血管新生緑内障? 術後管理3:ニードリング

今日の午後は以下の手術を行いました。
・翼状片手術 1件
・白内障手術 10件
・緑内障手術 2件
・網膜硝子体手術(茎離断)3件 (黄斑前膜2件、増殖糖尿病網膜症1件)
・緑内障濾過胞再建(ニードリング)1件(術後管理扱い、請求なし)
皆さん無事に終わりました。

夜は、1年ぶりに同級生と食事をしました。研修医時代にルームシェア(同じアパートに同居)した、友人です。今は、千葉で眼科の開業をしていますが、僕が普段やっていない、コンタクトレンズの処方などの話を聞けて勉強になりました。彼はチバビジョンのコンタクトがお気に入りのようです!

本日の昼休みにおこなった処置から話題を一つ。
血管新生緑内障
術後管理3:ニードリング

緑内障手術(トラベクレクトミー)では、眼球に穴をあけて、眼内の房水を、眼球の外に流す手術を行います。

図の緑矢印が、眼外に漏れ出た房水の貯留池(ブレブ)になります。
ブレブに溜まった房水は、徐々に吸収されていくのですが、一般的に、このブレブ(貯留池)が大きければ大きいほど、房水が外に逃げるスペースができるため、眼圧が低くなります。逆に、ブレブ(貯留池)が小さいほど房水は眼球の外には流れずに、眼内に溜まってしまうので眼圧が上昇します。

今日、術後処置でニードリングを行った患者様の例で、説明をしてみます。
重度の糖尿病で、失明のリスクが高いと紹介された患者様で、緑内障の点眼薬を多数使用しても、眼圧は30mmHgと高眼圧でした。増殖糖尿病網膜症という病態も伴っており、まずは3週間前に硝子体手術を行い、10日後くらいに緑内障手術(トラベクレクトミー)を行っています。

本日の写真ですが、黒目の上方の、出血でちょっと赤い、白目の部位がブレブになります。少しプックリと膨らんでいるのが分かるでしょうか?緑内障の点眼薬は使用しなくても、眼圧は22mmHg程度まで改善していますが、眼圧の正常値は10?20mmHgなので、まだ少し高めのようです。


次に、本日の診察で、マッサージ(眼球を強く押して、眼球内の房水をブレブに異動させる、技術を要する処置)を行った写真です。上の写真に比べてブレブが大きくなり、眼圧は15mmHg程度まで改善しています。マッサージによって、水の通り道(ブレブ)が広がり、眼圧が下がるようです。

マッサージの作業を日々繰り返すだけで、眼圧が低くめに落ち着いてしまう事もありますが、今回の患者様は、血管新生緑内障で、出血や癒着が早いため、朝も夜も何度もマッサージを繰り返していますが、結局翌日には眼圧が23程度と、20を超えてしまうので、ニードリングという処置を予定しました。

点眼薬を使用すれば、一過性には眼圧が下がるかもしれませんが、点眼薬で眼内で産生する房水が減ったりすると、最終的には、ブレブを膨らませるだけの房水がなくなり、癒着が進んでブレブがなくなってしまいます。(トラベクレクトミーの手術後に、緑内障の点眼薬を使用することは、手術の効果を諦めた時です。)

ニードリング
ニードリングは、針やメスを使用して、癒着の進んだブレブの内部を切り開き、水の貯留部を大きく保つことで、眼圧を下げることができる手術です。

このような先の平たいメスをブレブの中に挿入し、癒着した部位を切り開き、剥離していきます。このメスは、ブレブナイフといって、緑内障のキズ口の癒着を剥がすための専用のナイフです。


水が眼球内から出てくる出口(強膜フラップ)から少し離れた部分で、目の中に器械を入れます。


眼内につながる、水の通り道まで、ブレブナイフでよく切開、癒着を剥離します。

4月5日に追記です。

治療翌日の写真です。
ブレブがより大きく膨らみ、房水が眼外のブレブのなかに流れていることが分かります。

ガンバレ

今日も働きました!
午前はクリニックで外来
午後は小美玉で手術 (白内障7件、緑内障1件、硝子体1件)
高速で移動して、夕方からは他院様で手術のお手伝い(硝子体4件)
高速で戻って、クリニックで診察や書類。
お腹も減ってきましたが、家に帰ってビールが待っているので、間食は我慢です[:ビール:]

ちょっと疲れて、ボーっつとしたり、ため息が出たり、
頭や体の動きが遅くなった時に、よく聞く歌をご紹介。

ザ・ブルーハーツ
「人にやさしく」

気が狂いそう やさしい歌が好きで
ああ あなたにも聞かせたい
このまま僕は 汗をかいて生きよう
ああ いつまでもこのままさ
僕はいつでも 歌を歌う時は
マイクロフォンの中から
ガンバレって言っている
聞こえてほしい あなたにも
ガンバレ!

