シンボルツリー 移植術

今日も良い天気でしたね!
今日は自宅の庭いじりをしてみました。

シンボルツリー 移植術
石岡にきてすぐの頃、2年半くらい前に「シマトネリコ」という木を植えました。一時は順調に伸びて、2mくらいの大きさになったのですが、なんだか水はけが悪かったり、育て方がよく分からずに、徐々に元気がなくなって・・・。残念ながら春になっても、新芽が出ませんでした[:悲しい:]

シマトネリコは本来は常緑樹らしいのですが、全く葉がありません・・・。
自分でピンクの砂利を敷き詰めたり、レンガを組んだり。頑張っている庭ですが、これではあまりに可哀そう。

?患部を切除
シマトネリコには申し訳ないですが、シャベルで引っこ抜きます。

地面に植えた木を抜くのって、思ったより大変。今回のためだけに、ツルハシとか、クワを買うものどうかと思い、スコップだけで頑張りましたが、とても大変でした。土の処分に困っていたら、ご近所の同い年のお父さんが助けてくれました。いつも本当にありがとうございます。

?移植前準備

木材を4等分に切って、木ネジで四角く止めて、防錆・防腐剤でダークブラウンに塗ります。

?新しい木を購入
小美玉市にある、トキワ園芸 花木センターで、木を購入。
http://www.tokiwa-web.com/
ものすごい敷地に、沢山の農家さんが出展している、地域を代表する植物市場です。マニュアル車ですが、運搬用に軽トラックを無料で貸し出してくれます。

?移植

同じ木は縁起が悪い??ので、今回は「ヒメシャラ」という木を選んでみました。出来栄えとしては満足ですが、無事に生着するかは、水遣りや肥料など、これからの術後管理が重要です。こちらの分野は素人なので、頑張らないと。
今回は、深く大きめの穴を掘って、土を大幅に入れ替えました。写真では分かりにくいですが、木枠は90cmX90cmもあります。
大きく育って、我が家の立派なシンボルツリーとなるといいのですが[:よつばのクローバー:]

陶炎祭(ひまつり) 笠間

今日はお隣、笠間市の陶炎祭(ひまつり)に行ってきました。

陶炎祭(ひまつり)
笠間市は芸術、とくに焼き物の陶芸家さんなどを中心とした町興しが盛んです。その陶芸家さんたちが沢山集まって、それぞれお店を出店するのが陶炎祭。

第31回目の陶炎祭とのことですが、僕は初参加です。最近は連休を通して、30万人以上が足を運ぶようです。しかも、どんどん増えているようで、今年の目標は40万人ですって[:びっくり:]なんと、227店が出店しているようです。
公式ホームページ⇒http://www.himatsuri.net/


白く統一されたテントが、会場にびしっり。各お店が、こんな感じで陶器を飾っています。朝早くの写真ですが、お昼頃には歩くのも大変なほど混んでいました。

陶器のお店だけでなく、広い会場内では歌やコンサート、オークションなどのイベントも盛りだくさん。「テントを持ち込んで1日過ごす。」つもりと思われる人も沢山いました。

陶芸家さんたちが振舞う、ちょっとお洒落な飲食店もいっぱいあります。スモークチーズとワインのセットとか、湯葉のアイス、最近多いB級グルメもいっぱい。
「朴葉焼きピザ」の繁盛店を除いてみると、日本を代表する陶芸家、寺本守先生が、なんと、汗びっしょりで自らピザを焼いています。

真剣な表情です。やはり、焼き物には手が抜けないのでしょう。寺元先生はお酒の席でご一緒させて頂くことがあるのですが、話やセンスがとても面白い先生で、いつも人生の刺激になっています。今日はあまりに行列が長くて、子供連れの僕は、挨拶のみでピザにはありつけませんでした[:悲しい:]


子供向けのイベントでは、粘土体験や、ろくろ体験、フェイスペインティングなどがあり、どれも100円!!

僕は陶器の目利きなどは全くできないのですが、妻が気に入った花瓶をひとつ購入しました[:おはな:]
僕はちょっと変わった陶器の写真をとったのでUPさせて頂きます。
オカリナの陶器。子供が購入。
トリケラトプスの花器。
可愛いのかな?
キモ可愛い??のかな??

