コンステレーション ビジョンシステム

今日はとってもうれしい話を。
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世界最高の次世代最新
網膜硝子体・超音波白内障手術装置
当院に茨城県内初デビューが決定

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(東京を始め日本中では、主に大学病院などで既に100施設で使用されています。茨城県内では初になります。)

糖尿病網膜症、網膜剥離、黄斑円孔、黄斑前膜、眼底出血など、眼球の奥の方に病気に対して行う手術を、網膜硝子体手術と呼びます。
当院の網膜硝子体手術は、これまでも市販化されている手術機器の中では、国内最小のキズ口(25G)、2500回転という高速性能で治療が可能な、アルコン社のアキュラスという器械の最新バージョンを使用しておりました。
実は、このアルコン社より今年の6月に、これまでとは次元の違う、次世代マシーンが発売されました!そのマシーンの名前が、
コンステレーション ビジョンシステム
実は数回、デモで当院の手術に利用してみていたのですが、今回正式に導入が決定しました。年内にも稼働します。

コンステレーションは、アキュラスよりもさらに安全に効率よく手術を行うことができるマシーンで、より高度な網膜硝子体手術・白内障手術を行うことが可能になります。
現在も、患者様の負担を出来るだけ少なくするため、かなりの短時間手術を行っていると思いますが、コンステレーションの利用によって、より早く、より安全に、より良好な成績で。手術ができるようになることは間違いありません!

難症例の患者様の成績向上、手術のリスクの軽減に、最も期待していますが、手術の効率が上がり、1日に手術可能な件数が増えて、2?3ヶ月から、どうにも減らない手術の待ち時間が短くなることも期待しています。

最先端、最高レベルの手術機器や検査機器を駆使して、大学病院に匹敵する眼科医療を提供したい!という当院の理念に、また一歩近づけました。

この器械、実は歴代の眼科の手術装置の中で、圧倒的に高価です。他の機種に比べ、目玉が飛び出るほどの価格です[:びっくり:]
幕内先生が常々、週に1回の朝礼で、「東京の人間だけが最高レベルの医療を受ける権利があるわけではない!茨城だって石岡だって、日本で最高レベルの医療を受ける権利がある!患者のためになる器械は、どんなに高くても導入する!」と、熱弁をふるうのですが、それにのっかって、おねだりしてみたところ、成功しました!
コンステレーションは、眼科で、まさに導入すべき最高の器械です。
購入を認めて頂き、本当にうれしく思います。

医師として、最高の器械を用意してもらえること、最高の器械で治療に臨めることは、とても幸せなことです。
器械に負けないよう、そして、地域の皆様の目の健康のために、
僕自身もこれまで以上に研鑽して行きたいと思います[:!:]

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

緑内障? ベースライン眼圧と目標値眼圧

今日の手術は、
・白内障手術 12件
・翼状変手術 1件
・網膜硝子体手術(茎離断) 3件
 内訳:増殖糖尿病網膜症(中症)1件、糖尿病黄斑症1件、黄斑前膜1件
まずまずの件数ですが、終わってみれば3時間半くらい。定時で終わりです。
スタッフのみんなが頑張って準備や、患者様の入退室をしてくれるので、本当に早い。器械の設定なども完ぺきで、僕は手術だけしてればいいので、とても楽です[:楽しい:]

緑内障?
ベースライン眼圧と目標値眼圧

緑内障の治療は、眼圧を下げることで、進行を遅らせることであることを昨日記載しました。
では、眼圧を下げる場合には、いくつくらいの眼圧にすればいいのでしょう?
以前のブログ(⇒2011.11.12 Saturday)で、書いたのですが、眼圧には正式な意味で正常値と言うものがなく、自分の眼圧に自分の視神経が耐えられない場合に、発症・悪化する病気です。なので、血圧のように、180だと駄目で120ならOKと言うわけにはいきません。

