疲れた・・・。

水曜の午後はまるまる手術です。
今日は、
・翼状片手術 3件
・白内障手術 8件
・網膜硝子体手術 3件
(糖尿病網膜症2件、網膜中心静脈分枝閉塞症による硝子体出血1件)
17時半には終わったので、そう長い手術ではないのですが、


翼状片がこんな感じで。
病気の詳細は以前のブログを(2011.06.08 Wednesday)
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4939

できれば、最低でも瞳孔と呼ばれる中心の黒目に届く前に受けて頂きたいのですが・・・。でも、このかたは時々は眼科にかかっていたようなのですが・・・。
大きな切除が必要ですが、血液をサラサラにする薬を飲んでいるため、どうにも血が止まらずに苦労しました。頑張ったかいもあり、結局はキレイに終わりました。あとで、術後の写真も載せたいなと思います。

緑内障のブログはまた明日に。
外来でも、「読んでますよ!」なんて言って頂ける事が増えてきて、頑張りたいのですが。ちょっとお休みで[:しょんぼり:]

それと困っていることが一つ。
ブログの左の欄に「Q&A」というのを作って頂き、数名の患者様たちと、やり取りをさせて頂いたのですが、最近、毎日のように迷惑メールのような書き込みが・・・。削除しても、次の日には別の書き込み。どうしたらよいのやら。はぁ。

緑内障② 眼圧の測り方

緑内障② 眼圧の測り方

前回、眼圧について記載しました。
・目の中の水(房水)が多いと、眼球・ボールを内側から膨らまそうとするチカラが大きくなり、眼球が硬くなります⇒眼圧が高い。
・逆に、房水が少ないと、ボールはペコペコで、やわらかい状態に⇒眼圧が低い。

血圧の測定方法は、腕に血圧計を巻いて、空気で腕の血管を圧迫して、拍動する状態から測定します。

では、この眼圧はどうやって測るのかというと、
近代の眼科では、大きく2種類の方法で測定しています。

①non contact tonometer(ノンコンタクト トノメーター)
略して「ノンコン」と呼ばれています。日本語では非接触式眼圧計。
空気を眼球に吹き付けて、眼球(角膜・黒目)の変形する様子から眼圧を測定します。

上のような器械に、顔を載せて、目を大きく開けて測定します。

器械が同じ量・風速の空気を目に吹き付けるのですが、
もしも、中に水がいっぱいで、眼圧が高く、眼球が硬い場合には、眼球(角膜)の形は、あまり変化しません。

逆に水が少なくて、目が柔らかい場合には、眼球が大きく変形します(凹む)。

ノンコンのメリットは、
・空気を吹き付けて測定し、眼球に直接触れないため、感染症などが起こりにくいこと。
・基本的に測定の精度には器械の力量が大きく、検査をする検査員の力量によっては、測定の誤差が出にくいこと。
等があります。

デメリットは、
・角膜の厚みや様々な条件に対応できず、基本的には誤差の大きい検査です。
・特に空気を吹き付けられる時の恐怖感などで、目が動いたり、強くつぶろうと力が入ったりすると誤差が大きくなります。(最近の器械は、空気の量が非常に少なく、当院の最新型などでは、数年前のものよりも患者様の負担はとても少なくなっていますが。)

②applanation tonometer(アプラネーション トノメーター)
略して「アプラ」とか、発案者の名で「ゴールドマン」とも呼ばれます。日本語では圧平式眼圧計。

こちらは、空気ではなく測定器を直接眼球(黒目・角膜)に押しつけて測定します。
麻酔の目薬をつけて、下のようなスリットランプと呼ばれる目の表面の観察装置を使います。

この青く光る部分を目に押しつけます。

医師の側からは、こんな感じで見えます。

測定原理はノンコンと同じような感じで、器械を押しつけて、目の凹みぐらいから眼圧を推測します。(眼圧が高ければ、あまり凹まない。)