子供が飽きてしまうので、ゆっくりと陶器を見ることはできませんでしたが、その後、子供たちは会場「笠間芸術の森公園」での遊具で夢中で遊んでいました。

滑り台が160mもあるんです。滑るのは楽しいのですが、下の子を抱っこして、もう一度昇るのは、とっても大変です。汗びっしょりで、真っ黒に日焼けしました[:冷や汗:]

H24年4月の手術実績:茨城県 山王台病院 眼科

いよいよ、楽しみにしていたゴールデンウィークです[:楽しい:]
と言っても、1日・2日はいつも通り外来ですし、1日も2日も手術だらけで、術後の診察もあるので「完全に休み」と言うわけにはいきませんが。
渋滞や混雑が嫌いなので、近場でのんびりしたいと思います[:ビール:]

明日、明後日と、緊急手術が必要な患者様が発生しないことを祈って??
ちょっと早いですが、4月分の集計をしちゃいます。

H24年4月の手術実績
手術合計 130件
内訳

・白内障手術 82件

・網膜硝子体手術 17件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・緑内障手術 3件
・涙器の手術 9件(NSチューブ)
・眼瞼(まぶた)の手術 7件(眼瞼下垂・さかさまつげ・霰粒腫)
・結膜の手術 6件(翼状片・結膜弛緩症)
・その他の手術 6件(斜視、角膜など)

レーザー手術合計 24眼
内訳
・網膜光凝固 16件(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 5件(後発白内障に対するレーザー)
・SLTレーザー 3件(緑内障に対するレーザー)

*手術数は、分院である小美玉市医療センターとの合計数です。手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。 白内障の手術時に、逆さまつ毛や眼瞼下垂の手術を追加で行っておりますが、それらはカウントしておりません。また、病気が古くてNSチューブが挿入できなかった症例などもカウントしていません。

抗VEGF薬 硝子体注射 36件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 22件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

白内障などの緊急性のない手術の待ち時間は、約3ヶ月待ち、8月前半からの予約となっています。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)

セデーション:鎮静

今日の外来は、初診予約も予約外の方もお子さんが多くて、ここは子供病院??と思うほどでした。
春の新学期になると、学校で視力検診をして、「学校の検査でBをもらった。」「去年はBだったけど、今年はCになった。」という来院が多いのです。
殆どのお子さんは、近視や軽い乱視で、「黒板が見えにくくて、希望があればメガネを作りましょう。」というだけなのですが、たまには弱視や斜視、他の病気の方が隠れています。学校で紙をもらったら、きちんと受診しましょうね。

今日は昨日の手術から一つ。
セデーション:鎮静
昨日は、上下斜視の手術が1件ありました。白内障の手術に比べて、斜視の手術は目の周りの筋肉を切ったり、引っ張ったり、縫いつけたり。痛いのが問題です。
斜視の手術⇒http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=127264
他には、網膜剥離の強膜内陥術なども痛みが強いです。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=134060

痛みのある手術は、患者様にとって苦痛です。もちろん麻酔の注射は行うのですが、出来るだけ痛みを少なくして手術をしてあげたいと、当院では上下斜視(外斜視や内斜視より痛みが強いです)や、強膜内陥術では、セデーションと言って、手術中に軽く眠って頂く方法をとるようにしています。

ドルミカムというお薬を点滴で血管に入れると、数十秒でグウグウと、いびきをかいて寝てしまい、手術をしたことを全く覚えていない。なんていう人も沢山いますが、セデーションの効果は人によってかなり異なり、薬が効きにくい人もいます。

残念ながら、昨日手術をさせて頂いた女性は、薬を投与することで少し気分が不安定になってしまって(寝ぼけて?)、体が動いてしまったりと、きちんと眠っては頂けませんでした。薬を追加で沢山入れればよかったのかもしれませんが、このお薬をあまりに多く入れると、呼吸が止まってしまう。なんていう副作用も知られています。変に寝ぼけて、体が動くのも危険ですし。
とっても迷ったのですが、それ以上の薬の投与は控えて、別の痛み止め(ソセゴン:医療用麻薬)の点滴を追加して手術を終えました。

一泊二日の入院で、今朝の診察は、僕は小美玉の外来なので、井上先生が担当してくれたのですが、斜視の手術の経過は良好で、とても喜んで退院となった。との嬉しい結果でしたが、なんと「お産よりも痛かった。」との伝言を頂きました・・・[:冷や汗:]」

