要塞

お盆だからかな?
午前中の小美玉の外来が、久しぶりにすいていて、ゆっくりと出来ました。
時間がゆっくりあると、患者さんとのんびりと世間話ができます[:ニコニコ:]

今朝の常陽新聞に幕内会の記事が[:見る:]
内容は、山王台病院が震災時に備えて、
?自家発電装置を大幅増設
?井戸水を使用するために掘削

というものです。

3月の震災の前後は、とにかく網膜剥離の紹介が多く、震災の直前まで手術をしたり、直後から自家発電で手術をしたり、水道が止まっているので、貯水庫の水の残量にヒヤヒヤしながら、どうにか眼科は乗り切りました。

ただし、クリニックや病院本院での人工透析は、どうにも水の確保ができず、約2日、透析患者様を停電や断水のなかった、土浦や、千葉の病院まで搬送するといった事態に陥りました。実は人工透析を行うには、莫大な水を必要とするのです。行政とも様々なやり取りがあり、少しでも透析を行うために、何度も給水車がきて、早朝からスタッフ全員が頑張っていたのを覚えています。
透析の患者様が遠距離を移動するのは大変なストレスをかけてしまいますが、透析の中断は命につながるために、どうにかみなさんに協力をお願いしました。

非常電源(自家発電)は通常の病院以上には備わっていたため、幸い眼科の手術などは問題なく出来たのですが、透析以外にも一部稼働できない器械がでたりと、通常の診療に戻るには、どうしても数日かかってしまいました。

石岡市全域が停電・断水し、透析ができる病院はなかったのだから仕方ない。と考える方も多くいらっしゃると思いますが、そこが幕内先生!
なんと、今後の震災に備えて、水道が止まっても、電気が止まっても、とにかく病院を機能させなくては!とのお考えで、今回の記事に至ります。

もちろん震災はこりごりで、起こってほしくありません。でも、この設備が整えば、もしもの時には多くの患者様、地域の皆様にとって、必ず役に立つものになるでしょう[:グッド:]

新聞では自給自足という表現で記載されていましたが、
僕が思った感想は、これはもう「要塞」だな。
お陰様で安心して医療に打ち込めます。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

結膜炎?:細菌性結膜炎

今日は以下の手術を行いました。
・翼状片手術 1件
・内斜視(固定内斜視)手術 1件
・白内障手術 8件
・緑内障手術 1件
・網膜硝子体手術 2件(増殖糖尿病網膜症1件、網膜中心静脈閉塞症1件)
無事に終わっています。

ちょっとサボっていましたが、結膜炎の続きです。
細菌性結膜炎(さいきんせいけつまくえん)
結膜にバイ菌が感染すると、結膜炎がおこります。
バイ菌といっても、先日記載したウィルス(はやり目)や、真菌(カビ)、アメーバなど、いろいろな種類がいるのですが、ケガをした場所が膿んだりする原因として、もっとも多いものが細菌になります。

細菌は空気中にも、うようよと膨大な数でうごめいています。
通常の状態では、皮膚や粘膜に細菌がついても繁殖・感染することはあまりないのですが、たまたまキズがあったり、免疫力(抵抗力)が弱くなっていたり、あまりに大量の菌がくっついた時などに感染してしまう事があります。

細菌が結膜に感染すると、細菌性結膜炎として、べったりとした汚いメヤニがでます。(その他、結膜炎の症状として、異物感・痛み・なみだがでる・メヤニがでる・かすみ目・まぶたが腫れる・目が赤いなどが起こります。)

細菌はウィルスほど感染力が強くないために、家族同士でうつし合う。なんてことはあまり多くありません。

治療法は抗生物質の点眼薬がとてもよく効くので、多くの細菌は1日3?4回くらいの目薬を、数日間使用すると治ってしまいます。
ただし、菌によっては、非常に重篤なものもあり、例えば淋菌と言って、性病を起こすような菌は、とにかく毒性が強く、なかには失明にまで至ってしまう症例もいます。(若い男の子などで、メヤニがたくさん出る場合などは、性器の症状や、風俗店の利用がないかなどを聞くことがあります。眼科なのに何で?って思う方もいるかもしれませんが、必要な情報なのです。)

