結膜炎

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 7件
・翼状片手術 1件
・眼瞼内反症手術(さかさまつげ) 1件
・角膜形成術(乱視減弱)1件
・網膜硝子体手術 3件
 (糖尿病黄斑浮腫1件、糖尿病網膜症硝子体出血1件、黄斑前膜1件)
みなさん無事に終わって良かったです[:拍手:]

今日は、翼状片が黒目の中心を超える症例で、キレイに切除するのが大変だったのですが、かなりキレイに取れて良かったです。術後の写真とあわせて、後日upします。
また、眼瞼内反症は加齢によるもので、いつもは皮膚を切除したり、筋肉を短縮したりするのですが、最近雑誌でみた新しい術式を行ってみたのですが、とてもよい感じで結果が楽しみです。まぶたの手術は麻酔の注射が少し痛いのですが、今日はペンレステープといって、注射の前に皮膚に張っておくと、痛みを感じにくくなるシールを使ってみました。あまり痛くなかったとのことで、今後は全員に使用したいと思います[:見る:](もちろん無料です。)

今日からしばらく、結膜炎のことを書いてみようかなと。
結膜炎(けつまくえん)
結膜炎とは、白目(強膜)の上を覆っている半透明の粘膜、つまり結膜に炎症がおこっている病態です。

炎症(えんしょう)というと専門的な言葉になってしまうのですが、炎症とは、体に何らかの有害なことが起こった時に、体におこる免疫反応のことです。炎症がおこった部位は、熱を持ったり、赤くなったり、痛みがあったり、組織が腫れたり、分泌物が増えたりします。
例えば、インフルエンザウィルスを吸い込んで、ウィルスがのどにくっつくと、体は免疫と呼ばれる力をつかって、のどに炎症を起こします。のどが熱をもち、赤くなり、痛みがでて、腫れます。分泌が増えて痰がでます。このような炎症を起こすことで、体をウィルスから守ろうとするのです。

結膜炎は結膜に炎症が起こっている病態ですが、一般的に結膜炎というと、バイ菌による感染を思い浮かる方が多いようです。特に夏場などに流行する、流行性角結膜炎(はやり目)などが有名です。
しかし、結膜炎という言葉・病名は、決して感染症のみで起こるわけではありません。
・アレルギーによって炎症が起これば、アレルギー性結膜炎。
・感染によって炎症が起これば感染性結膜炎。
 特に細菌なら細菌性結膜炎、ウィルスならウィルス性結膜炎です。
・ドライアイによって炎症が起これば、乾性角結膜炎。
などというように、原因はさまざまで、何かしかの原因で、結膜に炎症が起これば結膜炎といいます。他には、こすったことが原因で炎症が怒ることもありますし、今のような暑い時期には汗が入って結膜炎を起こすこともあります。手術後は多かれ少なかれメヤニがでますが、術後性結膜炎です。
まぶたの凹凸や逆さまつ毛でこすれるなど、加齢によって日常的に炎症がおこるようになると慢性結膜炎などとも言います。

結膜炎の症状は、痛み、ゴロゴロ、赤み(充血)、メヤニなどになります。

何によって炎症が起こっているのかを調べて、治療法を考えるのが僕たち眼科医の仕事です。ただし、診察所見のみで診断することは難しく、たとえばゴミが入ったとか、夕方に症状が強いとか(ドライアイ)、鼻水もでる・かゆい(アレルギー)など、患者様からの情報(問診)がとても重要です。

しばらくは結膜炎について記載していきます。
最近、ブログやホームページを見て受診してくださる患者様が増えてきました。眼科のことを少しでも知ってもらえるといいなと思います。
頑張るぞ!!

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

八郷運動公園

先週末手術の、血管新生緑内障の方は翌日から眼圧は5?6mmHgとかなり良好な結果で安心です。

火曜の午後は出張の事が多いのですが、今日はお休みで、子供も夏休みだったので、のんびりできました[:グッド:]

たまには石岡のことを書こうかなと。

八郷運動公園(やさとうんどうこうえん)
http://www.city.ishioka.lg.jp/index.php?oid=3894&dtype=1000&pid=429

市営のプールがあります[:水泳:]
石岡や小美玉には別にも室内プールなどがありますが、夏は屋外が気持ちいいですよね[:晴れ:]
去年はじめて利用したのですが、今年も7月21日から始まったみたいで、さっそく24日の日曜日に行ってきました!
市営プールながらスライダー?滑り台?なんかが充実しています。子供といくには十分な広さです。

テレビで、サマーランドや、としまえんのプールの風景を目にしますが、人口密度が多いのにびっくりです。八郷のプールのいいところは、なにより空いています。穴場です[:見る:]

八郷まで病院から30分くらい。
途中の道は緑がいっぱいでドライブにも最適[:車:]
プール⇒果物狩り⇒温泉(ゆりの郷)なんてコースはいかがですか?