眼科医って、体のコントロールにちょっと疎いのですが、痛い思いをさせるのは、とっても申し訳ないです。外科や内科、麻酔科の先生に相談して、麻酔の事をもっと勉強しなくては。と反省しました。途中で外科や内科の先生に来て頂き、麻酔を手伝ってもらっても良かったのかも。
まだまだ覚えることが沢山です。

白内障手術:IFISの例 (前立腺肥大の薬の副作用)

今日は以下の手術を行いました。
・結膜弛緩症手術 2件
・斜視手術 1件(左上斜視・外斜視⇒上下直筋前後転・水平移動)
・白内障手術 10件
・網膜硝子体手術(茎離断)2件 (糖尿病黄斑浮腫)
みなさん無事に終わりましたが、80代の男性で1名、残念ながら予定外の結果に・・・。
両眼の白内障治療を予定していた患者様の手術で、無事にはできたのですが、思ったより難しくて、視力の回復に数日かかったら大変かな?とも考え、安全のために今日は片方の目だけでやめておきました。
患者様は両眼治ってしまうと思っていたと思うので、大変申し訳ないです。
心配されていると思うので、手術のビデオを差し上げようとDVDに焼いてみました。今、確認してみると手術時間は13分弱。時間も異常に長いというわけではありませんし、キレイに出来ているので、両眼頑張ってしまってもよかったかな?とか、いろいろ考えてしまいますが、手術はやっぱり安全が第一だと思います。
両眼の予定だったのに、片眼になってしまったのは開院後2例目です(前回も結局は翌週手術を行い、とても良好な結果です)。今日は見学の医師もきていましたが、予定外ってちょっとカッコ悪い。手術って難しいなぁ[:悲しい:]

ついでなので、今日の症例の話題を。
白内障手術:IFIS(アイフィス)
白内障手術では、手術の少し前から目薬をつけて、瞳孔と呼ばれる虹彩・茶目を大きく広げる必要があります。
瞳孔があまり開かない患者様もいらっしゃり、そういう場合には手術がちょっと大変。というブログを以前に書きました。
小瞳孔の例⇒http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=137225

今日の症例は、普通の小瞳孔(瞳孔が開きにくい)の症例とはちょっと違って、手術前はそれなりの瞳孔の大きさなのに、手術中の途中で、瞳孔が進行性にどんどん小さくなってきてしまうと言う、変動のある症例です。
IFIS(アイフィス)と呼ばれているのですが、正確にはintraoperative floppy iris syndromeと言います。
・intraoperative⇒術中
・floppy⇒フニャフニャ
・iris⇒虹彩(茶目)
・syndrome⇒症候群

白内障手術の途中で、瞳孔(虹彩・茶目)が、フニャフニャになって、手術がやりにくくなるという症例です

原因としては、前立腺肥大のお薬の副作用が有名です。(ハルナール・ユリーフ・フリバスなど)
おしっこの出をよくするために、前立腺の筋肉を緩める効果がある薬ですが、瞳孔(虹彩・茶目)の筋肉と、前立腺の筋肉が、非常によく似ているために、前立腺の薬を長期間内服すると、虹彩の筋肉も委縮してしまう。ということのようです。
男性の手術前には、「前立腺のお薬を飲んでいますか?」という質問を行うのですが、薬を飲んだ人が全員IFISになるわけではなく、また、少しくらいIFISがあっても全く問題なく手術を出来ることが多いのですが、今日はヒドイ症例でちょっと大変な思いをしました。
手術でIFISがおこりうる可能性を説明すると、「では、手術前は薬を飲まない。」なんて言う人がいますが、筋肉が一回委縮してしまうと、内服を中断しても回復の効果はないようですので、中断する必要はありません。IFISになったら、「少し手術の時間がのびるけど、仕方がない。」と思って、医師にお任せ下さい。

実際の本日の症例です。

手術開始時の瞳孔です。赤矢印程度の大きさ5mmくらいの瞳孔があります。通常よりは小さいものの、普段の僕なら、このくらいの瞳孔は全く問題になりません。(この患者様は他にも小角膜で角膜径が9mm、しかも輪部潰瘍も合併しています。)

ところが、

濁った水晶体を取り除こうと、掃除機で吸い出し始めると、矢印の長さくらいに、瞳孔がとっても小さくなってしまいました・・・。(プレチョッパーで割っていますし、もともと内服しているのをしっていたので、低吸引低還流で水流は少ない方です。)


ただ小さくなるだけではなく、手術で目の中に発生する水の流れによって、瞳孔がフニャフニャと変形します。瞳孔がキレイな丸ではなくなっているのが分かりますか?