アプラのメリットは、
・誤差が少なく正確(技術があれば)

デメリットは、
・直接、目に触れるので、感染症の原因になったり、測定時に黒目にキズが付くリスクがあります。
・青い光がまぶしい。
・医師が測定しますが、担当医の力量や、クセなど、測定する人によって誤差が生まれる可能性があります。

どちらの方法にしても、患者さんにとっては、空気が不快だったり、まぶしかったり、あまり気分のいい検査ではないようです。ただ、眼科ではとても重要な検査ですので、ご協力を頂ければと思います。

*緑内障の患者さんの管理には、基本的にアプラネーションも用いた眼圧測定が必須です。緑内障専門医を名乗りながらノンコンのみで診療している医師もいることはいるのですが・・・。

注)
上記の測定は、目の硬さから、目の内部の圧力を推測する方法です。
実際に眼球に針などを入れて、内部の圧力を測定するわけではないので、あくまで推測値になってしまうのですが、診察のたびに手術のように眼球内に器械を入れるわけにはいきませんので。
これらの方法では、眼内の房水による圧力以外にも、眼球のボール自体の厚さや、硬さ(剛性)も、測定値に影響します。例えば、同じ大きさの、やわらかいゴムボールと、硬いプラスチックのボールに、同じ量の水の入れても、触った時の硬さは異なりますよね?
例えば、高齢になると角膜組織が硬くなります。このため同じ水の量であれば少し眼圧が高めに測定されます。他には、レーシックなどの近視矯正手術を行って、角膜が薄くなっていると、同じ眼圧でも、眼球がやわらかくなるため、眼圧の測定値は小さい値が表示されます。(最近は、手術をする施設も増えてきましたが、以前は緑内障の人はレーシックはできない。と言われていたのは、こんな理由もあるのです。)

*レーシックによる感染症や、長期成績が問題となり、レーシックを受ける人が激減しているのは緑内障管理の面からは喜ばしいことでしょうか?日本人は高齢になるにつれ高率に緑内障を発症する民族です。強度近視の人はさらに緑内障のリスクが高まりますので、本来は緑内障患者さんや、強度近視など将来緑内障のリスクが高う患者さんに対しては、僕はレーシックは禁忌だと思います。商売としての治療を行っている医院が多い分野ですが、その人が20年後、40年後、どういうリスクがあるのか?レーシックを施行している先生はよく考えて、きちんとリスクの説明をしてほしいものです・・・。

緑内障① 眼圧

失明の原因第一位、眼科の重大な病期について記載を始めます。

緑内障① 眼圧

手の先、つま先、体のほとんどの部位では、血液が栄養分を運ぶ役割を果たしています。では、眼球の中はどうでしょう?
もしも目の中に赤い血液が流れていたら、光が通らないので、物を見ることができません。

目の中では透明な水が循環することで、栄養分をいきわたらせることを行っています。

具体的には、図の茶色の組織(毛様帯)と呼ばれる組織から、

血液の中から必要な、栄養分の高い水だけをろ過して、水色の矢印のように水が出てきます。実際には水は目の中全てを埋め尽くすわけではなく(一番広い部分には硝子体がありますので)、図のようなルートで、特に水晶体(レンズ)の周りをまわって栄養分を届け、赤矢印、黒目(左側)の方に回って、瞳孔(虹彩)の付け根のあたりの出口(隅角)から出ていく。という循環を繰り返しています。

この目の中を流れるお水の事を「房水:ぼうすい」と呼びます。
目の中に、房水が入っているからこそ、眼球(ボール)は、丸く膨らみ、触ったり押したりすると、一定の硬さ・弾力があります。この弾力・硬さが
眼圧(がんあつ)なのです。