人は誰でも くじけそうになるもの
ああ 僕だって今だって
叫ばなければ やり切れない思いを
ああ 大切に捨てないで
人にやさしく してもらえないんだね
僕が言ってやる でっかい声で言ってやる
ガンバレって言ってやる
聞こえるかい ガンバレ

テンポの速い曲で、聞いていると、自分の動きが早くなります。
大きめの音で曲をかけて、聞きながら、診断書やカルテを書いていると、
貧乏ゆすりが出てしまうのですが、書類をかくスピードも2倍速に(笑い)

人にやさしくする。応援する。って、難しいことです。
それが出来るときは、自分も頑張れている時、もしくは、頑張れない時に、人を励ましながら、自分にもガンバレって言っているような。
中学生くらいの時から知っていた曲ですが、今の方が好きです。

円錐角膜? 症状・経過

今日のお昼は以下の手術を行いました。
・翼状片手術 1件
・眼瞼下垂症手術 4件(ミュラー筋タッキング:CO2レーザー使用)
・白内障手術 1件
無事に終わりました。

月曜日は、クリニックでの一般外来を午前、午後(夕方)と行う唯一の日ですので、外来診察の数がもっとも多い曜日です。(他の曜日は出張や、手術、特殊外来だったりするので、少し少なくなります。)
1日に80名くらいの診察をするのですが、きちんとご満足いただけてるのか、たまに不安になります。挨拶だけは絶対にサボらないようにと思っていますが、ちゃんと出来ていますでしょうか?

円錐角膜 症状・経過

角膜の突出とともに、以下のような症状が出現します。

?乱視の増加
近視性の乱視が強くなります。
ものが見にくい。かすむ。などから始まり、発症初期には通常の乱視として、眼鏡や、通常のコンタクトレンズを処方されていることが多々あります。

?さらなる乱視の増加
通常の眼鏡やコンタクトレンズでは、矯正出来ない乱視になります。
メガネをかけても視力が不良、ものが歪む、2重や3重に見える(片眼復視)などが起こります。ハードコンタクトレンズの使用によって、まずまずの視力が得られます。

?角膜にキズ、混濁、痛みが出現
あまりに、角膜の突出が大きくなると、まばたきの摩擦が大きくなったり、涙の膜がキレイに形成されずドライアイとなるなどして、角膜にキズが出来たりしやすくなります。

?ハードコンタクトレンズの装用困難
あまりに変形が強くなると、ハードコンタクトレンズが上手く装用出来ずに、取れてしまったり、痛みを感じやすくなります。また、キズや濁りが強くなり、コンタクトレンズが装用できても、満足な視力が出なくなるなどします。視力の改善のためには、角膜移植が必要になります。
非常にまれですが、超重症例では突出した部分の角膜に穴があいてしまう事もあります。

典型的なパターンでは、思春期に発症し、徐々に進行しますが、多くの場合では35才程度で進行が停止するとされています。
(稀には、40代や50代で急激に進行することがあります。)
どの程度の障害が起こるのか、どの程度のスピードで進行するのかは、個人差が非常に大きく、現在の医学では予後を見通すことはできません。
比較的早期に?⇒?⇒?⇒?と進んでしまう事もありますし、?や?の状態のまま、進行が止まってしまう事もあります。
ただし、?のような角膜移植まで必要になる症例は本当にごく一部であり、ほとんどの症例は?や?で、ハードレンズの装用により、それほど不自由のない生活を送れます。
?や?の場合では、円錐角膜と診断を受けないまま、たまたま40歳とかで眼科を受診し、発見・診断されることも多々あります。
上記の思春期発症というのは昔から言われていることですが、以前は軽微な症例は診断ができなかったので、もしも今の医学で、小学生全員に角膜トポブラファーの撮影を行ったら、もっと早期から発症している可能性もあるかもしれません。