フニャフニャになった瞳孔・虹彩がキズ口から飛び出しやすい。というものIFISの特徴です。赤矢印の先、瞳孔が下に向かって、飛び出していきそうです(今日は脱出せずに手術が可能でしたが)。


最終的にはキチンと眼内レンズが入りました。
(時間が長めになりそうな症例では、光を特に弱くして手術をしているので、写真が暗くなってしまいます。見にくくてすみません。)

手術中はなにかあったらどうしよう。と、ヒヤヒヤしながらやるので、自分の時間感覚では30分くらいかかってしまったような気分でした。結局12分半くらいなのですが、やっぱり今日両眼やってしまったほうが喜んでもらえたかな?今更後悔しても遅いのですが・・・。

こういった難しい症例でも、当院はとにかく乱視に全力です。
IFISや、瞳孔が小さい症例では、虹彩リトラクターや、瞳孔拡張リングと呼ばれる、瞳孔を引っ張って広げる器械があり、リトラクターを使うともっと簡単に出来たのかもしれませんが、術後の乱視が強くなったり、瞳孔の形に変形が残ったり、問題も多いので、今日もどうにか使用しないで頑張りました。

もちろん、今日も乱視矯正レンズ(Toricレンズ)を使用しています。
乱視用レンズについて⇒http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=141878
乱視用レンズは、乱視の軸・角度の調整の問題で、瞳孔が小さい症例での使用は難しいと言われていますが、様々な道具・技術を駆使して、できるかぎり諦めないようにしています。

これは、緑内障手術で使用する特殊レンズですが、水色矢印の先に乱視の角度を示す小さな点が確認できます。

早く回復して頂いて、反対目の手術も頑張らせて頂ければと思います。
では、今日もお読み頂きありがとうございました。

老眼? 調節力障害

今日の午後は知り合いの先生のところへ見学へ行き、ちょっとお手伝いをさせて頂きました。いろいろ見学に行くと、参考になることが多々あります[:見る:]
明日は当院にも、見学の先生にいらして頂く予定です。お互いに刺激になればと思います。

さて、老眼の続きを。
老眼? 調節力障害
先日、遠くを見る状態が「目のリラックスした状態」で、そこから焦点(ピント)を近くに移動させるために、目の中の筋肉に力を入れて、水晶体を厚くして「頑張っている状態」にすることを、調節と呼ぶと記載しました。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=142016

老眼とは調節が上手に出来なくなる状態で、調節力障害とも言います。
近くを見る(焦点・ピントを近くに移動させる)ためには、水晶体を厚くする必要がありますが、まず、脳から「目の中の筋肉(毛様体筋)に力を入れろ!」と命令が下ります。次に、「筋肉が収縮」して、「筋肉と水晶体の橋渡しをしているチン氏帯が緩くなり」、「水晶体が厚くなる」という段取りが起こります。
加齢に伴って、
?目の中の筋肉(毛様体筋)・筋力が衰える
?水晶体自体が硬くなって、変形しにくくなる。

などが起こると、脳からは「水晶体を厚くして、ピントを近づけろ!」と、命令が来ても、上手に働くことができなくなってしまうのです。

老眼の症状は、
近くを見るときに、ピントが合わないために、「ボヤける」「かすむ」「疲れる」などが起こります。
遠くまで見える状態から、近くを見ようとすればするほど、水晶体を厚くする必要があるので、初めは、20cmなど、かなり近くのものが見えにくいと思うだけだったのが、老眼の進行とともに、30?40cmと少し離したものや、そのうち50cm以上離しても見えにくくなっていきます。
また、老眼の初期?中期では、日々症状が変動します。手足の筋肉だって、調子のいい日、悪い日ありますよね?早く走れる日、走れない日。読書後などで筋肉が疲れていたら、いつもより余計に見えにくくなる事もありますし、沢山寝て回復したあとには、いつもよりよく見える日もあります。そのうち、水晶体が全く変形しなくなれば、症状が固定して、常に見えにくさを感じるようになりますが。

*近視の人で「私は近くは見えるので、老眼ではない。老眼鏡は必要ない。」なんていう人がいますが、老眼とは、近くを見たり、遠くを見たりと、ピントを移動させる調節力が衰えることなので、近くが見えるから老眼ではない。と言うのは間違いです。近視の人が、遠くまでハッキリ見えるメガネをかけた状態で、近くの本が見えにくいのであれば、老眼です。遠近両用メガネを使っている人も、もちろん老眼です。