アバスチン

糖尿病などの病気では網膜の血管が詰まってしまい、眼球内の血流が不足します。血流の不足が一定期間持続すると、網膜は十分な血液や酸素、栄養分を欲するようになり、新しい血管を生やそうとします。(新生血管;しんせいけっかん)

新しい血管(新生血管)と聞くと、なんだか血流が回復して治ってしまうのでは??なんて思ってしまいますが、残念ながら、臨時で生えてくるような血管は、ほとんどができそこないの血管で、すぐに破れて大出血を起こすなどの問題を起こします。

眼科では、新生血管が生えてこないようにするために、レーザー治療で網膜を焼くなどの治療を行うことが一般的なのですが、最近は、抗VEGF薬という薬の注射薬が、新生血管が問題となる様々な病気に使われるようになりました。
VEGFとは、日本語では血管内皮細胞増殖因子と言いますが、酸素や血液が足りないと感じた網膜が産出するホルモンです。これが引き金となって、目の中に新生血管が発生し、弱い新生血管から出血してしまうなどといった病態につながります。抗VEGF薬を投与することで、上記のような悪い流れの始まりをストップさせることができます。

今日の午後は、糖尿病による新生血管緑内障という、重症の病気の72歳女性の手術を、準緊急で行いました。
2年ほど前に、両眼の糖尿病網膜症で硝子体手術を行い、しばらく経過の良かった方なのですが、残念ながら、最近は通院が途絶えてしまい、その間にさらに病気が進んでしまったようです。
火曜日に久しぶりに診察すると、眼圧と呼ばれる圧力が40?50mmHg(正常は20以下)と非常に高くなってしまっていました。
このままでは数日など、短期間で失明してしまうので、早急な手術が必要なのですが、目の中には無数の新生血管があり、そのような状態で手術をすると、手術中や手術後に新生血管から出血して、出血が止まらなくなってしまう事が多々あります。

火曜日に撮った写真です。茶目(瞳孔・虹彩)の部分には、普通は血管はないのですが、太くて赤い新生血管がしっかりと形成されています。隅角という目の中を流れる水の出口(下の写真の茶色と白の間のあたり)にも、赤い血管が形成されています。隅角に新生血管があると、水の出口がせまくなり、眼圧が上がってしまいます。

火曜日に緊急入院して頂き、アバスチンと呼ばれる抗VEGF薬を投与しました。

これは、今朝の同じ部位の写真です。茶目にあった赤い血管は全く見えなくなっています。このようになると手術が非常に安全に出来るので、本日の午後に手術をさせて頂きました。手術中には出血は起こらず、問題なく終了することができました。明日もキレイだといいのですが、それは明日診察をしてみないとですね。

アバスチンを使うようになって、血管新生緑内障の治療や手術の成績は、以前とは比べ物にならないほど良好になってきています。
大学病院レベルでは、同じような症例がいた場合には、アバスチンを使う事が当たり前になっているのですが、なぜだか、現時点の日本ではアバスチンを眼球に使用することは認可されていません。
薬を輸入するなどして、自由診療にする病院があったり、当院ではアバスチンは全例無料で使用しています。
非常に有用な薬で、海外では普通に使用され、日本でも数年前から大学病院をはじめとして当たり前のように使われています。目立った副作用もありません。(全くないわけではありませんが、血管新生緑内障などの病気の重大さを考えれば、比べるまでもないレベルです。)

未認可というと、不安になる患者様もいらっしゃいますし、日本では混合診療が認められていないので、たとえば当院でアバスチンを使用する場合には全て無料にするため、消毒薬や、注射器、針、手技量などの全てのコストが赤字になってしまいます。目の前の患者さんがいれば、治療しないわけにはいきません。日本の経済状況など、いろいろ難しいのは分かりますが、とってもいい薬なので、どうにかならないものかと・・・。

