春季カタル

今日は熱かったですね。午前の小美玉から午後にクリニックに戻るのに車での移動が熱くて。エアコン大好きですが、ちょっと自粛したりして。

今日の夕方に来られた、17歳女性の病気です。
春季カタル(しゅんきかたる)
アレルギー性結膜炎の重症型・難治型に分類されます。
かゆみが非常に強く、黒目と白目の間(角膜輪部)の粘膜が盛り上がって腫れるようになります。

また、上まぶたをひっくり返してみると、まぶたの裏の結膜が白く、石垣をならべたようにぶつぶつします。(乳頭増殖)

(初診時)
この乳頭増殖は、コンタクトレンズ装用者やアトピー性角結膜炎でもみられます。

花粉なども影響して、春から夏にかけて症状が悪化し,冬にはおさまり、また春になると症状が悪化するということを例年くり返します。
10?20歳の男の子に多く、多くは成長に従って治っていきます。

かゆみやメヤニなどの症状が強く、また、角膜(黒目)にキズを作りやすいことから、視力低下などの重篤な障害のリスクが高い病態で、しっかりとした治療が必要です。

抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド剤、免疫抑制剤などの点眼薬により治療します。
重症度や全身的な問題によっては、内服や注射の治療を行ったり、治療に抵抗性の場合は、乳頭増殖(白いデコボコ)を手術で切除する場合などもあります。

今日の女の子は、他院での治療に反応しないとのことで、一ヶ月前より担当させて頂き、点眼薬を使用していますが、本日はかなり軽快しているようです。

(本日の写真です)

基本的に男の子に多い病気で、女の子は少ないのですが、女の子の方が治療にも軽傷で反応しやすいのかもしれません。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市 茨城町)

疲れました・・・。

今日は、
・白内障手術 6件
・眼瞼腫瘍切除 1件(悪性の疑い)
・翼状片切除術 1件(他院での手術後再発)
・網膜硝子体手術 4件
 内訳・裂孔原性網膜剥離
   ・網膜中心静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫
   ・糖尿病網膜症
   ・シリコンオイル抜去(以前の手術の後療法)
みなさん、特に問題なく終わりましたが、ちょっと疲れました・・・[:しょんぼり:]

これから、今日の外来の書類を片付けないと・・・。
今日は午前の外来が64名と多かったです。
パパは遅くなるので、子供たちには寝ていてもらおう。

とはいっても、自分ではじめた事のなので、たまには病気のことを書こう[:見る:]
自分に厳しく、人にやさしく[:グッド:]

翼状片(よくじょうへん)
翼状変は、白目の部分の粘膜(結膜)の組織が、腫瘍性に増大し、黒目(角膜)との境を越えて、黒目のうえに侵入してきてしまう病気です。
小さいものは、放っておいてもかまいませんが、大きくなると視力障害の原因になったり、こすれて痛みなどの原因となるため、大きくなっていく傾向が明らかな場合には治療することが望まれます。
治療法は手術のみで、手術によって切除します。

目薬と注射による局所麻酔で、当院ではほとんどの症例が15分位の手術です。手術は黒目の上のできものを削りとって、出来物は白目の奥の方までつながっているので、出来る限り除去します。
除去した部分は白目(強膜)が露出してしまうので、正常な結膜を周囲から集めたり、別の部分から取ってくるなどして、正常な結膜で強膜を覆えば終了です。
手術は、切ったり縫ったりというもので、白内障の手術に比べるとやや痛みがあり、どうしても血が出ます。眼科では白内障手術を代表に、ほとんど出血しない手術が多いので、出血の多い手術はちょっと嫌いな先生が多いのではないかと思います。
手術の一番の合併症は、翼状変の再発になります。悪い組織が十分に除去できなかったり、正常な粘膜できちんと覆えなかった場合に起こるため、手術は早ければいいとうい部類のものではなく、丁寧に行う事が重要です。

実は、僕も翼状片の手術はあまり好きではなかったのですが、最近はちょっと視点を変えて、「いかにキレイにするか[:花:]」に、こだわるようにしてから、ちょっと楽しめるようになってきました。(美容外科??)
治すのは当たり前、術後のキズが出来るだけ残らないように。という目標で、翼状片の除去のみならず、赤身の強い粘膜の血管を丁寧に除去したり、いろいろ工夫しています。
基本的には遊離弁という、病気と関係のない場所の粘膜を使用して手術をしています。まだ、開院一年なので少ないのは当たりまえですが、一応再発例はゼロです。