どこからを老眼というか?も、よく質問される事柄です。
30歳とか40歳でも、基本的に全員に調節力障害が始まっています。30代でも目の前10cmくらいに近づけた本を読み続けることは大変ですよね?子供は出来ちゃうんですけど。
では、実際にどの程度の障害から病名をつけるかというと、正確には決まっていません。
細かい字を長時間ハッキリと読めることができても、「私は疲れやすいから老眼鏡を使っています。」という人もいますが、
本を見る時に、目を細めて、本を離して。どんなに疲れても「私は老眼でない。」と言い張る人もいます。特に女性は、老眼とか老眼鏡という言葉自体が嫌いな人が多いようで、老眼を認めたくない。というケースが多いようです。(偏見ですみません。でも、実際に男性よりもかなり多いです。)
また、字かわずかにボヤけるのも許せない。なんていって、早くからメガネを欲しがる人もいますし、ちょっとくらいのカスミやボヤケは気にしない。なんていいう人もいるので、性格の影響も大きいのです。

老眼鏡をかけないと病気になるとか、余計に悪くなる。とかいうことはないので、僕は普段、「ご本人が必要だと思えば、老眼鏡を使用しましょう。」と説明するようにしています。

金環日食、日食網膜症

今日のお昼休みには以下の手術を行いました。
・眼瞼腫瘍切除 1件
・白内障手術 6件
・水晶体摘出術 1件(急性緑内障発作)
・網膜硝子体手術(茎離断・その他)2件
 (糖尿病網膜症による硝子体出血1件、硝子体混濁1件)
無事に終わりました。

今日は外来が98名と多く、近隣の学校で振り替え休日があり、視力検査の紙をもらったお子さんが沢山いらして、ちょっと大変でした。お待ち頂く方が多くなりすみませんでした。

金環日食、日食網膜症
来月、5月21日は日本の多くの地域で金環日食が見られるようですね!
「直接、太陽を見てはいけません!」
子供の時から言われていますが、日食が起こるときには、日本中で数名はかならず日食網膜症という病気で眼科を受診する人が出ちゃうようです。

日食の観察方法は先日記載した、ピンホールカメラの原理がいいようです。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=142389
僕も頑張って書こうとしたのですが、調べてみると、日本眼科学会で発表している資料の方がかなり詳しく、良くできているようです・・・。うーん。僕が書くのはムダな労力だったかな??
http://www.solar2012.jp/hazard/safety_for_school_201202.pdf

日食の観察方法としては、
?ピンホールカメラの原理の使用。
厚紙に穴をあけて、地面に映し出したり、木漏れ日など、葉っぱの隙間の光もピンホールの原理として使えることもあるよう。

?専用の日食観察用グラスを使用する。

?鏡で、壁に光を反射させる。
などなど、いろいろあるようですが、上に添付した日本眼科学会の資料を読むのが詳しいようです。

日食網膜症
日食網膜症とは、不適切な日食の観察によって、目に障害が起こった時の総称です。
日光の光により、充血や、痛み、視力低下などが起こります。
充血は、痛みに関しては、多くの場合で1日程度で軽快するようです。
視力低下も多くの場合では自然に回復すること期待できます。
眼科での検査では、網膜の中心部が、通常よりも黄色っぽく変化することが知られていますが、通常は1?2週間で消失するとされていますが、近年はOCT検査でし細胞の欠損を認めたとうい報告が出てきたり、重症例では、黄斑円孔や網膜変性などの重篤な状態となり、非常に稀のようですが視力が元に戻らなくなってしまった症例も報告されているようです。
ステロイドや、ビタミンCによる治療が行われることがあるようですが、効果に関しては不明のようです。

日食網膜症に関しては患者様の数や報告もあまり多く内容で、発症率や重症度、治療法など、あまり分かっていないことや多いようです。
実際に、僕の眼科人生では、日食網膜症の患者様を診察したことは1回もありません。日食が起こるときに、日本中で数名とか、数十名の患者様が出るようですが、日食はたまにしか起こらないので、多くの眼科医は目にすることがない病気です。
医師としては、非常に興味がありますが、やはり病気になることは望ましいことではないので、お読みいただいた皆さんも、直接太陽を見ることがないようにご注意下さい!

