百里基地 航空祭

昨日は航空祭に行ってきました[:飛行機:]
クリニックから車で15?20分程度、隣の小美玉市に航空自衛隊の百里基地があります。
普段は基地よりも、隣接する茨城空港を利用するのですが、今回初めて基地の中に入れました!(余談ですが、夏の間は茨城空港から沖縄那覇空港への直行便がでています。先日利用したのですが、超便利!お勧めです。)

百里基地 航空祭
ひゃくりきち こうくうさい

航空自衛隊主催で、1年に1回、航空祭と呼ばれるイベントが行われるようです。関東地方で唯一、戦闘機の飛行が見学できるそうで?毎年、混雑と渋滞の話題を耳にしていましたが、僕は今年が初めての見学です。
日曜日が本番。土曜日は特別公開という形式で招待券が必要とのこと。日曜日は毎年ものすごい混雑するようですが、今回は縁があって土曜日の招待券を頂けたので、それほど渋滞などなく参加できました。Nさん、ありがとうございます[:ハート:]


ミサイル!!


コックピットの見学や、


子供たちは制服を借りて記念撮影などのイベントも。
(パイロットの制服やヘルメットがよかったのですが、僕の意見は取り入れてもらえず・・・。)


沢山の飛行機やヘリコプターが展示されています。
詳しい人が多くて、「あっ、T4だ!」とかいろいろな声が聞こえました。僕はあまりよく分からないのですが、戦闘機はやっぱりカッコいい。


これが、ブルーインパルスと呼ばれる、飛行機のようです。
ブルーインパルスで、煙を出しながら空に模様を描く!
カッコいい!!!


ブルーインパルス以外にも、沢山の飛行機が飛んだようですが、僕は仕事で午後からの参加だったため、ブルーインパルスしか見られませんでした。
F1ほどじゃなけいけど、飛行機も結構な爆音で迫力がありました!

眼球破裂やケガなど、百里基地の関係者で特に重症のかたは、ほとんどが当院に受診されているのではないかと思いますが、みなさんのお仕事を少しだけ垣間見れることができた、とてもよい機会でした。
ナショナリズムというか、なにかと国防に関する話題が多くなってきている近年ですが、自衛隊の方、これからも頑張って下さい!!

眼瞼腫瘍(まぶたのしゅよう) ? 手術その1

今週は緊急入院が0名と、とってものんびりな週でした!
時間もあるので、久しぶりにブログを進めます。

眼瞼腫瘍(まぶたのしゅよう) ? 手術
まぶたに出来る腫瘍は良性から悪性(眼瞼腫瘍?ブログ参照)まで沢山の種類があります。
治療法は、

化膿性肉芽腫(霰粒腫や外傷後のもの)のように、ステロイド剤などの薬による治療を行うものや、

老人性角化症・脂漏性角化症(左)や、イボ・疣贅ゆうぜい(右)のように、冷凍凝固やCO2レーザーで消却してしまうものなどもありますが、
もっともシンプルで数の多い治療は、手術で切除する方法です。

手術切除

「まぶたに黒いできものが。」といらした女性です。見た目も気にしているようですし、一応は切除して病理検査を行い、良性なのか悪性なのかを評価した方がよさそうです。

まぶたの表側と裏側に麻酔の注射を行います。(まぶたの出来物を取る手術で、もっとも辛いのは、この麻酔だと思います。ある程度の痛みはご了承ください。)

次は、数分間、ただただ待ちます。麻酔が効く時間と、一緒に入れた薬品の効果で出血しにくくなるもを待つのです。


そして、まぶたをクリップではさみます。このクリップによりまぶたの血流を遮断して、無駄な出血を回避します。(麻酔が効いていないとちょっと痛い。)

メスで、まぶたに腫瘍成分が残らないように、丁寧に切り取ります。


キレイ!このままクリップをとってしまうと、出血してしまうので、


電気凝固で血管を焼きつぶしてから、クリップを取って、


終了です。
腫瘍の場所や、止血の具合によっては傷口を縫ってから終わります。
基本的に、まつ毛のラインに近い場合には、傷口をopen(縫わない)で終えた方が術後がキレイになります。