本日いらした、63歳女性です。K.t.さん

1月に両眼の翼状片、4月に両眼の白内障手術をしています。かなりキレイになったと。視力も裸眼で運転できます。

昨日いらした64歳男性です。K.I.さん

4月に両眼の翼状片手術です。約2ヶ月ですが、かなりキレイかなと。

本日いらした64歳女性です。A.H.さん


先週6月1日に左目の翼状片手術を行いました。まだ一週間しか経ってないわりにはキレイかなと。今後さらにキレイになっていきます。

特に女性は、赤いのが嫌とかで手術をされる方がおおいので、できるだけご期待に添えるように頑張っていきたいと思います。

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また・・・・。

今日の午後は小美玉市医療センターで手術です。
・白内障手術 8件
無事に終わりました。

昨日の網膜剥離の術後の患者様も経過良好です[:楽しい:]
ただ、さきほど本日も網膜剥離の患者様がいらっしゃいました。
今回は、黄斑といって視野の中心部の網膜は剥がれておらず、視力は1.2と良好です。術後も1.0残せる可能性が高いかと。
早い手術の方が望ましいですが、ご家族様とも話し合うとのことで、明日入院・手術の予定となりました。
明日も網膜の手術が4件・・・。大変そうです。早く寝よう[:パクッ:]

ブログで、患者様にとって有益な、なにか病気のことについて書いていこうと思うのですが、忙しくてなかなか筆が進みません・・・。もう少し落ち着いたら頑張ろう。

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網膜剥離

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 7件
・翼状片手術 2件
・網膜硝子体手術 2件(網膜剥離)
みなさん、無事に終わりました。

実は今日は午後に白内障と翼状片のみで、1時間半くらいの手術を予定していたのですが、つくば市や、さらに県南のクリニック様から、網膜剥離の患者様を紹介して頂きました。
お二人とも、すでに黄斑という物をみる中心部が剥がれてしまっており、視力は眼鏡をかけても0.1未満です。早急な手術が望ましく、お一人は午前中に来院されたのでお昼休みに手術を行いました。
もうお一人は午後に来られましたので、夕方の外来終了後に。

両名ともに、目も年齢もとても似たような患者様で、残念ながら、下方に穴があいているため、術後のうつ伏せが大変です。頑張ってほしいと思います。

今日ご紹介頂いたクリニック様も、当院にははじめての紹介です。開院後1年たち、最近、県内の広範囲からご紹介を頂けるようになりました。眼科医としてはうれしい限りです。これからもがんばりたいと思います。

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おはようございます!

今日は快晴です[:日の出:]
週末は、妻が風邪をひいてしまい、子供たちの面倒をみることになり・・・。ブログどころではありませんでした。
久しぶりに子供とずっと一緒で、疲れましたが、楽しかったです。

長女に、何が食べたい?というと、
いつもここになります。
丸亀製麺(まるがめせいめん)
石岡というか、日本中??いたるところで目にします。
国道6号、病院の近くに1年ちょっと前に出来て以来、長女の希望でしょっちゅういっています。
非常に低価格で、とってもリーズナブルです。
それなのに結構おいしくて、待ち時間も少なく子供連れとしてはありがたいです。
ただ、うちの長女は、うどんが食べたいのではなく、会計時にもらえるチュッパチャプス(あめ)が目的です[:撃沈:]

ドライアイ 質問

何日かにわたって、ドライアイについて記載しましたが、
コメント欄でご質問を頂きました。
よくある質問なので、回答させて頂きたいと思います。

たまに目が痛くなるので眼科に行きましたが、ドライアイで、黒目に傷があると言われて、その後ずっと目薬をもらっています。目薬を付けたときはよくなるのですが、やめるとまた痛くなることがあります。いつもの眼科では目薬を付け続けるように言われ、毎月通っていますが、平日は仕事があり、なかなか通院できないこともあります。
目薬をつけないと失明したりするのか不安です。薬を付け忘れてしまうことも多いのですが大丈夫でしょうか。