僕も知らなかったのですが、ガラスに墨汁を垂らした物や、カラーネガフィルムは、安全とは言えないようです。自分が小学生の時に父親と観察した部分日食では、ガラスに墨汁や、カラーネガフィルムなどの観察をしていたのを思い出しました。運よく、僕は日食網膜症にはならずに済んでいたようでラッキーです。
でも、今思うと、直接太陽を見ていたような記憶もあるのですが、将来、黄斑変性症にならないか・・・。急に心配になってきました・・・[:冷や汗:]

ポケットファームどきどき 茨城町店

今週末は、経過良好と思われる網膜剥離の術後の方が入院しているくらいで、ゆったりした週末です。

今日は近隣施設の紹介を。クリニックからは車で30分くらいです。
ポケットファームどきどき

なんだか、僕が書くよりも、実際のHPを見てもらった方が分かりやすそう。
http://www.ib.zennoh.or.jp/dokidoki/index.html

でも、せっかく行ってきたので。
写真を数点。

小さな動物村と呼ばれるところでは、ヤギやヒツジ、ブタさんなどがいて、モルモットを抱っこしたりも出来ます。


ミニブタのショーをやっていて、我が子も股をくぐってもらったりして、喜んでいました。


アスレチックがあったり、ビニールハウスの中に滑り台や卓球台があったり、ジャブジャブ池と呼ばれるところもあって、子供が夏に水浴びまで出来るようです。

実はこの施設、入園料もかからず、ここまで全て無料です[:びっくり:]

他には、申し込むと、ソーセージ作り体験とか、農業体験とか、イベントの内容は変わるみたいですが、いろいろと体験教室があるようです。小学生低学年くらいまでの遊び場としてはとってもいいですね!

園内のレストランは、有機の野菜をふんだんに使って作った料理がいっぱいで、好きなものを頂く、ブッフェスタイルです。

地産地消。基本的に茨城県産の食材で作っているそう。
メタボを気にしている僕は「なんだか健康になった」気分。

今日はちょっと肌寒かったですが、バーベキュー施設もあります。


JA(農協)さんが開いている施設ですが、花、野菜、肉など、沢山販売していて、とても賑わっていました。

子供と手軽に自然な遊びをさせたい。なんて時に便利な施設です。

ピンホールカメラ

今日は水晶体亜脱臼による緑内障発作の患者様がいらっしゃり、お昼休みに緊急手術をさせて頂きました。
入院のほうがいいかな?と思いましたが、あいにく満床なので、日帰りで。
先ほど電話をしたら、手術前のような痛みは全くなくなったとのこと。
よかった。一安心です[:楽しい:]

あとで書こうと思っているブログの準備知識を。
ピンホールカメラ
昔のカメラの構造ですが、黒い小さな箱に小さな穴(針穴:ピンホール)を開けて、外からの光が入ってくると、箱の中で反転した映像が、感光剤(フィルム)に当たって写真が写る。という原理があります。
光が弱く、感光剤(フィルム)が反応するまで、かなりの時間がかかったり、現在のカメラに比べて、映像がはっきりしない。など、いろいろ問題があり、最近は趣味の世界でしか使われませんが、
このピンホールカメラ、ちょっと難しいのですが、通常のレンズ光学や、散乱と呼ばれる光の特性と、ちょっと異なり、焦点という概念が当てはまりません。

一般的なカメラは、ピンホールではなく、レンズを使用するのですが、レンズに入った光がフィルムにピッタリと焦点(ピント)があえば、明るく、キレイな画像を得ることができます。


これはピンホールカメラのイメージ図です。太陽からの光が木のてっぺんに当たったとします。通常はそこで散乱と呼ばれる光の広がりが起こり、光が散らばって進みますが、箱の中に入れる光はピンホール(針穴)を通った光だけになるので、木のてっぺんの光は、180度反転して、フィルムの一番下方に当たります。同じように、木の根元からの光は、フィルムの上方の一点に当たります。さらに同様に、木の各部位ごとに、1対1の関係でフィルムに光が当たる構造をとります。
ピンホールと、フィルムの距離が変わっても、基本的には1対1の関係で光が進むことに変わりないため、ピンホールカメラでは、焦点という概念がなく、どの距離のものでも、ある程度はピントのあった画像を得ることができます。

このピンホールカメラの原理を使って、
来月5月21日に起こる金環日食を見よう!という話題を書きたかったのですが、ちょっと説明が難しい・・・。
僕も頭では理解していても、本当に??と思う事もあり、
一応、実験をしてみます。


左から、我が家のダウンライトです。
中央、厚紙を星型に切り抜き、ライトに張り付けてみます。
右、ライトを点灯させます。


左、別の厚紙に、ボールペンで穴を開けてみました(ピンホール)。
右、下に白い紙(フィルムの役割)をおいて、少し離して、ピンホールの厚紙を持ってみました。すると、青矢印の部位に、確かに星型が!!