目の中に房水が多いと、眼球のボールを内側から膨らませる力が大きくなり、外から触ると、パンパンで、硬く感じます。このような状態を、「眼圧が高い」。

逆に、目の中の房水が少ないと、眼球のボールはペコペコ、やわらかい状態となり、このような状態を「眼圧が低い」と表現します。

放置

いろいろと忙しかったりで、芝生は9月の中旬から、ほとんど放置になってしまっています・・・[:冷や汗:]
妻がたまに水をやったり、草むしりをしてくれているそうですが。

秋になって気温も下がると、芝も伸びないので刈らなくても大丈夫で、水やりも週に1回とかでいい。と、教科書?図鑑には書いてあるのですが、確かに、放置の割にはまだ緑を保っています。

ほとんど成長せず、芝刈りも不要のようです。

肥料をいっぱいあげたら、もう少し長く楽しめるのかもしれませんが、今、肥料をあげると、芝生には手遅れで、冬に生える雑草が元気になってしまいそうな不安もあり、今年はこのままにしておこうかなと。

引っ越し後、まるまる2年、芝生とお付き合いしてみましたが、
だいたい、4月初めから緑の芽がでてきて、5月のGWくらいにひとまず緑のカーペットになるようです。
8月が一番キレイで、10月までは緑を保ちます。
11月中に徐々に茶色になって。

我が家の芝は、高麗芝(こうらいしば)、日本芝・夏芝とも言われるようですが、半年くらいの間、緑を楽しめるようですね。
頑張っている人は、夏に日本芝、途中で種をまいたりして、冬に西洋芝(冬芝)を生やして、一年を通して緑にkeepするツワモノもいらっしゃるようで。
エバーグリーン(常緑)、カッコいいですが、時間的に難しい。リタイヤしたら考えよう[:ゴルフ:]

救急車呼んで!!網膜中心動脈閉塞症

今日も網膜剥離の紹介がありましたが、それよりもっと悪い病気の患者様が・・・。

実は、もともと当院にかかって頂いている、50代女性の患者様です。
初じめてお会いした時は、糖尿病網膜症による出血で、視力が0.03とかだったのが、きちんと治療ができて、最近は0.9まで回復していました。

今回は昨日の夜に、急に真っ暗になったと、今朝来られたのですが、なんと網膜中心動脈閉塞症・・・・。
以前に書いていますが、
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4925
2011.04.23 Saturday
目を養っている中心部の血管がいきなり詰まってしまう病気です。
脳梗塞や、心筋梗塞と一緒で、いかに早く血栓を溶かすか。が重要です。


視力はなんと、0.01まで低下。
写真の青矢印で囲った部分が少し白く見えるでしょうか?
赤い血液が流れないために、白くうつってしまうのです。
緊急入院で、マッサージや点滴、ステロイド剤の注射などを行いましたが、
写真は治療後に今とったやつですが、少し改善してきているようです。

糖尿病の方は、残念ながら、見えなくなるまで、外来に来てくれない人が多いのですが、(もちろん、きちんと来てくれる人もいますよ。)
この方も、外来をサボってしまう事が多く、煙草を吸ったり、血糖が500あったり、食生活も・・・。医師の立場からは、決して優等生とは言えない患者様なのですが、とても明るく気さくな患者様で、来た時には外来の雰囲気を明るくしてくれる、素敵な患者様です。なんとか少しでも良くなってほしいなと。

でも、網膜中心動脈閉塞症は、詰まってから1?2時間以内の治療が望ましい疾患です。今回も半日弱たっており、元通りに見えるように。とは行かないでしょう。
急に見えなくなったら、救急車です!!!
脳梗塞や心筋梗塞では、みなさん救急車を呼べるのですが、目の事になると危機感が乏しく、どうしても明日でいいや。となってしまうようで・・・。

