視神経炎? 検査・診断 その2

今日のお昼は以下の手術でした。
・白内障手術 6件
・眼瞼下垂症手術 3件(CO2レーザー使用ミュラー筋短縮)
無事に終わりました。
ちょっと風邪気味で、のどがイガイガします。喋らなければ大丈夫なのですが、外来でも手術でも一日中おしゃべりをする仕事なので、なかなか咳が治りません。説明が聞こえにくかったらすみません[:悲しい:]

視神経炎で行う検査の続きを書いてみます。
視神経炎? 検査・診断 その2

眼底検査
眼球から脳への信号の橋渡しをする視神経ですが、
図では赤い部分が視神経。
図の左端、青い矢印の部分は視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)と呼ばれます。視野検査ではマリオット盲点に相当する部分です。
視神経炎での炎症が、この眼球側の断端、視神経乳頭にまでは及ばない場合、つまり上の図で緑の部分のみに炎症がある場合には、眼球内の診察では、全く所見が見当たりません。このような病態は、眼の後方という意味を込めて、球後視神経炎と呼びます。球後視神経炎では、眼底検査ではまったく所見が認められません
逆に、青矢印の先、視神経乳頭まで炎症がある場合には、乳頭炎と呼ばれます。乳頭炎を伴う場合には視神経乳頭が炎症で浮腫んで白っぽく膨らむため、通常の眼底検査でも診断がつきやすくなります。

今回の患者様は球後視神経炎でしたので、眼底写真には異常がありませんでしたので、昨年当院で治療をした別の患者様のサンプルです。
左が発病時。右の治療後と比べて、視神経乳頭の丸い輪郭がぼやけて、腫れぼったい印象なのが分かるかと思います。

蛍光眼底造影検査
蛍光眼底造影検査は、造影剤と呼ばれる薬剤を腕から点滴から投与し、眼底の血管を造影剤がどのように流れるかを調べる検査です。
糖尿病網膜症などの血流障害が起こる病気、黄斑変性症などの弱い新生血管ができる病気、ぶどう膜炎などの炎症を起こす病気の診断などに使われます。
炎症があると、血流が増えて造影剤が多く流れたり、弱くなった血管から造影剤が漏れ出したりするのですが、視神経炎で、乳頭炎を伴う場合には視神経が通常よりも白っぽくうつります

上の眼底写真のサンプルと同じ症例の写真です。左が視神経件を発症した目です。右が正常な反対の目です。左の写真だけ、視神経乳頭が極端に白く写っているのが分かると思います。

H25年2月の手術実績:茨城県 山王台病院 眼科

今日は重症例が少なく、比較的ゆったりとした外来でした。
午後は県内での勉強会に参加させて頂きました。どの分野でも専門の先生のお話は参考になります。

2月の治療数をカウントしてみました。
H25年2月の手術実績
手術合計 118件
内訳

・白内障手術 80件

・網膜硝子体手術 17件(糖尿病・網膜剥離・眼底出血・黄斑円孔など)
・緑内障手術 2件
・眼瞼(まぶた)の手術 7件(眼瞼下垂・さかさまつげ・眼瞼腫瘍)
・涙器の手術 4件(NSチューブ・涙嚢切開など)
・その他の手術 8件(眼窩腫瘍・翼状片・斜視・瞳孔形成など)

レーザー手術合計 19眼
内訳
・網膜光凝固 9眼(糖尿病・眼底出血などに対するレーザー)
・YAGレーザー 9眼(後発白内障に対するレーザー)
・SLTレーザー 1件(緑内障に対するレーザー)

*手術数は、分院である小美玉市医療センターとの合計数です。手術数は基本的に保険診療で請求された件数です。両眼同時手術などは2件と計算しています。

抗VEGF薬 硝子体注射 52件(加齢黄斑変性症などに対する注射です。ルセンティス・マクジェン・アバスチンの合計)

ステロイド薬 テノン嚢注射 25件(糖尿病や網膜静脈閉塞症などでの黄斑浮腫などに対する注射です。トリアムシノロン)

白内障などの緊急性のない手術の待ち時間は、4ヶ月半待ち、7月中旬からの予約となります。

白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
(茨城県 石岡市 小美玉市 かすみがうら市 土浦市 笠間市 行方市 鉾田市 茨城町)