加齢黄斑変性症? 変性とは?

昨日は知り合いの眼科の先生が、ご家族で遊びに来てくれました。
眼科のことや子育てなど、いろいろ話せてよかったです。また、遊んで下さいね[:おはな:]
今日の午後は、県内の開業医様で糖尿病網膜症や白内障の手術を10件くらい。
普段は医師としては1人での勤務なので、他の先生方との交流できる時間は、いろいろと参考になることが多く、楽しい時間の一つです。
僕の周りの先生たちは、「如何に沢山の患者さんを治したいか」「どうやったら上手く治療できるか」に積極的な方ばかりで、恵まれているな。と思います。
世の中には「外来が混んで嫌だなぁ」「できれば患者さんをみたくない」なんていう医師もいるのですが、そんなに嫌なら診なければいいのに。と思う事もあったりして・・・。

ちょっとブログの更新が滞っていますが、少しづつでも頑張ります。
加齢黄斑変性症? 変性とは?
黄斑とは網膜(フィルム)の中心部にあたり、視野の中心で細かいものを見分けるのに長けた部位です。
眼底写真でいうと、青矢印の先の少し色が濃い部分に当たります。

黄斑の詳細に関しては、以前にもブログを書いたことがあるので参照下さい。
⇒黄斑のブログ

加齢黄斑変性症は、加齢・黄斑・変性症の名前の通り、
加齢に伴って、黄斑に、変性が起こる病気です。

では、変性とは何でしょう?
変性とは「性質や状態が変化すること」です。

黄斑変性の説明をする時に、僕が外来で例えに上げるのが、皮膚の例です。
子供の皮膚はキレイですよね?「ツヤツヤして、張りがあって、きめ細やかで。」
子供の時にはキレイな皮膚ですが、残念ながら年齢(加齢)とともに、皮膚の状態にも変化が起こります。「カサカサしたり、ザラザラしたり、皮膚が薄くなったり、萎縮したり、シミが出来たり、シワがよったり、内出血が起こりやすくなったり。」
このような、加齢による皮膚の性質の変化、つまり変性は誰にでも起こることですが、同じような変化が網膜・黄斑にも起こるのです。

やはり網膜も、若い時にはツヤツヤして張りがあります。僕たちは眼底写真を1枚みれば、子供の写真なのか、成人の写真なのか、高齢者の写真なのかが簡単に分かります。
高齢の方の眼底写真は、網膜がザラザラした印象になったり、薄く萎縮したり、色抜けてがブチ・まだらなったり、老廃物がたまったり、シワがよったり。このような変化・変性は老化によって必ず起こります。それに伴って機能が低下するために、例えば100歳を超えて、網膜に全く異常がなく、視力も1.0以上という人はいらっしゃいません。

お肌の老化が避けられないように、加齢によって、網膜や黄斑に変性が起こること自体は、全員に起こる、避けられない事柄です。
ただし、肌も、どちらかというと、より若く見える人、老けて見える人がいますよね?同年代の平均的な状態と比べて、加齢・老化によって起こる網膜や黄斑の変化が、病的に強い場合には、加齢黄斑変性症。つまり、病気として扱われることになります。

少しだけザラついた感じとか、シミがある状態、老廃物が溜まった状態というのは、ある程度の年齢になれば、仕方のないことですが、
萎縮が強すぎて網膜が薄くなっている場合や、出血をして血が溜まってしまう場合などは、病的なものと考えて、加齢黄斑変性症とするのです。

明日も網膜剥離の緊急手術が控えているので、今日はこれでお終いに。
今日もお読み頂き、ありがとうございました。

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