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斜視(しゃし)

今日は比較的涼しくて、すごしやすい日でしたね[:曇り:]

斜視(しゃし)
健常な人間は両方の目を使って、物を見ることが可能です。
融像(ゆうぞう)といって、頭のなかで左右の映像を一つにまとめることで、片目で見る場合よりも、より立体的に見るなどの機能を持っています。
めだまの外側には、目を動かすための筋肉が付いているのですが、上についている筋肉が収縮すると、眼球が上を向きます。一つの眼球には「上・下・右・左・斜め・斜め」の6つ方向に動かすための筋肉がついています。
両目で見た方が、良く見えますので、人間はこの6つの筋肉、両眼で12の筋肉を巧みにコントロールして、上下左右、どの方向をみても、両目の視線が同じ向きになるようになっています。

この筋肉に何らかの異常があって、左右のバランスが取れなくなると、左右の目の向きが同じ方向でいられなくなります。このような場合を斜視といいます。(偏見的な言い方としては、昔はロンドン・パリ、ロンパリなどと言われる人もいました。)

12個も筋肉があるので、一口に斜視と言っても、様々です。
例えば、一番多いのは外斜視(がいしゃし)と言って、目線が左右外側に向いてるものです。テレビの芸能人などでも、よくみかけるタイプです。
内側に向いてしまうものは内斜視(ないしゃし)、上下にずれる上下斜視などというものもありますし、上を見たときや下を見たときで斜視の形が変わるもの等もあります。(V型斜視)


上から外斜視、内斜視、外斜視+上下斜視の症例です。

斜視、筋肉のバランスが取れなくなる原因としては、
?生まれつき(先天性):もともと外を向く筋肉の方が強いなど。
?加齢:筋力が弱まる
?脳梗塞や、脳動脈瘤(筋肉への信号が届かなくなる)
?甲状腺機能の異常(筋肉や周囲が腫れる)
?外傷:(筋肉の断裂、眼窩底骨折;筋肉が骨折部に挟まる)
?強い屈折異常(特に遠視での調節性内斜視、強度近視では固定内斜視)
?重症筋無力症など、筋肉の働きが悪くなる病気
他にも、様々な原因があります。

斜視の症状としては、
物が2重に見える。(複視:ふくし)
・物が見にくい(複視または、片目での視力になるため)
・疲れやすい
・見栄えが悪い
などがあります。

大人になってから、外傷や脳梗塞などが原因で斜視がでると、物が2重に見えて、非常にツライ症状となるのですが、子供のころから斜視があったり、長い年月斜視があったりすると、脳でコントロールして、一方の目の映像を遮断するようになります。(視線が外れている方は、目を開けているのに、全く見えていない状態になります。)

根本的な治療法は手術になります。
他には、プリズムメガネといって、特殊なメガネをかけることで、症状を和らげる方法などもあります。(脳梗塞や筋無力症、甲状腺などが原因の場合は、そちらの治療が優先されます。)

手術では、目を動かす筋肉を一度切り離して、少し離れた場所に縫いつけたりして、筋力を増大させたり、減弱させたりします。

7月13日に外斜視の手術をした男性が本日いらっしゃいました。

画面の右側が黒目(角膜)です。中央にあるやや白くてつやっぽい組織が、内直筋といって、眼球を内側に引っ張る筋肉です。筋肉の下に金属製の棒を入れるような形で、筋肉を分離・露出しています。


筋肉が眼球にくっついている部位付近で、一度切り離してしまいます。


糸を使って、筋肉を元の場所より、少しずらした場所に縫いつけています。


術後1週間での本日の写真です。まっすぐな視線になっています。
写真で左側の目を手術しており、まだ少し赤いですが、徐々にキレイに戻ります。手術後初めて診たのですが、とても上手くいっており安心しました。

注射による麻酔(局所麻酔)で行い、一つの筋肉を移動するのに、だいたい10?15分くらいかかります。今回は右目の内側の筋肉と、外側の筋肉を一緒に移動し、30分弱かかりました。
眼科の手術の中では、少し出血が多かったり、痛みがそれなりにあったりする手術になりますが、術後は喜んで頂けることが多い手術です。