もしも、眼圧が20mmHgで緑内障(正常眼圧緑内障)が発症、診断された場合には、治療によって、まずは20%下げて16mmHgにしようとか、または30%下げて12mmHgにしようとか、治療の目標を決定します。この場合の、無治療での病気の発症の元になった眼圧(この場合20)をベースライン眼圧、下げる目標とする眼圧(この場合16や14)を目標眼圧と呼びます。

緑内障では眼圧は下げれば下げるほど病気が進行しにくくなります。ですので、この例でいうと、眼圧が10になった方が病気としては、管理がよいともいえます。ではなぜ、初めから10を目標にしないのか?と言うと、単に大変だからです。
眼圧を大きく下げようとすれば、その分、強い治療が必要で、1日に何度も・何種類も目薬をつけなくてはなりません。すると、目薬をつける時間も手間も、お金も副作用も余分にかかってしまいます。
例えば、正常眼圧緑内障で多い報告は、ベースライン眼圧から20%眼圧を下げると、約半数の患者様で進行を止められ、30%下げると約80%の患者様で進行が止められるとされています。
ですので、まず初めの目標としては、20%とか、30%の眼圧下降を目標として治療を行い、それでも緑内障が進行してしまった場合には、より強い治療に変更し、次の目標眼圧は40%、50%の眼圧下降にしようと、進めていくようにします。

ここで、注意が必要なのは、眼圧測定には誤差がある
ということです。
眼圧の測り方は以前のブログ(⇒2011.11.08 Tuesday)で記載しました。
器械よる測定誤差というのもありますが、患者様自身の測定誤差もとても大きい場合があります。
例えば、血圧だって、緊張したりするだけで変動しますよね?冬に高い人や、夜のみ高い人もいます。眼圧も同様で、測定時の風が嫌いな人では、測定時に力が入ってしまって眼圧が高く出てしまう事がよくあります。そして、やはり測定する時間によっても異なりますし、季節や体調でも変動があります。

緑内障学会でも正式に推奨されていますが、
特に正常眼圧緑内障では、ベースライン眼圧を決定するためには、別の日の同じ時刻に、最低3回の眼圧測定を行い、その平均値をベースライン眼圧として、その結果から目標眼圧を決定するように!となっています。
一見、面倒で時間がかかるように思えますが、緑内障は10年、20年、基本的に一生涯付きあっていく病気です。最初の1?2ヶ月を急いで治療に入るよりも、しっかりとした目標をもって治療に臨む事が重要です。
こうした手順を誤って、例えば、本当の眼圧は12mmHgである人が、初めての眼科で、緊張して測った眼圧が16mmHgであったとして、緑内障だからと、すぐに点眼薬を使用。「眼圧が12だから、もとの16より下がって、薬が効いているな」なんて思っていたら、実は薬は全く無効で、5年間意味のない治療をしていた。なんてことが起こりうるのです。

眼圧が40とか50とか、極端に高い場合を除き、初めてかかった眼科で、診察直後に「あなたは緑内障です。今日からすぐに点眼薬を使用します。」なんてことになったら、ちょっと変だな?と。少し考えてみてもいいかもしれません。

当院では、よほど緊急の治療が必要な場合以外では、基本的に、3回の午前中の測定、視野検査は午後に特別枠の予約制ですが、この午後の検査でも眼圧を測定し、測定時間による変動なども検討して、ベースライン眼圧の決定、目標眼圧の測定を行うようにしています。
世の中には、緑内障の初診時には、まず入院して、朝昼夕、寝ている途中でも眼圧を測定して。やっとベースライン眼圧を決定する熱意のある先生もいるようです。(入院して、夜中に検査をするのは、患者様に少なからず負担がありますので、どこまでやればいいかは、一長一短ですが、一つの例として。)

注)
眼圧が40とか50とか、あまりに高い場合には、初診時にすぐに治療を始める場合もあります。20台の眼圧でも視神経が弱っていて、既に緑内障が進行期で、早めの治療が望ましい場合にも初日に点眼薬を始めることもあります。逆に、若い患者様で視神経が丈夫で、まだ障害を認めない場合には、眼圧が30以上でも少し様子をみることもあります。何回目の診察でベースライン眼圧を決定するのかや、治療を始めるかは、個々の患者様の状態や、医師の考えかたでも異なりますので、担当の先生とよく相談するようにしてください。
ただし、一般的には眼圧が10台とかの正常眼圧緑内障で、1回の眼圧測定で、すぐに治療をしましょう。と、いうのは信頼性の観点から、行うべきではないと思います。

