なんと、今日(日曜日)は入院患者さん0名、救急外来も0名でした。(夜大丈夫ならですが。)こんなことって、すごく久しぶり[:楽しい:]
とても、ゆっくりと過ごせました
今日はきちんと眼科の病気のことを書いてみようかな。
黄斑円孔(おうはんえんこう)
眼球はカメラにとてもよく似ていて、レンズ(水晶体)が光を通して屈折させたり、フィルム(網膜・眼底)が光を感じ取ったりする構造をしています。そのフィルムの中心部を黄斑(おうはん)と呼び、視野の中心部で、細かいものを良く見るといった役割があります。(⇒黄斑については以前のブログを。)
黄斑円孔(おうはんえんこう)は、その黄斑に丸い穴が開いてしまう病気です。
実際の写真で見るのが分かりやすいかな?
眼底写真と呼ばれる、目の奥・網膜の写真ですが緑矢印の先が黄斑です。この症例では、丸くリング状に、オレンジ色が濃くなっているのが分かるでしょうか?半透明の網膜に穴があいて、裏側にあるオレンジ色の脈絡膜の色がむき出しになるために、オレンジ色が強く見えます。
OCTと言って、網膜の断面図を撮影する検査を行うと、(⇒OCTについて、以前のブログ)
上が正常な断面図で、下が黄斑円孔の症例です。正常では黄斑は少し凹んだ形をしているのですが、下の図では、黄斑の部位(ピンク矢印)で網膜が断裂しているのが分かるでしょうか?
(今回の眼底写真は穴が大きめで、かなり分かりやすい症例を出したのですが、実は、写真をとったり、眼科医が診察するよりは、OCTで断面図を調べる方が、ずっと正確です。初期で治療をする事が重要な病気ですが、初期で穴が小さい場合に、OCTがないと病気を見逃してしまう事が多々あります。)
症状は病気の程度によりますが、物を見る中心部のフィルム(網膜)が障害されるため、中心暗点と言って、視野の真ん中が見えなくなって視力が低下したり、中心部の色が暗く見えたり、小さく見えたり、ゆがみを自覚したり(変視症;へんししょう)します。
日常生活では物を両眼で見ることが多いため、片方の目に異常があっても気が付きにくいものです。たまにでいいので、片方の目を手で隠して、カレンダーの文字がキチンと見えるか、チェックして頂くと早期発見につながります。
黄斑の病気では、ゆがみを自覚するものが多いのですが、アムスラーチャートといって、以下のような方眼紙を、片目のみで見る検査が有用です。
病気の場合には、下のように歪んで見えたり、部分的に見えない場所を自覚しやすくなります。何か異常を感じたら明日必ず受診しましょう!!(黄斑の病気は早期発見・早期治療が重要です。)