術前と術後1週です。けっこうキレイでしょ?
数ヶ月経つと、肉芽が盛り上がり、もう少し凹みが目立たなくなります。ただし、基本的には、まぶたの縁の出来物を取れば、少なからずまつ毛がなくなります。(術後に問題がなければ通院が終わってしまうので、数ヶ月後などの写真は無いのですよね。)

気になる病理の結果は、
基底細胞癌という癌。あまり命を脅かすことはないのですが、一応は悪性腫瘍・ガンでした。
もちろん断端陰性(まぶたに癌細胞は残っていない)です。

アネックス新館

今日の午後は臨時でクリニックで手術を。
夜は知り合いの先生の医院で手術のお手伝いだったのですが、
それでも結構時間があって、夕方に久々に子供のお迎えに行けました[:ときめき:]

一昨日の9月1日、山王台病院新館(アネックス)の開院パーティーがありました!
山王台病院新館(アネックス)

日曜でしたが、僕は手術でちょっと遅刻してしまい、端っこからとった写真ですが、もっともっと沢山の方にいらして頂き、まずは乾杯[:ビール:]

(術後説明が控えていたので、なんと僕はノンアルコール[:悲しい:])

外観・庭

カメラを忘れて、携帯でとったので、写真がイマイチです・・・。
全体的に、もっともっと明るいのですが・・・。

ロビー・1階受付

3階

3階は、ピンク色が基調で元気な雰囲気です。

2階

2回は黄緑が多くて、より柔らかな印象。

キッチンや配膳室も病院とは思えないですよね?

浴室・洗面・トイレ

スタッフルーム(ナースステーション)

建物に負けないように、若々しく働かねば!

CT室・レントゲン室

リハビリ施設

そして一番気になる病室


いろいろなカラーやデザインの部屋があります。
「今日はどこに泊まろう?」なんて気分になっちゃいそう。
一緒に回った、僕の娘も「このホテルいいね!」という位です。

いつも、「病院らしくない、ホスピタリティーに溢れた環境を。」と熱く語る幕内理事長のこだわりの新館が出来たようです。
残念ながら、眼科の患者様の多くはアネックスに入院とはなりませんが、
来月の眼科の増改築も、きっと素敵な報告が出来ると思います[:グッド:]

H25年8月の手術実績:茨城県 山王台病院 眼科

8月の治療数を集計しましたので掲載します。
数日、お休みを頂いたこともあり、少し少なめです。
増改築が少しづつ進行しており、あと1ヶ月が楽しみな毎日です。

H25年8月の手術実績
手術合計 102件
内訳

・白内障手術 66件

・網膜硝子体手術 18件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・緑内障手術 1件
・結膜の手術 4件(翼状片・結膜下異物)
・眼瞼(まぶた)の手術 2件(眼瞼下垂・さかさまつげ・眼瞼腫瘍)
・涙器の手術 3件(NSチューブ・涙嚢切開など)
・その他の手術 8件(角膜・斜視・瞳孔形成など)

レーザー手術合計 12眼
内訳
・網膜光凝固 8眼(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 4眼(後発白内障に対するレーザー)

*手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。

抗VEGF薬 硝子体注射 47件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 17件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

白内障などの緊急性のない手術の待ち時間は、5ヶ月待ち、年明けの2月上旬からの予約となります。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

H25年7月の手術実績:茨城県 山王台病院 眼科

少し遅れてしまいましたが、7月の治療数をカウントしました。
網膜硝子体手術や緑内障など、失明する・しないといった重症例の手術が沢山ありました。それと抗VEGF薬の硝子体注射の件数がどんどん増えている印象です。

個人的には、7月は県内外で硝子体手術を執刀依頼が沢山あり、初めて一ヶ月の硝子体手術数が50件を超えました。開業医様でも一日に8件とか[:びっくり:]新しい手術器械をサンプルで使わせてもらったりと、充実したひと月でした。
硝子体手術って、ほんの数年前まで、1件に2時間とか3時間とかかけて、1日に1,2件。という手術だったのが、25Gが発売されて以来、まるで白内障手術のようにポンポン行える時代なりました。
今年中には、27Gというより細い高性能な器械での手術が可能になる予定です。もちろん当院でも発売と同時に即採用を考えていますが、医学の進歩は本当に早くて楽しみです。