他には、耐性菌といって、一般の抗生物質が効かない症例もいます。
先日から当院で治療中の90代の女性です。メヤニがでるので、他院の内科で目薬をもらったけど、全く良くならないと来院されました。
このような場合は、メヤニ(眼脂)を少しとって、培養(ばいよう)という検査を行います。試験管などで菌を繁殖させて、菌の種類や、薬との相性を調べる検査です。

数日すると、こんな結果がでます。
上の方にMRSAと書いてあります。MRSAとはメチシリン耐性ブドウ球菌といって、多くの抗生物質が効かないことで有名な細菌です。
下のほうにズラッと並んでいるのが、抗生物質の種類です。各抗生物質の一番右側に、「R」もしくは「S」とあります。
[R]はresistant;耐性・抵抗、つまり「効かない」という意味です。
[S]はsensitive;感じやすい、つまり「効く」という意味です。
この患者様の菌(MRSA)は、下のほうの3つの種類しか効かないという事になります。

ただし、下の3つの成分からなる点眼薬は、現在の日本にはありません。
このような場合は、点滴に使用するための薬を少し薄めてみたり、薬としては認められていないような消毒薬を薄めたりして、患者様にぴったりの点眼薬を作り出す必要があります。

今回は、表の一番下のバンコマイシンという薬が良く効きそうだというわけですが、実はバンコマイシンは昨年から目薬ではないのですが、眼軟膏とって、目にいれる軟膏のお薬が発売され始めています。まだ一般的な薬ではなく、治験といって、実験段階のような薬ですが、製薬会社などにお願いして、使用することが可能になりました。
現在は2週間までしか使用が許されていないのですが、治ってくれるといいのですが・・・・。

と、ながながと書いてきましたが、実際の診療では、ほとんどの場合は培養の検査は行いません。
細菌性結膜炎が疑われた場合に、原因となる菌が淋菌や耐性菌ということは、非常に稀で、多くの菌は通常よく処方される、一般的な抗生物質の点眼薬で治ってしまいます。また、培養検査をすればお金が余分にかかりますし、1週間後に結果が出るとして、その頃には治ってしまっていることが多いからです。

ですので、培養検査を行う場合は、メヤニの量や性状から、毒性の強い菌が疑われる場合や、高齢者などの抵抗力が弱くて、耐性菌という菌が原因である可能性が強い場合などに限って行われます。

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芝生:全盛期

[:カメラ:]とても暑い日が続きますが、皆さん熱中症には気をつけてくださいね[:晴れ:]

毎朝、出勤の気温が上がる前に、水遣りを行うのですが、芝生が全盛期です。

スパイキング、エアレーション、肥料、芝刈り、頑張ったかいがありました[:拍手:]
よく見ると、生えてきたキノコに混ざって・・・。

小人図鑑で調べなくちゃ!![:見る:]
(さいきん本屋さんに行くと、小人図鑑というものが流行しているようです。知ってますか?)


井上先生に頂いたトマトもとても順調です。最近、カメラを一眼レフに替えたのですが、キレイにとれてビックリです。

成熟白内障

今日は以下の手術を行いました。
・眼瞼下垂症手術 1件
・白内障手術 6件
・緑内障手術 2件
みなさん無事に終わりました。

が、最後の1名の白内障がとっても手こずりました・・・。

成熟白内障(せいじゅくはくないしょう)
白内障の濁りが極端に強い場合は、専門的には成熟白内障などと呼ばれます。簡単にいうと末期です。
当院ではなぜだか、毎週毎週、成熟白内障の手術があるのですが、先日記載した通り、
8月1日 ブログ「白内障の程度」
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4923