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クールビズ

今日の午後はちょっと大変でした。
・白内障手術 12件
・網膜硝子体手術 5件
 (黄斑前膜3件、硝子体出血1件、増殖糖尿病網膜症1件)

あと2件で最高記録でしたが・・・。
そんなことよりも、みなさん無事に終わってよかったです。
最近は硝子体手術も日帰りで行う人が増えてきています。
ご希望の方は出来るだけ対応していきたいと思います。

台風が来ているようですね[:雨:]
予約制でない場合は、天候によって混む日、混まない日の差が大きいのですが、当院は予約制なので台風の日でもあまり関係なく、いつも通りの混み具合です。患者様は大変な天気のなかで来院頂きますので、大変だと思います。ありがたいことです。

最近は外来で汗べったりでは失礼かと思い、クールビスとして、手術着を外来用に購入して使用するようしました。
それでも、すぐに汗を書いてしまうので、先ほど、何枚か余分にとインターネットで追加購入しようかと思ったのですが、とても流行っているようで、たくさんのお店が、様々な色の術衣(スクラブというようです)を販売しているようです。
テレビドラマでも、白衣でなく、スクラブで活動する医師が増えていますよね。

あるメーカーさんだけでも、こんなにたくさんの色が。他にももっと派手なものもたくさんあります。いっぱいあると、迷ってしまいます・・・。

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強度近視

今日は小美玉市医療センターで手術でした。
・白内障 6件
・眼球眼瞼結膜癒着乖離、形成術 1件

先日、屈折異常のお話を記載しました。

近視(目が大きい)、正視、遠視(目が小さい)、目の大きさによって視力などの個人差が発生します。
一般的には、正視が最も良い目という事になりますが、デスクワークなどが多い職業や、読書が好きな人は、多少の近視があった方がよいと思う人もいます。
では、このなかで医学的に、一番悪者なのはどれでしょう?
答えは近視です。軽度の近視は問題がないことが多いのですが、ある程度以上の近視があると、様々な病気になりやすくなります。
全身の問題としては、タバコや、糖尿病が万病のもとなどと言われる事が多いですが、眼科の中では、強い近視が万病のもとになります。

強度近視(きょうどきんし)
他に、変性近視、病的近視などとも呼ばれます。

目が大きい人ほど、近視が強くなることは7月8日に記載しました。
その程度があまりに強い場合を強度近視と言います。また、目の大きさの成長は一般的には、20代後半でストップし、眼鏡の度数も安定する人が多いのですが、病的な近視の人は何歳になっても目が大きくなり続ける場合があります。
強度近視などの、明らかな原因としては、ある程度の遺伝が関係していることが分かっていますが、他の明確な原因は分かっていません。

風船を膨らませると、ゴムが薄くなって割れやすくなりますよね?
目も同じで、大きく膨らむほど、網膜などのフィルムが薄くなっていきます。

網膜はカメラで言うとフィルムに相当する部分です。
薄く引き延ばされて、委縮した状態を、網脈絡膜委縮などと呼びますが、光を感じ取る能力が落ちてしまい、眼鏡をかけても1.0等が見えなくなったり、場合によっては委縮した部分の視野が欠けたりします。

他には、薄くなった網膜が断裂して穴があき、それを原因として網膜が内側に剥がれてしまう病気(網膜剥離)にもなりやすいです。

緑内障とって、目の中を循環する水分の圧力で網膜・神経が薄くなってしまう病気がありますが、強度近視の人は、もともと網膜が薄い(スタートラインが不利)ので、発症率が高くなります。

他には、物を見る中心部の網膜(黄斑;おうはん)に穴があいてしまう黄斑円孔と言う病気や、黄斑の網膜が断裂して出血してしまう近視性黄斑症(新性血管黄斑症)など、とにかく強度近視の人は、目の様々な病気にかかりやすくなっています。

メガネやコンタクトがないと生活出来ない。
なんて言う人は、1、2年に1回でいいので、眼科検診を受けるようにしましょう!(特に40歳以上の方は。)

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眼球破裂

14日から週末まで、お休みを頂きました!
代診の先生に外来をお願いし、患者様にはご迷惑をおかけしましたが、久しぶりに、きちんとした休暇を頂き、リフレッシュできました。また今日から頑張れます[:グー:]