緑内障? 治療の目的は維持:眼圧を下げる

今日の午後は小美玉で手術を。
夕方?夜は移動して、知り合いの開業医さんで手術のお手伝いに。
開業医さんですが、なんと午後だけで15名も手術があり、硝子体手術もあって。茨城の眼科医は忙しい人が多いようです[:びっくり:]

さて、今日は少し時間があるので、緑内障の続きを。
(とはいっても、23時ですが・・・。)
緑内障? 
治療は維持:眼圧を下げる

緑内障とは、眼圧に関連して視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。
残念ながら、今の医学では、緑内障で一度欠けた視野は一生涯戻りません。
よく、「緑内障って治らないんでしょ?」と患者様に質問を受けますが、まさにその通りです。
緑内障の治療で、現在の医学で明確に分かっていることは、眼圧を下げることで進行を抑えることができる。ということだけです。
(他には、目の奥の血流を改善させる方法や、人工の網膜など、様々な研究が行われてはいますが、まだまだ、きちんとした治療とは言えないレベルです。)

眼球の中を流れて、眼球と言うボールを膨らませている房水の圧力(眼圧)によって、視神経が押しつぶされてしまう病気なので、その圧力(眼圧)を減らして、それ以上、視神経が押しつぶされないようにしよう。というのが治療法になります。
決して、押しつぶされて、死んでしまった神経をよみがえらせたり、失明したり、視野が欠けてしまったことをもとに戻すことはできません。

治療の目標は
・生きている間に失明させないこと
・視機能を出来るだけ温存し、生活に不自由がでないようにすること

になります。

実際に眼圧を下げる方法には、
?点眼薬
?レーザー治療
?手術
などがありますが、今後ゆっくりと書いて行きたいと思います。

白内障で手術をすると、だいたい皆さんに喜ばれます。
結膜炎で、点眼薬を処方し、メヤニが止まっても喜ばれます。
では緑内障はどうか?というと、
ほとんどの場合、緑内障の治療を行っても全く喜んで頂けません
緑内障の治療は、上記の、どの治療法を選んでも、ある程度はツライ・面倒なもので、しかもお金もかかります。
例えば、ほとんどの緑内障の目薬は、他のドライアイなどの目薬に比べて高額です。また、目薬には多かれ少なかれ副作用があります(しみる、充血、まぶたのくろずみ、メヤニ、ドライアイの悪化、全身的な負担など)。
お金を払って、しみる目薬をつけて、充血して。なのに、目が良くなるわけでもなく、現状維持が精一杯。みなさんが治療が嫌になってしまう気持ちも分かります。
それでも、失明は避けなくてはいけません。眼科医としては、喜んで頂けないのは仕方ありませんが、維持するために治療を受けて頂く以外ないのです。

もっともっと医療が進んで、緑内障が本当に治ってしまう日が来るといいのですが。

忘年会

今日は、以下の手術を行いました。
・白内障手術 7件
・眼内レンズ縫着術 1件
・網膜硝子体手術(茎離断)2件
(網膜剥離1件、外傷後の硝子体混濁1件)

1人は、かなり古い外傷で、目の中が濁っていたり、水晶体というレンズがなかったり、瞳孔がひきつれていたり。
できる限り通常の眼球に近づくように頑張ってみました!
外傷の手術は、やりがいがあって面白いです[:ひらめき:]
結構上手く出来たのですが、10年以上も「もう治らないと言われ、諦めていた」とのことで、明日は喜んで頂けるのではないかと、僕も楽しみです。

