ぶどう膜炎? 自己免疫性疾患

昨日の超重症の糖尿病の方たちも、思ったよりキレイで安心しました。
ところが、「うつ伏せはしてないよ。」なんて自己申告の患者様が・・・。
失明するかどうかと何度も言っているのに・・・。またグチを言ってしまいそう。悲しい・・・。
そんなブログばかりではいけないので、
きちんと病気のことも。

ぶどう膜炎? 自己免疫性疾患
ぶどう膜とは、眼球内の重要な組織にあたりますが、今日はぶどう膜の説明の前に、病気の基本となる免疫や炎症という概念について書いてみたいと思います。

免疫・炎症とは?
例えば、風邪のウィルスが喉につくと、体は免疫という反応を起こし、喉の血流が増えて赤くなったり(充血)、腫れたり、熱を持ったり・分泌物が増えたり・痛みが出たりします。
このような現象を炎症と呼び、炎症を起こす働きが、免疫反応・免疫力(抵抗力)になります。、
本来、免疫力は体に侵入してきた細菌やウィルスなどの外敵から体を守るための正常な防衛反応で、なくてはならないものです。
細菌などの感染症以外でも、体は異物が入ると排除しようとするのですが、花粉に対して過度に免疫力が働いた場合がアレルギー(花粉症)になります。
また、何かの病気で臓器の移植をした場合で、拒絶反応という言葉を聞いたことがあるでしょうか?自分以外の臓器が入ってきたと体が認識してしまうと、免疫力が炎症を起こして、移植した臓器を排除しようとしてしまいます。骨髄移植を行うときに、HLAという遺伝子の検査などを行うのは、自分に対しては炎症・免疫が起こらないため、出来るだけの自分と似ている遺伝子の人を探して、拒絶反応が起こりにくくするためです。

他に、免疫反応以外でも、体にケガをしたり、ぶつけたりした場合に、ケガを治そう・回復しようとして血流が増え、赤くなったり、腫れたりする場合も炎症が起こります。

免疫の働きの多くは、血液の中の白血球という細胞が担当しています。
(血液の中には、大きく赤血球という酸素を運ぶ赤い粒と、白血球というバイキンをやっつけ、免疫を担当する白い粒、出血をした時に血を止める、血小板などがあります。)

自己免疫疾患とは?
自己免疫性疾患とは、なんらかの原因(ストレスや、遺伝、疲労など、多くは原因不明)をもとに、免疫力がウィルスなどの外敵ではなく、自分自身の組織を標的に攻撃をして、炎症が起こる病気で、よく難病と呼ばれます。

自己免疫性疾患として、有名な病気としては、リウマチがあります。
リウマチは、関節が腫れたり、痛んだりして、曲がっていってしまう病気ですが、決して関節にバイ菌が感染したわけでもなく、ケガでぶつけて腫れているわけでもありません。体の免疫力が何かの間違いで、関節を外敵と認識して、炎症を起こしてしまう病気です。明確な原因は分かっていません。
・関節を中心に炎症が起こる病気⇒リウマチ
・皮膚を中心に炎症が起こる病気⇒膠原病
・甲状腺(喉)を中心に炎症が起こる病気⇒バセドウ病
  
などとなり、どこに、炎症が起こるか、間違った免疫が働くかで、病状・病名が変わりますが、基本的には自分の組織に免疫力が働いてしまう病気で、体の様々な場所に起こりえます。

眼科では、
?ぶどう膜を中心に炎症が起こる病気⇒ぶどう膜炎
?黒目(角膜)を中心に炎症が起こる病気⇒角膜炎
?白目(白目)を中心に炎症が起こる病気⇒強膜炎
?視神経を中心に炎症が起こる病気⇒視神経炎

などの病気があります。

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