通常の円錐角膜は、数ヶ月とか数年とかかけて変動しますが、急激に状態が変化する病態として、急性水腫(角膜水腫)というものがあります。
急性水腫(きゅうせいすいしゅ)
全員に起こるわけではありませんが、ある程度の進行例で、角膜(黒目)が薄くなり組織の一部が断裂すると、目の中を循環する房水が断裂部から角膜の組織内に入り込み、水が溜まった状態(角膜水腫)になります。
急性水腫によって角膜に水がたまると、本来透明な角膜が白く濁ってしまうので、急激に視力が下がったり、また、非常に強い痛みを感じ、救急で眼科を受診して頂くことになります。

角膜中央部のやや右下が白く濁っているのが分かりますか?中央下やや左に白くうつるのは、撮影ライトの反射です。

急性水腫を起こす時に、あまりに角膜が薄い場合には、そこから穴があいてしまったり、キズに感染を起こして、重症化することがありますが、点眼薬や眼軟膏、眼帯などで、眼科でしっかりと対応をすれば多くの場合は1?2ヶ月程度で、急性水腫は落ち着きます。
急性水腫が起こると急激な悪化として自覚されますが、きちんと対応して、落ち着かせる事が出来れば、水腫を起こした部位が硬くなり、以後の進行がストップしたり、突出した角膜が硬くなって、平坦化する場合もあり、急性水腫がおこることで、良い方向に向かう事も多々あります。

これは進行期の円錐角膜の症例で、ハードコンタクトレンズの装用が難しく、角膜移植を考えた患者様なのですが、急性水腫を起こして角膜が平坦化し、赤矢印の部位に濁りを残しましたが、逆にコンタクトレンズの装用が可能になり、非常に良好な視力に戻った症例です。

急性水腫の発症や経過を医学的にコントロール出来たらいいのでしょうが、そうはいかないのですよね・・・。

韓菜(かんな)

しばらくの間、絶え間なく緊急入院がありましたが、
今週末は久しぶりに順調に退院が進み、今朝はたった2名に!
このまま少し落ち着いているといいな。

ちょっと用事で栃木県に行きましたが、高速から見える山々の景色が、OCTで撮った網膜(矢印が黄斑)に見えて仕方ない。

これが、眼科のOCT画像です。

以前のOCTのブログ⇒http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=128936
似てますよね?
最近、黄斑変性症の勉強会などに参加することが多いせいか、頭の中がちょっと偏っているでしょうか?

韓菜(かんな)
石岡で、よくいくお店の一つです。
クリニックの前の道を、北上して、5分弱で到着です。
韓国料理のお店で、辛いものが好きな僕は大好きなお店です。

店員さんは、韓国の民族衣装をきていて、子供にも優しいです。


いつも写真を撮る前に食べてしまうので、メニューから写真を。
サムギョッサプル、豚肉をキムチと焼いて、野菜で巻いて食べます。


すみません。食べ始めてからの写真ですが、鶏肉を辛く煮た、タッカルビも大好きです。

子供は、辛いものは苦手なので、ホットックというちょっと甘い食べ物?デザートをよく食べます。

この間、記載した「石岡ホルモン」と姉妹店のようです。

H24年3月の手術実績:茨城県 山王台病院 眼科

今日は風がビックリするくらい強かったです[:曇り:]
夕方に雨が降りだすまでは、土やホコリが待って、空が茶色になっていました[:びっくり:]
久しぶりのお休みで、ちょっと出かけようかな?なんて思っていましたが、再び子供の体調が優れず・・・、家でのんびり過ごしました。急に思い立って、初めてスパイスからカレーを作ってみましたが、結構おいしく出来ました!今後、研究してみたい。
3月は子供たちが交互に風邪を引き続けて、妻も看病で大変だったようです。早く春がきて、暖かくといいな[:桜:]

さて、3月分の手術数を集計しましたので、掲載します。
緊急手術の紹介が多かったので、件数が多めになりました。
(1名、合併症が起こり、再手術が必要になりましたが、無事に経過し、退院となりました。よかった。)

