今日は白内障6件、結膜弛緩症1件。無事に終わっています。
夕方に緊急で来られた患者様が・・・。急性緑内障発作で眼圧が60以上。反対目は数十年前に失明しており、見えている方の目がほとんど見えなくなっています。
実はしばらく前から、「治療をしないと、いつか急性緑内障を起こして急に失明しますよ。」と、何度も勧めていたのに治療を拒否されていた患者様です。
そう説明すると、「もう年だから失明してもいい」とか「見えなくなったら死ぬから。」なんて反論する人が、残念ながらたくさんいるのですが、実際に見えなくなると、「どうにかして!」「やっぱりなおして!」と、結局来院されるのですよね・・・。困ります。
今日の患者様も、「失明は嫌だけど、今日入院するのも嫌」と、すぐにでも失明しそうな状態で、どうしていいのか・・・。結局、今日は無理やり入院して頂きました。
緑内障? 治療方法
緑内障の治療は眼圧を下げて視神経が押しつぶされることを止めよう。というものです。
眼圧は、目の中の房水(ぼうすい)が多いほど高く、少ないほど低くなります。
なので、実際に眼圧を下げるためには、
A:房水の産生量を減らす
B:房水が目から出ていく量を減らす
といったことが必要になります。
通常の具体的な治療方法としては、
?点眼薬(もっとも行われている治療です)
?レーザー治療(SLTレーザーや、虹彩光凝固術)
?緑内障手術
(虹彩切除、隅角形成術、線維柱帯切開術・切除術)
?飲み薬(短期間の治療に)
?白内障手術(閉塞隅角緑内障などに)
などがあります。また、続発性緑内障といって、別の病気が原因となる場合には、
元になる別の病気をコントロールすることが必要になります。
?原因疾患の治療
例えば、
・血管新生緑内障⇒抗VEGF薬の注射
・ぶどう膜炎⇒ステロイド薬による消炎
・ステロイド緑内障⇒ステロイド薬の中止
・水晶体による合併症⇒手術
・硝子体・前房出血によるもの⇒止血剤・手術
上記のように、治療法は個々の病態に応じてたくさんあるのですが、基本的には、簡単でリスクが少なく、手間が少なく続ける事が可能で、治療の経費が安いものから始めます。
緑内障の治療法は、患者様にとっては面倒で、お金もかかって、副作用の心配もして・・・。全て嫌なものだと思います。それでも失明には変えられません。
また、一つの治療を始めても、治療法との相性で、全く効果がないことなども良くあります。目標眼圧をしっかりと定めて、一つの治療を行っても無効だったり、十分に眼圧が下がらない場合には、治療法を変更したり、追加していく必要があります。
例えば、点眼薬を2種類つけでも駄目なら、3種類に。3種類つけても駄目ならレーザーを追加して。それでも駄目なら手術をしましょう。といった具合です。
個々の治療法に関しては、また別の機会に。
では、お休みなさい。
今日も最後まで呼んで頂いた方、ありがとうございました。