今日は小美玉市医療センターで井上先生と手術です。
・白内障 8件
・眼瞼下垂 3件
夜は県内の病院様で硝子体手術のお手伝いに参加しました。
眼瞼下垂は炭酸ガスレーザーでの手術(ミュラー筋タッキング)が当たりまえになってきました。もう普通のメスを使った術式は考えられません。炭酸ガスレーザーに関してはおいおい記載していきたいと。
ホームページも更新しないと。とは思っていますが、なかなか進まない・・・。
病気のブログを書きたいところですが、まだちょっと風邪っぽいので、今日はこれで失礼します。
山王台病院附属眼科・内科クリニック院長 栗原勇大の眼科ブログ
年間手術数4000件以上の医師が、眼科のこと、わかりやすく解説します。
今日は小美玉市医療センターで井上先生と手術です。
・白内障 8件
・眼瞼下垂 3件
夜は県内の病院様で硝子体手術のお手伝いに参加しました。
眼瞼下垂は炭酸ガスレーザーでの手術(ミュラー筋タッキング)が当たりまえになってきました。もう普通のメスを使った術式は考えられません。炭酸ガスレーザーに関してはおいおい記載していきたいと。
ホームページも更新しないと。とは思っていますが、なかなか進まない・・・。
病気のブログを書きたいところですが、まだちょっと風邪っぽいので、今日はこれで失礼します。
今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 7件
・緑内障手術(流出路再建)2件
・眼内レンズ整復 1件(他院にて20年前に手術後)
最後の人が難しかった・・・。外来も少し遅れてしまいました。
ぶどう膜炎?
治療 その1 ステロイド
ぶどう膜炎は、体に存在する免疫反応によって、ぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)に炎症が起こる病気だと書きました。
ぶどう膜炎の治療は、「熱があるから解熱剤を飲もう。」というのと似ていて、「ぶどう膜に炎症があるから、炎症を抑えよう。」というものになります。多くのぶどう膜炎の治療には、ステロイド薬という炎症を抑える薬を使います。
ステロイド薬
ステロイドは、腎臓の上にある副腎という場所で作られる、もともと体にあるホルモンです。体にかかるストレスや負担、炎症などを抑える働きがあります。非常に強く、炎症を抑える効果があり、ぶどう膜炎だけではなく、解熱、鎮痛、喘息、膠原病、アトピー、湿疹などなど、とにかく全身の病気に使用され、大活躍です。
もともと自分の体のなかで作られるステロイドですが、ぶどう膜炎や膠原病などで、通常の状態よりも、病的に白血球の働きが強くなってしまったり、炎症が強くなった場合には、自分で産生する量では炎症を止める事ができません。そのような炎症がコントロールできない場合に、薬としてステロイド剤を使用することで、炎症を止めよう。というものです。
強力に炎症を止めてくれるため、様々な病気に使用されますが、その分、副作用もたくさんあります。
ステロイド剤の主な副作用
?感染(バイ菌)に弱くなります。
もともと免疫や炎症は、外敵か体を守るための反応です。病気を抑えるためとはいえ、ステロイドで炎症や免疫力を抑えれば、バイ菌にかかりやすくなります。点滴や大量に内服した場合には、肺炎などに気をつけなくてはいけません。
?緑内障・白内障
眼科的には房水の出口に作用するなどして、眼圧が上がり、緑内障を引き起こしてしまう場合があります。緑内障を起こしやすい家系や体質がありますが、ステロイド薬の使用中は、定期的に眼圧を測る必要があります。長い期間使用した場合には白内障の進行につながることもあります。
?体への副作用
点眼薬のみでは起こりませんが、内服や点滴でステロイドを使用した場合には、糖尿病、胃潰瘍、骨粗しょう症、高血圧、高脂血症、体重増加、筋力低下、精神症状など、様々な副作用が起こりえます。