H24年3月の手術実績
手術合計 122件
内訳

・白内障手術 78件

・網膜硝子体手術 19件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・緑内障手術 5件
・涙器の手術 5件(NSチューブ)
・眼瞼(まぶた)の手術 10件(眼瞼下垂・さかさまつげ・霰粒腫)
・結膜の手術 3件(翼状片・結膜弛緩症)
・その他の手術 2件(斜視、角膜など)

レーザー手術合計 27眼
内訳
・網膜光凝固 10件(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 10件(後発白内障に対するレーザー)
・SLTレーザー 7件(緑内障に対するレーザー)

*手術数は、分院である小美玉市医療センターとの合計数です。手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。 白内障の手術時に、逆さまつ毛や眼瞼下垂の手術を追加で行っておりますが、それらはカウントしておりません。また、病気が古くてNSチューブが挿入できなかった症例などもカウントしていません。

抗VEGF薬 硝子体注射 30件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 17件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

現時点では、白内障などの、緊急性のない手術は約3ヶ月待ちとなっています。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

麦粒腫 ものもらい

今日は重症の紹介などもなく、落ち着いた1日でした。
僕は明日はお休みなので、今年度のクリニックでの仕事は今日で終わりです。
この3月は緊急手術が異常に多くて、とにかく忙しかったです。個人的にはちょっと疲れていましたが、スタッフの協力にて乗り越えられました。いつもありがとう。

今日は、今朝退院の患者様の話題から一つ。
麦粒腫(ものもらい)
麦粒腫(ものもらい)は、とてもよくある病気で、当院でも週に1人か2人くらいは診断します。(当院は通常のクリニック様と病気の内容の比率が異なるので、一般的な眼科医院ではもっと多いかもしれません。)

まぶた(眼瞼)には、脂を分泌する脂腺(しせん)と呼ばれる組織と、汗を分泌する汗腺(かんせん)と呼ばれる組織が存在します。

赤矢印がマイボーム腺と呼ばれる大きな脂腺で、ここから分泌される脂によって、まばたきが滑らかになったり、涙の蒸発を抑えて、ドライアイから目を守ったりしてくれます。
このマイボーム腺に、バイ菌が繁殖して感染症を起こしたものが、麦粒腫、とくに内麦粒腫と呼びます。
青矢印、まつげ(睫毛)の根元のあたりにも、小さな脂腺と、汗腺が存在しますが、ここに感染が起こった場合を、特に外麦粒腫と呼びます。

内麦粒腫でも、外麦粒腫でも、バイ菌による感染が成立すると、まぶたにウミが溜まって炎症を起こします。まぶた全体が、比較的やわらかくプックリと赤く腫れ、熱を持ち、メヤニ(眼脂)がでます。瞬きをするとゴロゴロと痛みを感じたりします。

最近、当院に来た人たちですが、まぶたが、赤くプックリと腫れています。お岩さん。といったイメージです。

バイ菌と説明すると、「私は汚いものは触ってない!」なんておっしゃる患者様もいますが、手術室でもない限り、身の回り、本当は空気中だってバイ菌だらけです。僕たちの皮膚にも、常在菌(じょうざいきん)といって、普段から細菌が住み着いています。むしろ、常在菌が皮膚いることで、体を別のもっと悪い菌きら守ってくれていたりするのです。
一番有名な常在菌として、黄色ブドウ球菌というのがいるのですが、子供がよくなる皮膚の「とびひ」なんかも、体や皮膚が弱った時に、黄色ブドウ球菌が病的に増殖してしまったことが原因で起こります。
麦粒腫の原因菌も黄色ブドウ球菌の事が多いようです。体調が悪かったり、目にキズがあったりするときに、ちょっと擦ってしまったりすると、麦粒腫が発症したりするので、特に畑仕事や土いじりをしたわけではなくても、麦粒腫になるときはなってしまうのです。もちろん、洗顔をしないなど、清潔に出来てない人の方が感染しやすいです。

感染力の強いウィルスが原因ではないので、流行り目(流行性結膜炎)などとは違い、よほどの事がないと人にうつることはありません。左目から右目にうつることも少ないので、ほとんどは片目にできます。

治療は、感染症なので、抗生物質を使うことで、原因となるバイ菌・細菌をやっつけることです。外来では点眼薬を処方したり、腫れが強めの場合には、内服薬も併用して治療を行います。
ウミがたくさん溜まって、痛みが強い時などには、針を刺したり、メスで切開をしてウミを出すこともあります。

