コンステレーション ビジョンシステム

今日はとってもうれしい話を。
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世界最高の次世代最新
網膜硝子体・超音波白内障手術装置
当院に茨城県内初デビューが決定

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(東京を始め日本中では、主に大学病院などで既に100施設で使用されています。茨城県内では初になります。)

糖尿病網膜症、網膜剥離、黄斑円孔、黄斑前膜、眼底出血など、眼球の奥の方に病気に対して行う手術を、網膜硝子体手術と呼びます。
当院の網膜硝子体手術は、これまでも市販化されている手術機器の中では、国内最小のキズ口(25G)、2500回転という高速性能で治療が可能な、アルコン社のアキュラスという器械の最新バージョンを使用しておりました。
実は、このアルコン社より今年の6月に、これまでとは次元の違う、次世代マシーンが発売されました!そのマシーンの名前が、
コンステレーション ビジョンシステム
実は数回、デモで当院の手術に利用してみていたのですが、今回正式に導入が決定しました。年内にも稼働します。

コンステレーションは、アキュラスよりもさらに安全に効率よく手術を行うことができるマシーンで、より高度な網膜硝子体手術・白内障手術を行うことが可能になります。
現在も、患者様の負担を出来るだけ少なくするため、かなりの短時間手術を行っていると思いますが、コンステレーションの利用によって、より早く、より安全に、より良好な成績で。手術ができるようになることは間違いありません!

難症例の患者様の成績向上、手術のリスクの軽減に、最も期待していますが、手術の効率が上がり、1日に手術可能な件数が増えて、2?3ヶ月から、どうにも減らない手術の待ち時間が短くなることも期待しています。

最先端、最高レベルの手術機器や検査機器を駆使して、大学病院に匹敵する眼科医療を提供したい!という当院の理念に、また一歩近づけました。

この器械、実は歴代の眼科の手術装置の中で、圧倒的に高価です。他の機種に比べ、目玉が飛び出るほどの価格です[:びっくり:]
幕内先生が常々、週に1回の朝礼で、「東京の人間だけが最高レベルの医療を受ける権利があるわけではない!茨城だって石岡だって、日本で最高レベルの医療を受ける権利がある!患者のためになる器械は、どんなに高くても導入する!」と、熱弁をふるうのですが、それにのっかって、おねだりしてみたところ、成功しました!
コンステレーションは、眼科で、まさに導入すべき最高の器械です。
購入を認めて頂き、本当にうれしく思います。

医師として、最高の器械を用意してもらえること、最高の器械で治療に臨めることは、とても幸せなことです。
器械に負けないよう、そして、地域の皆様の目の健康のために、
僕自身もこれまで以上に研鑽して行きたいと思います[:!:]

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

緑内障? ベースライン眼圧と目標値眼圧

今日の手術は、
・白内障手術 12件
・翼状変手術 1件
・網膜硝子体手術(茎離断) 3件
 内訳:増殖糖尿病網膜症(中症)1件、糖尿病黄斑症1件、黄斑前膜1件
まずまずの件数ですが、終わってみれば3時間半くらい。定時で終わりです。
スタッフのみんなが頑張って準備や、患者様の入退室をしてくれるので、本当に早い。器械の設定なども完ぺきで、僕は手術だけしてればいいので、とても楽です[:楽しい:]

緑内障?
ベースライン眼圧と目標値眼圧

緑内障の治療は、眼圧を下げることで、進行を遅らせることであることを昨日記載しました。
では、眼圧を下げる場合には、いくつくらいの眼圧にすればいいのでしょう?
以前のブログ(⇒2011.11.12 Saturday)で、書いたのですが、眼圧には正式な意味で正常値と言うものがなく、自分の眼圧に自分の視神経が耐えられない場合に、発症・悪化する病気です。なので、血圧のように、180だと駄目で120ならOKと言うわけにはいきません。

もしも、眼圧が20mmHgで緑内障(正常眼圧緑内障)が発症、診断された場合には、治療によって、まずは20%下げて16mmHgにしようとか、または30%下げて12mmHgにしようとか、治療の目標を決定します。この場合の、無治療での病気の発症の元になった眼圧(この場合20)をベースライン眼圧、下げる目標とする眼圧(この場合16や14)を目標眼圧と呼びます。