ぶどう膜炎でのステロイド剤
眼科で主に使用するステロイド剤の使用方法には、主に4つあります。
?点眼薬、?注射薬、?内服薬、?大量点滴(ステロイドパルス)
?点眼薬
主に、図の緑矢印の部分(虹彩炎)、目の前の方の部分の炎症を抑えるために使用します。ぶどう膜炎の多くは、虹彩炎を伴っているため、ほとんどの患者様が使用します。フルメトロンという目薬や、より強力なリンデロンという目薬が有名です(ジェネリック医薬品では名前が変わります)。副作用は、上記のとおり、バイ菌への感染に弱くなるリスクがあり、多くの場合で抗生物質の点眼薬を併用します。角膜にキズがつく場合や、また、全ての治療に起こりえますが、緑内障を引き起こすことがあり、使用中は定期検査が必要です。
?注射
注射剤は点眼薬に比べ強力で、デカドロンという注射剤を白目の部分(結膜)に注射をしたり、ケナコルトという注射剤を眼球の後方(テノン嚢下)に注射をしたりします。特に、ケナコルトはかなり強力に、長期(数ヶ月)に炎症を抑える効果があり、近年、治療に使用されることが多くなってきました。当院でも、今まで飲み薬が必要だった症例でも注射薬だけで炎症を抑える事が出来る症例が増えており、たくさんの患者様の治療に役立っています。
点眼薬は虹彩炎(目の前の方の炎症)を抑える事が出来ますが、眼球後方には成分が届かないため、上の図の青矢印(毛様体)、赤矢印(脈絡膜)の炎症まで抑える必要がある場合には、注射薬などが必要になります。
副作用は、やはり感染や、緑内障のリスクになります。
特に注射が上手くできずに、眼球の奥の方ではなく、前の方に薬が漏れてしまうと、急激な眼圧上昇を起こすことがあり、注意が必要です。
(当院では年に数百件の注射を施行していますが、これまで軽度の眼圧上昇にて点眼薬を1剤使う程度の症例はありますが、内服薬や手術等が必要になる眼圧上昇を起こした症例は1例もありません。)
?内服薬
内服薬は血流に乗って全身の臓器にいきわたるため、注射のように眼球全体への効果が期待できます。ただしその分、糖尿病、胃潰瘍、骨粗しょう症、高血圧、高脂血症、体重増加、筋力低下、精神症状など、全身への副作用も起こりえます。プレドニンという少し苦い薬が有名で、眼科では朝に1錠?重症例では8錠程度を内服します。数ヶ月以上の長期間内服する場合には、骨粗しょう症の予防薬や、定期的な血液検査が必須になります。(たまに何ヶ月とか何年も内服しているのに、骨粗しょう症の予防をしていない症例に出会ったりして、ビックリする事があります。)
また、眼科のためとはいえ、ステロイド剤を飲んでしまうと、ぶどう膜炎の原因となる疾患の炎症も抑えられてしまう事が多く、内服薬を開始する場合には、血液検査や全身の検査を済ませて、出来る限り原因疾患の究明を済ませるべきです。(手術後など、あきらかにぶどう膜炎の原因が分かっている場合には、その限りではありません)
?大量点滴(ステロイドパルス療法)
その名の通り、ステロイド剤を大量に点滴で体に注入します。例えば、上記の内服薬プレドニンが1錠5mgだとすると、点滴では1000mg、200錠に匹敵する量を一気に流し込みます。多くの場合、3日間連続で点滴をします。強力に炎症を抑える場合に行う治療法で、眼科では原田病、癌関連ぶどう膜炎、ぶどう膜炎ではないですが視神経炎や甲状腺眼症などで行われます。
血圧変動や心臓などへの負担、感染症、高齢者では神経症状などの副作用が発現するリスクがあり、一般的には入院での治療が望まれます。
今日も最後までお読み頂きありがとうございます。
ちょっと風邪っぽいので、もう寝ます。
明日までに治さないと。お休みなさい。
今日は午後に、アクアワールド大洗水族館に行ってきました!