ブログをみて、覚えていてくれる人が少しでもいて、自分や家族の方が急に見えなくなった時には、すぐに病院へ行って頂ければ幸いです。

今回の患者様は、優等生とは言えませんが、「昨日は先生が休みだと思って。」とのこと。優しい気持ちで、受診が遅れてしまったのは残念。少しでも回復を。と祈ります。
でも、昨日の夜も救急外来の患者様を2名診察しています。やっぱり重大な病期の時は、昼・夜関係なく病院に連絡を。

(いつも目が赤いのだけど、昼間は忙しいから、夜みてほしい。みたいなコンビニ感覚の受診は、お断り致しますが・・・。たまに、そういう問い合わせもあるのですよね・・・。)

病気の原因

いつもなかなか一緒にいる時間がないので、日曜祝日の朝の診察は、子供を病院に連れていき、お手伝い??邪魔??をしてもらうのですが、今朝は昨日手術をしたばかりの患者さんが多かったので、お留守番に。長女が「連れてって欲しい」と泣いたりして・・・。カワイイなぁ[:ときめき:]

今日は外来の説明で、よく困ることから。
病気の原因について

外来をしていて、「残念ですけど、緑内障です。」「加齢黄斑変性症です。」「眼底出血です。」
診断をつけたら説明をするのが僕の役目なのですが、少し重い病気の診断をすると、多くの方に「原因は?」とか「何に気をつければいいですか」と質問されます。病気であることに納得が行かない場合や、健康に気を使っている人などで、そういう傾向が強いようです。

すると、僕は一般的に言われている・考えられている原因をお話するのですが、本当はなかなか難しいのですよね・・・。

例えば、「緑内障です。」と伝えると、「目をいっぱい使う仕事をしたから。」「細かいものが好きだったからかな。」とか、みなさん、いろいろな事を言われて、自分で納得しようとするのですが、現在分かっている緑内障の原因は家族性(遺伝傾向)があると言う事だけで、煙草もパソコンも、紫外線も関係がないようです。

「血管が詰まって、眼底出血です。」なんて伝えると、「最近、寝不足だったから。」とか、「煙草すってるからでしょ。」とか、自分でなにか原因を決めて納得しようとする方がたくさんいます。寝不足や煙草は、ある意味あっているのですが、実際にはそう簡単ではないのですよね。

血管が詰まる理由は、加齢や動脈硬化、他に高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病などが大きな原因ですが、さらにその原因には、運動不足、煙草、塩分など食生活などもありますし、遺伝傾向なども関係します。他にも、そういった傾向が全くなくても、生まれつき一部の血管が細かった。なんていうことだってあり得ます。

なので、なにか一つの原因を明確に指摘して、ここを気をつけましょう。なんて偉そうなことは、なかなか言えないのですよね[:悲しい:]

どんなに健康に気を使っていて、バランスのとれた食事をとって、運動もして、体系もスリムで。そんな人も、ある程度の年齢になれば脳梗塞を起こすこともありますよね。
「肺がん」というと、煙草だけが悪者にされますが、煙草をすっていなくても肺がんになる人は沢山います。(もちろん、大きな要因の一つですが)
「インフルエンザや風邪」も、ただ、ウィルスを他の人からうつされた。だけではなく、自分の寝不足やストレスなどで免疫力・抵抗力が弱かったり、もしかしたら、おなかを出して寝たとか。いろいろな要因が重なって病気が成り立ちます。

そんな感じで、外来では、「あなたの病気の原因は、これこれ、こういったものたちがリスクとしてはありますが、なにか一つだけが原因というわけではなく、いろいろな要因が重なっていて起こっており、明確な原因は不明です。」なんていう、少し曖昧な表現が多くなってしまうのです。