ちょっと分かりにくいので、拡大してみると、

やっぱり星型。
フィルムの役割の白い紙と、ピンホールの役割の厚紙の距離によって、星型の大きさと、明るさが変わりますが、本当に焦点という概念がなく、基本的にはいつも星形にうつりました。

(注:電球が熱を持って、なんと厚紙が焦げてしまいました。絶対に真似しないように!)

今回はボールペンで開けた穴のせいか、ピンホールの大きさが少し大きすぎて、ちょっとボヤけた映像になってしまいました。
ちょっと専門的ですが、フィルムに作られる像の解像度は、ピンホールの大きさに左右されます。穴が大きいと、少し大きな光の点で映像を写しだすことになり、穴が小さい方が、小さな光の点で映像を写し出すことができます。なので、小さい穴の方がキレイな映像が作れます。ただし、あまりに小さくなりすぎると、回折という別の光の働きが出てきてボヤけてしまうようになります。一般的には0.5mmくらいの穴(ピンホール)が、うつりがいいようです。
なんだか、ちょっと難しい話になってしまいましたね・・・。

老人環(ろうじんかん)

今日は他院の先生に手術見学にきて頂き、以下の手術を行いました。
・翼状片手術 1件
・内斜視手術 1件(脳出血後麻痺性斜視)
・白内障手術 11件
・眼内レンズ縫着術 1件(他院術後の無水晶体眼)
・網膜硝子体手術 3件(茎離断2件、切除1件)
 (糖尿病黄斑浮腫1件、黄斑前膜1件、硝子体混濁1件)
無事に終わりました。

今日、外来で受けた質問の話題で。
老人環(ろうじんかん)
月に1回くらい、中高年?比較的高齢の女性が、「黒目の部分が白く濁ってきた。」と心配になって受診することがあります。
今日いらっしゃった患者様も、「久しぶりに鏡をみたら、黒目の内側が丸く、白く濁っていてビックリしてきた。」という訴えで受診となりました。68歳の女性です。
写真はこんな感じ。

黒目(角膜)の輪郭のあたり、赤矢印のあたりに、白から少し黄色っぽく濁りを認めます。
本来、黒目(角膜)は透明な臓器なのですが、加齢によって血管や血流に変化が起こり、血管から漏れ出した脂質(リポ蛋白など)が、透明なはずの角膜内に貯留してしまい濁って見えるようになります。
通常は、角膜の上方や下方の周辺部から濁りが出現し、次第に広がり、1周ぐるっと濁りがつながってしまいます。濁りは角膜の周辺部のみに出現し、視界にかかる中心部にまで広がることはないため、視力や見え方には影響はしません。
角膜の一番端っこから濁りが出来るのではなく、青矢印の先のように、ちょっとだけ透明な部分(透明帯)が残って、その内側がリング状に濁っていきます。

見た目を気にして受診される女性が多いのですが、残念ながら治療法はありません。今の医学ではキレイにしてあげることは出来ないようです。

しかも、この濁りのことを質問された場合、説明をするのがとっても嫌なのです。最初に書いたのですが、病名は「老人環:ろうじんかん」。見た目を気にして病院に来るので、年齢とか、加齢とかという言葉が嫌いそうな人が多いのですが、老人環って、ヒドイ名前ですよね・・・。加齢環のほうがまだいいかと。脂質環とかでもいいかも。
基本的にちょっと見栄えが悪いですが、悪い病気ではなく、ちょっと見栄えに影響する。といった状態です。

そういうわけで、残念ながら年齢による変化という説明となってしまうのですが、稀に30歳とか40歳で濁りが出てしまう事があります。この場合の名前もちょっと変なのですが、「若年環:じゃくねんかん」なんて呼びます。あまりに若い年齢で若年環が出来る時には、高脂血症、高コレステロール血症などが隠れていることがあり、内科への受診を勧める事があります。

今日もお読み頂き、ありがとうございました。