あまりに進んだ白内障は、ちょっぴり手術が大変になります。

今日の最後の方ですが、手術前の視力は手動弁といって、0.01未満です。

通常の症例では使用しないのですが、このような強い白内障の場合は、
手術時に特殊な青い色素で、水晶体嚢と呼ばれる濁りを包む袋状の組織を、青色に染めて手術をやりやすくする必要があります。

左が染色前、右が青い色素を入れているところです。
(一般的な手術画像よりも、かなり暗い状態で手術をしていますので、写真が暗くて、良く分かりにくいかもしれません。)

その後、超音波という振動を利用して、濁りを砕きながら吸い出します。
成熟白内障では、濁りが硬いので、砕くのにも時間がかかります。
(当院ではプレチョップ法や、傷口の大きさや機械の細さなどは、乱視など個々の症例によって使い分けていますので、みなさん同じ方法ではありません。この写真はこの患者様のための手術法です。)

この方は全体で10分以上かかり、午後の外来に遅れないかヒヤヒヤしました。
ただし、今日は手術にかかった時間と言うよりも、とにかく目が動いてしまって、手術を始めること自体に手こずりました。
手術では、眩しさから目がキョロキョロしてしまう人が多いのですが、
当院では、まぶしさを軽減するために、とても少ない光で手術を行っています。
(専門的にはLumeraT:S88で、光量0.5の最小値、フィルターを利用して中心外は光量なし)
ですので、強いまぶしさをうったる人は皆無で、僕が「青い光を見ましょう」というと、基本的に全員がキチンとまっすぐ前を見ることができます。

今回は、視力があまりに悪いために、青い光を見ることができずに、さらに緊張してしまって、目がキョロキョロ動いてしまったようです。

手術は無事に終わり、入院の患者様なのですが、先ほど診察したところ、「もう両眼ともに手術前より、よっぽど見える!」とのことで、安心しました。手術前がほとんど見えない分、手術後の見え方の満足度が大きいのは成熟白内障の良いところ??(僕たちも喜んで頂けると嬉しいので。)でも、手術が大変なのは嫌なところです。

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風々亭

午前中に入院患者様の診察をしましたが、急性網膜壊死の方も眼内炎の方も経過が良好のようで安心しました。週明けに退院です。

午後は家族で大洗に海水浴に行ってきました[:船:]
原発の影響か、例年と違って、まだまだ人が少ないようです・・・。
駐車場もすいていて、シャワーや食事で待つこともないし、遊ぶのには「やった!」という感じもしますが、観光業の方は大変だろうなと。

子供は嬉しくて大はしゃぎです。こういうのをみると行ってよかったなぁと思います[:水泳:]
放射線量も基準値以下ですし、はやく茨城県に人が戻ってくるといいな。

夜も茨城産を!と、病院の近くの焼肉屋さんへ。(食べたいだけですが・・・)
風々亭(ふうふうてい)さん

常陸牛のとっても良質なお肉が出てきます。
初めて食べに行ったときはビックリしました!

最近忙しくて、あまり焼肉とかにはいけなかったのですが、好物の生肉(ユッケとかレバ刺し)を頼んだら、「今は扱ってない」とのこと。
そういえば、そんなニュースで騒がれた時があったなと。世間に疎くなっている気がします。
セシウム問題もあるからでしょうか?やっぱり、いつもよりもすいています。
海水浴場もですが、焼肉屋さんも心配です。早く落ち着くといいんだけど。

献血

今日は、山王台病院前に日本赤十字社の献血バスが来ました。

お昼休みが30分ちょっと取れたので、間に合うかと思って400ccの献血を、お願いしてみたのですが、思ったより血液が出るのが遅くて、午後の外来に遅れてしまいました・・・・。すみません。
運動不足かな?加齢かな?昔はもう少し、血の出るのが良かったきがするけど[:冷や汗:]

