老眼? 調節力障害

今日の午後は知り合いの先生のところへ見学へ行き、ちょっとお手伝いをさせて頂きました。いろいろ見学に行くと、参考になることが多々あります[:見る:]
明日は当院にも、見学の先生にいらして頂く予定です。お互いに刺激になればと思います。

さて、老眼の続きを。
老眼? 調節力障害
先日、遠くを見る状態が「目のリラックスした状態」で、そこから焦点(ピント)を近くに移動させるために、目の中の筋肉に力を入れて、水晶体を厚くして「頑張っている状態」にすることを、調節と呼ぶと記載しました。
http://blog.sannoudaiganka.jp/?eid=142016

老眼とは調節が上手に出来なくなる状態で、調節力障害とも言います。
近くを見る(焦点・ピントを近くに移動させる)ためには、水晶体を厚くする必要がありますが、まず、脳から「目の中の筋肉(毛様体筋)に力を入れろ!」と命令が下ります。次に、「筋肉が収縮」して、「筋肉と水晶体の橋渡しをしているチン氏帯が緩くなり」、「水晶体が厚くなる」という段取りが起こります。
加齢に伴って、
?目の中の筋肉(毛様体筋)・筋力が衰える
?水晶体自体が硬くなって、変形しにくくなる。

などが起こると、脳からは「水晶体を厚くして、ピントを近づけろ!」と、命令が来ても、上手に働くことができなくなってしまうのです。

老眼の症状は、
近くを見るときに、ピントが合わないために、「ボヤける」「かすむ」「疲れる」などが起こります。
遠くまで見える状態から、近くを見ようとすればするほど、水晶体を厚くする必要があるので、初めは、20cmなど、かなり近くのものが見えにくいと思うだけだったのが、老眼の進行とともに、30?40cmと少し離したものや、そのうち50cm以上離しても見えにくくなっていきます。
また、老眼の初期?中期では、日々症状が変動します。手足の筋肉だって、調子のいい日、悪い日ありますよね?早く走れる日、走れない日。読書後などで筋肉が疲れていたら、いつもより余計に見えにくくなる事もありますし、沢山寝て回復したあとには、いつもよりよく見える日もあります。そのうち、水晶体が全く変形しなくなれば、症状が固定して、常に見えにくさを感じるようになりますが。

*近視の人で「私は近くは見えるので、老眼ではない。老眼鏡は必要ない。」なんていう人がいますが、老眼とは、近くを見たり、遠くを見たりと、ピントを移動させる調節力が衰えることなので、近くが見えるから老眼ではない。と言うのは間違いです。近視の人が、遠くまでハッキリ見えるメガネをかけた状態で、近くの本が見えにくいのであれば、老眼です。遠近両用メガネを使っている人も、もちろん老眼です。

どこからを老眼というか?も、よく質問される事柄です。
30歳とか40歳でも、基本的に全員に調節力障害が始まっています。30代でも目の前10cmくらいに近づけた本を読み続けることは大変ですよね?子供は出来ちゃうんですけど。
では、実際にどの程度の障害から病名をつけるかというと、正確には決まっていません。
細かい字を長時間ハッキリと読めることができても、「私は疲れやすいから老眼鏡を使っています。」という人もいますが、
本を見る時に、目を細めて、本を離して。どんなに疲れても「私は老眼でない。」と言い張る人もいます。特に女性は、老眼とか老眼鏡という言葉自体が嫌いな人が多いようで、老眼を認めたくない。というケースが多いようです。(偏見ですみません。でも、実際に男性よりもかなり多いです。)
また、字かわずかにボヤけるのも許せない。なんていって、早くからメガネを欲しがる人もいますし、ちょっとくらいのカスミやボヤケは気にしない。なんていいう人もいるので、性格の影響も大きいのです。

老眼鏡をかけないと病気になるとか、余計に悪くなる。とかいうことはないので、僕は普段、「ご本人が必要だと思えば、老眼鏡を使用しましょう。」と説明するようにしています。

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