成熟白内障

今日は以下の手術を行いました。
・眼瞼下垂症手術 1件
・白内障手術 6件
・緑内障手術 2件
みなさん無事に終わりました。

が、最後の1名の白内障がとっても手こずりました・・・。

成熟白内障(せいじゅくはくないしょう)
白内障の濁りが極端に強い場合は、専門的には成熟白内障などと呼ばれます。簡単にいうと末期です。
当院ではなぜだか、毎週毎週、成熟白内障の手術があるのですが、先日記載した通り、
8月1日 ブログ「白内障の程度」
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4923

あまりに進んだ白内障は、ちょっぴり手術が大変になります。

今日の最後の方ですが、手術前の視力は手動弁といって、0.01未満です。

通常の症例では使用しないのですが、このような強い白内障の場合は、
手術時に特殊な青い色素で、水晶体嚢と呼ばれる濁りを包む袋状の組織を、青色に染めて手術をやりやすくする必要があります。

左が染色前、右が青い色素を入れているところです。
(一般的な手術画像よりも、かなり暗い状態で手術をしていますので、写真が暗くて、良く分かりにくいかもしれません。)

その後、超音波という振動を利用して、濁りを砕きながら吸い出します。
成熟白内障では、濁りが硬いので、砕くのにも時間がかかります。
(当院ではプレチョップ法や、傷口の大きさや機械の細さなどは、乱視など個々の症例によって使い分けていますので、みなさん同じ方法ではありません。この写真はこの患者様のための手術法です。)

この方は全体で10分以上かかり、午後の外来に遅れないかヒヤヒヤしました。
ただし、今日は手術にかかった時間と言うよりも、とにかく目が動いてしまって、手術を始めること自体に手こずりました。
手術では、眩しさから目がキョロキョロしてしまう人が多いのですが、
当院では、まぶしさを軽減するために、とても少ない光で手術を行っています。
(専門的にはLumeraT:S88で、光量0.5の最小値、フィルターを利用して中心外は光量なし)
ですので、強いまぶしさをうったる人は皆無で、僕が「青い光を見ましょう」というと、基本的に全員がキチンとまっすぐ前を見ることができます。

今回は、視力があまりに悪いために、青い光を見ることができずに、さらに緊張してしまって、目がキョロキョロ動いてしまったようです。

手術は無事に終わり、入院の患者様なのですが、先ほど診察したところ、「もう両眼ともに手術前より、よっぽど見える!」とのことで、安心しました。手術前がほとんど見えない分、手術後の見え方の満足度が大きいのは成熟白内障の良いところ??(僕たちも喜んで頂けると嬉しいので。)でも、手術が大変なのは嫌なところです。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

風々亭

午前中に入院患者様の診察をしましたが、急性網膜壊死の方も眼内炎の方も経過が良好のようで安心しました。週明けに退院です。

午後は家族で大洗に海水浴に行ってきました[:船:]
原発の影響か、例年と違って、まだまだ人が少ないようです・・・。
駐車場もすいていて、シャワーや食事で待つこともないし、遊ぶのには「やった!」という感じもしますが、観光業の方は大変だろうなと。

子供は嬉しくて大はしゃぎです。こういうのをみると行ってよかったなぁと思います[:水泳:]
放射線量も基準値以下ですし、はやく茨城県に人が戻ってくるといいな。

夜も茨城産を!と、病院の近くの焼肉屋さんへ。(食べたいだけですが・・・)
風々亭(ふうふうてい)さん

常陸牛のとっても良質なお肉が出てきます。
初めて食べに行ったときはビックリしました!

最近忙しくて、あまり焼肉とかにはいけなかったのですが、好物の生肉(ユッケとかレバ刺し)を頼んだら、「今は扱ってない」とのこと。
そういえば、そんなニュースで騒がれた時があったなと。世間に疎くなっている気がします。
セシウム問題もあるからでしょうか?やっぱり、いつもよりもすいています。
海水浴場もですが、焼肉屋さんも心配です。早く落ち着くといいんだけど。

献血

今日は、山王台病院前に日本赤十字社の献血バスが来ました。

お昼休みが30分ちょっと取れたので、間に合うかと思って400ccの献血を、お願いしてみたのですが、思ったより血液が出るのが遅くて、午後の外来に遅れてしまいました・・・・。すみません。
運動不足かな?加齢かな?昔はもう少し、血の出るのが良かったきがするけど[:冷や汗:]