?完治は難しい病気です。
ドライアイは、原因にもよりますが基本的に慢性疾患です。涙が少なかったり、乾きやすい事が原因で、様々な症状が起こります。
治療は、先日記載した通りですが、基本的に涙液の産生量を回復させるような治療法は、現在の医学では存在しません。
一部、結膜炎やアレルギー、角膜炎後などの疾患に続発して、ムチン層や角膜表層の異常があり、それらが原因の場合には、元となる疾患の改善とともに完治するものもあります。結膜弛緩症やまぶたの異常などでも、手術治療などにより改善するものもあります。
ただし、多くの場合は涙液の減少を少なからず伴っており、完治という状態に持っていくには、涙液の量を増やすことが必要です。これができないために、完治ということが難しいのです。
点眼薬による治療は、少ない涙液を補充してあげようという、その場しのぎの治療法ですので、点眼後は潤って調子がいいのに、しばらくするとまた症状があるというのは、その通りだと思います。
(最近ジクアスという、粘液の産生を増やす点眼薬が発売されました。これは、一部回復という意味も含んでいるのかもしれませんが。)

乾く日、乾かない日など、季節や時間帯によって症状に変化がでることもあります。これは、体調や環境によって症状が変動があるためです。
脱水や体調の悪い日、夕方夜間は、涙の分泌も低下します。涙の分泌が同じでも、湿度の低い日や、エアコンの風、パソコンなどまばたきが減る作業などでも、乾き方が変わります。
このように、多少の変動はありますが、多くの患者様の涙の量は、むしろ年齢とともにだんだん減っていくのが当たり前ですので、ドライアイは調子の良い日、悪い日を繰り返しながら、長い年月でみると徐々に悪化する疾患です。
(鼻涙管閉塞症・狭窄症という、涙の流れが悪くなる病気が出たりすると、逆に涙が余って、あふれるようになる方もいます。)

?どこまで治療をするか
ドライアイは、超重症例を除いて、失明したりするような重大な病気ではありません。(重症例では角膜が傷だらけになり、感染症を起こすなどして、失明に至ることもあります。)
ほとんどのドライアイの患者様は、自覚症状を和らげるために治療をしています。
ドライアイには様々な治療法があり、きちんとした方法をとることで、ほぼすべての患者様の症状を緩和することができます。
乾くのがツライ、痛い、メヤニが出るなど、いろいろな症状がありますが、その症状をできるだけなくしたいと思うのであれば、積極的に治療をするとよいでしょう。しかし、なかにはちょっとくらいゴロゴロしてもいいや。と思う方もいらっしゃると思います。私はそれはそれでいいのではないかと思います。
嫌な言い方ですが、医療には時間もお金もかかります。通院して、目薬を処方される(買う)ことの負担と、ゴロゴロする痛みと、どちらの負担が大きいかというのは、性格や個人的な事情により様々と思います。
しっかりとした治療を続ければ、症状はなくなり、症状を出にくくする効果もあるでしょう。
人によっては、症状があるときのみ薬を使いたいという人もいるでしょう。
人によっては、症状があっても、治療をしたくない人もいるでしょう。
失明するような重篤な病態でなければ、どこまで真剣に病気と向かい合うかはその人次第と思います。

僕は眼科医なので、どちらかと言うと、目の病気は治したいと思ってしまうのですが、治療を受ける受けない、通院をするしないは、患者様の自由です。人間なので、医師と患者様の相性もあります。ご自身がお金を払うのに値する、納得できると思う先生にかかればいいと思います。

*角膜がこすれて、キズがたくさんある場合には、キズに感染を起こして失明騒ぎになることがあります。このような場合には、僕も「絶対に治療が必要です。」と言う事があります。多くの場合には、キズがひどければ痛みもひどいので、患者様自身が治療を望まれますが、糖尿病の患者様や、コンタクトレンズを長期で使う患者様など、キズの重症度に反して、痛みなどの自覚症状がない場合があります。このような患者様には、継続した点眼薬が必要であり、その旨をお話ししています。

質問者様が、毎月の診察や、継続的な点眼薬が必要なのかは私にはわかりません。もし、ご希望であれば一度受診して頂ければ詳しく検査・お話をさせて頂きます。
毎月診察する医師の方が、熱心な先生であるという考えもできます。質問者様の目の健康をとても心配しているのかもしれません。当院受診が難しければ、かかりつけの先生に、自分はどのようなドライアイなのか?継続した治療が必要なのか?他によい方法はないのか?いろいろ聞いてみるといいと思いますよ。

