ぶどう膜炎? 再発と経過観察

落ち込んでもいられないし、またバリバリ仕事頑張ります!
きっと祖母もその方が。

今日の午後の手術は以下の通りです。
・翼状片手術 1件
・白内障手術 12件
・眼内レンズ補正(他院術後)1件
・網膜硝子体手術 5件
 (硝子体混濁1件、黄斑前膜2件、網膜中心静脈分枝閉塞症後の黄斑浮腫1件、増殖糖尿病網膜症・茎離断1件)
みなさん無事に終わりました。

さて、ぶどう膜炎の説明、一般的な内容としては最後です。
ぶどう膜炎? 再発と経過観察
ぶどう膜炎??で記載しましたが、多くのぶどう膜炎では、ステロイドによる治療が主体になります。ぶどう膜に起こってしまった炎症を、ステロイド剤で炎症を抑えて、病気を落ち着かせることが治療で、炎症を起こした原因をなくしてしまうわけではありません。
なので、ぶどう膜炎は治療によって「治った。なくなった。」っというものではなく、「落ち着いた。」という状態に持っていくことが目標です。
(リウマチや、膠原病、バセドウ病なども同じで、治す。というよりも、落ち着かせる。とう病気です。)

もちろん、一回の治療で落ち着いてしまい、その後は一生涯問題を起こさない症例も数多くあります。ただし、残念ながら、一度は治療で落ち着いても、再発を起こしてしまう症例も少なくはありません。

なので、昔から、どのようにすれば再発を少なくできるか?と、過去の先生方が英知を絞って研究してきたのです。
初期治療はこうするのが成績がいい。次の治療はこうするのがいい。
ぶどう膜炎の種類によって、患者さんの年齢や状態によって、実はやるべき治療というのは、かなりマニュアル化されており、現代の医学では多くの医師が同じ治療を行っているのです(そのはずです。もちろん、重症例などで治療法に悩む場合も稀にはありますが。)

初期治療で、目薬のみで対応するのか、飲み薬や、点滴(ステロイドパルス療法)を選ぶのか。病気によっても異なりますが、そのあたりは担当の医師の指示に従ってください。はじめは患者様も、「痛み、視力低下、充血」など症状がツライので、治療にも協力的で、ほとんどの場合では問題が起こりません。
問題になるのは、その後の治療なのです。
ほとんどのぶどう膜炎では、より濃度の薄い目薬に変更したり、回数を減らしたり。と、ゆっくりとステロイド剤を減量していくことが必要です。
軽いものでは、1?2ヶ月で治療を終える場合もありますが、重症な病態では、何年もかけて薬を減らしていく場合もあるのです。それが、再発をさせない・再発率を減らせることが分かっているからです。

残念ながら、少し症状が改善すると、「治ってしまった。」と、勘違いをされるのか、目薬をつけ忘れるようになってしまったり、通院を中断してしまう場合もあるのです。それで、結局、再発してしまい、さらに悪い状態になってしまう。そんな患者様を何度も何度もみてきました。
きちんと受診するように言っているつもりですが、僕の説明が足りなかったのかのかもしれませんね。でも、中断後に悪い状態になって戻ってくる患者様をみると、どうにも嫌な気持ちで・・・。

患者様にお願いです。
ぶどう膜炎は、きちんと治療しないと再発しうる病気です。自己判断で治療や通院を中断しないようにしましょう。
(当院は出来るだけ、通院回数などを減らすように努力しており、通院回数などは少ない方だと思いますよ。)

当院は、県内外からぶどう膜炎の紹介を受けており、ステロイドパルス療法や、免疫抑制剤が必要になるような重症の患者様も多数おられます。それでも、ステロイド注射や緑内障手術などの進歩もあり、これまで失明に至った患者様は誰一人おりません。まれに、ぶどう膜炎⇒失明と、過度に不安になられる方がおりますが、失明に至ることは殆どない時代になってきています。あまり不安にならずに、治療を継続して受けるように心がけましょう。

“ぶどう膜炎? 再発と経過観察” への11件の返信

  1. おはようございます
    面識もないのにコメント欄で質問してしまってすみません
    でもどうしても先生に話を聞いていただきたくてm(_ _;)m

    あの、彼氏とゆうか将来一緒になりたいと思ってる人が
    居るんですが、その彼が原因不明のぶどう膜炎になっていて
    もう5年くらい戦っています。
    まだ26歳の彼ですが緑内障も併発して
    失明しかけたこともあるみたいです。
    今のところ緑内障ゎ治ったようですが、
    私ゎぶどう膜炎が治ることが無いと聞いて不安で不安で仕方ないです。
    しかもここ1ヶ月くらいずっと目の調子が
    良くないみたいでフルメトロンとゆう点眼薬も
    あまり効果がないみたいで目の奥が痛く
    そこからくる頭痛にも1ヶ月くらいほぼ毎日悩ませれています。
    病院にまた連れて行きますが
    本人ゎ病院に行ってもまた同じ目薬もらうだけだからと
    言ってもうあまり期待をしていないようですが、
    先生のブログを拝見して点眼薬だけでゎ
    はんぶどう膜炎の人にゎあまり効果がないような気が
    私もしてきて今の病院にずっと通い続けて彼の症状が
    落ち着くのか不安になり、コメントをしてしまいました。
    いきなり長々とほんとに申し訳ありませんm(_ _)m
    お忙しいと思いますが、お返事いただけると嬉しいです