緑内障では眼圧は下げれば下げるほど病気が進行しにくくなります。ですので、この例でいうと、眼圧が10になった方が病気としては、管理がよいともいえます。ではなぜ、初めから10を目標にしないのか?と言うと、単に大変だからです。
眼圧を大きく下げようとすれば、その分、強い治療が必要で、1日に何度も・何種類も目薬をつけなくてはなりません。すると、目薬をつける時間も手間も、お金も副作用も余分にかかってしまいます。
例えば、正常眼圧緑内障で多い報告は、ベースライン眼圧から20%眼圧を下げると、約半数の患者様で進行を止められ、30%下げると約80%の患者様で進行が止められるとされています。
ですので、まず初めの目標としては、20%とか、30%の眼圧下降を目標として治療を行い、それでも緑内障が進行してしまった場合には、より強い治療に変更し、次の目標眼圧は40%、50%の眼圧下降にしようと、進めていくようにします。

ここで、注意が必要なのは、眼圧測定には誤差がある
ということです。
眼圧の測り方は以前のブログ(⇒2011.11.08 Tuesday)で記載しました。
器械よる測定誤差というのもありますが、患者様自身の測定誤差もとても大きい場合があります。
例えば、血圧だって、緊張したりするだけで変動しますよね?冬に高い人や、夜のみ高い人もいます。眼圧も同様で、測定時の風が嫌いな人では、測定時に力が入ってしまって眼圧が高く出てしまう事がよくあります。そして、やはり測定する時間によっても異なりますし、季節や体調でも変動があります。

緑内障学会でも正式に推奨されていますが、
特に正常眼圧緑内障では、ベースライン眼圧を決定するためには、別の日の同じ時刻に、最低3回の眼圧測定を行い、その平均値をベースライン眼圧として、その結果から目標眼圧を決定するように!となっています。
一見、面倒で時間がかかるように思えますが、緑内障は10年、20年、基本的に一生涯付きあっていく病気です。最初の1?2ヶ月を急いで治療に入るよりも、しっかりとした目標をもって治療に臨む事が重要です。
こうした手順を誤って、例えば、本当の眼圧は12mmHgである人が、初めての眼科で、緊張して測った眼圧が16mmHgであったとして、緑内障だからと、すぐに点眼薬を使用。「眼圧が12だから、もとの16より下がって、薬が効いているな」なんて思っていたら、実は薬は全く無効で、5年間意味のない治療をしていた。なんてことが起こりうるのです。

眼圧が40とか50とか、極端に高い場合を除き、初めてかかった眼科で、診察直後に「あなたは緑内障です。今日からすぐに点眼薬を使用します。」なんてことになったら、ちょっと変だな?と。少し考えてみてもいいかもしれません。

当院では、よほど緊急の治療が必要な場合以外では、基本的に、3回の午前中の測定、視野検査は午後に特別枠の予約制ですが、この午後の検査でも眼圧を測定し、測定時間による変動なども検討して、ベースライン眼圧の決定、目標眼圧の測定を行うようにしています。
世の中には、緑内障の初診時には、まず入院して、朝昼夕、寝ている途中でも眼圧を測定して。やっとベースライン眼圧を決定する熱意のある先生もいるようです。(入院して、夜中に検査をするのは、患者様に少なからず負担がありますので、どこまでやればいいかは、一長一短ですが、一つの例として。)

注)
眼圧が40とか50とか、あまりに高い場合には、初診時にすぐに治療を始める場合もあります。20台の眼圧でも視神経が弱っていて、既に緑内障が進行期で、早めの治療が望ましい場合にも初日に点眼薬を始めることもあります。逆に、若い患者様で視神経が丈夫で、まだ障害を認めない場合には、眼圧が30以上でも少し様子をみることもあります。何回目の診察でベースライン眼圧を決定するのかや、治療を始めるかは、個々の患者様の状態や、医師の考えかたでも異なりますので、担当の先生とよく相談するようにしてください。
ただし、一般的には眼圧が10台とかの正常眼圧緑内障で、1回の眼圧測定で、すぐに治療をしましょう。と、いうのは信頼性の観点から、行うべきではないと思います。

緑内障? 治療の目的は維持:眼圧を下げる

今日の午後は小美玉で手術を。
夕方?夜は移動して、知り合いの開業医さんで手術のお手伝いに。
開業医さんですが、なんと午後だけで15名も手術があり、硝子体手術もあって。茨城の眼科医は忙しい人が多いようです[:びっくり:]