今日は、昼間の手術が長引いてしまい、午後の外来が少し遅れてしまいました。
お待たせしてしまった患者様には、大変申し訳ありませんでした。

昨日は医師の誕生日パーティーに呼んで頂き、だいぶ飲んだので記憶があいまいなのですが[:ビール:]、
今日も、後輩の眼科医とちょっとした忘年会です。
その後も、12月は忘年会続きで、ブログが進みにくいと思いますが、
時間のあるときに、書いて行きたいなと。

緑内障? 視野:ハンフリーvsゴールドマン

東京国際フォーラムまで高速で1時間ちょっとなので、車で往復していますが、今日は寒くて雨で、交通事故渋滞が多発。行きも帰りも2時間以上かかりました。追突玉突き事後も目撃しましたが、大変そうでした。僕も気をつけなくては。

さて、今日は二つの視野検査の比較です。
静的視野(ハンフリー)vs 動的視野(ゴールドマン)
どちらも、まっすぐ前の一点を動かずに凝視して、周囲に光が見えたらボタンを押す検査で、視野(物の見える範囲)を測定するのですが、測定方法や得意不得意など、少し違いがあります。

指標
・静的視野は、光の指標が動かずに、一点でピッと光ります。
・動的視野検査は、見えない部分から光を見える部分に動かしていく検査です。

何を測定?
・静的視野(ハンフリー)は、主に中心30度の視野を、詳細・微細に測定することができ、中心に近い視野の変化をかなり初期の段階から指摘する事が出来ます。
・動的視野(ゴールドマン)は、より広い範囲で、視野全体がどんな形をしているか、そして暗点が存在するかどうかを調べることができます。

器械vs人間が測定
・静的視野(ハンフリー)は、基本的にコンピューター制御で、測定器がほぼ全自動で効率よく測定します。一般に測定時間が短く、器械が勝手に測定するため、検査員の技量で検査結果に大きな差がでにくい。というメリットがあります。医院によっては看護師さんや、助手さんが測定することもあるようです。(実際には、先日説明したキャッチトライアルなどを、どう対応するかで差が出来ますが。)
測定時間は上手に検査ができる人では、片眼10分かからないくらいです。(器械のスピードを落としたり、やり直す場合は長くなります。)
患者さんとしては、検査が一定のスピードで、ピッ・ピッ・ピッと、自動で進んでいってしまうので、理解力や体力などに不自由がある方(子供や高齢者など)が検査を受けると、上手にボタンを押せなくて、誤差だらけになってしまいます。視力の悪い患者様も、中心の光を見続けるなどが難しかったりで、検査が上手くいきません。
・動的視野(ゴールドマン)は、検査員(人間)が視標を出し、検査員(人間)が検査結果を記録します。静的視野の正確さが器械の能力に左右されるのと違って、動的視野では、測定する検査員の技量によって正確さが大きく左右されます。ですので、多くの施設で、国家資格のあるORT(視能訓練士)が検査を担当します。僕は当院のクリニックのORTを信頼していますが、かなり正確に結果が取れていると思います!
検査の時間は病態や、年齢などにより大きく異なります。視野や視力が正常で、若い患者様では片眼10分弱で終わってしまうかもしれませんが、高齢の方で、見えない場所がポツポツと点在するような、複雑な視野の患者様では片眼で30分以上かけて、じっくりと見えない場所を探していくこともあります。
高齢者や視力が悪いなどで、静的視野では上手く検査ができない患者様でも、動的視野はORTが、様子をみながらゆっくりと検査をしたり、休憩しながらも出来るのが大きな利点です。
(近年、コンピューター制御の動的視野計も発売されるようになりましたが、技術をしっかりもったORTによる検査と比べると、正確さと言う意味では、天と地ほどの差があります。)

緑内障:初期or進行期
ここまでの話は、分かりましたでしょうか?分かりやすく書きたいと思いつつ、なかなか表現って難しい・・・。
緑内障の患者様に限って、まとめるてみますと、
?初期?中期で、微細な病変を調べる場合
 ⇒静的視野(ハンフリー)
?静的検査が難しくなってくる緑内障の進行期、高齢者など
 ⇒動的視野(ゴールドマン)