H25年7月の手術実績
手術合計 159件
内訳

・白内障手術 99件

・網膜硝子体手術 25件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・緑内障手術 5件
・結膜の手術 9件(翼状片・結膜下異物)
・眼瞼(まぶた)の手術 7件(眼瞼下垂・さかさまつげ・眼瞼腫瘍)
・涙器の手術 6件(NSチューブ・涙嚢切開など)
・その他の手術 8件(涙嚢摘出・斜視・瞳孔形成など)

レーザー手術合計 22眼
内訳
・網膜光凝固 17眼(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 4眼(後発白内障に対するレーザー)
・SLTレーザー 1件(緑内障に対するレーザー)

*手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。

抗VEGF薬 硝子体注射 78件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 28件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

白内障などの緊急性のない手術の待ち時間は、5ヶ月待ち、年明けの1月上旬からの予約となります。

増改築・改装工事の完成、診察時間の拡大や、手術枠の拡大に関しては、
10月1日よりスタートできる予定です。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

H25年6月の手術実績:茨城県 山王台病院 眼科

今日は知り合いの病院で、緑内障の手術に伺いました。
ぶどう膜炎による緑内障ですが、某大学病院で360°トラベクロトミーという術式を受けたようですが、眼圧が下がらなかったようです。ぶどう膜炎後の術式としてはトラベクレクトミーが一般的な標準治療ですが、変わった術式をチャレンジして、結膜を痛めるのはどうしたものかと・・・。上手くいく症例ばかりならいいかと思いますが・・・。

当院での6月の手術数を集計しました。今月は硝子体手術や硝子体注射など、網膜の病気の治療が多い月でした。網膜の病気は緊急性の高いものが多いので、結構忙しく大変でした。
H25年6月の手術実績
手術合計 151件
内訳

・白内障手術 109件

・網膜硝子体手術 27件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・眼瞼(まぶた)の手術 7件(眼瞼下垂・さかさまつげ・霰粒腫)
・その他の手術 8件(結膜・眼窩・角膜の手術など)

レーザー手術合計 20眼
内訳
・網膜光凝固 6眼(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 13眼(後発白内障に対するレーザー)
・SLTレーザー 1件(緑内障に対するレーザー)

*手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。 白内障の手術時に、逆さまつ毛や眼瞼下垂の手術を追加で行っておりますが、それらはカウントしておりません。

抗VEGF薬 硝子体注射 60件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・アイリー・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 31件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

白内障などの緊急性のない手術の待ち時間は、約4ヶ月半待ち、11月中旬からの予約となります。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

眼瞼腫瘍(まぶたのしゅよう) ? 悪性と良性

今日は以下の手術がありました。
・白内障手術 14件
・網膜硝子体手術(茎離断)4件
(黄斑前膜2件、糖尿病網膜症1件、原因不明?で紹介の増殖性黄斑浮腫1件)
難症例はなく定時に終わることができました。
ただ、明日も若年性の古い網膜全剥離(アトピー)があったり、最近は大きな病院様からの転院など、とにかく重症例が増えています。スタッフの皆さん、少し忙しい日々ですが、いつも協力してくれて本当にありがとう。「ここで治療が受けられてよかったですね。」なんてスタッフ全員が堂々と言えるように。患者さんに「ここに来てよかった。」と思ってもらえる病院になれるように、これからもよろしくお願いたします。

この数週の外来は網膜だらけなので、ブログでは別のことを。
眼瞼腫瘍(まぶたのできもの)?
悪性と良性

先日、まぶたのできものである、霰粒腫の手術について記載しました。
通常の外来では「まぶたにしこりが・・・」という患者さんがいらした場合、霰粒腫であることが一番多いようです。ただし、もちろんそれ以外の出来物も沢山あります。
バイ菌が感染してウミが溜まっている。なんていう場合を除き、まぶた(がんけん)に出来物があれば、それは眼瞼腫瘍(がんけんしゅよう)と呼ばれます。
眼瞼腫瘍は、細かく分ければ数え切れないほどの病気が含まれますが、基本的には大きく2つに分けられます。悪性腫瘍良性腫瘍です。

