今日のお昼は、白内障手術 8件、緑内障手術(流出路再建)2件を行いました。無事にできました。
さて、昨日の続きです。
ぶどう膜炎? ぶどう膜
まず、普通の目の写真ですが、
この茶目の部分をみて、何に似ていると思いますか??
賛否両論あると思いますが、これの茶目(虹彩)が、ブドウの皮の色に似ていると思われたことで、ぶどう膜っていう名前が付けられたようです。
この茶色の組織ですが、実は、写真のように肉眼で見える部位のみではなく、目の中の内側全面に広がっているのです。
赤矢印が肉眼でも見える虹彩(こうさい)、そこから後ろに続き、緑矢印の部分を毛様体(もうようたい)、さらに眼球の後方に伸びて、後ろの方の青矢印の部分は脈絡膜(みゃくらくまく)と呼ばれます。
この虹彩・毛様体・脈絡膜の、茶色状の組織、三つを合わせて、ぶどう膜と呼びます。ぶどう膜の特徴として、メラノサイトという日焼けやホクロの原因となる色素成分が豊富であることや、血管が多く、血流が豊富な事が挙げられます。(免疫の主役は、血液中の白血球であると昨日書きましたが、ぶどう膜は血液が豊富な組織であるため、免疫反応が強く起こるのです。)
三つのぶどう膜には、それぞれ以下のような働きがあります。
?虹彩
虹彩のない、黒目の中心部を瞳孔と呼びます。虹彩・瞳孔の役割は、明るい場所や暗い場所で、瞳孔の大きさを変え、目の中に入る光の量を加減する働きがあります。(暗い所で瞳孔が開き、明るい所では小さくなります。)
?毛様体
血管が豊富で、血液から必要な栄養分を含んだお水を濾過して、目の中に流しこみます。(房水の産生機能)
?脈絡膜
脈絡膜の内側は光を感じるフィルムである網膜、外側は白目(強膜)です。
脈絡膜は豊富な血液を使用して、網膜に栄養分を与えたり、色素を利用して、白目側からの光が目の中に入らないようにする暗室効果(眼内を暗くする)などがあります。
分かりやすく書きたいと思いつつ、難しい文章に近づいているなと・・・。
ぶどう膜炎は、「濁っているから手術で取ってしまおう。」といった外科的な病気と異なり、診断で頭をかなり使ったり、治療は手術ではなく、薬が中心で、眼科の中では、かなり内科的な病気になります。
細かいことを書いても分かりにくいかもしれないので、次回は写真などを多用して、炎症の所見について書いてみようかなと思います。