実際の診療では、ほとんどの場合では点眼薬のみで数日で治ってしまいます。なので、当院では「数日で治ったと思ったら、もう来なくてOKです。治りが悪かったり、悪化するときには必ずまた来てね!」と説明しています。

今回の患者様は、「他院の眼科や内科様で、点眼薬や内服薬の治療を受けたが、どんどん腫れてきた。」との訴えで先週末に当院を受診されました。
珍しい経過なので、腫れたまぶたを少し切開して、ウミのサンプルを取り出し、培養(ばいよう)と言ってバイ菌の種類を調べる検査を行って、とりあえず、強い抗生物質の内服薬を出してみました。
その後、週明けの月曜日にまた来て頂いたのですが、あまり良くなっていませんでした。
培養の結果もちょうど出たので、よく見てみると、MRSAと呼ばれる、多剤耐性菌が感染の原因となっていました。MRSAは、ほとんどの抗生物質が効かない特殊なブドウ球菌です。
「それじゃあ、治らないよな。」と、月曜日にそのまま入院して、バンコマイシンという、MRSAによく効く抗生物質の点滴治療を受けて頂きました。
今日はまぶたの腫れもかなりよくなって、退院となりました。

左が初診時、右が退院時です。腫れ・痛みが引いて良かったです。

「麦粒腫で入院。」というのは、僕の人生では初めての経験なのですが、
「ものもらいなんて簡単な病気だから、この薬で大丈夫。」という先入観はよくない。
「治りが悪い時には、必ずまた来てね!」と言うのはいいことで、今後も必ず続けよう。と、再び認識することが出来ました。

地域。

今日の午後は以下の手術を行いました。
・翼状片手術 1件
・白内障手術 10件
・水晶体摘出 1件(亜脱臼・続発性緑内障)
・網膜硝子体手術(茎離断)4件
(裂孔原生網膜剥離1件、黄斑変性に伴う硝子体出血1件、
 網膜中心静脈閉塞症にともなう黄斑浮腫1件、増殖糖尿病網膜症)
まずまずの件数でしたが、スタッフがお昼休みを削って協力してくれたので、終わってみれば17時と、結構早くできました。
もちろん術後の経過観察は重要ですが、手術は上手に出来たと思います!

地域に、石岡市に根差した医療を!と思っていますが、
今日の入院患者さん、8名の住所を見てみると、日立市や、鉾田市、土浦市、つくば市、守谷市などなど、結構遠方の患者様のほうが多くなって、むしろ石岡市の方はたった1名でした。
石岡市内の方の目の状態が良くなっていて、重症の方が減ってきているのだと、嬉しいのですが、たまたまかな?

ちょっと予定があり、病気のブログはお休みです。
明日も、後輩の眼科の先生たちと会う予定があり、週末くらいから復活します。

円錐角膜? 診断

今日は、夕方からは久しぶりのお休みでした。と言っても、子供たちの体調がまだ完全ではないので、出かけたりはできませんが。
昨日も緊急入院がありましたが、今日も網膜剥離の紹介があり、緊急入院に。
昨日、再手術の症例で、ちょっと心が折れそう。なんて書いていましたが、そんなことを言っている暇はないようで、バリバリ仕事しなくては。頑張るぞ!!

円錐角膜 診断
円錐角膜は、角膜に薄くて弱い部分ができて、そこを頂点に角膜が尖ってしまう事で、強い乱視が発生する疾患です。

診断
角膜が尖ってくる疾患ですが、明らかに尖っているのが分かったり、角膜に典型的な濁りや、断裂の所見があるような、進行例の症例では、普段診療に使用するスリットランプという検査だけで、簡単に診断がついてしまいます。

ただし、実際には、そこまで進行してから病院に来る症例はごく一部で、もっと軽症の状態で診断が必要になります。このようば場合にとっても便利なのが、角膜トポグラファーです。角膜(黒目)の形を精密に計測して、分かりやすいイメージ図を作成してくれます。

左は通常の乱視の症例で、縦方向よりも横方向の角膜のカーブが強いことをしめしています。メガネで簡単に矯正出来ます。
右が円錐角膜の症例です。中心部より下方にある、赤い部分が角膜が尖っていることを示します。今となっては特に目新しい機械ではなくなりましたが、角膜トポグラファーの出現により、これまで、ただ「乱視がつよいねー。」なんて言われていた症例が、円錐角膜であると診断がつくことが多くなりました。