悪性腫瘍
できもののうち、大きくなるスピードが比較的早く、他の臓器にも転移し、最終的に命を脅かす可能性の高いもの。手術切除を含めて、出来る限り早期の治療が望まれます。

良性腫瘍
悪性腫瘍に比べて、多くの場合で大きくなるスピードが遅く、その場所では大きくなったとしても、遠隔転移など他の臓器に転移することはなく、命を脅かすことは考えにくいタイプ。イボやホクロなども良性腫瘍の一種です。
治療を急ぐ必要はありませんが、あまりに大きくなって見栄えが悪いなどを理由に切除することもあります。また、視界をさえぎる場合や、眼球を圧迫するほど大きくなった場合にも切除が必要になります。

病理検査
悪性腫瘍なのか、良性腫瘍なのかは、多くの場合で問診や診察所見のみでも推測が可能です。
例えば、「この半年でどんどん大きくなってきた。」という問診なら悪性を疑いますし、「20年前からあって、ほとんど変わらない。」なんていうのは良性の疑いが強くなります。
診察では色や形、腫瘍に入り込む血管の状態、毛が生えているかどうか(毛が生えているのは殆ど良性)などを観察します。
ただし、悪性なのか良性なのか、なんという名前の腫瘍なのかなどの確定診断をするには、病理検査(病理診断)が必要になります。
病理検査は、実際に腫瘍の一部または全部を切除して、顕微鏡で観察することで、病気の性質や悪性度などを決定する検査です。
僕もたまには顕微鏡で観察したりするのですが、多くの場合で、標本にした病変を病理医という専門の先生にみてもらうことで診断をつけます。

ちょっと眠くなってしまい、続きは次回に。
今日もお読み頂きありがとうございました。

歯科口腔外科

増築工事に向けて、眼科内科クリニックの東側に工事用の仕切りができました。
駐車場に一部制限ができます。ご迷惑をおかけします。

今日のお昼は院内で白内障手術が14件ありました。
秋からの新体制(2診)に向けて、試験的に手術枠の変更をチャレンジしてみましたが、夕方の外来も滞りなく終わり、良い結果だったのではと思います。
新体制になって、手術の順番待ちが減るといいのですが。
と言いながらも、今日も網膜剥離の患者様がいらっしゃいました。両名とも明日手術です。どちらかというと順番待ちは伸びているような・・・。

左のかたは他院様で治療後ですが、矢印のようにかなり大きな裂孔で、ちょっと難しそう。頑張らねば。

歯科口腔外科
眼科の増築はこれからですが、一足先に歯科の工事が終わり、6月1日より山王台病院の本院にて歯科口腔外科が本格始動になったようです!
昼休みにちょっとのぞいた時に、携帯のカメラで簡単に撮影してみたので、upしてみます。(いい写真でなくてすみません。)

明るい渡り廊下から続く待合室。


病院というよりリラクゼーション施設を思わせる受付です。


ユニット?処置台?専門的になんというのかは分かりませんが、治療空間も個室性が高くて、本当に癒されそう。みんな寝ちゃうんじゃないかな?なんて。
歯科口腔外科、新しくてキレイで、いいなー。羨ましい。
眼科もどんな検査室ができるのか、今から3ヶ月後が楽しみです。

新しい先生も増え、審美歯科(歯のホワイトニング)などの分野も始まるようです。僕も時間が取れたら行ってみよう。先生方、よろしくお願い致します!!

霰粒腫? 手術(瞼板切除術)

今日は以下の手術を行いました。
・翼状片切除術(遊離弁移植) 1件
・白内障手術 9件、 眼内レンズ2次挿入 1件
・網膜硝子体手術(茎離断) 3件
 (網膜剥離、増殖糖尿病網膜症、黄斑浮腫-BRVO)
皆さん無事に終わり良かったです。