  2. もともとが汎ぶどう膜炎でも、現在は前眼部にのみ炎症が起こっているのであれば、フルメトロンなどの点眼薬による治療は妥当です。
    ただし、現時点でも眼球の奥の方に炎症が起こっているのであれば、内服薬や注射薬などの治療が必要になります。

    眼圧の上昇(続発性緑内障)は、ぶどう膜炎による炎症でも、治療としてのステロイド剤の副作用としても、起こりえます。
    しっかりと定期健診を続けるようにしてください。

  3. お返事ありがとうございますm(_ _)m

    ステロイド剤の副作用でも
    眼圧が上がるって知らなかったです。
    また質問になってしまうのですが、
    フルメトロンと一緒に眼圧を下げる薬を
    出して頂いた方がいいのでしょうか?

    点眼薬だけでゎ不安でしたが、
    先生の丁寧な説明がいただけて
    これからも同じ病院に通院してみようと思います。

    しっかりと定期検診を受けさせるように心掛けます!

  4. 眼圧を下げる薬が必要かどうかは、眼圧の値や、その人の病状によって異なります。
    薬の副作用やコストを、メリットと天秤にかける必要があります。

  5. 夜中にすみませんm(_ _;)m

    眼圧を下げる薬にも副作用があるんですね。
    どんな副作用があってどんなメリットがあるのか
    今通っている病院の先生とも
    よく相談して決めていきたいと思います。

    分かりやすく説明していただけて
    不安な気持ちが和らぎました。
    本当にありがとうございましたm(_ _)m

  6. 今中学2年です
    小学校5年生の時にベーチェットが原因でぶどう膜炎を発症しました。
    こいつのせいで目が見えなくて学校行事に参加できなかったり、通院のせいで友達とのクラス会とかにも参加できなかったことが何度もあってもう嫌です。
    どうにかできないですかね?
    ( 知らない人なのに無理言ってすいません)

  7. すみません。
    今の視力低下がどの程度なのか、何が原因で視力が下がっているのかが不明です。炎症に続発する白内障や瞳孔癒着が原因であれば手術により軽快が期待できます。
    血管炎や緑内障で、眼底・網膜などに障害があれば回復は困難です。

  8. 初めまして。先週に目に傷ができ、眼科に行ったのですが、その後すぐに目が真っ赤になり視界が悪くなったので4日後に再来院した結果ぶどう膜炎と言われました。
    その場で白目にステロイド注射を4か所されたのですが、あと3日は毎日注射が必要だと言われました。
    あの痛みをあと3回も。。
    点眼薬ではだめなのでしょうか。

    1. いろいろな先生がいらっしゃるので、各種方法があってあたりまえですが、
      当院では4ヶ所に注射とか、3日連続でとか、そういう治療は行った経験がありません。
      なんとも言えません。すみません。

  9. ぶどう膜炎と診断されて8年になります。これまでステロイドの内服、注射、点眼と治療してきて現在は点眼のみです。
    今まで左眼のみの症状でしたが、半年前より右眼も浮腫があると言われ、今は両目に点眼しています。点眼の種類としてはリンデロン、グラナテック、コソプト、キサラタンで、眼圧が高いとかは内服もしています。
    主治医からは、眼圧が高いため注射は難しい。白内障の症状もあるが浮腫が進行する可能性があるため白内障の手術も難しいと言われ、視力低下の症状は今は仕方ない(手の施しようがない)感じで言われます。どうしたら良いのでしょうか。

    1. 遅くなってすみません。
      ぶどう膜炎の確定診断は如何でしょうか?ベーチェット、原田、サルコイドーシスなど。(頑張って精査しても原因が特定できないケースもあります。)
      消炎の必要性と眼圧の推移によると思います。頂いたお話だけでは、何とも推測困難です。
      リンデロンを使用できているということは、本当にステロイドレスポンダーなのかというと、絶対的な確定診断ではないかと思います。(ぶどう膜炎でも眼圧は上昇します。)
      炎症が強ければ、ステロイド・トリアムシノロンの注射を行い、それで眼圧が上がるなら緑内障手術になるかと。
      炎症が軽微であれば、眼圧を優先させてステロイドを制限します。
      ステロイドが使用しにくい場合は、ヒュミュラ、ネオーラルなどの薬剤の併用で、ステロイドをある程度減らしていけますが、ヒュミュラなどは医療費の問題も生じます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です