今日の午後は県外の医院様で手術をさせて頂きました。
結構忙しくて、ブログが止まってしまいましたが、質問も来ていたので更新してみます!(今週は5つの医院で硝子体手術が計14件と過去最多に)
霰粒腫? つぶしちゃう?
霰粒腫の一般的なことに関しては、以前のブログ:霰粒腫?をご参照ください。
霰粒腫の標準治療として最も数多く行われる治療は、点眼薬や軟膏など、薬によって治っていくのを待つ治療です。
今回、ブログ内で質問を受けたのですが、外来でも時々、患者さんから「はやくつぶしちゃってくれませんか?」なんて言われることがあります。
実際につぶして、早く治ってしまう症例もいるのですが、そのような治療は全員に行っているわけではありません。
例えば、今週の患者さんですが、
上方のマイボーム腺の出口が詰まって、まぶたの組織が膨らんできています。
専用のセッシで、まぶたをギュッと挟むと、ブリブリッ!っと中身が出てきました。一応、点眼薬を数日間使用頂きますが、きっと治ってしまうので、次回の予約はとっていません。
まぶたの中に霰粒腫(赤)のシコリ・ゼリー状物質が溜まったイメージ図です。
僕は、簡単な圧迫で内部のウミがマイボーム腺の出口(青矢印:正常な通り道)から排泄でき、キレイに治りそうであれば、つぶしてしまうような治療を行う場合があります。
こちらは、別の患者さんです。
霰粒腫のシコリが皮膚の表面から顔を出しそうな、皮膚が薄くなった症例。まずは炎症を抑える薬を処方して、落ち着いてから手術をしましょうと相談をしていたのですが、その後、自宅で自分でウミ・ゼリー状物質を出してしまったとのことです。
ウミ・ゼリー状物質は、薄くなっていた部分の皮膚が裂けて、上のイメージ図の緑矢印の方向(正常なルートでない)に排出されたよう。
ウミやゼリー状物質を押し出しても、問題なくキレイに治ってしまうことも多いのですが、
無理に圧迫して、皮膚が裂けるような形でウミが排出された場合では、あとからヒキツレや、皮膚の窪みが生じて、見た目が悪くなったり、数年後などに逆さまつ毛の原因になったりすることがあります。
(特に圧迫をしなくても、勝手に皮膚から排出される場合もありますが、それは仕方ないかなと思います。)
皮膚が薄くなっているような症例では、無理に押しだすのではなく、手術でメスを使ってキレイな切開面を作った上で、内容物を出すのがいいようです。