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手術開始後1年間の実績

今日は午前中の外来が60名、なかでも予約外での初診の患者様が多かったため、1時間?2時間お待ちいただく患者様が多くなってしまいました。すみませんでした。
できるだけ、お電話にて予約後に来院頂けますと、待ち時間が少なくて済むかと思います。

午後はまるまる手術です。
・白内障手術 5件
・翼状片手術 2件
・眼瞼内反症手術 1件
・帯状角膜変性症手術(塩酸による除去)1件
・網膜硝子体手術 1件
 (増殖糖尿病網膜症;県内総合病院様より紹介)
みなさん無事に終わり、今日は早く帰れます☆

昨年の6月から手術を始めさせて頂き、昨日でちょうど一年間たちました。
当初の予定より、かなり多くの患者様の治療を行わせて頂く事ができました。
今後も、地域の皆様に安心して治療を受けて頂ける医院を目指して、全力で励んでいきたいと思います。

治療実績(H22年6月?H23年5月)

観血的手術合計 1123件
内訳
・白内障手術 814件
・網膜硝子体手術 141件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・涙器の手術 45件(NSチューブ)
・眼瞼(まぶた)の手術 43件(眼瞼下垂・さかさまつげ)
・結膜の手術 30件(翼状片・結膜弛緩症)
・緑内障手術 12件
・その他の手術 38件(斜視、角膜、眼内レンズ整復、瞳孔形成など)

レーザー手術合計 176眼
内訳
・網膜光凝固 95件(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・SLTレーザー 29件(緑内障に対するレーザー)
・YAGレーザー 52件(後発白内障に対するレーザー)

*手術数は、分院である小美玉市医療センターとの合計数です。手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。 白内障の手術時に、逆さまつ毛や眼瞼下垂の手術を追加で行っておりますが、それらはカウントしておりません。また、病気が古くてNSチューブが挿入できなかった症例などもカウントしていません。

抗VEGF薬 硝子体注射 225件加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチン)

ステロイド薬 テノン嚢注射 160件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

ドライアイ? 治療

今日は小美玉市医療センターで手術です。
・白内障手術 6件
・翼状片手術 2件
・眼瞼下垂症手術 1件(加齢によってまぶたが下がったもの)
無事に終わりました。

ちょっとサボっていた、ドライアイの事です。
ドライアイ(乾性角結膜炎)
ドライアイは、目の表面の涙が少ない、つまり乾燥していることによって引き起こされる病態ですが、以前に記載した通り、様々な症状や問題が起こるため、治療をする必要があります。
治療法は目薬がもっともポピュラーですが、それ以外も含めて記載します。

?生活や環境に配慮して、乾きにくくしよう
晴れて湿度が低くて、風が強い日には洗濯物が良く乾きます。
目も同様で、冬の乾いた風や、エアコンの乾いた風が当たれば乾きやすくなります。(お風呂に入っている時間や、梅雨の時期にはドライアイの症状が軽くなります。)
ドライアイの人は、運転中に車のエアコンの風に顔にかからないようにしたり、職場でエアコンの直風が顔にあたらない机にしてもらったりなどの配慮をすると良いでしょう。また、メガネをかけると直風を防ぐ効果もあります。
集中して、本を読むときや、パソコンの画面を見ているときは、まばたきが少なくなり、乾きやすくなります。近年は、Visual Display Terminal、VDT作業と言って、パソコンなどのモニターを必要とする職種が増えています。パソコンなどに集中して仕事をする場合、少し意識的にまばたきを増やしたり、適度な休憩をとるように心がけましょう。
また、パソコンのモニターやテレビ画面などもそうですが、アゴを引いて上目線で見る場合より、顎をあげて下目線で見る方が、目を開く面積が少なくなり、涙の蒸発が少なくなるため、乾きにくくなります。
モニターやテレビ画面を少しだけ低い位置にしたり、姿勢を正して、少し下目線で見るなどと気をつけるもの良いことです。

?湿度を上げよう
お風呂場や、梅雨など湿度が高い場合には洗濯物はなかなか乾きません。
オフィスでエアコンの風がコントロールできない場合には、足元や机の上に個人用の小さな加湿器を置くのもよいでしょう。
症状が強い人は、ゴーグルや花粉予防の保護メガネなどをかけて、目の周りの湿度を上げる方法もあります。
特に、ゴーグルの内部に湿った綿を設置して、積極的に湿度を上げる方法などもあります。(モイスチャーエイド;眼鏡店やインターネットで購入可能です。)