休暇直前に紹介頂きました患者様の経過が気になっていたのですが、本日診察しましたが、良好な経過で安心しました。
6月29日に殴られてしまったようで、そのまま眼球内に出血、どんどん暗くなっていくとのことで、12日に紹介、初診となりました。

目の中に出血を認め、視力は光覚弁(こうかくべん)と呼ばれる光が分かるか分からないかまで低下していました。

眼球内を洗浄して、かなり良く見えるようになるかも!と期待して手術を行ったのですが、なんと、手術時に、眼球破裂と呼ばれる最悪の状態であることが判明しました。
(あとから考えれば、眼圧が低いことや、写真でも白目に出血や茶色に写る部分があり、疑うべきではあったのですが、少し時間がたっていて、まさか。といった感じでした。)

眼球破裂は、強い圧力がかかった場合に、眼球の組織(壁)が破れてしまう外傷です。程度がややひどい場合には、眼球を摘出してしまう事が多くあります。

黒目の左下がどす黒くなっています。写真だと分かりにくいのですが、茶色の成分も混ざっていて、白目(強膜)の内側の組織が出てきてしまっている状態です。


同じ場所を目の内側から見ています。左の下のほうで、やや大きく、白くうつっているものが、強膜とよばれる白目の組織になります。本来はその上(内側)にオレンジ色・茶色にうつる脈膜膜という組織や、網膜があるのですが、破裂のキズから出て、なくなってしまっているようで、白目の組織がむき出しになっています。中心より少し上方の小さな白い点は、レーザー治療といって、網膜を焼き付けた治療のあとです。



網膜の下にも血液がたくさん溜まっており、網膜に穴を開けて洗浄をしています。


本日の写真です。とてもキレイになっています。

上の写真では中心部のやや上方、下の写真では少し右下に白い斑点(レーザー治療)に囲まれた部位が、網膜を洗うために開けた穴です。

眼球破裂は、発症後出来るだけ早く手術を行う事が一般的で、今回はご本人のご都合で手術が遅れてしまったようです。普通の手術では、まずは、ケガによる断裂した部分を縫い合わせることから始まるのですが、今回は手術までの時間が長く開いてしまい、キズが勝手にくっついてしまったようです。
個人的にはこのような症例は経験したことがなく、非常に勉強になる症例でした。

白内障や緑内障など、普通の手術は決まりきったことを、予定通りに安全に行うという印象なのですが、外傷の手術はケガの状態がそれぞれ異なるため、手術中にどうすべきか、適切に冷静に考えなくてはなりません。手術としては、個人の技量が試されるような感じがして燃えます[:グー:]
今回は、今のところ、とてもよい経過のようで嬉しいです。

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屈折異常(近視・遠視)

今日は外来が85名と、少し多めでしたが、重篤な患者様の紹介はなく、比較的ゆっくりと診療ができました。

今日は屈折異常についての記載です。

屈折異常(くっせついじょう)
僕がよく外来で使っている説明書です。

一番真ん中の図をご覧下さい。左側(角膜側)から入ってきた光は、角膜や、水晶体と呼ばれるレンズの力によって、屈折(光の進行方向が曲がる)し、眼内の右側(網膜側)で像を結びます(ピントがあいます)。
この図のように、リラックスした状態で、遠くから入ってきた光が、自然と網膜にピントが合うような目の事を「正視・せいし」と呼びます。
非常に優秀な目で、何もしなくても遠くの物がはっきりと見え、近くの物も、余程の老眼にならない限り、まずまず楽に見ることができます。

では、正視の人と、遠視や、近視の人とは何が違うのでしょう??
答えは目の大きさ(長さ・奥行き)になります。
実は、角膜や水晶体が光を曲げる力(屈折力)には、大きな個人差はないようです。多くの場合は、角膜から入ってきた光は、23?24mm程度で、像を結びます(ピントがあう)。ですので、目の大きさがが、ちょうど23?24mm程度の人が「正視」となります。

