緑内障? 治療:目薬

今日は、
・白内障手術 15眼
・緑内障手術 3眼
・網膜硝子体手術 2眼
 (黄斑前膜1眼、ぶどう膜炎後の黄斑前膜・黄斑円孔1眼)
無事に終わっています。
件数の割に定時に終わりましたが、なんだか今日は目がショボショボします[:悲しい:]
ドライアイ?眼精疲労??自分の目は診察できないので、いい加減な診察ですが、ヒアレインという目薬をつけてみます。

緑内障? 治療:目薬
繰り返しになりますが、緑内障の治療は、眼圧を下げて視神経が押しつぶされることを止めること!
眼圧を下げるには、以下が必要になります。
A:房水の産生量を減らす
B:房水が排出量を増やす

点眼薬も各種類によって、AまたはB、もしくはA+Bの両方の作用があり、
結果として眼圧を下げ、病気の進行を遅らせることが期待できます。
(近年は、ある種の点眼薬には、目の血流を改善させて、視神経を丈夫にする可能性があるかも知れないと考えられていますが、まだ明確な治療法とはいえないレベルです。)

現在の日本では、緑内障の点眼薬というと、
プロスタグランジン関連薬、交感神経遮断薬、炭酸脱水酵素阻害薬などが主に使用されますが、他にも症例によって交感神経刺激薬、副交感神経刺激薬と呼ばれるものがあり、それぞれ効果や副作用が異なります。
さらに、たとえば、交感神経刺激薬はαブロッカーや、βブロッカー、αβブロッカーなどに分類され・・・・・、
さらに、各会社から別の種類の薬が開発され・・・、
さらにさらに、ジェネリック医薬品・後発医薬品という薬が・・・・。
ジェネリックについて⇒http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=122782

このブログは、一般の皆様が分かりやすい内容で!というのを目標にしていますので、個々の薬の専門的な特徴は省略させていただきます!

簡単に言うと、緑内障の薬は数え切れないほどあって、各医師が患者様に最適と思われる処方を行っているはず?です。
(よく何の点眼薬を使っていますか?と聞くと、オレンジの袋で・・・。なんていうお返事が多いのですが、袋がオレンジの点眼薬だけでも何十種類もあります。ご自分で使う薬は、できるだけ正式な名称を控えるようにしましょう。)

今回は、緑内障の患者様に守って頂きたい事を書いてみます!

?毎日、点眼薬を!
とにかく毎日つけてください!緑内障の治療は、目標眼圧を達成できるうち、通常は副作用・経済的・点眼回数など、できるだけ負担の少ないものから始めます。もし、ある一種の点眼薬を使用している人が、その後の検査で悪化した場合には、より低い目標眼圧を定めて、点眼薬を2種類に増やしていきます。
ここで問題なのは、
「今までの目薬では治療効果が不十分だったから」のか、
「その目薬で十分なはずなのに、つけ忘れが多かったから」
どちらの原因で悪化したのかは、誰にも分からない。ということです。
本当は一種類で十分なのに、悪化して、より強い治療となれば、その分負担は増えていきます。
そうは言っても忘れちゃう・・・。という方は、
今すぐ、目薬専用の目覚まし時計をセットしましょう!
携帯電話を持っている人も増えていますので、携帯のアラームを、朝起きるためではなく、たとえば夜20時に目薬をつけるために、セットしましょう!

?使用方法を守って!
点眼薬(目薬)については、以前のブログもご参照ください。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=122783
緑内障では、特に以下に注意しましょう。
・1回1滴で十分です。
 何滴つけても効果は変わらず、副作用が増えるだけです。
・2種類以上の目薬をつける場合は間隔をあけて。
 緑内障の目薬は10分以上あけて頂くのが望ましいです。
・開封後1ヶ月以上たったら、残っていても交換。
 特に夜に1回などと処方されているプロスタグランジン製剤は薬品として
 不安定であり、開封後1ヶ月以上たつと、効果が弱くなってしまいます。