さて、今日は少し時間があるので、緑内障の続きを。
(とはいっても、23時ですが・・・。)
緑内障? 
治療は維持:眼圧を下げる

緑内障とは、眼圧に関連して視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。
残念ながら、今の医学では、緑内障で一度欠けた視野は一生涯戻りません。
よく、「緑内障って治らないんでしょ?」と患者様に質問を受けますが、まさにその通りです。
緑内障の治療で、現在の医学で明確に分かっていることは、眼圧を下げることで進行を抑えることができる。ということだけです。
(他には、目の奥の血流を改善させる方法や、人工の網膜など、様々な研究が行われてはいますが、まだまだ、きちんとした治療とは言えないレベルです。)

眼球の中を流れて、眼球と言うボールを膨らませている房水の圧力(眼圧)によって、視神経が押しつぶされてしまう病気なので、その圧力(眼圧)を減らして、それ以上、視神経が押しつぶされないようにしよう。というのが治療法になります。
決して、押しつぶされて、死んでしまった神経をよみがえらせたり、失明したり、視野が欠けてしまったことをもとに戻すことはできません。

治療の目標は
・生きている間に失明させないこと
・視機能を出来るだけ温存し、生活に不自由がでないようにすること

になります。

実際に眼圧を下げる方法には、
?点眼薬
?レーザー治療
?手術
などがありますが、今後ゆっくりと書いて行きたいと思います。

白内障で手術をすると、だいたい皆さんに喜ばれます。
結膜炎で、点眼薬を処方し、メヤニが止まっても喜ばれます。
では緑内障はどうか?というと、
ほとんどの場合、緑内障の治療を行っても全く喜んで頂けません
緑内障の治療は、上記の、どの治療法を選んでも、ある程度はツライ・面倒なもので、しかもお金もかかります。
例えば、ほとんどの緑内障の目薬は、他のドライアイなどの目薬に比べて高額です。また、目薬には多かれ少なかれ副作用があります(しみる、充血、まぶたのくろずみ、メヤニ、ドライアイの悪化、全身的な負担など)。
お金を払って、しみる目薬をつけて、充血して。なのに、目が良くなるわけでもなく、現状維持が精一杯。みなさんが治療が嫌になってしまう気持ちも分かります。
それでも、失明は避けなくてはいけません。眼科医としては、喜んで頂けないのは仕方ありませんが、維持するために治療を受けて頂く以外ないのです。

もっともっと医療が進んで、緑内障が本当に治ってしまう日が来るといいのですが。

忘年会

今日は、以下の手術を行いました。
・白内障手術 7件
・眼内レンズ縫着術 1件
・網膜硝子体手術(茎離断)2件
(網膜剥離1件、外傷後の硝子体混濁1件)

1人は、かなり古い外傷で、目の中が濁っていたり、水晶体というレンズがなかったり、瞳孔がひきつれていたり。
できる限り通常の眼球に近づくように頑張ってみました!
外傷の手術は、やりがいがあって面白いです[:ひらめき:]
結構上手く出来たのですが、10年以上も「もう治らないと言われ、諦めていた」とのことで、明日は喜んで頂けるのではないかと、僕も楽しみです。

今日は、昼間の手術が長引いてしまい、午後の外来が少し遅れてしまいました。
お待たせしてしまった患者様には、大変申し訳ありませんでした。

昨日は医師の誕生日パーティーに呼んで頂き、だいぶ飲んだので記憶があいまいなのですが[:ビール:]、
今日も、後輩の眼科医とちょっとした忘年会です。
その後も、12月は忘年会続きで、ブログが進みにくいと思いますが、
時間のあるときに、書いて行きたいなと。

緑内障? 視野:ハンフリーvsゴールドマン

東京国際フォーラムまで高速で1時間ちょっとなので、車で往復していますが、今日は寒くて雨で、交通事故渋滞が多発。行きも帰りも2時間以上かかりました。追突玉突き事後も目撃しましたが、大変そうでした。僕も気をつけなくては。

さて、今日は二つの視野検査の比較です。
静的視野(ハンフリー)vs 動的視野(ゴールドマン)
どちらも、まっすぐ前の一点を動かずに凝視して、周囲に光が見えたらボタンを押す検査で、視野(物の見える範囲)を測定するのですが、測定方法や得意不得意など、少し違いがあります。

指標
・静的視野は、光の指標が動かずに、一点でピッと光ります。
・動的視野検査は、見えない部分から光を見える部分に動かしていく検査です。

何を測定?
・静的視野(ハンフリー)は、主に中心30度の視野を、詳細・微細に測定することができ、中心に近い視野の変化をかなり初期の段階から指摘する事が出来ます。
・動的視野(ゴールドマン)は、より広い範囲で、視野全体がどんな形をしているか、そして暗点が存在するかどうかを調べることができます。