昨日、遠方の眼科様から眼内炎という病気の患者様をご紹介頂きました。
眼内炎は目の中にバイキン(多くは細菌)が入ってしまって、膿んでしまう病気です。菌の強さ(毒性)によるのですが、ヒドイものだと1?2日で失明してしまう事もあります。
昨日の患者様も、一昨日は視力が1.2まであったのに、昨日の朝には0.2まで低下、夕方に当院に来た時には0.05と、とても強い菌のようでした。
以前の手術から、かなり長い時間がたっており、傷口から菌が入ると言っても、よほど強くこすったりしないと考えにくいのですが。
ご本人は、あまり覚えていないとのことでしたが、先ほど診察にいくと、まだ手術の翌日なのに、まぶたを触っており・・・。駄目ですよ[:びっくり:]
今のところ、経過は良好で安心していますが。
受付後、1時間くらいで、手術に入れました。緊急の手術を時間のロスがなく出来るのはとっても助かります。スタッフに感謝です[:拍手:]

最近、ブログをみたとのことで、質問などのお電話やメールを頂くことが増えました。Q&Aとして、新しく質問をご記入頂けるようにしてみたので、なにかご質問があれば、どうぞ。出来る限りお応えしようと思います。
左のQ&Aという部分からお願いします。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 鉾田市)

瞳孔偏位

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 7件
・結膜腫瘍切除 1件
・瞳孔形成術 1件
・網膜硝子体手術 4件
 (黄斑前膜2件、黄斑円孔1件、急性網膜壊死1件)

最後の急性網膜壊死は非常に稀な病気で重症です。久しぶりにみました。
桐沢型ぶどう膜炎などとも呼ばれますが、ヘルペスウィルスなどによる感染症です。大変な手術で疲れました。

瞳孔形成術は、以前に他院にて白内障手術をされた患者様ですが、

写真のように、黒目の中心(瞳孔)が上のほうにずれてしまい、視力が出にくくなっています。黒目の中心部を作成する手術を行いました。

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結膜炎? はやり目;流行性角結膜炎

今日は小美玉で手術です。
・白内障手術 6件
・眼瞼下垂症手術 2件
・眼瞼内反症手術(さかさまつ毛)1件
無事に終わっています。

結膜炎?(けつまくえん)
今日は、ウィルスによる感染症のケースを。
ウィルス性結膜炎
原因のウィルスの種類によって、若干呼び方が異なるのですが、
アデノウィルス8,19,37型など⇒流行性角結膜炎(はやり目)
アデノウィルス3,4型など⇒咽頭結膜熟(プール熱)
エンテロウィルス⇒急性出血性結膜炎

のどにウィルスがついて繁殖する場合を、風邪(カゼ)といいます。
白目の上の粘膜(結膜)にウィルスがついて、繁殖した場合がウィルス性結膜炎になります。

症状
異物感・痛み・なみだがでる・メヤニがでる・かすみ目・まぶたが腫れる・目が赤い(充血)などの症状がでます。
ウィルスの強さによって、ちょっとしたメヤニで済んでしまう場合や、ひどい症状で目を開けることができなくなる人もいます。同じウィルスでも、体調などの免疫力・抵抗力によって、個々の患者さんによって症状に強弱が出ることもあります。

診断
?問診:家族や周囲、職場や学校などで結膜炎が流行っているか?
?診察:結膜の性状を調べます。(専門的ですが、まぶたの裏側の結膜に濾胞というふくらみができたり、偽膜といってひどい反応がでる事があります)
?診断キット:抗原抗体反応といって、ウィルスがいると正確に反応する検査器具もあります。粘膜をこする必要があったり(痛い)、院内感染の問題があったりで、??から診断が明らかな場合には省略されることもあります。

治療
多くの場合は、風邪と一緒で、体の免疫力がウィルスをやっつけ、自然に治ります。数日?長くても2週間程度で治ることが一般的です。
ウィルスに対する特効薬は、インフルエンザウィルスや、ヘルペスウィルスなどの特殊なウィルスを除いて、まだありません。昔と違って、ただの風邪の時には薬を出さない先生が増えたと思いますが、出さないというよりは、効くお薬がないのです。
はやり目もウィルスを駆除するような特効薬はなく、基本的には自然に治ります。ただし、炎症による症状をできるだけ和らげたり、後遺症の発生を予防するために、ステロイド剤という炎症を和らげる薬を使う事が一般的です。
ウィルスによる風邪をこじらせると、細菌を原因とした肺炎を起こすことがあるように、ウィルス結膜炎などの目が弱っている時には、細菌が繁殖しやすいために、予防の目的で最近に対する抗生物質を処方することは多々あります。(点眼薬の抗生物質は短期の使用であれば、副作用が少ないために、予防として処方する先生が大多数のようです。)

伝染病
実は、はやり目(流行性角結膜炎)になると、学校をお休みしなければいけません。ウィルスは主に手指を介した接触感染で起こります。
もしも、はやり目になったら、法律で登校が禁止されているのです。