クリニックから小美玉・石岡スマートICを使って、片道30分ちょっとです。
海はいいなー。夕方までサーファインをしている人もいました!
震災後、観光業には厳しい風評被害が続きましたが、だいぶ人でが戻ってきているようで、安心しました。
アクアワールド大洗水族館
http://www.aquaworld-oarai.com/
詳しくは、公式ホームページを見て頂くのがよいと思いますが、関東最大級の水族館です。生き物の種類もかなり豊富ですが、展示の方法や、施設員の対応、設備の清潔度や、企画など。人を楽しませよう!という工夫・意欲がよく伝わってきて、とてもよい水族館だと思います。
最近は、旭山動物園を筆頭に動物園や水族館の頑張りがすごいですよね!気配り、アイデア、日本人の優れたところだと思います。
僕は「沖縄の海」という名前の水槽が一番好きです。
熱帯魚は色がキレイですよね。
写真は適当にアップしましたが、もう数え切れない種類の海の生き物がいます。
年に2?3回くらい行くのですが、アシカショーやイルカショーは毎回ネタが変わっていて楽しめます。土日に行くとショーは満席で、立ち見になることも。前の方4列くらいに座ると、イルカのジャンプではねた水で洋服がびっしょりになります。(ちょっと濡れる。とかではありません!本当にびっしょりです。)
ちなみに、3回行くなら年間パスポートがお得です。
食事の割引などもあり、2回くらいで元が取れる感じ。
今回の企画物は、サメを手で触れる(サメ肌)、サメ博士になろう!、カピバラの銭湯など、また新しくなっていました。
はく製や、模型の展示、数十種のペンギンの鳴き声が聞けたり、水中カメラでウーパールーパーを観察したり、博物館の一面もあり、小学生くらいには社会科見学にもよさそう。
うちの子は、キッズパークが大好きです。
小学生未満の子供用のネットでできた大きなアスレチックです。
近隣には海産物店も多く食事も美味しいです。
リゾートアウトレットもあるので、大人も1日遊べますよ!
今日もつくば市から網膜剥離の紹介です。
写真は網膜の断裂部(裂孔)ですが、すでに黄斑も剥がれた症例で、1.0への回復は難しいようです。10日以上まえから視野が欠けていたようで・・・。受診が遅い・・・。発見後、早急に紹介してくれた先生には感謝です。11時に来院。お昼休みの12時に手術が可能でした。少しでも良好な回復を望みます。
他には、白内障手術後で手術が必要になった患者様の紹介や、硝子体出血などもあり、ちょこちょこ外来の合間に、3件の緊急手術を行いました。さすがに疲れましたが、無事に終わってなによりです。
ぶどう膜炎?