と考えて頂ければOKです。
なので、高齢で検査が苦手という方を除き、若い患者様で、動的視野(ゴールドマン)の検査をして、結果のコピーを渡されている患者様は、申し訳ありませんが、少し重症なのだと思って、診療にお付き合い頂ければと思います。(1?2ヶ月に1回の検査を行います。)

最後に
費用
・静的視野は片眼3000円・両眼6000円(1割負担で600円)
・動的視野は片眼1950円・両眼3900円(1割負担で390円)

検査員の労力が少なめて、時間も早くて、器械が自動で行う静的視野の方が費用は高くて、
人間が時間をかけて測定し、ORTの専門的な技術を必要とする動的視野の方が検査が安いのです。
多くの眼科医、ORTが納得がいかない部分ですが、医療ってよく分かりませんね。
検査に使う器械が高価か、どうかで医療費が決まっているようです。静的視野はコンピュータ制御で、器械自体は確かに高いのですが。「重症例の患者さんを正確に評価するため」に必要な動的視野よりも、静的視野が高いのはどうなのだろう?

網膜硝子体学会

今日の夕方から、網膜硝子体学会に参加になります。
網膜・硝子体手術を一番の専門に考えており、最新の話題は出来る限り把握していきたいと。
ただ、来てみると、今年の学会はあまり元気がないようです。いつもより人もまばらな感じが。これと言って、目新しい発表や、ビックリするような話題や、新しい器械も見当たりませんでした・・・[:悲しい:]
次世代型と呼ばれる新しい硝子体手術の器械は、ちょっと興味あります[:見る:]
茨城県内にはまだ使用している施設がないようです。欲しいなぁ・・・[:ときめき:]

会場の「東京国際フォーラム」まで、高速で1時間ちょっと。
3日間。宿泊か通勤か、迷うところですが、車で通う事にします。

11月の手術実績

寒くなってきましたね。空気も乾燥して、風邪を引いてしまった人が外来にも目立つようになりました。ウガイ・手洗いをマメに行いましょう。
眼科では暖房器具の使用や、湿度が低くなる季節で、ドライアイが悪化する事があります。冷たい風にあたると涙が出る。なんていう人も増えてきます。
暖房器具の使用は仕方ありませんが、ドライアイの人は、エアコンやファンヒーターの直風を顔に当てない工夫や、加湿器をつける。少し目薬を多くつける。なんていう対策を考えましょう。

今日の午後は手術のみですが、
・白内障手術 11件
・翼状片手術 1件
・網膜硝子体手術(茎離断) 3件
 (糖尿病網膜症2件、動脈瘤破裂による硝子体出血1件)
みなさん、手術はバッチリです[:グッド:]

緑内障の続きは、明日からにして・・・、
11月分の手術数を集計しましたので、掲載します。
(今日の夜間救急がなければですが・・・。)

手術合計 107件

内訳

・白内障手術 70件

・網膜硝子体手術 16件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・涙器の手術 2件(NSチューブ)
・眼瞼(まぶた)の手術 7件(眼瞼下垂・さかさまつげ・霰粒腫)
・結膜の手術 4件(翼状片・結膜弛緩症)
・緑内障手術 3件
・その他の手術 5件(斜視、角膜、瞳孔形成、網膜復位・強膜内陥術など)

レーザー手術合計 14眼
内訳
・網膜光凝固 7件(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 7件(後発白内障に対するレーザー)

*手術数は、分院である小美玉市医療センターとの合計数です。手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。 白内障の手術時に、逆さまつ毛や眼瞼下垂の手術を追加で行っておりますが、それらはカウントしておりません。また、病気が古くてNSチューブが挿入できなかった症例などもカウントしていません。

抗VEGF薬 硝子体注射 24件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 18件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

一応、月ごとに集計しているのですが、最近の手術件数は、だいたい100件位で安定しているようです。手術の順番待ちは2月下旬までいっぱいなので、もう少し効率をよくしたりして、1日の手術件数を増やせればとも思いますが、なかなか時間的にも難しいですよね。将来的には、あと半日くらい手術日を増やすのもいいかもしれませんね。(外来が減ってしまうのも困るのですが。)