?問題があれば、早めに医師に相談を!
他の点眼薬に比べて、緑内障の点眼薬は副作用だらけです。
充血、黒ずみ、目やに、ドライアイ、しみる、心臓や肺に影響する全身的な副作用も多々あります。それらの副作用があっても、失明とどっちがいいですか??という治療なのです。
そうはいっても、やはり個々の患者様との相性もあるので、「少ししみる。」くらいは別にして、「すごく痛い・メヤニが止まらない・呼吸が苦しい」など、辛いことがあった場合には電話でもいいので、すぐに医師に相談してください。
「目薬がしみて、辛かったから、勝手にやめて、通院もしなかった。」と、結局、見えなくなってから眼科に戻ってくる患者様が大勢いる病気です。
点眼薬との相性が悪いようであれば、副作用を打ち消す薬を追加したり、目薬を別の種類に変更したり、SLTレーザーや手術など、別の治療法を相談することだってできます。

?定期通院を!
一般的には、点眼薬の効果で目標眼圧を達成できるまでは、毎月の検査。
一番多いのは、2ヶ月に1回程度の検査。数年悪化していないような人は3ヶ月に1回などで、定期検査が必要です。
たまに、「目薬だけつけてればいいんだから、検査はしない。」なんていう人がいますが、そんなことありません。高血圧で毎朝1錠の薬を飲んでいた人が、薬が利きにくくなったり、病気が悪化した場合には、血圧が上がって朝晩2回薬を飲むようになったりします。
緑内障の点眼薬も、たとえば交感神経遮断薬などは、数年使用したりすると、効果がなくなってきてしまう場合が多々あります。眼圧はご自宅では測れませんので、せっかく病院に来るときには、きちんと眼圧を測定する必要があります。

緑内障・・・・。
まだまだ続きます・・・。
眼科手術専門といいつつ、手術の話題はまだ先になりそう・・・。

“緑内障? 治療:目薬” への2件の返信

  1. はじめまして。
    3週間前に緑内障が発覚した40代前半の者です。
    恥ずかしながら…
    泥酔してカラコンを入れたまま一晩寝てしまい、一応眼科で見てもらおうと思って行ってみたら緑内障が発覚しました。
    左目眼圧22、1/4弱の視野欠損
    右目眼圧19、視野欠損なしですが、視神経の薄い部分あり
    現在両眼共にキサラタンを点眼中です。
    点眼開始4日後の検査通院では両眼共に眼圧16まで下がったので少し安心しています。

    たとえ自覚症状がなくても、点眼治療や定期的な通院がとても大切なのかよくわかりました。
    突然始まった点眼は面倒ですが、毎日の儀式として頑張ります。
    目薬用の目覚まし時計を今日買いに行こうと思いました。
    携帯のアラームはしてますが、鞄の中に入れてたら音が聞こえにくいし
    サイレントに設定してたら鳴らないですもんね。
    今は発覚直後なのでキチンと点眼していますが、気が緩んでしまう時期がきっと来ると思うので…

    この病気になって、精神的にかなり落ち込みましたが
    まだ視野が広めの段階で見つかって良かったと思います。
    主治医には「怪我の功名」と言われました。
    カラコンの取り忘れがなかったらこのまま何年も放置してたのは確実なくらい、自覚症状は全くありません。

    お忙しいにも関わらず、わかりやすい記事を沢山書いていただいてありがとうございます。
    自分はネットとういう環境があって色々と知る事ができるのも良かったと思います。
    手術の記事は怖くて直視できないのですが…(苦笑
    これからの医学の進歩に期待しつつ
    まずは現状維持を最大の目標として頑張ります。

    長文失礼しました。

  2. 遅くなってしまって申し訳ありません。
    コメントありがとうございます。

    日常生活が不自由になってから眼科を受診しても、元に戻らない疾患なので、本当に怪我の功名というか、発見できて良かったと思います。

    病気になると、「何がいけなかったのだろう?」と、後悔したりすることが多いかと思いますが、緑内障のリスク因子ではっきりしているのは、遺伝傾向があるということのみです。(続発性の緑内障を除く)
    煙草も、お酒も、パソコンも、コンタクトも関係がありません。もともと生まれもった体質として、上手に付き合っていかないといけません。

    以前に比べて、人間ドックやコンタクトの検診などで、初期(自覚症状がない)の状態で、発見される症例が増えているようです。好ましいことですが、せっかく早くに発見・治療が始まっても、治療脱落者が多いことが緑内障治療で問題になります。
    痛くも痒くもなく、本人が視野が欠けていることを実感しない場合に、目薬を続ける・定期通院をする意義を疑問に感じてしまうのだと思います。

    初期で発見され、きちんと治療をする場合は失明を不安に思う必要はありません。マリエ様も治療の継続を頑張ってくださいね。

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