みなさん、ご自身の病気を納得するために、何か一つの事柄を病気の原因として説明してほしい。とういう希望があるようなのですが、なかなか難しいのです。

文才があまりないので、よく分からないブログになってしまったでしょうか?
最後までお付き合い頂いた方、ありがとうございます。

そうそう、さっき電話があって、明日も網膜剥離の紹介が来るようです。
スタッフの皆さんは、これをみたらビックリかな?すみませんが、ご協力お願いします。

眼内レンズ縫着術

今日の午後は手術です。(今日は両眼手術の人が少なめでした。)
・抜糸 1件(数年前の斜視の手術の糸が出てきてしまった)
・白内障手術 3件
・眼内レンズ縫着術 1件
・網膜硝子体手術 3件(糖尿病網膜症2件、網膜中心静脈分枝閉塞症1件)
以上は、みなさん無事に終わりました。

ただし、残念ながら・・・。
95歳の女性で、両眼とも高度の白内障が原因で、ほとんど見えていない患者様なのですが、認知症の問題で、手術の準備・消毒などの段階で中断に・・・。
手術でよく見えるようになりそうなのですが。
はじめから、ご家族の方とは相談してあって、認知で手術ができないかもしれないけど、もしできたら、とってもよろこんでもらえる!、もしかしたらできるかも!と、楽しみにしていたのですが、残念です。
視力の回復で認知症が改善するとの報告も多く、どうにかしてあげたいのですが、95歳だと全身麻酔をかけることも難しいですし。局所麻酔では暴れてしまうと危険ですし。困りました・・・。

さて、今日は白内障手術の特殊例のお話でも。
眼内レンズ縫着術(がんないれんずほうちゃくじゅつ)

以前のブログ(2011.09.05 Monday)で、記載しましたが、白内障の手術はレンズをまるまる交換するわけではなく、レンズ(水晶体)を覆っている袋を残して、中の濁りを取り出し、袋のなかに新しい眼内レンズを置いてくる。という手術が一般的に行われています。
ただし、外傷や生まれつきなどで袋の状態が悪かったり、手術で失敗して袋を破いてしまったり(破嚢)、目に合わないレンズを交換する場合の一部などで、レンズを挿入するための袋が使用できない場合があります。
このような場合には、レンズを固定する支えがないので、人工的に手術で、目の中にレンズを縫いつける。という作業が必要になります。

今日の手術は、
以前に紹介した、水晶体落下で紹介、緊急の硝子体手術で、水晶体をまるまる除去してしまった77歳女性の患者様です。(⇒2011.08.26 Fridayのブログ)
外傷なのか、もともとなのかは詳細不明ですが、当院に来た時にはレンズは袋ごとズレてしまい、目の奥の方まで器械を入れて、まるまる切除をしています。
レンズが入っていないと、極度の遠視となってしまうため、牛乳瓶の底みたいな厚いメガネをかけないと、ピントが合いません。
前の手術から2ヶ月がたち、だいぶキズ口も安定してきたために、今日はレンズを縫いつけることにしました!

以前から、この術式をどうやっているのか?と、知り合いの先生、数名から質問を受けていたので、このブログで書いてみます。(ちょっと専門的にな部分は茶色にしてみます。)


まずは、消毒をして、テノン嚢下注射と呼ばれる、目の後方への注射麻酔を行います。


次に白目を覆っている結膜という組織に少し切り込みを入れます。
切り込みは、黒目の少し左下と、対角線上の右上に2か所作ります。


結膜を切ると、強膜と呼ばれる白い、硬い膜が出てきますが、この部位にも切れ込みを入れます。ここは、あとでレンズを縫う糸の結び目が隠れるようにするためのものです。
(クレセントで、縫着予定の部位の少しだけ上方に、強膜に水平にポケットを作ります。予定手術での縫着の場合には眼球への穿孔前にポケットを作ると、眼圧が保たれていて、やりやすいです。穿孔してからだと、低眼圧でベコベコになってしまうので。前もって準備がきちんとできてさえいれば、前房メインテナーは不要です。メインテナーもたまに使いますが、だいたい少しデスメにシワがよって、術後数日視力が下がってしまいます。)

次に、実際にレンズを入れるキズ口を作ります。

この患者様は、黒目(角膜)の上方、写真では下側にキズ口を作りました。
(4mmで三面切開)