原因と全身の検査 その2
前回、ぶどう膜炎の原因となる疾患、他の全身の病気の一症状として、ぶどう膜炎を発症することがあることを記載しました。
ですので、ぶどう膜炎の患者さんが来た時には、目の検査だけではなく、体の病気も調べなければなりません。
ちなみに目の検査としては、「ぶどう膜炎??」のブログで書いたような目の中の濁りや白血球の状態を調べる検査や、視力や眼圧、蛍光眼底造影検査と言って目の中の血液の流れを調べる検査などが必要です。
左が正常、右が炎症のある造影検査の写真です。
ぶどう膜炎を引き起こす可能性がある疾患については記載しましたが、
実際には、以下のような検査を必要に応じて行います。
?問診(全て)
?口腔、皮膚、性器の診察(ベーチェット/サルコイドーシス)
?聴力(原田病)
?尿検査(腎関連ぶどう膜炎/糖尿病)
?血液検査(ウィルス/寄生虫/サルコイドーシス/糖尿/膠原病/血液疾患)
?レントゲン、CT(サルコイドーシス・リウマチ・関節炎)
?髄液検査(原田病)
?皮膚の生検やツベルクリン(サルコイドーシス)
?硝子体生検(悪性腫瘍やウィルスなど)
?遺伝子検査(原田病/ベーチェット/脊椎炎)
以上を必要に応じて、検査を行います。
実は、3割程度のぶどう膜炎は原因が不明とされており、上記の全てを行っても原因が分からないこともあるとされています。
とういか、簡単な治療で治ってしまうような軽いぶどう膜炎の場合には、上記の検査を行う必要がない場合もあります。
???くらいは、あまり体に負担がかかりませんが、
?髄液検査は「背骨に針を刺して、髄液を採取する」検査であり、体にも負担が大きく100%安全とは言えません。
?硝子体生検は、眼球内の組織を手術によって取り出すのですが、手術によってぶどう膜炎の炎症を悪化させてしまうリスクや、最悪失明につながるような合併症を起こす場合ないとは言えません。
?遺伝子検査は、現在の医学では保険が適応されず、数万円、数十万円の費用がかかる場合もあります。
それほど重大でなくても、
?レントゲンやCTは少なからず放射線被爆を受けますし、?採血だって、何項目も調べれば保険診療でも1万円の以上のコストがかかってしまう事もあります。
重度のぶどう膜炎で、治療のコントロールができない場合には、多くの検査が必要になりますが、
無駄な検査をできるだけ省いて、体への負担を減らし、医療費を出来るだけ減らし、的確な検査のみを行い、的確な診断をしていくのが僕たちの役目です。
それには、目の所見以外に、みなさんからの詳しい問診がとても重要です。体重は?頭痛は?口内炎は?など、些細な事柄でも、出来る限り協力して頂けると助かります。
個々の病気の病態や、必要な検査については、専門的になり過ぎるので、今回は記載をあきらめようと思います。
昨日は雪のせいで常磐道が通行止めになったり、手術の予定が大幅に遅れるなどして、患者様含め多くの方にご迷惑をおかけしました。すみません。子供の時は雪が楽しみでしたが、仕事の事を考えると雪は困ります・・・。
今日は以下の手術を行いました。
・白内障手術 11件
・網膜硝子体手術(茎離断)3件
(網膜剥離1件、糖尿病黄斑症1件、黄斑前膜1件)
無事に終わりました。
今日も網膜剥離の患者様の紹介がありましたが、
黄斑ギリギリです。明日には黄斑も剥がれていそう。手術ができて良かったです。
ぶどう膜炎?
原因と全身の検査 その1
免疫の異常などが元になってぶどう膜炎を起こす事を書きましたが、なぜ、ぶどう膜炎が起こるのかという事に関しては、実際には今の医学でも分かっていないことだらけです。
ぶどう膜炎の原因と書くと、実際にはちょっとおかしな表現なのですが、ぶどう膜炎は、目だけではなく体の病気に合併して起こったり、全身の病気の一つの症状として起こったりすることが多いのです。
重症例のぶどう膜炎を合併する体の病気としては、
?ベーチェット病
?サルコイドーシス
?原田病
の3つが有名で、三大ぶどう膜炎なんて呼ばれています。
他には、リウマチや関節炎、膠原病を持っている人に起こりやすかったり、腎炎や糖尿病も、ぶどう膜炎をよく引き起こします。血液疾患や悪性腫瘍が元になるものもありますし、生肉を食べた後に寄生虫に感染したり、ヘルペスやエイズなどのウイルス感染に合併することもあります。抗がん剤などの薬が原因になることも。
なので、ぶどう膜炎にかかった場合には、熱は?体重減少は?口内炎は?関節は痛くない?皮膚に湿疹はありませんか?ペットをかっていますか?旅行はしましたか?何か病気をしたり、薬を使っていますか?ストレスは?リンパ節は腫れていない?