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

緑内障? 動的視野検査:ゴールドマン

今日のお昼は手術でした。無事に終わっています。
・白内障手術 4件
・翼状片手術 1件
・眼瞼下垂症手術 2件

眼瞼下垂は炭酸ガスレーザーといって、レーザー光線で止血をしながら、組織が切れる。というメスを使用して行ってみました。確かに出血しなくて、手術が終わった瞬間からキレイ[:見る:]
手術はなんでもキレイに越したことはありません。医学の進歩ってすごい[:ときめき:]
明日の午後は、眼瞼の手術ばかり10件もさせて頂く予定なのですが、レーザーメスの威力を実感してみたいと。術式や経過などは後日報告いたします!

緑内障?
動的視野検査:ゴールドマン視野計

先日までは、静的視野検査、光がある一点で急に光かって、それが見えたらボタンを押す。という検査の説明をしました。
今日の話題の動的視野検査、ゴールドマン視野計は、光の指標を動かして行って、光が見える範囲に来たら、ボタンを押して頂く。(病状によっては、見える場所から始めて、見えない場所になったら。というのもありますが)
という検査です。指標が動くので動的視野検査。


この大きなドーム状の器械、ゴールドマン視野計を使います。患者様は、椅子に座って、矢印の部位に顔をのせ、半球の中をのぞきます。


本来は、その後に、部屋を暗くして、青矢印の先にじっと見つめる指標(固視点)が光るので、そこを見続けます。検査員が光った指標を、視野の外側の方から、ゆっくりと内側に移動させますが、光が見えるようになった時に、ボタンを押していきます。
最初は大きく、強く光る指標から測定し、徐々に小さく、弱く光る指標へと変えて測定ます。

これは、正常な人のゴールドマン視野の結果です。

赤矢印の部分が物を視野の中心部になります。左目の検査結果ですが、通常の人はこのように、鼻側よりも耳側のほうが視野が広くなっています。
緑の矢印の部分は、以前に何回か説明した、マリオット盲点になり、脊椎動物はみんな見えない場所です。。
一番外側の青い輪は、最も強く、大きな光の指標で測定した「見える範囲・視野」になります。赤、青、赤と、円が内側に向かうほど、弱く小さい光の指標で測定した結果となっています。
(赤や、青などで結果に色をつけるなどは、病院や派閥によって手法が異なります。結果の見やすさや、しきたりなどの問題です。)

実際の緑内障の患者様のサンプルです。
スキャナを準備するのが面倒で、結果を写真で取って載せています。見にくかったらすみません。(晩酌をしながらだったり、一部手抜きをしながら書いています。長く続けるために負担を減らして行こうかと。誤字脱字もご了承ください。)


これは、上方の視野が大きく欠けている患者様です。右下のほうも欠けていたり、中心から少し下の部分に円形に視野が欠けている場所(暗点:あんてん)もあります。


これは、右下の視野が欠けている患者様です。緑内障の視野欠損では、このように、視野の欠損の状態が上下で差があることが特徴的です。


これは、視野が欠けている。というより、中心部と、少し右下に見える部分がある。というレベルです。見える場所がパラパラと離れているので島状視野(とうじょうしや)なんて呼ばれたりします。


最後に、緑内障の末期で、中心部の視野だけが残された患者様です。これでも、中心部は見えるので、矯正視力は0.9もあるんです。お会いした時から、反対目も進行期なので日常生活はかなり不自由ですが。
(みんなが、最後に中心部が残るわけではなく、周辺の視野がぽつんと残ったり、いろいろなパターンがあります。)

トナカイ形成術

今日は新しい術式を行ってみました[:!:]

トナカイ形成術

まず、
丸太を拾ってきて、白く消毒します。

次に、ノコギリを使って、丸太を切っていきます。


当院の手術は通常は僕が行っていますが、今日は日曜日なので、研修医の先生にも頑張ってもらいました。ケガしなくて良かったです。


くっつけやすいように、少し削って、


ボンドと、ネジを使用してくっつけます。


眼科ですが、今日は「お鼻」の部分に釘を打って、クリスマスツリーから拝借した、飾りを1つくっつけてみます。


ご近所の木の枝を、2本だけ拝借(すみません)。


完成です。
予定していた、松ぼっくりの眼内レンズでは大きすぎて・・・。
今日は最適な目が見つからず、あとで再手術に。ドングリがいいかな?