写真で黒目の下のキズ口(黄緑)から、新しいレンズに縛り付けてある針と糸をいれ、初めに作った黒目右上のキズ口の近く(水色)から針を出し、縫いつけます。

同じように、黒目の左下のキズ口にも針を通して縫いつけます。
(正確に対角線上、輪部2mmを目指すのに、カウヒッチ法でやっています。迎えは25Gか27Gを使います。)

すると、こんな感じ。

赤やじるしの先の黄色が眼内レンズなのですが、糸も細くて見えないし、ちょっと分かりにくいですかね。イラストで描いてみますと、

黄色がレンズです。丸いレンズには支えになる部分として、水色の足がついているのですが、この足の部分に糸が縛り付けてあります。この糸の先には針がついていて、黒目の下のキズ口から針を目の中に入れて、白目に作ったポケット(黒線)の近くから、針を目の外に出します。


アクリル製のレンズは、やわらかく、2つに折りたたむ事が出来るので、丸いレンズの部分は直系が6.5mmあるのですが、2つに折りたたむと4mmのキズから目の中に入れることができます。

最終的に、白目から出ていた針と糸を、しっかりと結び付けて(青矢印)、結び目をはじめに作った白目のポケットの中に隠します。(隠さないと、ゴロゴロ痛みの原因になってしまいますので。)

右上の部位でも同じように、白目に糸をしっかりと縫いつけます。


最後に、結膜を覆いかぶせて、熱凝固で、くっつけたらお終いです。
キレイに出来ました。


質問を受けていた、S先生やK先生に。
以前は、MAなどのレンズをインジェクターで挿入後に、ハプティクスを一度出して、糸を縛って・・・。という方法が多かったのですが、確かに2.8とか3mmで、キズが小さいのですが、糸を縛り付けたり、眼内でレンズを回したりが煩雑で、手術時間が30分程度必要でした。
2つ折りの4mmでと思えば、入室前に、糸をIOLに縛り付けるところまでやっておくことで、手術自体の時間、眼球に創がある時間は上記の半分以下で出来るので、感染症などのリスクは大幅に減りますし、操作も簡単で、レンズを回したりで、稀に少量の虹彩出血などがあるかと思いますが、そういった心配もありません。虹彩触ると痛いようですし。
しばらくは、僕はこの術式でいこうかと思っています。

糸はp-c9、レンズはS先生に教えて頂いたのですが、YA-65BBがハプティクスにふくらみがあって、糸がズレたり抜けたりする心配がなくて、いいなと思っています。


レンズへの縛り方は、こんな感じです。p-c9は糸がループ状になっていますが、
?まず普通に一回縛って、しまいます。なるべくキツメに。
?新しくできたループ側をハサミで切ります。
??切ってできた2本の間に、ハプティクスを入れて、縛ります。?でキツク縛っても、やはり緩む事があるので、縛るときに、レンズ側にできた糸のループの間に縫合するほうの断端を1?2回通すと安心です。

10月の手術実績

11月になりました。霜が降るから霜月と、結構シンプルですよね。
今日は小美玉市医療センターで手術。白内障6件です。
かなり早く終わって、夕方に時間が出来たので、髪の毛を切ってもらいに行こうと。
そして、いつも電話をしてから気がつくのですが、火曜日はみんな定休日なんですよね・・・。

10月分の手術数を集計しましたので、掲載します。

手術合計 110件

内訳

・白内障手術 82件

・網膜硝子体手術 12件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・涙器の手術 4件(NSチューブ)
・眼瞼(まぶた)の手術 4件(眼瞼下垂・さかさまつげ・霰粒腫)
・結膜の手術 3件(翼状片・結膜弛緩症)
・緑内障手術 2件
・その他の手術 3件(斜視、角膜、瞳孔形成など)