明日も予定がいっぱいなので、今日は早くねます。
では、お読み頂き、ありがとうございました。

ipad

今日のお昼は以下の手術を行いました。
・白内障手術 8件
・網膜硝子体手術(硝子体切除)1件
硝子体の方は、残念ながら今年初の再手術の方です。
網膜剥離の手術後、当日夜間に駆逐性出血という大きな出血を起こしてしまったようです。非常にまれな出血で、器械の出し入れだけでも起こることもあり、気をつけようがない。とも言われる合併症ですが、再手術は患者様にとって非常にストレスな事態で、申し訳なく思います・・・。
最悪のケースでは失明に至ることもある疾患ですが、今回は幸いにも、駆逐性出血の中では、軽症のタイプ(脈絡膜下血腫)たっだようで、網膜への影響はほぼなく、問題が起こらなければ、きちんと回復してくれそうです。一安心ですが、再手術は僕たち医師にとっても、かなりストレスです。全症例が一回の手術で、上手くいけば最高ですが、難しいですね・・・。ちょっぴり心が折れそうです。

ipad
最近、タブレット型パソコンといって、タッチパネルの薄いものが流行っているようです。
特にアップル社のipad(アイパッド)は、爆発的な売れ行きのようで、使いやすさや、画面のキレイさ・解像度がずば抜けているとのこと。なんでも、画面はretina displayと呼ばれますが、reninaは網膜の意味です。「人間の目では一つ一つのピクセルが認識できない」なんて評論されていました。
スマートフォンや、タブレットに、ちょっと乗り遅れていた僕ですが、今月、一気にデビューしてみました。

これが実物ですが、確かに画面がキレイです。実際には、近づいて見ると、一つ一つのコマ・ピクセルはかろうじて判別できるようですが、通常の距離では認識できません。今度、手術用顕微鏡でのぞいてみます。

二つ購入してみたのですが、一つはクリニックで、患者様への病気や手術の説明に使ってみたいと思います。手元で、スーッと写真やビデオを流していったら、ちょっとカッコいい感じかな?楽しみです。
しかし、これが日本製だったらいいのにな。とも思います。

目土:芝生

今日は長女の体調が悪く、救急で病院にかかったりとプライベートが大変でした。眼科のことにはそれなりに自信を持っていますが、小児科のことって難しい。
我が家は、ちょっとやそっとで小児科を受診しては、小児科の先生が大変なのでは?と思ってしまい、多少の発熱などでは病院には行きません。(自分で解熱剤などを処方してしまうのもあるので、もちろん一般の家庭とは、異なりますが。)
今回は40度の熱が数日続いたり、頭が痛いとのことで、もしかして髄膜炎や脳炎などでは?と不安になってしまい、結局、小児科の先生にお世話になりました。検査の結果は、あまり重大な病気ではないようで、ほっと一安心です。
病院にかかることで、治癒が早まったわけではありませんが、悪い病気じゃない。と分かるだけで、とても安心できました。お世話になった方々には感謝です。
医者の役割は治すだけじゃなく、安心させることも重要ですよね。今回の経験で再認識しました。

さて、週末のブログなので、目のことではなく、先日行った芝生のことでも。
目土
恥ずかしながら、ごく最近まで間違って「めど」と呼んでいましたが、ご近所さんとの会話で間違いに気が付きました。「めつち」と読むようです。
春先などに芝生の上に、新しい土や砂を巻くことです。
?新しい土は栄養分も豊富
?芝生の生長点(成長が盛んなところ)が地表よりも徐々に高くなるようですが、目土により地表をあげることで、害虫や外気温から芝生を守る役割
?地面の高低差。デコボコを慣らす役割
?サッチは地中のほうが分解が早い
などの目的があるようです。


肥料入りや、砂入りなど、いろんな目土がありまが、僕にはよく分かりません。近所のホームセンターで、一番安い奴を買ってきました。


熊手や、ホウキで出来るだけ均一にならしていきます。

写真を撮り忘れましたが、最後にたっぷりお水をあげます。
新しい土で、もりもり成長してくれるといいのですが。
それよりなにより、芝生で元気に遊べるように、娘が早く治ってくれるといいのですが。と願いつつ。
今日も読んで頂いた方、ありがとうございました。