?目薬をつけよう
涙が少ない人は、目薬で補いましょう。足りない涙を補充するといった、とても分かりやすい治療法です。
人工の涙液にも、さまざまな種類があります。ほとんど水に近い成分の物や、ヒアルロン酸と言って、お肌につける化粧水のような潤い成分が入ったもの、ビタミンの成分が入ったもの、軟膏という油分の多い製剤などもあります。潤いが多いと乾く感じは改善しますが、少しべたつくような感じになります。どの目薬がよいかは個人差が大きく、付け心地なども目薬を選ぶのに大事な要因です。医師とよく相談するようにしましょう。

また、半年前に新発売された点眼薬で、結膜や角膜からの粘液の分泌を促進し、角膜(黒目)の表面のムチン層を改善することで、涙液の蒸発を和らげるといった作用のものもあります。(ジクアス点眼液)

まぶたや結膜の炎症、油層の問題などで、ステロイド剤という点眼薬を使用する場合もあります。この場合、ステロイド緑内障といって副作用が起こる場合があります。副作用がやすいタイプの人と、そうでない人がいるのですが、眼科で時々チェックをする必要があります。

重度ドライアイの場合など、稀ですが、血清点眼と言って、ご自身の血液を頂き、遠心分離して目薬を作り出すといったことをする場合などもあります。

当院では、多くの場合は、初診時にはまず一ヶ月分の点眼薬を処方しています。
2回目の診察で、付け心地は良いか?角膜の傷は治っているか?副作用などはないか?などを相談・診察し、結果が良好であればご希望に応じて、同じ点眼薬を、保険診療内で認められた範囲の本数(だいたい10本;ジクアスは4本まで)で処方し、次回の予約はなしとしています。(変化があるときに再診)
2回目の診察で、付け心地や病気の改善度に問題があるようであれば別の薬や治療法を相談しています。

?涙をせき止めよう
上記のような治療でも改善が乏しい場合には、涙点プラグといった治療を行います。涙は目の表面を潤した後に、目がしらの涙点(るいてん)という出口から鼻の奥の方に流れていきます。
涙点プラグはこの出口に詰め物をして、涙をせき止めてしまう治療法です。
出口がなくなった涙は、蒸発する分でしか目の表面からなくならないため、高い治療効果が期待できます。
・良い点:治療の効果が高い、もしも嫌だったら取り外すことができる。
・悪い点:詰めのものが取れたり、溶けてなくなった場合には追加治療が必要。両眼で数千円の費用がかかる。涙はホコリやアレルギー物質を流す作用があるが、これがなくなるため、花粉症などが悪化する事がある。ホコリを流すために、1日数回、洗い流すために人工涙液が必要。

その他にも、特殊な重症例では、まぶたの手術を行う場合や、治療用コンタクトレンズなどの治療法等がありますが、必要時は医師が説明します。

涙液の量を増やすというのが理想的な治療法です。ただし、現在の医学ではそのような治療法は確立されていません。同様の効果がある飲み薬なども報告されていますが、全身的に汗が出る・暗く見える・消化器症状などの副作用が大きく、ドライアイのみの治療としては現実的ではありません。(抗コリン剤;サラジェンなど)

それぞれの患者様にあった最適な治療をするには、診察や涙の検査以外に、患者様からの情報が必要です。
どんな症状があるか、何をしている時に症状が強いか、1日のうちで差があるか(朝がひどい・夜がひどいなど)、点眼薬の反応はどうか。医師にいろいろな情報を下さい。
ほとんどのドライアイの症状は、きちんとした検査、治療を行う事で症状をとることができます。ツライのを我慢する必要はありませんので、医師によく相談してみてください。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市 茨城町)

コンタクトレンズ

今日のお昼は以下の手術を行いました。
・白内障手術 6件
・加齢性眼瞼内反症(逆さまつ毛)1件
無事に終了しています。

心配していた、土曜日に手術の網膜下出血(動脈瘤破裂)の患者様ですが、僕が思ったより良く見えるようで、喜んで頂きました。良かったです[:グッド:]
先週水曜日の黄斑円孔の2名も本日治っていることが確認でき、今日はなんだか良い気分です。

そして、もうひとつ良いことが!

