今日は石岡市医師会の臨床懇話会に参加しました。
眼科は非常に専門性が高く、なかなか体の病気の事には疎くなってしまうのですが、内科の先生などの話が聞けて良かったです。
緩和医療(癌の終末期医療)のお話などもあったのですが、医師としては、恥ずかしながら、生きる・死ぬには遠い分野にありますので、いい経験になりました。
他にも、血液をサラサラにする薬を飲んでいる人が、歯科で抜歯をする場合や眼科の手術のときに内服を中断するかなど、地域の先生方と意見の交流ができて良かったです。
最近は眼科の手術では、ほとんど出血による合併がないため、当院では今のところ、全ての症例で内服薬を飲んだまま手術をさせて頂いています。
もちろん、多少の出血のリスクはあるのかもしれませんが、その場合は再手術の時に止めるかどうかを判断すればいいと思っているからです。内服薬の中断は脳梗塞や、心筋梗塞など命にかかわるリスクがあり、個人的にはそちらの方が重大だと思いますので。
そうは言っても、今のところ、出血による合併症などが全く起こっていないので、そう思ってもいられるのですが、もし出血によって、とても困ったことが起こったら後悔することもあるのかもしれません。難しい問題ですよね。
でも、どちらかのリスクは選ばないといけませんので、やはり命のほうが大事だなと。
網膜硝子体手術(もうまくしょうしたいしゅじゅつ)
今日の会では、網膜硝子体手術についてお話をしました。
網膜硝子体手術は、目の奥の方の、カメラでいうとフィルムの役割をもつ、網膜の病気を対象とする手術です。
以下のような、いろいろな病気が該当します。
・糖尿病網膜症 ・網膜静脈閉塞症 ・硝子体出血(眼底出血)
・黄斑前膜 ・黄斑円孔 ・黄斑変性症の重症例
・網膜剥離 ・黄斑浮腫 ・硝子体混濁
基本的には目の奥の方で、出血したり、カサブタが出来たり、網膜に異常が発生した場合に、内部に器械を入れて行う治療を行う手術です。
出血やカサブタを取り除いたり、網膜の異常を整復したりします。
ほんの数年前までは、手術の時間が1時間?2時間くらい、入院も1週間?2週間というのが一般的でしたが、最近は器械や技術の進歩がとても速く、特にこの1?2年間で大幅に時代が変わってきています。
この1年間で当院で約150件、非常勤でも3施設様でお手伝いをさせて頂き、合計で200件程度の網膜硝子体手術を行っていますが、1週間以上入院した患者様は5名程度、2週間以上入院した患者様は全くおりませんでした。ほとんどの患者様が3日間程度で退院され、また日帰りでの手術も増えています。
手術も1時間以上かかることは非常に稀で、多くが30分程度に短縮されました。
医学の進歩は速いものです。5年前の僕に伝えたら、きっとびっくりするだろうな[:びっくり:]
手術が簡単で早くなった理由の一つに、目の中に入れる器具が細く、小さくなったというのがあります。
数年前までは20Gと呼ばれる、直径0.9mmの太さの器械を目の中に入れる必要があり、傷口が大きく、手術の終わりにキズを縫う必要がありました。
これは20Gの手術になります。
最近は、25Gと呼ばれる、直径0.5mmの細い器械で手術が可能です。傷口が小さいので、最後は器械を抜くだけで終わり、キズを縫ったりする必要もありません。
これは先日行った、黄斑円孔という病気の患者様です。3つの傷口がありますが、上の20Gと比べると細い器械が目の中に入っています。
これは25Gの手術終了時、最後の1つのキズの器械を抜くところです。全く出血がなく、見た目が非常にキレイです。特に女性には嬉しいことだと思います。キズを縫わないため、手術後のゴロゴロ感、痛みなども少ないと思います。
当院では、極一部の重症例で20Gを使用することもありますが、ほとんどの症例を25Gで行っております。また、目の状態にもよりますが、ご希望の患者様
では日帰りの硝子体手術も行っていますので、是非お問い合わせください。
白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市 茨城町)