今日は時間も出来たので久しぶりに病気のブログを。
霰粒腫? 手術治療(瞼板切除術)
霰粒腫の病気の説明に関しては以前のブログを参照下さい。
多くの霰粒腫は、点眼薬や軟膏による治療で治ってしまうのですが、なかには治りにくい霰粒腫もあるようです。薬を使っても治りが悪い場合や、ステロイド剤の副作用が強く出て薬が使えない場合など、数十名に1人ですが、手術が必要になる場合があります。
まぶたの中には、まぶたを形作るために必要な、少し固めの組織があり瞼板(けんばん)と呼ばれますが、霰粒腫のもとになるマイボーム腺はこの瞼板の中に含まれます。
前回、霰粒腫?のブログで書いたような、簡単に潰したり、切開できるような霰粒腫は別として、ある程度しっかりとした霰粒腫を治そうとすると、瞼板の組織を含めて切除することになり、瞼板切除術、または巨大霰粒腫摘出術と呼ばれます。

先月手術をした患者様の例で。
瞼板切除術(けんばんせつじょじゅつ)

下まぶたに弾力のあるしこりを触れ、まぶた全体に腫れが広がっています。
1ヶ月間、点眼薬と皮膚側には軟膏を使用しましたが、軽快が得られず手術となりました。

まず、霰粒腫を摘出するための切開場所の選択ですが、基本的にはアッカンベーをしたまぶたの裏側・結膜側と、まぶたの表面の皮膚側からの切開があります。

皮膚を切ると少なからず(時間が経てばあまり目立ちませんが)、キズあとができてしまうので、可能な限り、まぶたの裏側・結膜側からの切開を行います(図の青丸は青矢印の方向から摘出)。霰粒腫の位置が図の赤丸のように皮膚側に接していて、裏側からの摘出が困難な場合には赤矢印の皮膚側から切開をします。
今回は裏側からいけそう。


はじめに、まぶたの皮膚側(5秒間)と、裏側(3秒間)の両方に、止血効果を含んだ麻酔薬を注入します。麻酔の注射は結構痛いようです。申し訳ありませんが頑張りましょう。

麻酔が効いたら、まぶたをクリップのような器械でハサミます。これによってまぶたの血流を遮断し手術中の出血を防ぎます。クリップを矢印のようにクルッと返すと、

こんな感じで、まぶたの裏側が見えるようになります。

メスで結膜を切開し、霰粒腫を露出させます。

クリップで挟んでも多少は出血するので、電気凝固で止血をしながら、

矢印の先の霰粒腫をまぶたの組織から剥離して摘出します。

キレイに無くなりました。

最後に、はじめに切開した結膜を糸で縫って、傷を閉じたら終了です。

局所麻酔で10分から15分程度の手術です。
手術自体の費用は3割負担で5000円程度。

他に再診療や投薬代などがかかります。

傷口を縫う糸は、まぶたの裏側のものは勝手に吸収されるので抜糸は不要ですが、皮膚側から縫った場合には、術後1週間ちょっとで抜糸が必要になります。


手術翌日の写真です。裏側からの手術では大きな出血がなければ、翌日から皮膚の見た目はキレイです。まぶたの裏側は傷口のヒキツレがありますが、徐々にキレイになっていきます。皮膚側の切開では抜糸までの1週間程度は、結構腫れることが多くなります。
術後は2?3回程度の診察が必要です。

増築・改装工事

今日の午後は臨時で硝子体手術3件と、その他いろいろ。夜も県内の医院様で硝子体を手術4件。かれこれ4週連続で毎週10件以上の硝子体手術を執刀しています。一番の専門と思っている硝子体手術が増えるのは、やりがいがあって楽しいです。
と、忙しさを理由に、病気のブログは滞っているのですが、
今日は嬉しい報告です。

山王台病院の新館(アネックス)の完成が近づいていますが、
眼科・内科クリニックの増築・改装工事も、
ついに来週から始まることになりました[:ときめき:]

工事後は、
・検査室が大幅に広くなります。
・特殊検査などが一部並列で行う事ができるように。
・診察ブースの増設により、基本的に2診体制になります。
・外来診療時間の増加、手術枠の増設
・外来待ち時間の短縮
・手術の順番待ちの短縮

などが期待されます。

工事は9月いっぱいの予定で、10月より上記目標に向けて頑張ります。
工事期間中は騒音など、入院患者様・外来患者様ともに大変ご迷惑をおかけしますが、お許し下さいませ。