「遠視」の人はどうでしょう?(図左上)
遠視の人は、23mmよりも目が小さいのです。リラックスした状態では、ピントは網膜よりも後方(図では右側)にあり、本来は近くにも遠くにもピントが合いません。
ただし、人間は眼内の筋肉を使用することで、水晶体の厚みを膨らませて、ピントを近く(図では左側)に動かすことができます。この働きのことを調節といいます。ですので、力いっぱい調節してもピントが合わないほどの、よほど強い遠視(目の大きさが20mm以下など)ではない場合には、疲れやすいなどはありますが、一応ピントを合わせて、物を見ることができます。
加齢によって、眼内の筋力が落ちたり、水晶体が硬くなって膨らまなくなることで、ピントが合わなくなると、まず近くが見えなくなり(老眼)、さらに進むと遠くも見えなくなります。
「俺は若い時から目が良かった。でも最近はメガネがないと見えない」などと言っている人が、外来ではたくさんいます。実は、このような人は、決して昔から優れた目でいたわけではなく、子供の時から遠視で、無理をして筋肉を使って見ていた。ということになります。(若い時には筋肉痛も起こらず、水晶体も軟らかいので、ピントも合いますし、無理をしているという自覚がないのです。)

「近視」の人はどうでしょう?(図右下)
近視は目が大きい人たちです。24mm以上の目の大きさがあると、遠くからの光のピントは、網膜よりも手前(図では左側)にあってしまします。筋力を使って、水晶体を膨らませてピントを動かす、調節という働きは、ピントを近くに合わせることはできるのですが(図で言うと左に動かす)、遠くにズラす(図で言うと右側:網膜側)ことはできません。
ピントを網膜に合わせたい、遠くの物をはっきり見たいと思えば、メガネや、コンタクトレンズ、LASIK等の手術をする以外にないのです。

基本的には、小さい子供は「遠視」が多く、小学生や中学生では「正視」が多く、高校生以上になると「近視」が多くなります。
これは、体の成長とともに目の大きさが大きくなるためです。
成長するほど、「遠視」⇒「正視」⇒「近視」となります。
ですので、小学生で近視があって、視力が下がっている場合には、基本的には中学生ではさらに強い近視、高校生ではさらに強い近視となるわけです。
高校生くらいで、急にメガネの人が増えるのはこのためです。(体も大きくなりますもんね。)
一般的には、目の大きさの成長は20代後半で止まる事が多く、それ以降は近視の度数の進行などが、落ち着きます。(病的近視などを除いて)
遺伝などの問題で、もともとの目の大きさや(スタートラインが違う)、目の大きさの成長速度には差があるために、遠視や正視、近視の人がいるのですが、成長によって遠視から近視に傾くということは、みなさんに同じように起こることなのです。

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結膜下出血

今日も網膜剥離の紹介を頂きました。筑西市の73歳女性の患者様です。
当院では手術後に2ヶ月程度は、もとの眼科様と交互に診察を行い、その後にもとの眼科様にお戻り頂くようにしています。
最近は、かなり遠くからも紹介を頂くようになったのですが、通院の距離が長くなってしまい、患者様には負担になりますが、ご協力を頂ければと思います。

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 4件
・眼瞼下垂症手術 2件
・翼状片手術 1件
・緑内障手術 2件
・網膜硝子体手術 3件(網膜剥離 2件、黄斑前膜 1件)
今日は、いろいろな手術がまんべんなくあって楽しかったです。
みなさん問題なく終わっています。

結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)
外来をしていると、
「朝起きたら、目が真っ赤になってた!」
「鏡をみたら、真っ赤でびっくりして・・・。」
という、患者様が数日に1名は必ずいらっしゃいます。
目が赤くなる病気としては、結膜炎(けつまくえん)と呼ばれる、バイキンが感染しておこる病気が有名です。ゴロゴロしたり、メヤニがでたり、充血をして目が赤くなる病気です。バイキンをやっつけるために、血流が増加して、血液の中の白血球という細胞が頑張ることで、血管が太くなって、目が赤く見えるようになります。

本日いらした結膜下出血の患者様の写真です。

赤くなっている部分は、血管の位置とは関係なく、ベタッと面状に赤くなっています。これは、結膜という目の表面を覆う粘膜の血管が、なんらかの原因で切れて、出血が結膜の下に溜まっている状態です。
一見、目がとても赤くて、みなさんビックリして病院に来るのですが、実は手足にできる「アザ」と同じ程度のレベルの病気です。
手足をぶつけると、皮膚の血管が切れて、皮膚の下に血がたまります。この状態を内出血とか、皮下出血(ひかしゅっけつ)、または「アザ」と呼びます。結膜下出血は、この皮下出血と全く同じ病態です。
皮膚は厚みがありますので、下に赤い血がたまると紫色に見えますが、結膜はうすく、半透明なために、赤みが強く目立つのです。