助手の奥さんは、ビオラのお花でリースを作ったようです[:リース:]

今年は電力不足などもあり、ピカピカのイルミネーションは自粛。
エコな感じで頑張ってみます[:ツリー:]
(研修医の先生は、すぐに飽きてしまい、結局ほとんどパパ作成)

緑内障? 静的視野検査:ハンフリー その2

今日は、昨日と同じ、緑内障の静的視野検査の結果についてです。
静的視野を測定する器械は、数社から発売されており、機種によって結果の表示が異なるのですが、当院で使用しているハンフリーという機種で説明します。
(ハンフリーは世界で最も有名、高価な機種です。)

緑内障?
静的視野検査:ハンフリー その2


昨日も出したサンプルです。

視野欠損
まず、右上の緑の○の部分が、視野の欠けている状態で、一般の方でもイメージしやすいかと思います。これは右眼の検査結果ですが、上方、とくに鼻側の上方の視野が欠けている事が分かります。
黒い部分が大きくなってくるようであれば、徐々に視野が狭く、悪化しているという判断になります。当院に通院の患者様は視野検査の結果を受け取っていると思いますが、できるだけ捨てずに保管するようにして下さい。1回前の検査結果と比べるだけだと、変化がないと思うような場合でも、1年前、2年前、3年前と、きちんと並べて比べてみると、実は徐々に悪化していることが分かる場合なども多々あります。
特に、大きな病院などで、担当の先生が毎年のようにコロコロ変わる場合は要注意です。1人の先生が担当した1年の間では、ほんの少しの悪化しかないと判断し、次に担当する先生も、この1年ではあまり変化なし。なんていうことを繰り返していってしまう事があります。
10年、20年と付き合っていく緑内障では、1年の悪化がごく少量でも長い目でみたら、かなり悪化していた。なんていう事もあるのです。
例えば、1年間に5%の視野が欠けていくのを見逃すと、単純計算では、5% x20年=100%、20年では失明してしまうのです。(もちろん実際には、そう単純な計算ではありませんが。)
視野検査をできるだけ保管して、5年前などと比べることは、とても重要です。10年、20年という病気では、その間に引っ越しや転院をするときもあるかもしれません。そんな時にも、昔の視野検査はとっても役立つのです。

MD値
次に、青の○の部位には、MD(mean defect)と呼ばれる値が書かれています。
このMD値は、視野検査の重症度、病気の進行具合を評価します。
視野が欠け、病気が重度になるほど、MD値がマイナスに大きくなっていきます。
例えば、MD値が0dB(デジベル)では正常、上のサンプルは-10dB程度で中期になります。

学会や、各医師によって、分類が多少は異なりますが、一般的に多く用いられている分類を紹介すると、
MD値が、
0?6 dB ⇒ 早期視野欠損(初期)
6?12 dB ⇒ 中等度視野欠損(中期)
12 dB以上 ⇒ 重度視野欠損(進行期
)と分類されます。
多くの場合、初期?中期では自覚症状は全くありません。中期?進行期になって初めて、視野が欠けていることを自覚することができるようになるようです。

特に以下の数値に入ると失明するかしないかなどの検討に入ります。
15? 危険領域
20? 日常生活が不自由
25? 機能的・社会的失明

(片足をなくしても十二分に生活できる人もいれば、全く歩けなくなってしまう人もいます。緑内障も、重症と分類されても、それなりの生活ができる人、軽症でも不安で歩けなくなってしまう人もいます。上記の分類は、それくらいの人が多いという意味です。)

