ヘルテル眼球突出計:眼球突出度測定

今日の午後は県外の眼科様、夜や緊急で県内の眼科様での硝子体手術に呼んで頂きました。結構遅くなったのでブログのお休みも考えましたが、診察室を見渡して、簡単に書けそうなネタを発見したので、ちょっと頑張ってみます。

ヘルテル眼球突出計
眼球突出度測定

病気じゃなくても、人相は人それぞれで、どちらかというと目が出ている方、逆に少し凹んでいる方(奥目の人)がいます。ある程度の個人差があってあたり前ですが、病気やケガが原因で、目が突出したり、陥没したりしているのを測定する時に役立つのが、ヘルテル眼球突出計です。


こんな形をしているのですが、両側の三角の部分に、鏡や目盛がついています。

拡大するとこんな感じ。

使い方のイメージですが、

両目の外側の骨に機械を押しあてて、矢印の方向から、鏡にうつった角膜(黒目)の頂点の目盛を測定します。


実際の測定ですが、緑矢印の部位が測定値となります。

眼球が凹む(陥没)病気というのははあまりなく、ケガで眼窩底骨折が起こった場合などに眼球が凹みます。
主に問題となるのは、眼球が突出する場合で、眼球のうしろ(眼窩内)に
感染症や腫瘍(癌)、炎症による腫れや、甲状腺の病気などで眼球が前方に押し出されることが原因となります。
(各病気の詳細は、おいおい記載していきます。)

教科書では、日本人の一般的な眼球突出度は14?16mm程度とされていますが、実際には、顔立ちは様々で個人差も大きく、10mmとか20mmとかでも全く問題ない場合(正常)も多々あります。
右目と左目の差が大きな人は少なく、一般的には左右差の正常値は2mm以内とされており、片方の目にのみ起こる病気があった場合には、とても役立つ検査です。
また、一回の測定で病気との関連が判定できない場合でも、経過とともに突出が大きくなってくる場合や、治療によって突出していた眼球が元に戻っていく場合など、眼球突出の程度が、時間とともにどう変化するかの観察にも役立ちます。

外来で「目が出てきている気がする」という訴えで受診をされる患者様がいらっしゃいますが、ご自宅にはヘルテル眼球突出計はありませんよね?
僕たち眼科医も、初対面の患者様の目が、病的に突出しているのかどうかを、いきなり判定するのは困難です。(ビックリするほど突出していれば別ですが。)
受診するときに、10年前の写真、5年前の写真、半年前など、以前の写真を一緒に持参頂けると、非常に助かります。特に、変化が大きく心配な人は、正面の写真だけでなく、頭の上側から写真を撮影したりすると、突出してきているのが分かりやすくなるのでお勧めです。
(僕も外来で、デジカメでカシャカシャと、遠慮なく皆さんを撮影していますが、診療に必要なためで、決してストーカーとかではありませんよ。)

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