昨日、遠方の眼科様から眼内炎という病気の患者様をご紹介頂きました。
眼内炎は目の中にバイキン(多くは細菌)が入ってしまって、膿んでしまう病気です。菌の強さ(毒性)によるのですが、ヒドイものだと1?2日で失明してしまう事もあります。
昨日の患者様も、一昨日は視力が1.2まであったのに、昨日の朝には0.2まで低下、夕方に当院に来た時には0.05と、とても強い菌のようでした。
以前の手術から、かなり長い時間がたっており、傷口から菌が入ると言っても、よほど強くこすったりしないと考えにくいのですが。
ご本人は、あまり覚えていないとのことでしたが、先ほど診察にいくと、まだ手術の翌日なのに、まぶたを触っており・・・。駄目ですよ[:びっくり:]
今のところ、経過は良好で安心していますが。
受付後、1時間くらいで、手術に入れました。緊急の手術を時間のロスがなく出来るのはとっても助かります。スタッフに感謝です[:拍手:]

最近、ブログをみたとのことで、質問などのお電話やメールを頂くことが増えました。Q&Aとして、新しく質問をご記入頂けるようにしてみたので、なにかご質問があれば、どうぞ。出来る限りお応えしようと思います。
左のQ&Aという部分からお願いします。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
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瞳孔偏位

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 7件
・結膜腫瘍切除 1件
・瞳孔形成術 1件
・網膜硝子体手術 4件
 (黄斑前膜2件、黄斑円孔1件、急性網膜壊死1件)

最後の急性網膜壊死は非常に稀な病気で重症です。久しぶりにみました。
桐沢型ぶどう膜炎などとも呼ばれますが、ヘルペスウィルスなどによる感染症です。大変な手術で疲れました。

瞳孔形成術は、以前に他院にて白内障手術をされた患者様ですが、

写真のように、黒目の中心(瞳孔)が上のほうにずれてしまい、視力が出にくくなっています。黒目の中心部を作成する手術を行いました。

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結膜炎? はやり目;流行性角結膜炎

今日は小美玉で手術です。
・白内障手術 6件
・眼瞼下垂症手術 2件
・眼瞼内反症手術(さかさまつ毛)1件
無事に終わっています。

結膜炎?(けつまくえん)
今日は、ウィルスによる感染症のケースを。
ウィルス性結膜炎
原因のウィルスの種類によって、若干呼び方が異なるのですが、
アデノウィルス8,19,37型など⇒流行性角結膜炎(はやり目)
アデノウィルス3,4型など⇒咽頭結膜熟(プール熱)
エンテロウィルス⇒急性出血性結膜炎

のどにウィルスがついて繁殖する場合を、風邪(カゼ)といいます。
白目の上の粘膜(結膜)にウィルスがついて、繁殖した場合がウィルス性結膜炎になります。

症状
異物感・痛み・なみだがでる・メヤニがでる・かすみ目・まぶたが腫れる・目が赤い(充血)などの症状がでます。
ウィルスの強さによって、ちょっとしたメヤニで済んでしまう場合や、ひどい症状で目を開けることができなくなる人もいます。同じウィルスでも、体調などの免疫力・抵抗力によって、個々の患者さんによって症状に強弱が出ることもあります。

診断
?問診:家族や周囲、職場や学校などで結膜炎が流行っているか?
?診察:結膜の性状を調べます。(専門的ですが、まぶたの裏側の結膜に濾胞というふくらみができたり、偽膜といってひどい反応がでる事があります)
?診断キット:抗原抗体反応といって、ウィルスがいると正確に反応する検査器具もあります。粘膜をこする必要があったり(痛い)、院内感染の問題があったりで、??から診断が明らかな場合には省略されることもあります。

治療
多くの場合は、風邪と一緒で、体の免疫力がウィルスをやっつけ、自然に治ります。数日?長くても2週間程度で治ることが一般的です。
ウィルスに対する特効薬は、インフルエンザウィルスや、ヘルペスウィルスなどの特殊なウィルスを除いて、まだありません。昔と違って、ただの風邪の時には薬を出さない先生が増えたと思いますが、出さないというよりは、効くお薬がないのです。
はやり目もウィルスを駆除するような特効薬はなく、基本的には自然に治ります。ただし、炎症による症状をできるだけ和らげたり、後遺症の発生を予防するために、ステロイド剤という炎症を和らげる薬を使う事が一般的です。
ウィルスによる風邪をこじらせると、細菌を原因とした肺炎を起こすことがあるように、ウィルス結膜炎などの目が弱っている時には、細菌が繁殖しやすいために、予防の目的で最近に対する抗生物質を処方することは多々あります。(点眼薬の抗生物質は短期の使用であれば、副作用が少ないために、予防として処方する先生が大多数のようです。)