上記の視野欠損のイメージ図を比べる以外にも、MD値の絶対値が徐々に大きくなる場合は、悪化していると言う事になります。例えば、1年間にMD値が3づつ悪くなるなら、8年間では24dB。初期の人が失明に至る悪化のスピードです。
(1年でMD値がどれくらい落ちていくのかを、MD slopeと呼び、手術をするかどうかなどの判断に使ったりします。)

キャッチトライアル・固視不良などの誤差
実は、緑内障の静的視野検査は、誤差がとても大きな検査です。
光が見えたらボタンを押す。光ってもボタンが押せなかった部分の視野が欠けていると判断していくのですが、
もしも、完全に失明して、盲目の人が検査を受けたとするときに、光が見える見えないに関わらず、ボタンを押しまくっていたら、全ての光が見えたことになり、結果は正常だとの判定になってしまいます。
こういった事、不正がないかを監視するために、ハンフリー視野計では、様々な罠を仕掛けています。
例えば、光は、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ。と、ある程度リズムよく光っていくのですが、器械が意地悪をして、ピッ。と音を出すのに、わざと光らない場合を作ったりするのです。
・ゲーム感覚で、いい点数をとるぞ!!なんて気分で検査に臨むと、とにかくボタンを押しまくってしまい、本来は病気で見えない場所があるのに、全て見えたことになって、正常でした。なんて結果になることも。
・逆に、高齢の方や、睡眠不足、気分がめいっている場合などでは、ボタンを押すのが遅れてしまって、本来見えるべき光でも、ボタンを押せずに、過度に重症の結果が出てきてしまったりします。

このような偽陽性・偽陰性と思われる検査の結果を、器械がじっと観察して、何%の誤差がある。なんていう事が表示されています。
他にも、目がきょろきょろと、動いてしまった回数(固視不良)なども表示されます。

誤差は少なければ少ないほど、正確な検査となりますが、緑内障と診断される当初は、検査が上手に行かない場合も多々あり、本来、病気でない人が病気と判断されたり、その逆の場合も出てしまう事がありえます。

ボタンの押しすぎ、押さなすぎ。というのが、上のサンプル、赤○の部分に、キャッチトライアルとして、3%などと表記されるのですが、これがもし20%とか、30%とか、あまりに大きい場合には、もはや検査を行った意味がありません。体重を計るのに、米俵を持って体重計に乗るようなもので、時間とお金の無駄です。

静的視野検査では、出来る限りリラックスして臨み、はっきりと光が見えたときのみ、ボタンを押すようにしましょう。(迷った時はボタンを押さない。)
それでも、得手不得手があったり、高齢者などで検査が難しく、誤差が大きい時には、後日記載しますが、動的視野検査などの別の検査をお勧めすることになります。

このように視野検査は誤差のある検査です。初診時から重症例。などを除けば、一度の検査のみで緑内障と確定して、すぐに治療。なんていうのは医師の横暴で、きちんと誤差がない検査結果が得られて、きちんとした治療の目標、ビジョンをもって臨むことが眼科医には望まれます。

ここで、患者様にお願いです
当院では、誤差が大きかった場合や、目や体が動いてしまう場合などは、出来る限り、光がでるスピードを遅くしたり、検査をやり直すなどして、せっかくの検査が無駄にならないよう、できるだけ正確な検査ができるように、国家資格をもったORTのみが検査を行い、30分に1名以下と、通常の医院に比べると、かなりゆっくりと時間をとって検査を頑張ってくれています。(多くの症例がキャッチトライアルは5%未満。たまには10%程度くらいの人がいます。20%を超えるのは年に数回というレベルで、本当に検査が苦手な人のみ。というか、20%を超える場合は検査結果としてあまり参考にしていません。)
ですので、1日にできる視野検査の件数が少なく、予約枠の確保には少し苦慮しています。検査は完全予約制ですが、もしも検査日や時間の都合が悪くなった場合には、無断でキャンセルをすることなく、なるべく早めにお電話を頂けますと幸いです。