48歳の男性です。昨年の夏に仕事中に大きな石が跳ねて目にあたり、黒目(角膜)の中央部付近から、白目(強膜)の方に約1.5cmほど断裂、眼球内の一部の組織が外に出てきてしまっている状態でいらっしゃいました。
これまで、黒目や白目の縫合や、水晶体の手術、網膜剥離の手術など数回の手術を行っています。

半年以上が経過し、まずまず落ち着いた状態なのですが、メガネをかけた矯正視力が0.3しかなく、一番の原因は角膜の傷跡が白く濁っていることだと考えました。
残念ながら、当院ではほとんどの眼科手術が可能ですが、角膜移植という手術だけは行っていません。そこで、先日、角膜移植で有名な千葉県の大学病院へ移植の依頼で紹介させて頂きました。

ところが、帰ってきた患者様は移植はされておらず、お返事をみると、
コンタクトレンズの使用で、視力が1.0まで改善するので、移植は不要とのこと[:びっくり:]
黒目(角膜)が濁っているから視力が出ないのかと思っていましたが、濁りは中央部を避けているようで、視力が出ない一番の原因は角膜が傷あとによってデコボコしていることのようです。

デコボコの具合を測定する器械ではかってみると、

左側が正常な右眼、右側がケガをした左眼です。表面の凹凸が色であらわされますが、いろいろな色が混ざりあっています。このような場合は、メガネでは矯正出来ずに、表面にハードコンタクトレンズを乗せると、デコボコが緩和され視力が改善します。

わざわざ、千葉まで行って頂くことになってしまい、お手数をおかけしました。濁りのせいと決めつけずに、コンタクトも試してみれば良かったです。もっと勉強しないと。

ただし、眼球破裂は失明さえしなければ、医療としては成功というようなケガで、今回は網膜の手術などもしていますので、どんなに良くなっても、そんなにいい視力にはならないかなぁと思っていたので、とてもうれしいです。
先ほど、当院でコンタクトレンズを作成頂きましたが、確かに1.0まで見えるようで・・・。いいことですが、本当にびっくりです。良かったです[:OK:]

(当院では、病院の特性から、円錐角膜でのハードコンタクトレンズや、外傷後の虹彩付きコンタクトレンズなど、特殊なコンタクトレンズの処方は行っていますが、通常の近視・乱視などへのコンタクトレンズの処方は行っていません。また、処方箋もお出ししておりません。申し訳ありませんが、ご了承お願い致します。)

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市 茨城町)

ちょっと疲れたので・・・・。

今日はドライアイの治療法を書く予定だったのですが・・・。

本来、土曜日は午前勤務だけなのですが、
午前中の外来が60名と、けっこうたくさんの患者様にいらして頂いたのと、
緊急入院や、追加の手術などもあり、今日はちょっと疲労感が[:冷や汗:]
たまには、サボってみます。

・緊急入院
角膜潰瘍といって、黒目の部分にバイ菌がついて膿んでいる状態です。
かなり大きく、視力も下がっています。
角膜は透明性を維持するために血管⇒血液⇒白血球がなく、バイ菌の感染症に弱い組織です。軽傷であれば外来で診たいのですが、明日は日曜日ですので、入院して頂くことにしました。また満床です・・・。

・手術
白内障手術2件、硝子体手術1件を行いました。

硝子体手術は、もともと網膜中心静脈閉塞症という病気で治療後の患者様です。先日、硝子体出血といって、眼球の中央部の広いスペースに出血したのですが、もともと網膜中心静脈閉塞症の既往があり、これが原因で出血したのだと思っていました。あまり手術が遅くなるといけないので、土曜日を利用して手術をしたのですが・・・。
目の中を洗ってみると、なんと動脈瘤という血管のコブが破裂した病気のようで、大きな網膜下血腫という状態でした。
網膜に穴を開けて洗浄した方がいいのか迷いましたが、視力低下後、来院までに少し時間が立っていたことや、87歳と年齢的に手術後にうつ伏せでいることは困難かと思い、網膜下の洗浄は諦めました。
4月18日のブログ、網膜下血腫も御覧ください。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4936

手術は問題なく終わり、全く見えなかった目がかなり明るくなるとは思いますが、網膜下血腫の部分は残念ながら回復しません。(視野が欠ける)
良くなってほしい、良くなるだろうと思って手術をしたのですが、当初の予定よりは少し悪い結果となりそうで、残念です。こういうのって、手術後にどっと疲れます・・・。

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