伝染病
実は、はやり目(流行性角結膜炎)になると、学校をお休みしなければいけません。ウィルスは主に手指を介した接触感染で起こります。
もしも、はやり目になったら、法律で登校が禁止されているのです。

うつりやすいウィルスですので、うつらないこと、そして人にうつさないことが重要です。
・結膜炎の人は目を触ったら、すぐによく洗う。
・周囲に結膜炎の人がいたら、手を良く洗い、むやみに目をこすらない。
・プールではゴーグルを使用する。(プールでうつるものがあります)
・洗顔のタオルを家族で共用しない
・メヤニや涙、点眼薬はハンカチではなく、ティッシュペーパーにとってすぐに捨てる

実は、正直な話、眼科としては、はやり目は天敵になります。
院内感染といって、受診した患者さん同士でうつりあってしまうと困るからです。
結膜炎で受診して、厄介者扱いを受けたことがある人もいるのではないでしょうか??でも、眼科にも評判があって、「あの眼科にいったら、結膜炎になった。」などの噂がでると困ってしまうのです。しかも前述の通り、基本的には自然に治るような病気なので、できれば来てほしくない。なんて考える医師もいます。
当院では、はやり目が疑われる患者様は、来院後すぐに別の待合室で待機して頂き、出来るだけ早く診察をします。会計や処方なども個別で行うようにして、院内感染のができるだけ起こらないように努めているのですが、お子さんの患者様で走り回って、壁をベタベタ触ってしまうときには、頭が痛くなります・・・。

他の科に比べて、眼科には雑誌や絵本、おもちゃなど、患者様が共有する暇つぶしの物品が少ないと思います。その理由の一つに、はやり目による院内感染が怖いというのがあるのです。

今日いらした24歳女性の症例です。

強い充血を認めます。写真の右側は、はやり目に特徴的な後遺症で、黒目(角膜)が濁っている写真です。もう少し分かりやすい、ヒドイ症例の写真を出したいのですが、ヒドイ症例は第一診察室には入らないようにしていただいたり、写真をとるなどの、余分な時間を少しでも省いて診療を行い、院内感染を予防する必要があり、なかなか難しいのです。

20年くらい前までは眼科というと、「赤目外来」などとって、結膜炎などを主体でみることが、仕事の重要な位置を占めていたようです。最近は眼科の主な仕事を、視力や失明などの見える・見えないという分野だと考える医師が多くなりました。どちらも眼科の大事な仕事ですが、僕もどちらかと言うと、見える・見えないに主体に考える事が多くなっているかと。もう少し、バランスの良い医師を目指そう。

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白内障の程度

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 6件
・眼瞼腫瘍切除術 1件
みなさん無事に終わっています。

白内障(はくないしょう)
白内障手術の手術の時期に関しては、3月28日のブログをご参照ください。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4923
基本的には、「ご希望があれば手術をしましょう。」という方針です。

ただし、一般的には手術は早目、例えば視力が0.7とかで、運転免許証の更新のために受ける。といった方が手術が簡単です。
最近はほとんどの患者様の手術が数分で出来る時代になりました。
でも、全員が出来るわけではありません。

今日、実際に、当院で手術を申し込んだ患者様の写真です。


こちらの2名は、矯正視力が0.5程度の患者様です。瞳のなかが濁っていますが、水晶体が白から緑がかって濁っています。このような症例では、ほとんどが4分とかで手術が可能です。


