウィルス性結膜炎になります。
症状
異物感・痛み・なみだがでる・メヤニがでる・かすみ目・まぶたが腫れる・目が赤い(充血)などの症状がでます。
ウィルスの強さによって、ちょっとしたメヤニで済んでしまう場合や、ひどい症状で目を開けることができなくなる人もいます。同じウィルスでも、体調などの免疫力・抵抗力によって、個々の患者さんによって症状に強弱が出ることもあります。
診断
?問診:家族や周囲、職場や学校などで結膜炎が流行っているか?
?診察:結膜の性状を調べます。(専門的ですが、まぶたの裏側の結膜に濾胞というふくらみができたり、偽膜といってひどい反応がでる事があります)
?診断キット:抗原抗体反応といって、ウィルスがいると正確に反応する検査器具もあります。粘膜をこする必要があったり(痛い)、院内感染の問題があったりで、??から診断が明らかな場合には省略されることもあります。
治療
多くの場合は、風邪と一緒で、体の免疫力がウィルスをやっつけ、自然に治ります。数日?長くても2週間程度で治ることが一般的です。
ウィルスに対する特効薬は、インフルエンザウィルスや、ヘルペスウィルスなどの特殊なウィルスを除いて、まだありません。昔と違って、ただの風邪の時には薬を出さない先生が増えたと思いますが、出さないというよりは、効くお薬がないのです。
はやり目もウィルスを駆除するような特効薬はなく、基本的には自然に治ります。ただし、炎症による症状をできるだけ和らげたり、後遺症の発生を予防するために、ステロイド剤という炎症を和らげる薬を使う事が一般的です。
ウィルスによる風邪をこじらせると、細菌を原因とした肺炎を起こすことがあるように、ウィルス結膜炎などの目が弱っている時には、細菌が繁殖しやすいために、予防の目的で最近に対する抗生物質を処方することは多々あります。(点眼薬の抗生物質は短期の使用であれば、副作用が少ないために、予防として処方する先生が大多数のようです。)
伝染病
実は、はやり目(流行性角結膜炎)になると、学校をお休みしなければいけません。ウィルスは主に手指を介した接触感染で起こります。
もしも、はやり目になったら、法律で登校が禁止されているのです。
うつりやすいウィルスですので、うつらないこと、そして人にうつさないことが重要です。
・結膜炎の人は目を触ったら、すぐによく洗う。
・周囲に結膜炎の人がいたら、手を良く洗い、むやみに目をこすらない。
・プールではゴーグルを使用する。(プールでうつるものがあります)
・洗顔のタオルを家族で共用しない
・メヤニや涙、点眼薬はハンカチではなく、ティッシュペーパーにとってすぐに捨てる
実は、正直な話、眼科としては、はやり目は天敵になります。
院内感染といって、受診した患者さん同士でうつりあってしまうと困るからです。
結膜炎で受診して、厄介者扱いを受けたことがある人もいるのではないでしょうか??でも、眼科にも評判があって、「あの眼科にいったら、結膜炎になった。」などの噂がでると困ってしまうのです。しかも前述の通り、基本的には自然に治るような病気なので、できれば来てほしくない。なんて考える医師もいます。
当院では、はやり目が疑われる患者様は、来院後すぐに別の待合室で待機して頂き、出来るだけ早く診察をします。会計や処方なども個別で行うようにして、院内感染のができるだけ起こらないように努めているのですが、お子さんの患者様で走り回って、壁をベタベタ触ってしまうときには、頭が痛くなります・・・。
他の科に比べて、眼科には雑誌や絵本、おもちゃなど、患者様が共有する暇つぶしの物品が少ないと思います。その理由の一つに、はやり目による院内感染が怖いというのがあるのです。
今日いらした24歳女性の症例です。
強い充血を認めます。写真の右側は、はやり目に特徴的な後遺症で、黒目(角膜)が濁っている写真です。もう少し分かりやすい、ヒドイ症例の写真を出したいのですが、ヒドイ症例は第一診察室には入らないようにしていただいたり、写真をとるなどの、余分な時間を少しでも省いて診療を行い、院内感染を予防する必要があり、なかなか難しいのです。
20年くらい前までは眼科というと、「赤目外来」などとって、結膜炎などを主体でみることが、仕事の重要な位置を占めていたようです。最近は眼科の主な仕事を、視力や失明などの見える・見えないという分野だと考える医師が多くなりました。どちらも眼科の大事な仕事ですが、僕もどちらかと言うと、見える・見えないに主体に考える事が多くなっているかと。もう少し、バランスの良い医師を目指そう。
白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)