眼科なのになぜ??っていうくらい、問診をうけたり全身をじろじろ見られたりします。
ぶどう膜炎の治療は、ほとんどの場合はステロイドと言う薬を使って、炎症を抑えることが主体になるのですが、ステロイドの使用方法や使う量などが、元になる病気の種類によって異なるため、きちんと診断していくことが重要なのですよね。
また、元になるような全身の病気があれば、そちらも治療が必要です。ぶどう膜炎の原因を調べることで、糖尿病がみつかったり、エイズがみつかったり、悪性腫瘍が見つかったりすることも決して珍しくはありません。
ちょっと難しい内容になってきてしまいました・・・。
個々の病気について書きだすと専門的になり過ぎてしまうようで、どういう内容にしようか迷います。
おはようございます。
茨城県の中央部では、年に1?2回、雪が降ることが多いようです。
今朝は初めての積雪で、厚く積もったわけではありませんが、真っ白[:雪:]
当院の裏にある栗林です。キレイ[:結晶:]
道路も凍っていますので、これから来院される方は、ゆっくり気をつけていらして下さいね!早朝からスタッフが駐車場の雪かきをしてくれていますが、多少は滑るかもしれませんので、歩行にも気をつけてください。
今日の午後はかなり遠くまで手術のお手伝いに行ったり、夜はお世話になっている眼科の先生たちと食事・意見交換の予定です。高速で移動しますが、午後には雪が溶けているといいのですが[:自動車:]
今日のお昼は以下の手術を行いました。
・眼瞼腫瘍切除(良性)1件
・白内障手術 6件
・網膜硝子体手術 2件(茎離断1・増殖1)
(網膜剥離1件・増殖糖尿病網膜症1件)
みなさん無事に終わりました。
左が網膜剥離の患者様で、オレンジ色の濃いところが網膜の断裂(穴)です。右は糖尿病の患者様の写真で、カサブタを剥がしているところです。この方は、目の中が広範囲にカサブタだらけで思ったより大変でした・・・。
かなり遠くの眼科様からも、網膜剥離の紹介を頂けるようになり、とてもありがたく思います。スタッフの協力もあって、午前中にこられた患者様ですが、お昼休みに手術を行え、今日は午後の外来にも影響なく、定時で終わることができました。みんなありがとう。
患者様も黄斑が剥がれる前に、かかりつけの先生が早々に紹介して下さったおかげで、手術も楽で、おそらく1.0の視力を保てそうです。良かったです。
うつ伏せ枕
裂孔原性網膜剥離での硝子体手術に関しや手術後のうつ伏せに関しては、昨年ブログを書きました。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4921
2011.10.25 Tuesday、2011.10.24 Monday
手術後には、うつ伏せになって頂かないといけないのですが、今日はうつ伏せ枕の紹介です。
手術後は目の中に空気や、特殊なガスをいれて、その浮力を利用して網膜を押しつけるのですが、眼球の構造上、多くの場合でうつ伏せになることが必要です。状態や網膜の穴の場所によって、座っていた方がいい場合や、横向きがいい場合などがありますが、医師の指示を守るようにしましょう!
なかなかツライ姿勢なので、少しでも楽に時間を過ごして頂くように、いろいろな枕が開発されています。
これが当院で一番多用している枕です。同じものが5?6個くらいあったような?(すみません、看護師さんが管理してくれています。)
ワイヤーの土台に、スポンジ製のドーナツ状の枕がついています。写真はナイロンのカバーですが、この上に綿のカバーをかけて、顔をうずめるように使います。(なんと、カバーが洗濯できないタイプの枕もあり・・・、個人的には当院のものはかなり清潔・キレイだと思います。ご安心下さい。)
今日の方は、こんな感じ。カバーも水色なので写真だと分かりにくいですかね?人によっては、首や腰が悪かったりで、枕を使わない人や、胸のあたりにバスタオルを抱えてみたり、とにかくうつ伏せが長時間になるので、疲れないようにすることが重要です!
