ドライアイは目の表面が乾いてしまう病気ですが、目が乾く原因はとてもたくさんあります。
?涙が少ない
涙液は涙腺という組織で作られます。涙腺は小児期より発達し、報告にもよりますが、10代が最も産生量が多いピークになるようです。以後は涙腺の機能が徐々に低下していき、加齢と共に涙の量が減っていきますので、高齢の方ほど涙が乾くなどのトラブルが多くなります。
また、明確な原因は不明ですが、現代人の涙の量は減っているとの報告が多数あり、例えば20年前の人間に比べると、全体として涙の量が少なく、ドライアイの患者数が増えている傾向があります。(環境ホルモンなど、様々な原因が推測されていますが、はっきりとは分かっていません。)
他にはシェ―グレン症候群という、涙や唾液が少なくなってしまう特殊な病気などが原因となることもあります。
?涙の蒸発が早い
以前と同じように涙が出ていても、涙の蒸発が早ければ、表面が乾いてしまいます。
・環境:冬の乾いた風や、夏場でもエアコンなどの湿度の低い風が、直接目に当たれば乾燥が速まります。
・まばたきが少ない:読書やパソコンなどに集中をすると、普段数秒に1回行っているまばたきの回数が少なくなります。目をあいている時間が長く、涙液で潤すためのまばたきが少なくなれば、表面が乾きます。
・コンタクトレンズ:ムチン呼ばれる保水力の高い粘液層によって覆われている角膜に比べると、コンタクトレンズは保水力が弱く涙の蒸発が早くなってしまいます。(最近はよいコンタクトレンズの開発が進んできていますが)
・油層の異常:まつ毛の生え際付近に存在する、マイボーム腺からでる油によって、涙の最も表面側は油層という膜でおおわれています。加齢や、眼瞼炎、まばたきの不全などで、この油の分泌が悪い場合には、涙の液体成分が露出し蒸発が早くなります。
・角膜の傷:ドライアイで傷ができると、角膜の表面にざらざらと凹凸が出来たり、ムチン層が少なくなるために、保水力が低下し蒸発が早くなるなど悪循環に陥ることがあります。
・結膜炎:花粉症や、バイ菌による結膜炎などでも、ムチンの分泌が低下し、保水力が低下するために蒸発が早くなります。
?まぶたや、まばたきの問題
ケガや火傷などによって、まぶたが変形して、きちんと目を閉じられない場合や、一般の方でも寝ているときに薄目があいてしまう方がいらっしゃいますが、目をを閉じたときに、目の表面がきちんと覆われない場合は、露出した部分の角膜(主に下の方)が乾燥し、傷となってしまう場合があります。
?涙が有効に使えない
まばたきによって、角膜の表面に均一な涙の膜ができることが理想ですが、加齢や火傷などでまぶたに変形や凹凸が生まれると、目の表面に潤う場所と、うまく潤わない場所ができ、潤わない場所には傷が出来てしまいます。
また、結膜弛緩症といって、白目の表面の粘膜に加齢によってシワやタルミが出来てしまう病気などでも、涙の流れが悪くなったり、表面の均一な涙液の形成が悪くなるなどして、ドライアイ症状が出ることがあります。
以上が、大まかな原因となりますが、他にも細かい原因はたくさんあります。また、なにか一つが原因となっている症例よりも、たくさんの原因があって、複合的に症状が出ているケースのほうが多数あります。
例えば、涙も少ないが、コンタクトレンズも付けているなど。
白内障手術 硝子体手術 眼科手術専門 山王台病院 附属 眼科内科クリニック
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