器械vs人間が測定
・静的視野(ハンフリー)は、基本的にコンピューター制御で、測定器がほぼ全自動で効率よく測定します。一般に測定時間が短く、器械が勝手に測定するため、検査員の技量で検査結果に大きな差がでにくい。というメリットがあります。医院によっては看護師さんや、助手さんが測定することもあるようです。(実際には、先日説明したキャッチトライアルなどを、どう対応するかで差が出来ますが。)
測定時間は上手に検査ができる人では、片眼10分かからないくらいです。(器械のスピードを落としたり、やり直す場合は長くなります。)
患者さんとしては、検査が一定のスピードで、ピッ・ピッ・ピッと、自動で進んでいってしまうので、理解力や体力などに不自由がある方(子供や高齢者など)が検査を受けると、上手にボタンを押せなくて、誤差だらけになってしまいます。視力の悪い患者様も、中心の光を見続けるなどが難しかったりで、検査が上手くいきません。
・動的視野(ゴールドマン)は、検査員(人間)が視標を出し、検査員(人間)が検査結果を記録します。静的視野の正確さが器械の能力に左右されるのと違って、動的視野では、測定する検査員の技量によって正確さが大きく左右されます。ですので、多くの施設で、国家資格のあるORT(視能訓練士)が検査を担当します。僕は当院のクリニックのORTを信頼していますが、かなり正確に結果が取れていると思います!
検査の時間は病態や、年齢などにより大きく異なります。視野や視力が正常で、若い患者様では片眼10分弱で終わってしまうかもしれませんが、高齢の方で、見えない場所がポツポツと点在するような、複雑な視野の患者様では片眼で30分以上かけて、じっくりと見えない場所を探していくこともあります。
高齢者や視力が悪いなどで、静的視野では上手く検査ができない患者様でも、動的視野はORTが、様子をみながらゆっくりと検査をしたり、休憩しながらも出来るのが大きな利点です。
(近年、コンピューター制御の動的視野計も発売されるようになりましたが、技術をしっかりもったORTによる検査と比べると、正確さと言う意味では、天と地ほどの差があります。)

緑内障:初期or進行期
ここまでの話は、分かりましたでしょうか?分かりやすく書きたいと思いつつ、なかなか表現って難しい・・・。
緑内障の患者様に限って、まとめるてみますと、
?初期?中期で、微細な病変を調べる場合
 ⇒静的視野(ハンフリー)
?静的検査が難しくなってくる緑内障の進行期、高齢者など
 ⇒動的視野(ゴールドマン)

と考えて頂ければOKです。
なので、高齢で検査が苦手という方を除き、若い患者様で、動的視野(ゴールドマン)の検査をして、結果のコピーを渡されている患者様は、申し訳ありませんが、少し重症なのだと思って、診療にお付き合い頂ければと思います。(1?2ヶ月に1回の検査を行います。)

最後に
費用
・静的視野は片眼3000円・両眼6000円(1割負担で600円)
・動的視野は片眼1950円・両眼3900円(1割負担で390円)

検査員の労力が少なめて、時間も早くて、器械が自動で行う静的視野の方が費用は高くて、
人間が時間をかけて測定し、ORTの専門的な技術を必要とする動的視野の方が検査が安いのです。
多くの眼科医、ORTが納得がいかない部分ですが、医療ってよく分かりませんね。
検査に使う器械が高価か、どうかで医療費が決まっているようです。静的視野はコンピュータ制御で、器械自体は確かに高いのですが。「重症例の患者さんを正確に評価するため」に必要な動的視野よりも、静的視野が高いのはどうなのだろう?

網膜硝子体学会

今日の夕方から、網膜硝子体学会に参加になります。
網膜・硝子体手術を一番の専門に考えており、最新の話題は出来る限り把握していきたいと。
ただ、来てみると、今年の学会はあまり元気がないようです。いつもより人もまばらな感じが。これと言って、目新しい発表や、ビックリするような話題や、新しい器械も見当たりませんでした・・・[:悲しい:]
次世代型と呼ばれる新しい硝子体手術の器械は、ちょっと興味あります[:見る:]
茨城県内にはまだ使用している施設がないようです。欲しいなぁ・・・[:ときめき:]

会場の「東京国際フォーラム」まで、高速で1時間ちょっと。
3日間。宿泊か通勤か、迷うところですが、車で通う事にします。