実は眼球が真下を向いていれば、座っていてもいいので、
日中は、こんな姿勢をしている人もよくいます。
なんとなく、落ち込んでいるように見えますね[:冷や汗:]。
網膜剥離は手術も大事ですが、術後のうつ伏せがなにより重要です。
みなさん、大変ですが頑張ってください!
ちょっと忙しく、更新が滞ってしまいました。
ぶどう膜炎? 症状・所見 その2
前回は、ぶどう膜での白血球の活動、炎症自体による所見や症状について記載してみました。
今日は炎症がもたらす、その後の変化について書いてみます。
風邪で高い熱が出たとき(炎症)には、だるいなどの症状がでます。みなさん、症状が辛いので冷やしたり、解熱剤を使ったりすると思います。
ただ、解熱剤の使用には、他にも体力の消費を抑えたり、たんぱく質の変性などを抑える効果もあります。例えば、42度を超える熱により、組織の機能が障害され、無精子症になったり、耳が聞こえなくなったり。という話を耳にしたことがあるでしょうか?
熱以外でも、例えばリウマチで関節に炎症がある場合は、痛みの自覚だけでなく、きちんと消炎(炎症を抑える)しなかれば、どんどん関節が変形してしまいます。
(故意に専門的な表現を省いています。耳でムンプスとか、明確に解明されていない部分や、炎症という言葉の使用について、医師向けの説明ではありません。分かりやすくするため。)
ぶどう膜炎も早期にしっかりとした治療を行わないと、目の中で組織が癒着を起こしたり、様々な変化が出てきます。
目の前の方(虹彩付近)の変化
目の前の方のぶどう膜に炎症が起こると、瞳孔や隅角と呼ばれる房水の出口の組織に癒着が起こってしまう場合があります。
こちらは、瞳孔の部分が癒着していた症例です。瞳孔には明るさによって、広がったり、縮まったりします。瞳孔が癒着してしまうと、目の中に入る光の量を加減する働きがなくなってしまいます。あまりに、瞳孔が小さくなると、暗く感じたり、物が見えなくなります。また、眼科医は瞳孔から目の中の状態をのぞいて診察するので、診察が困難になります。
ぶどう膜炎では、瞳孔の癒着を防ぐために、瞳孔を広げる目薬を使用したり、場合によっては注射をすることもあります。こちらの症例は注射で広げることができましたが、古くなって硬く癒着してしまうと、手術以外では治せません。ところが手術はぶどう膜炎を悪化させる可能性があるので、半年以上、炎症が落ち着いてからしかできませんので、やはり早期から癒着をしないようにすることが重要です。
これは、隅角とよばれる虹彩の根元、房水の出口の構造です。
上の正常な写真と比べ、下の写真の矢印は癒着を起こして、出口がふさがっています。隅角に癒着が起こり、房水の出口がせまくなってしまうと、目の中に房水が溢れ、眼圧が上がって。続発性の緑内障が起こってしまいます。
やはり、重度のものでは、将来的に手術が必要になったりしますので、癒着が起こる前にしっかりと炎症を抑える治療をすることが重要です。
ぶどう膜炎によって、失明する場合、この続発性の緑内障が原因となることが多くあります。
目の奥の変化
目の中が白血球で濁っただけであれば、治療により炎症が落ち着くことで、濁りは徐々にキレイになっていきます。
ただし、炎症が強かったり、長引いたりすれば、やはり後遺症が残ってしまいます。
50代の男性の眼底写真です。眼内の多くを占める硝子体と呼ばれるゼリー状組織が、白血球で濁っているので、写真が上手くとれません。白っぽくかすんでいますね?視力は0.1で紹介されてきました。
ケナコルトというステロイドの薬を注射して2週間後です。かなりキレイになってきました。