うつりやすいウィルスですので、うつらないこと、そして人にうつさないことが重要です。
・結膜炎の人は目を触ったら、すぐによく洗う。
・周囲に結膜炎の人がいたら、手を良く洗い、むやみに目をこすらない。
・プールではゴーグルを使用する。(プールでうつるものがあります)
・洗顔のタオルを家族で共用しない
・メヤニや涙、点眼薬はハンカチではなく、ティッシュペーパーにとってすぐに捨てる

実は、正直な話、眼科としては、はやり目は天敵になります。
院内感染といって、受診した患者さん同士でうつりあってしまうと困るからです。
結膜炎で受診して、厄介者扱いを受けたことがある人もいるのではないでしょうか??でも、眼科にも評判があって、「あの眼科にいったら、結膜炎になった。」などの噂がでると困ってしまうのです。しかも前述の通り、基本的には自然に治るような病気なので、できれば来てほしくない。なんて考える医師もいます。
当院では、はやり目が疑われる患者様は、来院後すぐに別の待合室で待機して頂き、出来るだけ早く診察をします。会計や処方なども個別で行うようにして、院内感染のができるだけ起こらないように努めているのですが、お子さんの患者様で走り回って、壁をベタベタ触ってしまうときには、頭が痛くなります・・・。

他の科に比べて、眼科には雑誌や絵本、おもちゃなど、患者様が共有する暇つぶしの物品が少ないと思います。その理由の一つに、はやり目による院内感染が怖いというのがあるのです。

今日いらした24歳女性の症例です。

強い充血を認めます。写真の右側は、はやり目に特徴的な後遺症で、黒目(角膜)が濁っている写真です。もう少し分かりやすい、ヒドイ症例の写真を出したいのですが、ヒドイ症例は第一診察室には入らないようにしていただいたり、写真をとるなどの、余分な時間を少しでも省いて診療を行い、院内感染を予防する必要があり、なかなか難しいのです。

20年くらい前までは眼科というと、「赤目外来」などとって、結膜炎などを主体でみることが、仕事の重要な位置を占めていたようです。最近は眼科の主な仕事を、視力や失明などの見える・見えないという分野だと考える医師が多くなりました。どちらも眼科の大事な仕事ですが、僕もどちらかと言うと、見える・見えないに主体に考える事が多くなっているかと。もう少し、バランスの良い医師を目指そう。

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白内障の程度

今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 6件
・眼瞼腫瘍切除術 1件
みなさん無事に終わっています。

白内障(はくないしょう)
白内障手術の手術の時期に関しては、3月28日のブログをご参照ください。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4923
基本的には、「ご希望があれば手術をしましょう。」という方針です。

ただし、一般的には手術は早目、例えば視力が0.7とかで、運転免許証の更新のために受ける。といった方が手術が簡単です。
最近はほとんどの患者様の手術が数分で出来る時代になりました。
でも、全員が出来るわけではありません。

今日、実際に、当院で手術を申し込んだ患者様の写真です。


こちらの2名は、矯正視力が0.5程度の患者様です。瞳のなかが濁っていますが、水晶体が白から緑がかって濁っています。このような症例では、ほとんどが4分とかで手術が可能です。


こちらは、散瞳をしていない(瞳を開いていない)ので、分かりにくいですが、瞳孔の中心部がかなり白く濁っています。視力は手動弁といって、影の動きが分かるか分からないかです。このような症例は、手術を安全に行うために、水晶体に色を付けるような作業が追加されるため、一般的な症例よりは2分くらいは手術が長くなります。


この方も、0.01程度の視力ですが、水晶体(白内障)がやや茶色みがっており、濁りがとても硬くなっています。硬い濁りを、小さく砕いて手術をする作業に時間がかかり、手術は10分弱かかります。


こちらの方も手動弁とほとんど見えません。しかも反対目も白内障と緑内障で0.1程度・・・。右側の写真は同じ目を少し撮影方法を変えて写真を撮っています。濁りが茶色でとても硬そうです。やはり10分弱かかります。

手術が長くなると、手術後の炎症が強くなったり、手術自体が少し痛みがあったりすることが多くなります。
また、濁りが強くて、視力の悪い症例は、手術前の検査が上手にできなくなったりして、目の中に入れるレンズの度数合わせが難しくなります。(例えば、裸眼で運転免許を目指すなどの良好な視力を目指すのが困難に)

手術はいつでもいい。何歳でもお引き受けします。とは言っているのですが、あまりに遅くなると、手術をする方も、される方も、お互いに大変かもしれません。
両眼ともに0.1以下になって、はじめて「見えにくい。」と来院される方が、ほぼ毎日きます。できれば、高齢の患者様の御家族のかたは、2?3m離れたカレンダーが見えるかどうかチェックしてみて、文字がはっきり読めないようなら一度受診を勧めて頂ければと思います。
なんの病気も早いうちに治した方が楽な場合もありますよね。

やっぱり石岡市は重症例が多い[:冷や汗:]

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