レーザー手術合計 13眼
内訳
・網膜光凝固 7件(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・SLTレーザー 4件(緑内障に対するレーザー)
・YAGレーザー 2件(後発白内障に対するレーザー)

*手術数は、分院である小美玉市医療センターとの合計数です。手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。 白内障の手術時に、逆さまつ毛や眼瞼下垂の手術を追加で行っておりますが、それらはカウントしておりません。また、病気が古くてNSチューブが挿入できなかった症例などもカウントしていません。

抗VEGF薬 硝子体注射 14件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 9件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

医療費

Happy halloween[:おばけ:]

今日でハロウィンの飾り付けも終了ですね。
もう少ししたら、クリスマスの飾りつけを[:ツリー:]
去年は開院初年度で、あまり気が回りませんでしたが、今年は頑張ろうかな?
でも、節電のことを考えると・・・。
患者さんの気持ちが和らぐのも大事だし、どっちがいいのかな??

今日のお昼は、白内障手術7件、緑内障手術1件。無事に終わりました。

白内障手術のコスト
最近は、なんだか経済、日本の将来が不安になります・・・。
医療費の増加、国の負担の問題で、よく眼科の白内障手術の点数が問題になります。国としては、命に関わらないし、もっと安くてもいいのでは?と。
ところが、眼科の偉い先生たちが言うには、白内障手術を行って、患者さんの視力が回復することで、例えば介護が必要になる人が減る。なんていう経済的な効果などを試算すると、日本の眼科の白内障手術は、先進国の中では、ずば抜けて割安で、経済効果が高い(コストパフォーマンスがよい)とされています。だから、もっと高くてもいいのでは?みたいな。

通常の白内障手術は、手術自体の費用が片眼で120,000円、両眼で240,000円です。保険診療というか、国で決められています。
当院では両眼同日に日帰りで手術をする人が一番多いのですが、他に再診療や、いろいろ使う薬が上乗せされて、両眼で270,000円くらい。
実際に支払うのは、1割負担で27,000円、3割負担の人は81,000円くらい。
(薬の内容などで多少は前後します。当院は両眼同時など、いろいろ工夫しているので、日本中の眼科では、おそらくかなり安い方かと。)
こうやって書くと、両眼で27万円も利益が??と思いますが、実際には、この中には、手術で使う道具代や、挿入する眼内レンズの代金が含まれています。
当院では、基本的に最新型・最高レベルのレンズしか採用していません。(全員にレンズのメーカーの保証書を渡しています。)例えば、もっとも使用数の多い乱視用レンズは、1枚15万円します。両目で30万円も。
大量購入により仕入れ値は値引きされるので、赤字にこそなりませんが・・・。

1割負担の人だと、両眼で27,000円、さらに高額医療を申請すると自己負担は両眼でも12,000円くらいにあり、メガネを買うより安い?なんておっしゃる方もいます。

でも、最近のニュースだと、徐々に医療費の患者負担を上げよう。なんて動きがあるようです。例えば、現在1割負担の人が2割負担になるようで。
そうすると、両眼で54,000円。白内障手術をちょっと考えてしまう人も出そうです。

僕は普段、白内障の人には、「手術は困った時に、希望があればやればいい。簡単に治せるし、手遅れにもならないから、不自由がなければ、しばらく放っておいて、1年に1回くらい見せに来て下さい。」なんて説明しています。
ただ、今後どんどん、手術費用が上がったりするのなら、早めにすすめた方が、その人のためにはいいのか??なんて、いろいろ考えることが増えそう・・・。

手術代自体が下がると、赤字になってしまって、手術をする医院がなくなってしまう。もう少し高い方がいい。なんていうのが、眼科医の先生がたの要望らしいです。でも、需要と供給の観点からは、現時点では手術をしたがる医院がいっぱいあるのだから、もう少し手術代が下がる位の方が、患者さんの負担は減るので、いいような気もしますが・・・。そう簡単な問題ではないのかもしれません。