注射後3ヶ月です。濁りは全くないので、視力は1.0まで回復していますが、ピンク矢印の部分は血管に炎症が起こった後で、血流が悪く、血管が白く見えます。この部位の視野は見え方が悪くなっています。今後、出血を起こす可能性もあり、場合によっては、レーザー光線で網膜を焼くなんていう治療が必要になる場合もあります。出血がひどい場合にはそこからカサブタが生まれ、増殖網膜症といって失明につながるような病態に進むこともあります。
青矢印の部位には、黄斑前膜というカサブタ状の膜が形成されています。ぶどう膜炎の炎症によって出現したものです。現在は小さく、視力への影響が少ないのですが、今後の経過によっては、カサブタにより網膜が引き連れ、物が歪んで見えたり、視力が低下したり。場合によってはカサブタを剥がす手術が必要になる可能性もありえます。
(黄斑前膜の参照⇒http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4940)
炎症が強い時期には、黄斑浮腫といって、やはり物が歪んで見えたり、長引けば視力が低下し、回復できない状態になることもあります。
この2枚は、メラノサイトと呼ばれる、ぶどう膜(茶目)の色のもとになっている部分に直接白血球が攻撃をして、炎症が起こった症例です。
上の発症時に比べて、下の半年後には、色素が薄くなってしまッているのが分かりますか?色のもとになるメラノサイトがいなくなってしまったのです。
オレンジ色の網膜で、夕焼け眼底なんて呼ぶこともあります。
原田病という病気で、若い男性の患者様、早期にステロイドパルスりょうほうという点滴の治療が行えたため、視力も1.0に回復。大きな問題はなく安定していますが、茶色のメラニン色素が少なくなってしまっているため、発症前に比べて強い光に弱く、眩しいと感じることが多いようです。
ぶどう膜炎での主だった変化を、書いてみましたが、例えば白内障が進みやすくなるなど、実際には、まだまだたくさんの変化が起こりえます。
ぶどう膜炎で大事なことは、
?早くから、しっかりとした治療をする。
おかしいと思ったらすぐ病院へ。
癒着が起こってしまってからでは完全には元に戻りません。
?医師の指示に従って最後まで治療する。
痛みがよくなると、勝手に薬をやめたり、通院しなくなってしまう人がいます。再発したり、あとから2次的な変化が起こって、結局見えなくなってしまいます。
今日の午後は以下の手術です。
・翼状片手術 1件
・白内障手術 13件
・緑内障手術(トラベクレクトミー)1件
・網膜硝子体手術(茎離断)2件(黄斑前膜2件)
無事に終わっています。
ぶどう膜炎? 症状・所見 その1
炎症とは、組織が熱を持ったり、赤くなったり、腫れたり、痛んだりすることです。ぶどう膜炎はぶどう膜に炎症を起こすので、目の中に、同じような症状や所見が現れます。
ぶどう膜炎の人の写真です。ぶどう膜に炎症があると、白目(強膜や結膜)にも炎症が波及し、充血します。痛みもでます。バイ菌がついた結膜炎程ではないですが、分泌が少し増えてメヤニも多少出ることがあります。
次に目の中を観察してみると、
緑矢印
本来、目の中には毛様帯というぶどう膜の構造から産生された、房水というお水が循環しています(イラスト水色)。体の他の部位は赤い血が流れて栄養や酸素がいきわたりますが、目の中に赤い血が流れていたら、光がとおりませんよね。
毛様帯では、通常は血液の中から栄養分の豊富なキレイなお水だけを濾過して、眼内に送り出すのですが、ぶどう膜炎で免疫反応が活発な時には、免疫を担当する白血球と言う細胞が、房水の中に出てきてしまうのです。
こんな感じで、角膜の裏側に白血球の塊がべったりついたり、房水の中を白血球がうようよと泳ぐようになります。
