師走で、何かと忙しいですよね・・・。
今日は何を書こうか迷っていると、なんだか、僕の右の下まぶたがピクピクしています。
これは、患者さんによく説明する眼瞼ミオキミア。
眼瞼ミオキミア
眼瞼(がんけん)は、まぶたのことです。まぶたの開け閉めは、自分の意思で行う事も可能ですが、普段は特に意識をしなくても目が乾かないようにと、瞬きを行う事が出来ますよね?
目が乾いてきたり、ゴミが入ったり、急に目になにかが近づいて来たりすると、脳へその信号が伝わり、目を閉じろ!という命令が折り返されて、目のまわりの皮下にある眼輪筋(がんりんきん)という筋肉が収縮して、勝手に目を閉じます。
一般的に、このような脳ミソを中心に起こる自然な瞬きの力よりは、自分の意思でまぶたを開けているぞ!という力(随意運動:ずいいうんどう)の方が強いため、目を開けていようと思えば、しばらくの間は目を開けっぱなしでいられます。
ところが何かの問題で、このような働きのバランスが崩れると、変に筋肉が収縮して、自分では開けていようと思っているのに、自分の意思に反して眼輪筋が収縮し、ピクピクとケイレンしてしまう事があります(不随意運動:ふずいいうんどう)。
このような、まぶたに起こるピクピクとしたケイレンを、眼瞼ミオキミアと呼びます。片側の下まぶたの外側で自覚することが多いようです。
ほとんどの原因は、ストレス、寝不足、眼精疲労、ドライアイなどが原因であり、若い子にも起こるので、年明け頃になると受験生がよく外来を受診します。(今日の僕はおそらく眼精疲労)
治療法としては、
しっかり休憩をとって、良く寝て、メガネの度数があっているか確認して、ドライアイがある人は点眼薬でコントロールして。このような対応で、だいたいは1日?2週間くらいで自然に治ってしまいます。
なるべく早く止めたい場合には、
ホットパックで目を温めて、血流の改善を促すのもよいでしょう。濡らしてから、かるく絞ったタオルを、電子レンジでチンして、温めたものを目に5分?10分くらいのせてみましょう。
それでも・・・、と言う人は、
少し安定剤のようなものを処方したり、あまりに辛いとか、長引く場合には、ボトックスといって眼輪筋を麻痺させる注射薬を使用することもあります。
眼瞼ミオキミアは基本的には良性の病気であまり心配はありません。ただし、非常にまれですが、脳腫瘍などが原因となっていることもあるので、上記の治療などを行っても治らない、悪化していく、何度も繰り返すなどの場合には、MRIなどの検査を行って良く調べてみる必要があります。
いろいろ書いているうちに、僕のミオキミアは止まったようです。