こちらは、散瞳をしていない(瞳を開いていない)ので、分かりにくいですが、瞳孔の中心部がかなり白く濁っています。視力は手動弁といって、影の動きが分かるか分からないかです。このような症例は、手術を安全に行うために、水晶体に色を付けるような作業が追加されるため、一般的な症例よりは2分くらいは手術が長くなります。


この方も、0.01程度の視力ですが、水晶体(白内障)がやや茶色みがっており、濁りがとても硬くなっています。硬い濁りを、小さく砕いて手術をする作業に時間がかかり、手術は10分弱かかります。


こちらの方も手動弁とほとんど見えません。しかも反対目も白内障と緑内障で0.1程度・・・。右側の写真は同じ目を少し撮影方法を変えて写真を撮っています。濁りが茶色でとても硬そうです。やはり10分弱かかります。

手術が長くなると、手術後の炎症が強くなったり、手術自体が少し痛みがあったりすることが多くなります。
また、濁りが強くて、視力の悪い症例は、手術前の検査が上手にできなくなったりして、目の中に入れるレンズの度数合わせが難しくなります。(例えば、裸眼で運転免許を目指すなどの良好な視力を目指すのが困難に)

手術はいつでもいい。何歳でもお引き受けします。とは言っているのですが、あまりに遅くなると、手術をする方も、される方も、お互いに大変かもしれません。
両眼ともに0.1以下になって、はじめて「見えにくい。」と来院される方が、ほぼ毎日きます。できれば、高齢の患者様の御家族のかたは、2?3m離れたカレンダーが見えるかどうかチェックしてみて、文字がはっきり読めないようなら一度受診を勧めて頂ければと思います。
なんの病気も早いうちに治した方が楽な場合もありますよね。

やっぱり石岡市は重症例が多い[:冷や汗:]

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(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

結果報告だけ。

結膜炎のことを書く予定でしたが、
今日は、他院の眼科の先生とちょっと約束があり、先日の結果報告だけ。

退行性(老人性)眼瞼内反症(さかさまつげ)
年齢によって、下まぶたの皮膚や筋肉、靭帯が緩んでしまうことが原因でなる病気です。下まぶたの余分な皮膚や筋肉を切除して、縫い縮める手術を行います。
僕は眼輪筋縫縮という術式を好んで行うのですが、とっても完治率がよい方式で良いのですが、皮膚を切除する分、少し内出血が多かったり、抜糸が必要だったりするのが難点です。一昨日は最近雑誌で読んだ新しい術式を行ってみました。

左が手術前の逆さまつ毛ですが、右が本日です。
逆さまつ毛が治っています!下まぶたの皮下出血も少ないし、1週間後にはほとんどキレイになりそうな予感。Goodです[:グッド:]ペンレステープのおかげて、痛みも少なかったようだし、嬉しいです。
(白目が赤いのは、他の手術を同時に行ったためです。逆さまつ毛はついでの手術です。)

次は、とっても大きかった翼状片です。

左が手術前。瞳孔といって、茶目の中心の黒目にまでかかっています。
右が術後2日目の本日です。かなりキレイに取れています。白目が赤いのはだんだんとキレイになります。こちらの目はまだ白内障が残っているので、数ヵ月後に再手術です。同時に反対目の白内障手術をしていますが、術前0.02が、現在0.8まで改善しています。

翼状片は遅くとも、瞳孔(黒目の中心)にかかる前に手術をしてほしいです。癌でもなんでもそうですが、あまりに大きくなってから取るのは、大変です。あまりに大きくなった翼状片は、キレイに手術ができても不正乱視という目の歪みが残ってしまいます。そうすると、将来の白内障手術で、乱視用レンズが使えなかったりするなど、基本的に裸眼で運転免許証をとることがなどが難しくなります。
「もうちょっと、早く病院に来て下さいね。」
なんて言っていたら、今日また、新しい翼状片の女性が、

大きい・・・・・[:冷や汗:]

石岡市は重症の人が多いです。
白内障も0.1未満の人が毎週毎週いらっしゃいます・・・。

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