TTPは医療にとって、悪いことなのでしょうか?
自由診療や混合診療が広がって、お金を払える人と、そうでない人で診療のレベルに差ができる。なんて懸念があるようですが、今も海外まで治療を受けに行ったり、自由診療での治療を受けている人もいます。
海外の腕利きの先生が、日本にやってきて、たくさんの患者さんを救ってくれるのであれば、とえも大きなメリットです。
欧米からの輸入だけでなく、日本の手厚い医療・介護を輸出するとか。
そうはいっても、あまりに経済優先になって、本当に皆保険にまで影響するようでしたら問題です。

新聞・テレビをゆっくりと見て、検討する時間がなく、僕自身にはTTPがいいのか、悪いのか?まだよくわかっていないのですが。でも、新聞なんかを読んでも、それほどはっきりと具体的な例として、功悪がみえてこないようにも思えます。もう少し、いいところ、悪いところが、一般的な国民に分かるように論議が進むといいですね。

今日は、なにを書いているのか、よく分からなくなってしまいました・・・。
長く書いて、読んで頂いた方には、申し訳ないのですが。
経済が関わると、医療は難しいですね。僕はなんだかんだと、勤務医(サラリーマン)なので、そのあたりの難しいことは偉い先生におかませして、目の前の治療に専念するのが幸せなようです。
変なブログですみません。お休みなさい。

空中散歩:S.E.T.茨城スカイスポーツスクール

今日はお休みだったのですが、
なんと、なんと、念願のパラグライダーを初体験[:飛行機:]

実は石岡市の八郷、筑波山よりちょっと北にある足尾山は、パラグライダーやハングライダーなどのスカイスポーツのメッカなんですって[:見る:]
県内だけでなく、東京・千葉・神奈川、関東のいたるところから石岡に飛びにくるそうです!
石岡にきてから、ずーーーっとやってみたかったのですが、なかなか時間が取れず、やっと初体験にこぎつけました!

本日、お世話になったのは、
S.E.T. 茨城スカイスポーツスクールさん
http://set-ibaraki.co.jp/

午前中は練習用の斜面で、一人でふわっと浮く感じを体験。
風に向かって、ふわっという感じがなんとも。
練習用といっても10秒くらいは空中にいられます。
初めてでも、最初から結構簡単に浮けます。
もしかしてセンスあり??

友人のK君もいきなり成功!

午後は山の上から、二人乗り(タンデム)で、インストラクターの先生に一緒に飛んでもらいます[:飛行機:]

山中に、こんな斜面が作られていて、走って飛び出す感じです。
ふもとまで、距離にして1.5km、高低差500mを空中散歩[:ジョギング:]

風の状態によっては、5分くらいしか飛べない場合もあるそうですが、今日は天気にも恵まれ[:晴れ:]、風もまあまあ。山の斜面で作られる上昇気流と、日光であたためられて発生する上昇気流に乗って、20分以上のフライトを楽しめました!(あとで別の人に聞いたら、インストラクターの方が、とても上手な人だったようで。ラッキーです!)

空中ではパラグライダーやハングライダーが30?40機と、思ったよりたくさん。地上でみてると、ぶつからないのかな?と心配をしていましたが、実際の広い空の中では、全く大丈夫のようです。

みんな「イェーイ!」「ワォー!」「ヤッホーゥ!」
僕も興奮して、ハイな気分[:up:][:up:][:up:]


気持ちいい!!

1人で飛べるようになるには、スクールに何回か通って、ライセンスを取らないと。
うーん。ライセンスとりたい。自分で飛びたい。
病院から30分と近いのですが、通う時間が一番の問題です。
妻と相談しなくちゃ。

でも4年くらい前に、ハングライダーで目をケガして、大変な手術を担当した女子大生がいたなぁ・・・。パラグライダーの方が、フワッと飛ぶ感じだから大丈夫かな??