結膜の血管が切れてしまう原因は、ごみが入ったり、ちょっとぶつけたり、寝ている時にこすった、ドライアイ、逆さまつげなど、簡単な原因のことがほとんどです。
子供の軟らかい血管に比べると、年齢に伴って動脈硬化が起こったり、血圧の変動や、血液をサラサラにする飲み薬を飲んでいたりと、一般的には高齢な方ほど、良く出血するようになります。
80代、90代になると、手などにアザがあることが増えると思います。

失明することもありませんし、病気としては大したことないのですが、とにかく見た目が悪いので、患者様からは、「治療法、どうやったら早く治るか?」という事を、よく質問されます。

そして、「ありません」と答えるので、いつもがっかりされます。
アザに塗ったら早く治るという薬はないですよね??
アザと同じで、時間がたてば勝手にキレイに戻るのです。
結膜下出血自体では、治療は必要ありません。
温めることで、出血の吸収が早まるという先生もいますが、あまり大きな効果はないようです。
手足のアザを押すと痛いように、血液が溜まって、結膜が少し膨らんでいますので、まばたきをした時に、こすれて、少しゴロゴロ痛む場合があり、その場合は痛み止めのような目薬を処方しますが、決して早く治るわけではありません。

以上を説明するのですが、日本人って、お薬が大好きな民族なので、とにかくみなさん薬を欲しがります。痛みはなくても、一応薬が欲しいとおっしゃるのですよね・・・。なんででしょう??

結膜下出血を起こした場合に気を付けるのは、以下のようなことです。
・一度切れた血管は、しばらくは弱くて再出血をしやすいので、さわったり、こすったりしないこと。
・アルコールや激しい運動、長い入浴などは、血が止まりにくいので、数日は控えること
・あまりに繰り返す場合には、白血病などの血が出やすい病気の可能性があるので、医師に相談すること
・「強くぶつけた・石が跳ねた・何か刺さった」などの明らかな外傷の覚えがあるときは、眼球破裂という重大な病気の事があり、一応眼科で確認をすること

基本的には、放っておけば治る病気なので心配はいりません。
繰り返す場合には、結膜弛緩症や逆さまつ毛など、眼科の手術で出血を起こらなくすることができる場合もあり、やはり一度眼科で相談するのがよいでしょう。

忙しい病院で働く、勤務医の先生たちにかかると、「心配ない。大丈夫。」とだけ言われ、相手にされなかった。なんていう話もよく耳にします。
患者様は見た目がひどいので、とても重篤感があるのですが、見慣れている眼科医側からすると、「たいしたことないのに。」と、患者様と医師とで感じ方に、非常に差がある病気です。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

6月の手術実績

今日は午後が小美玉市医療センターで手術でした。
・白内障手術 8件
・結膜弛緩症手術 1件
夕方から別の開業医様で、硝子体手術に呼んで頂きました。
移動がちょっと疲れます。

さて、6月分の手術数が集計されましたので、掲載します。
6月はあちこちから、網膜剥離の紹介があったので、緊急手術が多くて大変だったイメージでしたが、数えてみると、最近のいつもと同じくらいの数でした。

手術合計 131件

内訳

・白内障手術 86件

・網膜硝子体手術 17件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・涙器の手術 3件(NSチューブ)
・眼瞼(まぶた)の手術 3件(眼瞼下垂・さかさまつげ)
・結膜の手術 12件(翼状片・結膜弛緩症)
・緑内障手術 4件
・その他の手術 6件

レーザー手術合計 13眼
内訳
・網膜光凝固 11件(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・SLTレーザー 4件(緑内障に対するレーザー)
・YAGレーザー 2件(後発白内障に対するレーザー)

*手術数は、分院である小美玉市医療センターとの合計数です。手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。 白内障の手術時に、逆さまつ毛や眼瞼下垂の手術を追加で行っておりますが、それらはカウントしておりません。また、病気が古くてNSチューブが挿入できなかった症例などもカウントしていません。

抗VEGF薬 硝子体注射 12件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 13件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

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