透明で光を通す役割の角膜や、房水が濁ってしまう状態なので、自覚症状とちては、かすんで見えたり(霞視;むし)、光が散乱してまぶしく見えたり(羞明;しゅうめい)します。
このような目の前の方(水晶体より前)のぶどう膜炎を、特に虹彩炎(こうさいえん)、または前部ぶどう膜炎と呼んだりもします。
青矢印
硝子体と呼ばれる、目の中の広範囲を占めるゼリーの中にも白血球がうようようごめくようになります。やはり、濁ってしまうので(硝子体混濁)、かすんで見えたり、視力が下がったりします。
このような硝子体の濁りで、特に毛様体の近くで炎症が強いぶどう膜炎は、中間部ぶどう膜炎なんて呼んだりもします。
赤矢印
網膜や、その奥にある脈絡膜と呼ばれるぶどう膜に炎症が起こる場合もあります。網膜の血管に炎症が起こると、出血を起こすこともあります。出血で硝子体が濁ってしまうため(硝子体出血)、やはり視力が低下します。
(もっと血みどろの例も多いのですが、血みどろの症例は写真が撮れないというか、うつらないのですよね。)
網膜の血管の炎症や、出血、浮腫など、目の一番奥の方で炎症が起こるぶどう膜炎を後部ぶどう膜炎と呼んだりもします。
全部
前部(虹彩)、中間部(毛様体)、後部(脈絡膜)、3つのぶどう膜のうち、どのぶどう膜に炎症が起こるかで、呼び方が変わったりしますが、3つの全てというか、全域で炎症が起こる場合も多く、そのような場合は汎ぶどう膜炎(はんぶどうまくえん)という名前で、重症例になります。ただ、医師から患者様に説明する場合には、説明も大変なので「ぶどう膜炎ですね。」という説明のみになってしまう事が多いかと思います。
これみんな、ごく最近の症例の写真ばかりです。やっぱりここは重症例が多いなぁ。次回は、ぶどう膜炎が長引いた時に起こる2次的な所見などについて書いてみたいと。
冬はもともと乾燥するため、毎年ドライアイが悪化するシーズンです。
今年は雨が降らずに、テレビでも「記録的な乾燥状態」とのことで、外来にも「ゴロゴロする。痛い。」ドライアイの患者様が増えています。
もちろん、眼科で目薬等を出すのですが、みなさん、自分でもエアコンの風を直接顔に浴びない。加湿する。などの対応を行ってみてくださいね!
今年に入って、ドライアイの新しい目薬が発売されました。さっそく今日も処方したりしているのですが、おいおいその話も書きたいなと。
でも・・・、
今日は硝子体手術や白内障など、いろいろな病院様で手術のお手伝いをしたので、ちょっと疲れました。
お昼には網膜中心動脈閉塞症の紹介、緊急入院もあったりして。
(参考⇒http://blog.sannoudaiganka.jp/?cid=4925)
最近は、手術の非常勤と言っても、手術を教える仕事が多くなってきました。(偉そうな表現ですね・・・。手術を覚えて頂くのをほんの少しだけお手伝いしているだけです。)
人に教えるのって、なかなか難しいのですが、最近ご一緒する先生方は、みんな上達がとても早くビックリしています。
お手伝いをさせて頂く先生たちが上手になると、いつか追い越されてしまうのではないか??なんて、ちょっと心配になることもありますが、たまにビデオを見てみると、2年前より1年前、1年前より今の方が、僕自身も明らかに上達しているのかなと。(器械がよくなっているだけ?)
器械も知識も、医学は日進月歩なので、これで満足。という事はないのでしょう。どこが頂点なのか分かりませんが、まだまだまだまだ上手くなりたい!頑張るぞ!!
そうは言っても、最近、ちょっと眼精疲労を感じることが多くなり、老眼が始まったのかな?自分の目の機能としては、すでにピークを過ぎているのかもしれません。40歳が肉体的なピークだとすると、もうあとちょっとです・・・。そんなことは考えない方がいいのかな。
変なブログになってしまいました。すみません。